NY植物園で特別展 「ゴッホの花」

 ブロンクスにあるニューヨーク植物園(NYBG:2900 Southern Boulevard)では「ヴァン・ゴッホの花」と題した特別展を開催している。園内のガーデンをキャンバスに見立て、色彩豊かなゴッホの作品をテーマに制作された大規模アート、ひまわりのモニュメント、フラワーデコレーション等が展示されている。10月26日まで。

 また、金曜と土曜の午後7時30分から10時までは、ニューヨークの文化施設では初の試みとなるドローンショー「スターリー・ナイト」が行われる。ゴッホの代表作『星降る夜』をテーマにした10分間のイルミネーションショーと、ゴッホが足繁く通ったパリのビストロを彷彿とさせる生演奏とパフォーマーたちの演奏に耳を傾けながら、カクテルや軽食が楽しめる。チケット・詳細は公式サイトhttps://www.nybg.org/を参照する。

編集後記

編集後記

   みなさん、こんにちは。アメリカで生活していると、特にニューヨークの場合は物価が高いことに閉口する。外食も高いし、家賃も高い。何が安いのか考えたら自分の給料くらいしか思いつかない。まだ給料という定期的な収入が実質はどうあれもらえる規定の中で生活している分にはまだ恵まれている方だろう。外食は特にお寿司屋さんなんかはもう、例えば家族4人で食べに行けるような店はNY市内にはほとんどない。どこもかしこも「おまかせ」という右習えの名称で勝手に一人300ドルだの400ドルだの、一体どこの誰がそんな値段で食べるのかと思いきや、NYはやはり富裕層が多いので、そういう人を相手にいくらでも商売が成り立つ街らしい。逆に家賃が高いので、そういう商売でないとやっていけないのだろう。NY市の賃貸住宅は、市の消費者労働者保護局が家主が依頼した仲介手数料を借りる側に請求することを阻止する賃貸料公正法を今月11日に施行した。これまでは、アパートを借りる時に、借りる側が、年間家賃の12%を不動産会社に払っていたのを、これからは家主側に請求することになる。確かに依頼していない人が手数料を払うという不可思議な慣例がこれまでまかり通っていたのは理不尽そのものだが、家主の方も黙ってはいない。手数料を取られるなら家賃を上げると早速対抗手段にでているから、結局、高くてどうしようもない家賃がまた上がる流れになっている。株は売らなければ損をしないが、不動産は売らないと儲けがでなくて不動産税と維持費ばかりが嵩んでいく。日本はお米が高騰して米騒動になっているが、ニューヨークのインフレはもはや貧乏人は暮らしていけないレベルだ。パンデミック前に1ドル50セントだった屋台のホットドックがは今や6ドルが相場。屋台のチキン・オーバーライスは以前は7ドルだったのが今は15ドルが相場。「高いですね〜チキン・オーバーライス40ドルですよ」と驚いていた日本から来たタレントさんは、まあ彼の場合は足下を見られてぼられたのだとしても庶民の生活はどんどん厳しくなるばかり。ニューヨーク、マンハッタンに住んでいる人はもはや庶民ではなのだろう。週刊NY生活はアメリカで生活する庶民の目線でとりあえず引き続きやって行きたいと思います。それでは、みなさんよい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一) 

【今週の紙面の主なニュース】(2025年6月21日号)

(1)王様はいらない 全米で抗議デモ

(2)使うことのできる木彫り芸術  松田卓士さん

(3)名画を守るMoMAのヒーロー

(4)週刊やさしいにほんご生活

(5)ご出産おめでとうございます 小室さん「ありがとうございます」

(6)NY日系代表団 NY州都を訪問

(7)営業時間外の多店舗を活用 ASANO CAFE

(8)DEEPなQUEENS  ブロード・チャネル地区

(9)米国でソプラノ歌手として大活躍  服部愛生さん

(10)バレリーナの復讐 シネマ映写室

王様はいらない 全米で抗議デモ

米国の分断深まる

 14日トランプ米政権による陸軍創設250年を記念する軍事パレードが首都ワシントンで行われた。お祝いムードの一方、全米各地では「ノー・キングス(王様はいらない)」と題する大規模な抗議デモが行われ、「米国は軍事独裁国家ではない」などと訴えた。スローガンの由来は、今年2月、ニューヨーク市で1月から導入された「渋滞税」の承認を取り消したと発表した際に、自身のSNSトゥルース・ソーシャルに「渋滞税は死んだ。マンハッタンとニューヨークすべてが救われた。王様万歳!」と投稿し、ホワイトハウスもニューヨークの摩天楼を背景に王冠をかぶるトランプ氏のイラストを投稿したことからきている。

