ブロード・チャネル地区はジャマイカ湾で唯一人が住む島で、居住地と自然保護地区から成ります。島の南部にある居住地はおよそ長さ20ブロック、幅4ブロックの広さ。水辺に接している家々は高床、裏庭ではなくボート寄せがあり、湿地に架かる歩道橋で繋がる家も少なからずあり、NY市のベニスとも呼ばれます。
2010年の国勢調査では78・3%が白人、 7・5%がアフリカ系、 2・1% がアジア系。約3000人の住民は公務員または緊急作業員が多く、2015年の資料によると、34〜40歳成人の居住定着率は47%とNY市で最も高い地区の一つ。キンダーから8年生までの学校や図書館、そして数軒の店舗やパブ・レストランもあり、ゆっくりとした時間が流れている感じのする場所です。


Photo: Mike L. Farrugia

Photo: Mike L. Farrugia

また、島の大半を占めるジャマイカ湾野生動物保護区は、国立公園局が管理し、約9000エーカーに海水湿地帯が広がり、淡水の池も2つあります。ここでは、過去25年の間に米国北東部で観察できる渡り鳥のほぼ半数の332種類が確認され、最も重要な鳥類保護区の一つ。また、ここに生息する鳥も含め、NY市で野鳥観察をするのに最適な場所との事。ビジターセンターもあり、自然散策もたっぷり楽しめます。
ただ、島は洪水など自然災害を受けやすく、特に2012年のハリケーン・サンディーの被害は甚大だったとの事。また、近年、気候温暖化の影響により湿地の浸食、海面上昇などの問題もあるそうです。
アクセスは、ジャマイカ湾を縦断する道路も地下鉄も島の中央を南北に走っていますので容易。特に地下鉄 A線のハワード・ビーチ・JFK空港駅とBroad Channel駅間は、巨大空港を湾側から望め、湾を縦断する地下鉄の車窓からはわくわくする景色が楽しめ、さらには島から遥か彼方にマンハッタンのスカイラインも望めます。


プロフィール 明石鯛 兵庫県明石市出身、ウエストチェスター在住。週末、街歩きグループと共に、未知なるNY市内を元気に探索中。ブログ「見タイ知りタイ!行った気になる歴史と散策」を主宰 https://kkykm-m.com/