【今週の紙面の主なニュース】(2024年6月22日号)

(1)両大統領候補が激突 27日にテレビ討論

(2)私は踊る! ダンサー小野由利加さん

(3)味、雰囲気、サービスどれも別世界 肉亭ふたご

(4)50万人に合法滞在への道 米国人と結婚条件

(5)ジャパン・ソサエティー年次晩餐会 650人出席

(6)小室圭さんの姿も JS華やかなる晩餐会 

(7)帰って来た鎌倉シャツ オーダーメイドで 

(8)矢野顕子 今回も大盛況

(9)生き生きEATS

(10)復習の女神  映画

■お知らせ■ 来週号はお休みします

 6月は発行日の土曜日が5回あるため、次週6月29日号は7月6日号との合併号となり、来週は休刊週となります。本紙は月4回発行しています。

ニューヨーク生活プレス社

私は踊る!ダンサー小野由利加さん

 ニューヨーク名物のアトラクション型観光バス「ザ・ライド」。乗客は片側全面ガラスになった座席から市内観光中に、街中のエンターテイナーのサプライズ芸を楽しむ。ビルから出てきたUPSの配達職員が急に踊り出して乗客は大喜び。踊っているのはNYを拠点とする日本人ダンサーの小野由利加さん。7月にはダンスレビューショーに出演する。 

ダンスの実力、ただ今NYで発揮中

ダンサー、振付師

小野 由利加さん

 マジソン・アベニューの42丁目と43丁目の間、午後7時45分。小野さんの携帯がポーンと鳴った。「まもなくバスが来ます」。この日は午後3回、ニューヨークの観光バス「ザ・ライド」の街頭パフォーマーとして出演する日。観光バスの乗客たちは、片側全面ガラス貼りの窓から市内見物の合間に街頭各所で繰り広げられるエンターテインメントを楽しむ。小野さんは即興のヒップホップダンスを2分間、道路に一時停止したバスに向かって歩道で踊った。バスの中の観光客の笑顔が見える。多い時で週に3日仕事が入る(1面に写真)。

 小野さんは、ニューヨークを拠点とするダンサーで振付師。リンカーンセンター、シカゴ25周年、メイシーズ・サンクスギビング・デー・パレードのオープニングナンバーにダンサーとして出演。2019年に日本女子大を卒業後、同年ワールド・オブ・ダンス世界大会にチームで出場し、Crowd Favorite賞(日本で言うオーディエンス賞)を受賞した。翌20年1月に来米したが、直後にコロナ禍のパンデミックになり、帰国も考えたが、こちらに滞在する道を選択した。

 その後ブロードウエー・ダンス・センター、ステップスで学び、AMDA(The American Musical&Dramatic Academy)を卒業。現在、留学生として働けるビザ(OPT)を取得して精力的に活動中だ。取材の前日にも昨年に続いてラジオ・シティー・ミュージックホール定番のロケッツのインテンシブ講習を終えたばかり。3日間コースの初日には約1000人がテストを受けて2日目に残れるのは200人という難関。まだ遠い道のりだが、将来はロケッツダンサーとして舞台に立つのが夢だという。

 現在は、クラスに行き、トレーニングをしながら、オーディションに行く毎日だ。

 「母親が小さい頃から映画を見せてくれていたので、アメリカへの関心はありました。学生時代にダンスをやりきって、就職しようと思ったんです」。休学を両親に提案したところ、父親から『どうせだったら、ダンスの本場でやってきたらどうだ』と言われ、大学2年生の時にニューヨークのプログラムに参加したのがきっかけだった。7月7日には、マンハッタンで自主公演の舞台が控えている。(三浦良一記者、写真も)

 (公演内容16面と18面に)

両大統領候補が激突、27日にテレビ討論会

第1回CNN主催 進行に公平なルール適用

 今年11月の大統領選挙に向けて、 81歳のジョー・バイデン大統領と14日に78歳になったドナルド・トランプ前大統領の両候補によるテレビ討論会が6月27日(木)午後9時(東部時間)から、ジョージア州アトランタで行われる。

 これまでは中立の立場で大統領選討論会委員会(CPD)が主催し、9月から10月にかけて3回ほど行うのが通例だったが、両候補はこの数十年間にわたった慣例を受け入れず、CNNとABCの討論会招待を5月に受け入れた。トランプ氏は大きな会場での開催を求めていたが妥協した。バイデン氏陣営は厳格なルールのもと参加するとしていた。ABC主催の第2回討論会は9月10日に行われる。