 主催者側によれば、全米2100カ所で5百万人以上が参加、トランプ大統領が今年1月に再選されて以来、最大規模の抗議行動となった。ニューヨーク市ではおよそ5万人が、また不法移民取り締まりへの抗議行動が続いているロサンゼルス市では3万人が参加した。 


NYでデモ参加者86人拘束
連続の抗議集会で警備強化

五番街の抗議集会の周りで警備態勢を取る警察隊(写真・三浦良一)

 今月10日には、ニューヨーク市ダウンタウン市庁舎街の連邦合同庁舎ビル前で移民・関税執行局(ICE)の強制逮捕に抗議するデモ活動が夜遅くまで続き、この日だけで警察に抵抗した市民86人が手錠をかけられて連行された。そのうち52人が刑事裁判の召喚状を交付され、34人は暴行や公務執行妨害などの容疑で起訴された。同日午後5時ごろ、フォリー・スクエアには数千人が集まり、トランプ政権の移民政策に反対するニューヨーク市民の2日連続の集会が始まった。マスクや顔覆いを着用したデモ参加者は、手にはプラカードを持ち、怒りの声を上げながら集まりICEが撤退するよう要求した。

 ブルックリン選出の市議会議員アレクサ・アビレス氏は、群衆に向かって「立ち上がれ。隣人と共に立ち上がり組織化して闘う必要がある」と呼びかけた。市民たちが「誘拐」と抗議するICEの取り締まり行為

により依然として拘束されている市民の解放を要求して一部が警察官と衝突。参加者は手錠をかけられたまま引きずり出された。デモ参加者が物を投げ始めたため、警察隊はペッパースプレーで応酬し、デモ参加者を鎮圧した。14日の抗議デモ集会でもNYPD警察官が動員されたが、この日は大きな混乱は見られなかった。    

米陸軍が軍事パレード
34年ぶり、大統領誕生日と重なる

Photo:U.S. Army Soldiers participate in the Army’s 250th Birthday Parade in Washington, D.C., June 14, 2025. M1 Abrams battle tanks.WIKIPEDIA

 ワシントンでの軍事パレード開催は1991年6月にジョージ・H・W・ブッシュ大統領(当時)が開催した湾岸戦争勝利のパレード以来で34年振りだった。

 米陸軍は1775年6月14日、米国独立戦争のため英国軍に対抗するため作られた大陸軍が起源。パレードは、独立戦争から始まり、主要な紛争も含めた250年にわたる陸軍の戦争の歴史が紹介される形を取った。兵士約6700人がマーチングバンドと共にそれぞれの戦争当時の軍服を着て行進。また軍事力を誇示するかのように、米国が誇る戦車M1A1エイブラムスなど数十台の戦車や歩兵戦闘車ブラッドレー、装甲車ストライカー、榴弾(りゅうだん)砲などの最新の軍用車両数十台が行進。このほか最新鋭のドローン、さらに戦闘機50機などが披露された。

 税金無駄使いの批判も

 トランプ大統領は「他の国々は勝利を祝っている。米国もそろそろ祝うべき時だ」と述べて、意義を強調していた。トランプ氏は陸軍創設記念日生まれで、79歳の誕生日と重なったことからパレード会場で盛大な歓迎を受けた。国家元首に対する21発の礼砲が始まると大勢の観客が「ハッピーバースデー」と歌い始め、予定はされていなかったが一時、誕生会のようになった。トランプ氏は「最も偉大で、最も激しく、最も勇敢な戦闘部隊」と陸軍を称賛、立ち上がって敬礼し、パレードを見守った。

 費用は、陸軍によると2500万ドル(約36億円)以上で、戦車などによる道路損壊に対する補修費1600万ドル(約23億円)を含めると最大で4500万ドル(約65億円)ほどになるとされる。このため市民の間だけでなく連邦議会でも税金の無駄使いとの声があった。パレード開始前の14日未明、ミネソタ州ではメリッサ・ホートマン下院議員とその夫が銃撃され死亡する事件起きた。ジョン・ホフマン上院議員と妻も自宅で銃撃され、負傷した。ホートマン下院議員とホフマン上院議員はミネソタ民主農民労働党に所属している。逮捕されたバンス・ボールター容疑者(57)の車からは約70人の標的リストが見つかった。ミネソタ州のウォルズ知事は記者会見で「政治的動機による暗殺とみられる」との見方を示した。

