編集後記
みなさん、こんにちは。日本国内で、全国的な米不足で、価格高騰が深刻化しているなか、江藤農林水産大臣が、今月18日の講演で「私はコメは買ったことがない。支援者の方々がたくさんコメをくださり、売るほどある」などと発言したことで21日辞職しました。コメ行政を担うトップの耳を疑うような発言に国民の怒りは収まりません。政府が備蓄米を放出しても、米の高値が続き、日本全国の小売店に行き渡ったのは1割とのこと。備蓄米のほとんどを全農が買い占め、大手取引先のみに卸している現状は、日本国民を搾取しているとしか言いようがありません。一方で、米国では日本のお米が安く買えるということで一時帰国の際に、日本から輸入された日本米をお土産に持って帰る人が出始めています。日本で5月5日から11日までの銘柄米は5キロあたり4434円で前週比36円値上げ、片やインフレが続くニューヨークでは、日系食料品スーパーで、日本から輸入された米が24ドル(1ドル150円換算で3600円)などで販売されています。カリフォルニアでは一昨年の水飢饉で、米の生産が大きく低下したことで販売価格が高騰し、それまで割高感のあった日本からの輸入米と値段格差が縮まったことから、在米邦人家庭では、値段に大きな違いがないのなら日本米へとシフトする消費者が多いとのことです。契約時の値段がまだ安かったから米国での販売価格がまだ安いとい説明は納得できますが、日本から運んできて、国内輸送コストもかけてなお、日本の米が日本国内より安いというのは、いかに日本の米価格が高騰しているかを物語っています。一時帰国の際にお土産で日本から輸入された日本米を持って帰るというのもなんとも皮肉な話です。ちなみにコメは個人で持ち帰る場合、手荷物として持ち込むことができ、1年間に100キロ以下であれば、地方農政局や植物防疫所への届け出ることで納付金や関税が免除されるそうです。日本を海外から見ていると、弱いものが搾取されて損をする社会である印象を強く持ちます。在外選挙で投票する海外の有権者は少ないですが、「おかしいんじゃね?」とこれからも小さな媒体ながら声を上げていきたいと思います。それでは、みなさんよい週末を。(お知らせ)来週は休刊週になり、新聞は1回お休みします。次回は6月7日号になります。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)