 第1回討論会を主催するCNNは15日に、4年前の討論会で起きたような混乱を避けるためとして一連のルールを発表した。これによれば、討論会は1時間半で、観客は入れずにスタジオで行う。キャスターのジェイク・タッパーとダナ・バッシュの2人の司会者と候補者だけで進める。

 演壇上の彼らの位置はコイントスで決められスタート。冒頭スピーチは今回はない。ペン、メモ帳、水のボトルが用意されるが、事前に用意したメモの持ち込みは禁止する。4年前は相手の発言を遮るなどして混乱したため、相手候補の発言中はマイクを切る。2回あるテレビコマーシャル中にスタッフと話したり、携帯電話の使用も禁止だ。

 このほか候補者は回答に2分、反論に1分、反論に対する反論に1分、司会者の裁量でもう1分与えられる。討論の最後に締めくくりのスピーチは行うことができる。

 両候補は各種の全国世論調査で数パーセントほどの差しかなく、ほぼ同率となっている。バイデン氏はトランプ氏を錯乱者であり民主主義にとって危険だと非難し、トランプ氏はバイデン氏を老衰で腐敗していると非難している。トランプ氏は5月30日に不倫相手への口止め料裁判で有罪評決を受けた。バイデン氏は息子ハンター氏が不法な銃器入手で6月13日に有罪評決を受けたばかり。経済や移民政策、外交などだけでなく個人攻撃などでも、4年前同様に激しい応酬となる可能性がある。

 一方、無所属で出馬している弁護士ロバート・F・ケネディ・ジュニア氏だが、CNNは討論会参加条件として、指定された4つの全米世論調査で少なくとも15%の支持率を獲得することを義務づけている。ケネディ氏の支持率は13%で、20日の期限までに参加資格を得るのは難しい状況だ。

 なお、副大統領討論会は共和党全国大会後の7月に開催予定。

味、雰囲気、サービスどれをとっても別世界

 トライベッカに近いSOHOにオープンした焼肉のA5和牛専門店「肉亭ふたご」は、焼肉ふたごの姉妹店。肉亭は東京新宿、本郷、軽井沢に3店舗あり、ニューヨークは初出店。親会社のFTGは日本国内全国に焼肉チェーン100店舗を経営する大手だ。ニューヨークの焼肉店としては、おそらく最高級の部類に入る店だろう。コースは一人360ドル。

A5飛騨牛の肉寿司キャビア乗せ

 コースの1品目は、肉亭名物出汁ダレ焼き。続く肉寿司は飛騨牛のサーロインにキャビア乗せを一口でいただく。とろける肉とキャビアが口中に広がる何とも贅沢な味。さらにユッケと赤シャリに海老天乗せの手巻き。こちらは2口半でいただく。どれも美味しさ選手権大会の決勝戦みたいな味だ。牛タンがすごい。厚切りと薄切りは、牛一頭分から取れる貴重な部位を厳選。グリル・コンシアージと呼ばれるトレーニングを受けた焼き職人が上手に焼いてくれるので、食べると肉のエンザイム(酵素)が生きているのがジワッと舌に伝わってくる。

 和牛カツサンド、フィレは山葵つけたれで、すき焼きトリュフは生卵で一口。冷麺はあっさりした清涼感。デザートはミルクフルーツのかき氷。おすすめの酒ペアリングは別料金で140ドル。

調総料理統括責任者

 アラカルトメニューもあり、カルビが一皿50ドル。和牛フィレスライスは一皿90ドル。座席4つの個室が2つ、6人部屋が1つ、暖簾のかかっている座席4のテーブルが4つ、2階に8席のVIPルームがある。こちらはミニマム3200ドルから。父の日のお祝いで来ているアメリカ人がいた。おもてなし、接待、お祝いなどで日本のスポーツ選手や芸能人、政治家、日系企業幹部の会食などで利用されているそうだ。コースの時間がない時は、肉盛り大皿2人前(300ドル)=写真=もよく出るという。

 日本全国と海外店を視察点検している本社飲食事業部統括総料理エクゼクティブシェフの調(しらべ) 公央さんは「ここの店は、正直、日本の店よりも作りあげられてますね」と感心する。雰囲気、サービス、味、どれをとっても店内は別格の別世界だ。   (三浦)