使うことのできる木彫り芸術を追求  松田卓士さん

 ニューヨーク州在住の木工作家、松田卓士さん(53)の作品は、使うことのできる木彫芸術であると同時に存在そのものがアートだ。現在、マンハッタンの高級額縁店ミナガワ・アートラインズ木工所の管理者として勤務しながら、自身のアップステートにある木工所「卓庵NY」を主宰している。「卓」の意味は卓越を意味し、「庵」は部屋、小さなスペースを意味している。ここで吟味された素材で造られた木工芸品の制作に励んでいる。

 素材はニューヨークもしくはニュージャージーの物で、ローカルの製材所(saw mill) から購入している。なぜローカルにこだわり、ランバーヤードではなくソウミルなのか。殆どの材木は輸送の際に殺虫剤等を散布されるが、ローカルのソウミルから購入する事で、それをさける事が出来る。更にソウミルにもこだわり、年に春と秋に伐採しきちんと乾燥させたもの、もしくは自然乾燥させた物のみを扱っているところから購入している。

 黒胡桃の根材 ボール(ブラックウォールナット)=写真=は自然乾燥で30年程立っている。木目や成りを目で楽しめる角度で斬新にデザインした作品だ。

 松田さんは、ブルックリンのプラット・インスティチュートを彫刻専攻で卒業。「日本を離れてから強く日本や日本人としての自分の文化的背景を意識するようになった」という。彫刻から木工アートに転向するきっかけとなったのはイサム・ノグチと1950年代から一緒に仕事をしていた児玉という彫刻家であり木工職人との出会いだった。自然素材の扱い方を多く学んだ。さらに、一時帰国した後年、日本で全国的に評価されている木工職人の藤崎一正と出会ったことで、日本の「禅」の思想が宿る木工に感銘を受けた。それが現在の作風にも受け継がれている。「素材を選ぶときは、その感触や性格を見るようにしています。それはまるで人の個性を感じ取るかのようです」と話す。

  松田さんは、当初日本的なイメージを大切に作品を作っていたが、アメリカでの生活が長くなるにつれて、パーティーの多いアメリカのライフスタイルに合わせるためにはサイズ感やデザイン感を新しくしないといけないと思うようになったという。手頃な価格で親しんでもらえるようなトレイや器も手がけている。アートと工芸品との境目のない木工作品をこれからも作り続けていくという。

(三浦良一記者、写真は本人提供)

名画を守るMoMAのヒーロー ニューヨークの魔法

 日本の人気特別展の比ではないものの、その日のニューヨーク近代美術館(MoMA=Museum of Modern Art)は、かなり混雑していた。この日は閉館時間がいつもより三時間遅く、午後四時から八時まで無料で入館できるからだ。

 一番人気のゴッホの「星月夜」はガラス板に覆われている。が、他のほとんどの絵画や彫刻などはむき出しで、その前にロープも張られていない。ピカソやルソー、ダリ、ミロ、モネ、セザンヌなどの珠玉の名画を、悪意があれば瞬時で傷つけることができるわけだから、警備員は目が離せない。

 カメラのフラッシュがたかれると、四十代ほどの小太りの白人の男性警備員が、すぐに反応して辺りを見回した。が、そのまま留まった。

 ここはフラッシュをたいてはいけないんでしょう、と私がその警備員に声をかける。

 そうです。でも、すぐに手を下ろしたから、見失いました。僕は怒鳴るわけにはいかないんです。わざわざ、ありがとう。楽しんで観ていってください。

 彼は手を挙げて、私にそう言葉をかけた。

 部屋を出るとき、再び彼の姿を見かけた。

 警備員はいつも同じ部屋を担当しているのだろうか。それとも、日によって違うのだろうか。人の波が引いた隙に、彼に聞いてみる。

 彼は突然、右手を挙げて敬礼し、それは機密事項でお答えするわけにはまいりません、と真剣な顔で言い、笑った。

 僕が答えていいかどうか、わからないなあ。そんな質問されたこと、今までないもの。

 別にいいの。ふと思っただけだから。同じ絵ばかり見ていたら、飽きないのかなって。

 I never get bored. I’m always on my toes.

 僕が退屈するなんて、あり得ませんよ。いつも気を抜いていませんから。

 on my toes というのは、かかとを浮かせてつま先立ちをし、いつでも素早く動けるような姿勢でいる、ということだ。

 それから、ボクシングでもするように、両方の拳を前に突き出して、こう付け加えた。

 I’m eager to protect the artwork.

 芸術作品を守ることに、燃えているんですから。

 無表情で観客と作品を凝視している警備員が多いなかで、たしかに彼の姿はひときわ目を引いた。使命を果たそうと、まさにつま先立ちでスタンバイし、気になる人を見かけると、すぐに足早に近づいていく。フットワークが驚くほど軽い。

 そして、観客に対する物腰が柔らかい。リュックを背負った人には、前に掛けるように。ペットボトルの水を手にしている人には、しまうように。作品に近寄り過ぎている人には、離れるように。居丈高な物言いをせず、丁寧に説明する。

 指示に従った相手には、I appreciate it.(感謝します)、Thank you.(ありがとうございます)と感謝の意を伝える。英語が通じないフランス人らしき相手には、フランス語で礼を言っている。

 彼の一挙手一投足に私は釘づけになり、美術館が誇る数々の名品は、しばし彼の背景と化してしまった。

 このエッセイは、「ニューヨークの魔法」シリーズ第3弾『ニューヨークの魔法のことば』に収録されています。

https://www.amazon.co.jp/dp/4167717220

週刊やさしいにほんご生活 日本の浴衣のマナー 雨降って地固まる 

この連載は、日本語を勉強している人を読者対象としたコーナーです。日本文化やマナー、タイムリーな日本に関する話題などを簡単な日本語で毎月第3週号に掲載します。アメリカ人の友人などにご案内ください。また、漢字をまだ習っていないお子様にとっても社会を知り、漢字に接するよい機会になります。

日本の浴衣のマナー

 浴衣は、夏に着る木綿の生地でできたカジュアルな着物です。夏祭りや花火大会などでよく見られます。最近日本ではお洒落としても人気が再燃しています。浴衣を着るときは、マナーが大切です。歩幅を小さめにしてゆっくり歩きましょう。座るときは、すそが広がらないように手でおさえます。下駄をはくときは、大きな音をたてず静かに歩くと上品です。うちわや扇子で風をおこしたり、ハンカチで汗を拭くと涼しげで見た目も美しくなります。帯の形や色、持ち物には男女で違いがありますが、気づかいと丁寧な動きは、どちらも同じです。

(長久保美奈、マナー講師)

わくわくことわざ(10)
文とイラスト 平田恵子

雨降って地固まる 


 もめごと、悪いことがあった後では、かえって物事がうまくいくという意味。地は地面のことです。雨が降れば一時的に地面がぬかるみますが、その後はしっかりと固くなります。雨をもめごとなどの難題、地面を人間関係や環境に例えたことわざです。誰かと大喧嘩や激論で落ち込んでいる人に「大丈夫、理解が深まることもあるよ」などの場面で使えます。なお、日本は、6月から約1か月にわたって梅雨という雨季を迎えますが、雨は田植え後の稲の成長を促す天の恵みでもあります。


《言葉の意味(ことばのいみ)》

・浴衣(ゆかた):yukata (light summer kimono)

・着物(きもの):kimono (traditional Japanese clothing)

・下駄(げた):geta (wooden sandals)

・上品(じょうひん):elegant, refined

・扇子(せんす):folding fan

・帯(おび):obi (sash)

・地面がぬかるむ the ground is muddy

・人間関係  relationships

・梅雨  rainy season (the origin is rainy season is starting when plums are ripening)

・田植え rice planting

・「雨降って地固まる」と同じ意味の英語のことわざ after rain comes fair weather.

ご出産おめでとうございます 小室さん「ありがとうございます」

 今年も日米のビジネス界、外交界、スポーツ界、コミュニティー団体から多士済々の参加者が集まったジャパン・ソサエティーの年次晩餐会。一般参加費1席5000ドルというのはかなりの高額。10人がけテーブルを1つ購入するのは、ガラチェアと呼ばれるステージに一番近い場所で1テーブルが10万ドル。一番安いテーブルでも1万2500ドル。これを高いとみるか妥当とみるかは参加する企業や団体の規模やステイタスで異なるのは確かだが、当日は700人が参加したというからジャパン・ソサエティーの晩餐会の敷居の高さがうかがわれる。