肉亭ふたご

NIKUTEI FUTAGO

341 West Broadway

New York, NY 10013

Tel 917-965-2212

www.nikuteifutago.com

17:00-23:00 月曜定休

17:00-23:00金・土・日ランチ営業中

50万人に合法滞在への道

大統領が新移民政策を発表

 バイデン大統領は18日、米国に不法滞在している50万人に対して米国人との結婚による合法滞在への道筋をつける新たな移民政策を発表した。

 対象となる不法移民者は約110万人米国に滞在しているとし、子供時代に米国に移民して、合法滞在の資格を持たないまま学校教育を受け、米国で納税義務を果たしている居住者(通称・ドリーマー)に対しての救済措置として発表したもので、大統領は「多くの家族が米国で子育てし、働き、米国のために貢献してきた。米国は移民によってさらに強固な国になっている」などと発言した。国境を超えて流入する不法移民の数が増え、都市部で移民シェルターなどがあふれるなど大きな社会問題となっている中で、米国市民との婚姻により、米国永住権(グリーンカード)取得への道を開き、最終的には米国市民としての居住ステイタスを与えるもの。

ジャパン・ソサエティー年次晩餐会

650人出席、180万ドル寄付

A・モンローさんを表彰
日本の文化・芸術を紹介

 ジャパン・ソサエティー(JS、ジョシュア・ウォーカー理事長)は2024年度アニュアル・ディナー/授賞式を13日シェラトン・ニューヨーク・タイムズスクエアホテルで開催した。今年のJSのアニュアルディナー/授賞式では、ビジネス、外交、文化のコミュニティーの著名なゲスト、法人会員と個人会員、日米関係にとって重要な著名人など650人以上のゲストが集まり、一晩で180万ドルの寄付が集まった。当日の収益金はJSによるプログラムの運営に役立てられ、日米相互理解の促進や、すぐれた次世代クリエーターの支援を目指すという。

 今年の基調講演ではアービンド・クリシュナ氏(IBM最高経営責任者)と小池淳義氏(ラピダス代表取締役社長)が、最先端半導体技術におけるIBMとラピダスの戦略的パートナーシップと日米関係への広範な影響、グローバルな文脈におけるテクノロジーの将来について講演した。基調講演モデレーターはメリット・ジェイノー氏 (コロンビア大学国際公共政策大学院名誉学長、国際経済法・国際問題実践学教授、ジャパン・ソサエティー理事会会長)。小池氏は半導体産業の日本国内での立地条件として北海道が最適の人的、土地的優位性を他県よりも持ち合わせていたことを対談の中で強調した。

ウォーカー理事長 Photo: Daphne Youree

 ジョシュア・ウォーカー理事長は今後3年間が日米間にとって大きな節目の行事が目白押しであると述べ、来年2025年が第二次世界大戦(太平洋戦争)の戦後80周年となること、2026年は米国が独立してから250周年を迎えること、2027年はジャパン・ソサエティーが1907年に創設されてから120周年を迎えることと紹介した。

 本年度のジャパン・ソサエティー賞はグッゲンハイム美術館グローバル美術上級キュレーターのアレクサンドラ・モンロー氏に贈られた。同氏は、ソロモンRグッゲンハイム美術館のアジア美術部門のシニア・キュレーターとして、同美術館のアジア美術イニシアチブの陣頭指揮を執り、西洋以外の世界の美術を研究、収集、展示するという同美術館の使命を拡大している。グッゲンハイム以前は、ニューヨークと東京を拠点とするインディペンデント・キュレーターだったが、1998年にジャパン・ソサエティー・ギャラリーのディレクターとなり、その後、ジャパン・ソサエティーの芸術文化担当副社長となった。彼女の7年間の在任中、「YES オノ・ヨーコ」(2000年)や村上隆キュレーションの「リトル・ボーイ:爆発する日本のサブカルチャー」(2005年)といった展覧会を通して、ジャパン・ソサエティの現代アート・プログラムは規模を拡大し、名声を高めた。モンローさんは「一人で見る夢はただの夢、みんなで見る夢は現実になる」と日本語で挨拶を締めくくった。

 司会はブロードウエー俳優の由水南さんが務めた。パフォーマンスは今年7度目の訪日公演を行うヤングピープルズ・コーラス・オブ・ニューヨーク・シティーが茶摘み、花は咲く、ニューヨーク・ニューヨークを歌って喝采を浴びた。

(写真:本年度のジャパン・ソサエティー賞を手にする受賞者のモンローさん(右から2人目))

小室圭さんの姿も JS華やかなる晩餐会

日米関係者一堂に

パンデミック以来の盛会ぶり

 650人が集まったジャパン・ソサエティー年次晩餐会の会場となったシェラトンは、昨年、一昨年のチプリアーニ会場よりも面積が広くなり、パンデミック以前の盛大さを印象付けた。山﨑和之国連大使、森美樹夫ニューヨーク総領事・大使、佐藤貢司ニューヨーク日系人会(JAA)会長、河手哲雄NY日本商工会議所会頭、上野佐有日本クラブ会長ら日系団体代表や日米企業の代表が一堂に会する盛会となった。

(写真)日米の経済・文化交流を担う関係者650人が一堂に会したJS晩餐会(13日夜、写真・三浦良一)

小室圭さんの姿も
にこやかに同席者にお酌

 ステージから最も離れ、全景を見渡せる最後尾のプレス台の席すぐ前の63番テーブルには、秋篠宮家の長女で元皇族の眞子さんの夫、小室圭さんの顔も見え、同テーブルの人たちと終始和やかに歓談する姿が見られた=写真上(右手前)=。黒っぽいダークスーツにポニーテールのヘアスタイル姿は目立ち、テーブルの同席者たちと話す間も、時折自分から手を伸ばしてワインボトルを手にお酌をするなど周りの人たちに気を配っている様子だった。

 食事の合間に時折挨拶に来る日米の個人的な知り合いと思われる人たちとも短時間にこやかに応対し、初対面のいろんな人にも言われるがままに写真撮影に対応していた。10人がけテーブル65卓の来場者の席順は、当日会場で配られるシーティングリストではじめて分かるため、ほとんどの参加者は小室さんが来ていることを同席者を含め当日まで知らなかったようだ。小室さんは弁護士としてニューヨークで米国の弁護士事務所で働いているが、座席表は会社名ではなく個人名で明記。日米関連の公式イベントの場に小室さんが姿を現すのは2021年の来米以来、今回が初めて。

帰って来た鎌倉シャツ

オーダーメイドで

秋にNY常設拠点

 鎌倉シャツの愛称で親しまれているメーカーズシャツ鎌倉が、ニューヨークでのテーラーメイドのシャツ販売を本格化させ、今秋にもマンハッタン内に拠点を再び構えることになった。同社の貞末奈名子社長が明らかにした。同社は対米進出8年で、世界の一流ブランドと肩を並べるまでに成長した成功例として注目されたが、パンデミック最中の2020年9月に撤退した。しかしその後も元従業員の「純子さん」が「アメリカでの鎌倉シャツの灯火を消したくない」とオンライン販売とパンデミック後も月に3回、マンハッタンのレンタルオフィススペースを1日借りて、対面でトランクショー販売を継続してきた。3年目にして年間売り上げが5000万円に達したことから、再度アメリカ進出を決定した。値段は1枚150ドルから。採寸、販売当日の11日には、午前9時から午後5時まで30分毎に予約が満杯。一人平均で1、2着から3着をオーダーするという。注文から約3週間で自分のサイズに合ったシャツが届く。襟はワイドカラーからトラッドなボタンダウン、生地もオックスフォードなど様々な見本から選ぶことができる。貞末社長は「撤退後もアメリカのファンの皆様に支えられて、応援していただいていることを嬉しく思います。初年度は1億円の売り上げを目指したい」と話している。詳細はhttps://kamakurashirts.com/pages/mtm-about

(写真) レンタルオフィスの「採寸ルーム」で米人顧客に応対する貞末社長(右)と常駐社員の純子さん(中央)。

矢野顕子 今回も大盛況

ライブ終了後ロビーにて

 ニューヨーク在住のシンガーソングライター、矢野顕子が16日夜、アスタープレイスのライブハウス「ジョーズパブ」でコンサートを行った。昨年、早々に完売となった毎年恒例の矢野顕子トリオ公演の好評に応えて、今年は午後6時と8時30分からの2回公演で開催。会場では、CDの販売も行われた。トリオは矢野さんのほか、ウィル・リー(ベース&ボーカル)、クリス・パーカー(ドラム)。