 それだけに、ディナーが始まる前のカクテルレセプションは、普段はなかなか会うことのできない人たち同士のお互いの絶好のネットワーキングの機会となる。その中にはニューヨーク弁護士で秋篠宮家の長女、眞子さんの夫、小室圭さんの姿もあった。小室夫妻には先ごろ第一子が誕生(本紙6月7日号既報)したことから、当日は、参加者から次々と祝福の言葉がかけられていた。

 「おめでとうございます」と本紙記者が声をかけると「ありがとうございます」と笑顔で答える小室さん。「よかったですね」「はい、どうもありがとうございます。よろしかったらお名刺を交換させていただけませんか」と小室さんから名刺を差し出したので本紙記者と名刺交換。「お嬢様ですか、おぼっちゃまですか」との質問に「ああ、それは本人のことなのですみません」と少し慌てた様子で明言を避けた。「本人」とは眞子さんのことなのか、生まれた本人のことなのかよく分からないまま会話は終わったが、その後もテーブルに着席するまで次から次へとお祝いの挨拶をする来場者と会話する姿が見られた=写真上(700人が集まる大ボウルルームで開催されたジャパン・ソサエティーの年次晩餐会(12日、シェラトン・タイムズスクエアで))=。

華麗なる晩さん会
ジャパン・ソサエティーに700人

 ジャパン・ソサエティー(ジョシュア・W・ウォーカー理事長)は12日、シェラトン・ニューヨーク・タイムズスクエアホテルで2025年度年次晩餐会を開催した。約700人のビジネス界と外交界、スポーツ界、日米コミュニティー団体のリーダーが参加した。今年のプログラムでは、米国と日本のビジネス界のシニアエグゼクティブによる基調対談に加え、野球を通じて両国の文化と外交交流の豊かな歴史を特集し、150年を超える共有の歴史を強調する特別企画となった。

対談形式で基調講演を行う澤田氏(中央)、モデレーターのピータソン氏(左) ゴッケラー氏(右) 写真:Alan Klein

 基調講演はデビッド・ゴッケラー・サンディスク・コーポレーション会長兼CEO、米日ビジネス協議会会長、半導体産業協会会長と日米ビジネス協議会会長、経団連(日本経済団体連合会)副会長、京都哲学研究所共同会長を歴任する日本電信電話株式会社NTT取締役会長の澤田純氏。澤田氏は昨年、英国のチャールズ3世国王陛下より名誉大英勲章OBEを授与されている。

 モデレーターはダグラス・L・ピーターソンS&Pグローバル・シニアアドバイザー、元社長兼CEOが務めた。本年の日本協会賞はカート・A・ジッター博士に授与された。

アワードを受けたジッター博士を囲んでVIPの記念撮影

NY日系代表団 NY州都を訪問

アジア太平洋諸国系月間

祝賀レセプション開催

 NY州下院議員と会議場で意見交換

 ニューヨーク州の州都オルバニーで9日、日系コミュニティ代表団がNY州議会議事堂内の下院本会議場を訪問した後、NY州下院議員と意見交換を行った。また、同日夕刻には、森美樹夫在ニューヨーク日本国総領事館総領事・大使がラリー・エヴァンス在オルバニー日本国名誉領事及びロン・キムNY州下院議員(選挙区:クイーンズ)と共に、アジア太平洋島諸国系米国人(AAPI: Asian American and Pacific Islander)ヘリテージ月間を祝賀するレセプションを開催した。

(写真上)ヒースティー下院議長と日系コミュニティ代表団

 AAPI祝賀レセプションには州議会議員、州政府関係者、日系企業、文化団体、日本研究者を始めとする有識者ら総勢約70人が参加した。森大使から日系コミュニティ代表団を一人一人紹介しつつ、日系コミュニティのNY州における経済的文化的貢献をアピールし、エヴァンス名誉領事からは州議会議員による日本理解の深化など引き続き関係強化に貢献していきたいと述べた。