 ジョーズパブはお酒も食事も楽しみながらショーが観られる。ピンクとオレンジの縦縞のサテンのコクーンドレスに身を纏い登場し、満席の会場は拍手に包まれた。オープニングナンバーは沖縄民謡の「てぃんさぐぬ花」(『荒野の呼び声-東京録音-』収録)。他には宇宙飛行士の野口聡一さんとのコラボアルバム『君に会いたいんだ、とても』から『ドラゴンはのぼる』を演奏。「彼は宇宙にいて歌詞を書き、私はEARTHにいて曲を書いた」と曲紹介をし、矢野さん流ユーモアで会場を沸かせた。全8曲演奏し、他に2曲のアンコールも。初めて矢野顕子トリオのライブに来たという俳優のアンディ・ディキンソンさんは「ハズバンドが彼女の大ファンなんです。『ラーメンたべたい』がお気に入りの曲になりました。かわいい声でエネルギーがあって素晴らしいライブでした」。夫のワタルさんは「デイヴィッド・レターマンの深夜番組が大好きで残念ながら15年に番組は終了してしまったんですが、ウィル・リーさんの本物が観られて生演奏が聴けてしかも矢野さんのトリオで、最高な時間でした」。ブルックリン在住で80年代東京で暮らした観客の森島郷子さんは「『千のナイフ』で涙が止まりませんでした。全てを受け入れる、そんな感じが昔から心に響くんです」と涙目で語ってくれた。

 また、矢野は今年10月にはサンフランシスコとロサンゼルスでのソロ弾き語り公演も予定している。(菊楽恵、写真も)

茶の湯の栄養効果をミニ茶会で披露

プロに聞く、生き生きEATS(イーツ)

元気と美味しいを求めて料理の達人が腕を振るう (54)

 今回は、ニューヨーク、ニュージャージーで栄養士をしながら健康に良い和食「薬膳」の普及に努めている富岡美智子さんに薬膳をテーマにした切り干し大根の「和えたん」と蓬(よもぎ)団子、大和の茶粥の3品を作っていただきました。富岡さんはこのほどNYラガーディア・カレッジのアジア太平洋月間企画で同大に招かれ、茶の湯の栄養効果と健康寿命について講演し、ミニ茶会を開催して一期一会の感謝を込めた一服を楽しんでもらった。7月、8月、9月にはニュージャージー州デマレスト図書館で5節句薬膳茶事と栄養講座も開催する。問い合わせはEメールmichinutrition@gmail.com


◾︎薬膳 切り干し大根の『和えたん』みち庵風

 和えたん(和物)、炊いたん(煮物)、焼いたん(焼物)、心を和ませてくれる、大和の郷土言葉。

 ここで紹介する和物は茶道の基本とも言える和敬“Harmony and Respect”、それぞれの食材がハーモニを奏で心身を和ませてくれる一品です。切り干し大根は薬膳に欠かせない食材で、旨味と豊富なミネラル、ビタミン、繊維を含み、その上包丁要らず。毎日食べて美容・健康促進、自分へのご褒美です。

【材料】 (6人分) 

A)

・ 3-4 個 里芋 皮を剥き、1cm幅に切る。

・30g  切り干し大根 水で戻す。

 ・1/2パック 木綿豆腐 水を切って電子レンジで2分

B) 和え汁 

・2×2 インチ 出汁昆布

・大さじ 3 殻付きごま

・大さじ2 白味噌

・大さじ2 生姜のみじん切り

・大さじ3 りんごのすりおろし*

・大さじ1 乾燥くこの実

・大さじ1/2米酢( リンゴ酢)

*市販の有機無糖Apple sauceでO K

【作り方】

(1)和え汁の準備:ごまは炒って細かくすりおろす。小型のボールに材料B)を入れよく混ぜ合わせる。

(2)小型鍋に少量の湯をわかし、里芋とひとつまみの塩を加え、芋が柔らかくなるまで約10分程度茹でる。 (3)その間、戻した切り干し大根を煮立った別の鍋で約5分茹でる。この茹で汁も旨味と栄養が詰まっているので残しておくと便利。(4)中型ボールによく水を切った里芋、切り干し大根、豆腐を入れ、手又はフォークで豆腐を揉み潰す。(5)最後に出来上がった和え汁の半量加えて全体をよく混ぜて味を馴染ませる。(好みで和え汁を調節)(6)好みの薬味(シソ、梅干し、青山椒、柚子、オレンジの皮)を加えてお楽しみください。


◾︎薬膳大和の茶粥(おかいさん)

【材料】 (4人分) 

・2 カップ 玄米もしくは雑穀ご飯

 ・1/2カップ里芋・さつまいものスライス

 ・3カップ 水

 ・2×1 インチ 出汁昆布

 ・10g  ほうじ茶の茶袋入り(3ティーバッグでも可)*

【作り方】

(1)鍋に水、昆布、お芋を加え、お芋が柔らかくなるまで約5分程度煮る。

(2)1にほうじ茶(茶袋入)を加え約1分煮立たせ、玄米ご飯を入れる。沸騰したら蓋を閉め煮こぼれに注意しながら中火で約3分程度煮る。

(3)火を止め好みでさっと茹でたほうれん草・白菜・ブロッコリー等を加え、蓋をしめ3分程度蒸らす。

*抹茶、粉茶でもOK 

トッピング:海藻、おひたし、納豆、梅干等


◾︎薬膳蓬だんご- Michian way

 蓬の緑と香りが全身を癒してくれます。週末の郊外ハイキングはいかがですか?

 まほろば大和の裏庭で蓬の新芽を摘んだ蓬、母がすり鉢でするおろしていた青汁の香り思い出します。春から初夏にかけて“近所のおばちゃん“からいただいたほかほか草餅、”ほんま“懐かしいな。

蓬は免疫力・利尿効果に優れ古くから各地で主に薬草として重宝してきました。という訳で蓬団子は今も厄払いとしての祭壇に供えられてます。今、店頭には着色料・砂糖がたっぷりの“蓬もどき団子”幅を利かせています。今回紹介する薬膳団子、新鮮な蓬を摘んで、お砂糖を最小限に仕上げました。さらに豆乳からの甘味、イソフラボンやタンパク質で心身にご馳走、夏に向けて体力蓄積!

【材料】 (12個分) 

・130g  だんご粉(米粉7割・もち粉3割でも可)

・120−150ml  豆乳(無加糖)*

・30g 蓬の新芽を(もしくは乾燥蓬10g)

・20g ブラウンシュガー(オプション)

*Adjust as needed Direction 

【作り方】

(1)蓬の下準備:小型鍋に熱湯を沸かし、重曹(Baking soda)をひとつまみ入れる。その中によく洗った蓬の新芽部分を入れ弱火で約3分茹でる。冷水洗い、軽く絞ってみじん切りにする。(多めに茹で残りは冷凍保存)

(2)ボウルに団子粉、砂糖(オプション)1)を入れ、よく馴染ませてから、豆乳を約100ミリリットル加え、手又はフォークで満遍なく混ぜる。残りの豆乳を大さじ半量程度ずつ加えながら全体をマッサージするようにまぜ、全体が耳たぶの硬さになるまで両手で混ぜ合わせる。(豆乳の量は蓬・粉によって調整する)

(3)2を粉をふったまな板か平らな容器にとり、12個のボールを作る。(棒状に伸ばしてから12均等に切ってると粘土遊びでお子様にも簡単)

(4)3)を蒸し器で20分程度蒸し、蒸し上がると蒸し器から取り出し、常温で10分ほど冷ます。

(5)好みで、きな粉、スリ胡麻、餡子、または茶粥に加えてお召しあがりください。平くして、薬膳餡子を包んでもおいしいです。

アレンジ例

草餅 乾燥デイツ(12個に切っておく)を団子の真ん中に入れてから茹でる。

茶団子 蓬の代わりに抹茶大さじ2杯

復讐の女神

Furiosa: A Mad Max Saga

 「Mad Max: Fury Road」(2015年)の続編でマッドマックス・シリーズでは5作目。物語は前作より十数年ほど遡る前日譚の位置づけだ。

 前作のヒロイン、片腕の女戦士フュリオサの子供のころから成人するまでを背景に世界崩壊後の荒廃した無法地帯で地域に君臨する長と数百人の残虐なバイカー族のトップに立つ親玉らが死闘を繰り広げる。その中でフュリオサの復讐劇がすさまじい展開を見せる。

 監督・脚本は前作と同じジョージ・ミラー。主人公フュリオサはシャーリーズ・セロンからアニャ・テーラー=ジョイにバトンタッチされ、「マイティ・ソー」のクリス・ヘムズワースがバイカー族を率いる悪玉ボス、ディメンタスを演じる。