議事堂で紹介される日系コミュニティ代表団

フレッド・コレマツ・デー
制定法案NY州議会採択へ向け重要性を現地でアピール

 キム議員から佐藤JAA会長及び河手JCCI会頭に両団体の貢献を称えるプロクラメーションが授与され、グレース・リー下院議員(選挙区:マンハッタン)は日系人の公民権運動を称える「フレッド・コレマツ・デー」制定法案のスポンサーとして、AAPIコミュニティの課題解決や発展に一層取り組んでいきたいと発言。またウォルター・モズリー州務長官はNY州としてAAPIコミュニティが抱える課題解決を重視して取り組んでいること、ジョン・リュウ州上院議員(選挙区:クイーンズ。NY州初のアジア系NY市議会議員として2001年に当選)は出自に関係なくアジア系コミュニティが一丸となってヘイトクライムなどの課題に取り組む事が重要と訴えた。佐藤JAA会長及び河手JCCI会頭から活動について紹介、佐藤会長とフルモトJAA理事から「フレッド・コレマツ・デー」制定法案をNY州議会で採択することの重要性をアピールした。当日は会場で日本酒8種類と焼酎3種類のテイスティングを実施するなど日本文化の発信も行った。

レセプション会場で歓談する日米参加者たち

 日系コミュニティ代表団は、森美樹夫NY総領事・大使、佐藤貢司JAA会長、タケシ・フルモトJAA理事、フレッド・カタヤマ米日カウンシル副会長、河手哲雄JCCI会頭、川野浩史JCCI副会頭・ジャパン・ソサエティー副会長、前田正明JCCI事務局長、ブラッドリー・エドミスター・ジャパン・ソサエティー理事、三浦聡ジェトロNY事務所長、松本進JNTO所長。

営業時間外の多店舗を活用 ASANO CAFE

 マンハッタンのアッパーイーストサイドに9日、ユニークなコンセプトのカフェがオープンした。その名前はASANO CAFE (朝のカフェ)。店先にかかった神社の鳥居を思わせる朱色の暖簾が目印だ。

 営業時間は平日の午前7時30分から午後2時30分の昼間。ロケーションの良いレストランの営業時間外の朝の店舗を借りて営業するカフェだ。

 カフェの売り上げをシェアすることで、テナントは家賃なしで店舗を使え、レストランは、閉店時間帯からも利益を生み出すことができる。そして利用するお客さんは、日頃夜に行きつけている馴染みのレストランで、マンゴー抹茶ラテやコーヒー、黒胡麻とココナツのクロワッサンなどを静かに楽しめる。この「一石3鳥」のビジネスモデルを考えついたのは、ケイト・カネコさん=写真=という父親が日本人、母親が米国人の日系2世の女性だ。

 彼女は、プリンストン大学を卒業後、コンサルティング会社に入り、そこで修行を重ね、そのあとハーバードビジネススクールに通い、ニューヨークだけでなくロンドン、日本、西海岸、ワシントンDCでさまざまな経験を積み、今回 新しいコンセプトのビジネスをスタートした。

 「日本人のもったいないという考え方がこのビジネスの背景にあります。素敵なレストランなのに朝は空っぽでもったいないなと思ったんです」と話す。彼女のスタッフがそこでカフェを経営する。賑やかな夜とは趣を変えた静かな店内では、シェアオフィスのようにインターネットを使って仕事をするお客さんもいる。レストランとの契約は半年ごとに場所を変えるという。今回のロケーションは、イタリアレストランのSANDOS(サンドス、東86丁目322番地)で地下鉄Qライン86丁目駅下車徒歩0分。詳細はasanocafe.com


ASANO CAFE

(at SANDOS)

322 E86th St.

(Bet 1st & 2nd Aves)

New York, NY 10028

 asanocafe.com

DEEPなQUEENS  ブロード・チャネル地区

 ブロード・チャネル地区はジャマイカ湾で唯一人が住む島で、居住地と自然保護地区から成ります。島の南部にある居住地はおよそ長さ20ブロック、幅4ブロックの広さ。水辺に接している家々は高床、裏庭ではなくボート寄せがあり、湿地に架かる歩道橋で繋がる家も少なからずあり、NY市のベニスとも呼ばれます。 

 2010年の国勢調査では78・3%が白人、 7・5%がアフリカ系、 2・1% がアジア系。約3000人の住民は公務員または緊急作業員が多く、2015年の資料によると、34〜40歳成人の居住定着率は47%とNY市で最も高い地区の一つ。キンダーから8年生までの学校や図書館、そして数軒の店舗やパブ・レストランもあり、ゆっくりとした時間が流れている感じのする場所です。

 また、島の大半を占めるジャマイカ湾野生動物保護区は、国立公園局が管理し、約9000エーカーに海水湿地帯が広がり、淡水の池も2つあります。ここでは、過去25年の間に米国北東部で観察できる渡り鳥のほぼ半数の332種類が確認され、最も重要な鳥類保護区の一つ。また、ここに生息する鳥も含め、NY市で野鳥観察をするのに最適な場所との事。ビジターセンターもあり、自然散策もたっぷり楽しめます。