 つけ鼻・特殊メイクのヘムズワースはイケメンからヴィラン顔に変貌、クマのぬいぐるみをぶらさげながら、かなりクレイジーなキャラで独特なオーラを放つ。規模、スピード感を含め前作に続き、とびっきり斬新なアクションシーン満載の2時間半。瞬きするのがもったいないほどの迫力だ。

 フュリオサは水も豊富で食物も育つ「緑の地」で生まれ育った。ある日、部落から少し離れたところで友人と果実を採っているときにバイカー族の下っ端にさらわれてしまう。母親は連れ去られた娘を助けようと命を失い、結局、少女フュリオサはディメンタスによって砦を仕切るイモータン・ジョーに売られてしまう。

 髪を切る、おしのふりをするなど、血に飢えた男たちから我が身を守りながらフュリオサは必死に生きるための知識と技術を身に着け成長していく。彼女の目的はだた一つ、ディメンタスへの復讐と、いずれ故郷である緑の地に帰り着くこと。フュリオサの願いはかなうのだろうか。

 今日一日を生き延びられる保障がない殺伐とした状況で彼女が唯一、心開く時がある。生身の人間と初めて心通わせたとき、怒りに燃えるフュリオサの胸に熱いものが走る。全編が荒地の褐色と張り詰めたシーンの連続だからこそ際立つ瞬間だ。   (R)指定。(明)

(写真)ジャックを助けに行くフュリオサ(テイラー=ジョイ)Photo : Warner Bros. Pictures

編集後記

【編集後記】

  みなさん、こんにちは。「このままでは、米国の日本人が消滅してしまう。それは米国経済にとってもマイナスになる。打開策として米国永住権の日本人枠を増やして欲しい」ーそんな嘆願書をニューヨークで人材紹介・派遣会社を営む一人の日本人、藤原正人さん(66)が、ラーム・エマニュエル駐日米国大使に出しました。提出したのは5月21日です。本紙今週号5面に記事で掲載しています。それによると、米国勢調査を元に在米日本人の高齢化が進んでいることを指摘し、その原因は、かつてのH1Bビザ取得を経て永住権の申請をして、中には米国籍を取得する人たちが生まれるという図式が、H1Bビザの申請が宝くじみたいに限りなく可能性が減ったことで、永住権に切り替える日本人が激減したことによると分析しています。日本企業や政府・関連機関で駐在員としてアメリカで働いている人は日本経済に貢献していることは間違いなく、アメリカ経済にも大いにプラスの貢献をしているので、その駐在員の数が今後減ったとしてもおそらく日本企業がアメリカでビジネスする限り、入れ代わりにどんどん来るので消滅することも社員とその家族が高齢化していくこともないでしょう。問題は、アメリカで日本国籍を持っている永住者が、日本経済に貢献しているかというと、もちろん日系企業の現地採用社員として働くという形で日本経済の貢献に関わっているとは言えますが、多くはアメリカ企業やアメリカ人を顧客対象としたサービス業、飲食業が多く、日本文化理解の促進、草の根レベルでの日米友好親善の促進などは期待できますが、それでアメリカ国内の日本人人口が減ったことで日本の国が困るとか、アメリカが困るこということはなさそうに見えます。今回嘆願書を出した藤原さんのような人材紹介業が、アメリカの日本人が減ったことで一番打撃を受けているようで、利害当事者のもっとも被害を受けている業界からの切実な声が今回の嘆願書の背景にあると言えます。雇用現場では日本語で就労可能な人材不足による人材の奪い合いなどが起きているようです。そいういえば、20代、30代の永住者にお目にかかったことが最近ありません。アメリカは定年はありませんが、体力的に労働可能な永住者の高年齢化が進んでいるのは確かなようで、年齢差別はしていないと表向きはなっていても、結果的に採用の現実はそうはなっていないので、日系企業の採用担当者も、そろそろ60代の日本人永住者の就労希望者受け入れなども前向きに考えられてはどうでしょう。有能な知り合いの日本人女性永住者があちこちに願書を出してもなかなか採用にならない、そんなミスマッチが続いています。人材不足を人材と関わる人たち自身が作り出しているようにも思えますがいかがでしょう。それでは、みなさんよい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)