 ただ、島は洪水など自然災害を受けやすく、特に2012年のハリケーン・サンディーの被害は甚大だったとの事。また、近年、気候温暖化の影響により湿地の浸食、海面上昇などの問題もあるそうです。

 アクセスは、ジャマイカ湾を縦断する道路も地下鉄も島の中央を南北に走っていますので容易。特に地下鉄 A線のハワード・ビーチ・JFK空港駅とBroad Channel駅間は、巨大空港を湾側から望め、湾を縦断する地下鉄の車窓からはわくわくする景色が楽しめ、さらには島から遥か彼方にマンハッタンのスカイラインも望めます。 

 プロフィール 明石鯛 兵庫県明石市出身、ウエストチェスター在住。週末、街歩きグループと共に、未知なるNY市内を元気に探索中。ブログ「見タイ知りタイ!行った気になる歴史と散策」を主宰 https://kkykm-m.com/

米国でソプラノ歌手として大活躍  服部愛生さん

 ニューヨークのマーキンコンサートホールで米国初演のオペラ「白狐(びゃっこ)」が開催されたのは5月2日だった。主演の田村麻子が体調不良のため公演1週間ほど前に降板したことで主役の白狐・コルハ役と人間の女・葛の葉の一人二役の代役を急遽務めることになった。実はひょっとしたらという打診は田村本人から少し前からあったが、正式に依頼されたのは公演2週間前、服部が日本滞在中で米国に帰国する2日前の日だった。代役を受けなければ公演が中止になることは明白だった。降板の新聞発表も公演直前ぎりぎり1週間前まで伏せた。この作品はコロナ前にNY上演される予定の作品で、すでに6回上演がキャンセルされていていわば最後の公演チャンスだった。それだけに田村も最後の最後まで頑張ったが、1週間を切った時点でステージに立つのは無理と判断した。服部は、米国帰国直前に東京で作曲家の平井秀明に会った。オペラは、セリフと声のバランスが難しい。楽譜を見て服部はメインの主役が歌うアリアの部分が通常より多いなと思った、そしてソプラノキラーと呼ばれる低音声域が後ろに集中しているのでさらに自分にとっては難しいことがわかった。しかし主役・田村の代役を務められるのはNYで自分しかいないことはわかっていた。受けることにした。帰国して本番までの正味10日で新作オペラのセリフと歌を覚えるのは普通は不可能に近い。リハーサルも含め全てが準備不足の中で本番を迎えた。公演は無事に成功した。

 服部は、京都市立芸術大学声楽科を首席で卒業後、同大学院音楽研究科声楽専攻卒業。その後全米屈指のサンフランシスコオペラメローラプログラム終了後、全奨学金を得てニューヨーク州立ストーニーブルック校大学院音楽科卒業。日本、アメリカ合衆国、カナダ、ヨーロッパでコンサート、リサイタル、オペラ、オラトリオソロなどに出演。これまでに芸大音楽学部賞、新人賞、大阪市長賞、大阪府知事賞、全日本音楽コンクール大阪大会第1位、ミントン・エヴァンス・メモリアル賞、コンサートアーティスト組合国際コンクールセミファイナリスト、アーティストインターナショナルからニューヨークデビュー賞、特別賞を受賞するなど米国で活躍する日本人オペラ歌手として輝かしい経歴を残している。百戦錬磨の服部だからこそ今回の「白狐」も成功に導くことができたと言って過言ではないだろう。

 現在は、ニューヨークフィルハーモニー、ニューヨークシティオペラ、アメリカンシンフォニーなどとカーネギーホール、リンカーンセンターなどに常連で出演している。

 オペラでは「蝶々夫人」を得意とし、ほかに「椿姫」「修道女アンジェリカ」「ラ・ボエーム」「カルメン」「フィガロの結婚」「恋泥棒」「セビリヤの理髪師」「愛の妙薬」「絹の階段」「魔笛」など何でもこなせるオペラ歌手として活躍中だ。

 ニューヨークを目指すこれからの世代には「まずやりなさい。とにかくやる。何でもやるくらいの気迫を持って挑戦してほしい」という。その精神は見事に今回の白狐で自らが証明した。(三浦良一記者、写真も)