編集後記 5月8日号

【編集後記】
 みなさん、こんにちは。米国でワクチン接種が広範囲に進みつつあることから、クオモ・ニューヨーク州知事は今月3日、ニュージャージー州のマーフィー知事とコネチカット州のラモント知事と協議し、3州足並みを揃えてビジネス再開と経済の活性化、雇用回復などを目指し、今月19日(水)をもって州経済活動、ビジネスを全面再開すると発表しました。内容はイベント会場、小売業、食品サービス、ジム、フィットネスセンター、遊園地、娯楽施設、ヘアサロン、床屋などのサービス業における入場人数制限のほぼすべてを同日付で解除。また宗教活動の礼拝施設における人数制限も撤廃する完全な経済再開の復帰を宣言しました。ただし、人との社会的距離の維持、ワクチン接種の奨励は今後も継続するとしました。現在ニューヨーク州内では予約なしでワクチン接種会場に行くことができます。17日から地下鉄も24時間の終日運行体制に戻ことが発表され、当初7月1日全面再開とされた経済活動の全面復帰は大幅な前倒しで実現することになりました。また、連邦レベルでは中小企業局(SBA)は現在、飲食店の活性化基金の支援申請を受け付けています。これは返済免除で支援額が大きいのが特徴。特定の条件を満たす申請者に対して事業所ごとに事業奨励金として最大500万ドル(5億5000万円)までの財政支援を行うというもので、この支援金が2023年3月11日までに承認された目的に沿ってきちんと使用された場合は、奨励金受領者は返済を求められない、つまり返済免除となる太っ腹な支援です。SBAはパンデミック期間中に中小企業向けの給与補償支援をしましたが、長期化した営業規制で経営的に追い詰められたレストラン業界を再生させるためのカンフル剤となりそうです。ニューヨーク日本食レストラン協会やロサンゼルスに本部を置く米国日系レストラン協会が相次いで日本語説明会や動画で申請方法を解説しています。(本紙今週号の1、4、6面に詳報)。ぜひ、活用して1年半に及んだ暗黒のコロナ自粛からカムバックしてもらいたいものです。今回の一連の経済再開気運が「一時的な気の緩みだった」などと後々、後悔しないようにしなくてはなりません。それでは、みなさん、よい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)

【今週の紙面の主なニュース】(2021年5月8日号)

(1)NY近隣3州19日経済全面再開(2)レストランに大型支援金
(3)世界最大のゴッホ展NYに
(4)あめりか時評 コロナ禍の中、日本文化への憧れが増殖
(5)米国勢調査の結果発表
(6)警察官が語るアジアン・ヘイトクライム
(7)令和3年春の叙勲 櫻井氏に旭日中綬章
(8)NYは屋台天国 NEW COMER’S EYE
(9)日本への帰国の注意点
(10)第25回NYで活躍する日本人・日系人美術展

NY近隣3州で足並み、19日から経済全面再開

 クオモ・ニューヨーク州知事は3日、ニュージャージー州のマーフィー知事とコネチカット州のラモント知事と協議し、3州足並みを揃え、ビジネス再開と経済の活性化、雇用回復などを目指し、今月19日にビジネスを全面再開すると発表した。

 内容はイベント会場、小売業、食品サービス、ジム、フィットネスセンター、遊園地、娯楽施設、ヘアサロン、床屋などのサービス業における入場人数制限のほぼすべてを5月19日で解除するとした。礼拝施設における人数制限も撤廃する、完全な経済再開の復帰を宣言。ただし、人との社会的距離の維持、ワクチン接種の奨励は継続するとした。現在ニューヨーク州内では予約なしでワクチン接種会場に行くことができる。17日から地下鉄も24時間の終日運行体制に戻す。

 ニューヨーク市のデブラシオ市長はこれに先立つ4月29日、NBCテレビの「モーニングショー」に出演し、ウイルス拡散の鈍化とワクチン接種の進展でニューヨーク市は7月1日にビジネスを完全に再開できるという見通しを明らかにしていた。デブラシオ市長は「私たちは店舗やビジネスを開く準備ができている。市ではすでに630万回のワクチン接種が行われている」と、最近の新規感染者数と入院患者の急激な減少から再開に強い自信を見せていた。ただし完全再開を実現するために「やるべきことはいくつかある」とし、ワクチン接種の継続や営業規制などの手順は守るよう訴えていた。店舗の人数制限やビジネス再開などの基準はクオモNY州知事の判断に委ねられているため、これまで学校閉鎖や屋内での食事再開などでデブラシオ市長の提案がクオモ知事によって却下されたことがあるため、市長の計画はクオモ州知事によって覆される懸念もあったが、それはなく、むしろ市の計画よりも大幅に前倒ししての経済全面再開の宣言となった。

レストランに大型支援金

米中小企業局が受付中

 米中小企業局(SBA)は現在、飲食店の活性化基金の支援申請を受け付けている。返済免除で支援額が大きいのが特徴。特定の条件を満たす申請者に対して事業所ごとに事業奨励金として500万ドル(5億5000万円)までの財政支援を行う。この支援金が2023年3月11日までに承認された目的に沿って使用された場合は奨励金受領者は返済を求められない。ただし、助成金を受けて使用期限前に会社が倒産したり、承認目的以外に使用した場合は返済義務を負うことになる。

 4月20日、NYCホスピタリティ・アライアンス協会の主催により、連邦政府によるレストラン活性化助成金(Restaurant Revitalization Grant)に関するウェビナーが開催された。ニューヨーク日本食レストラン協会(八木ボン会長)がその日本語解説をインターネット上で公開した。日本語訳はニューヨーク日本総領事館が協力した(関連記事4面に)。またロサンゼルスに本部を置く米国日系レストラン協会がこの基金に関する解説動画を公開している(関連記事6面に)。在米の日系レストランにとっては、返済免除の大型支援プログラムとしてビジネス再開への大きな弾みになりそうだ。

レストラン支援金
日本語解説発表

 米中小企業局(SBA)は現在、飲食店の活性化基金の支援申請を受け付けている。返済免除で支援額が大きいのが特徴。特定の条件を満たす申請者に対して事業所ごとに事業奨励金として500万ドル(5億5000万円)までの財政支援を行う。4月20日、NYCホスピタリティ・アライアンス協会の主催により、連邦政府によるレストラン活性化助成金(Restaurant Revitalization Grant)に関するウェビナーが開催された。NY日本食レストラン協会がウェビナーの概要を日本語で作成し、加盟会員レストランに配布した。

https://drive.google.com/file/d/1OBQOEwzofxkcVb-rjHYHJ7gv5ePQ-rN4/view?usp=sharing

 ただし、同ウェビナーは、4月17日にSBAが発表したガイダンスに基づき、会計事務所が解説したもので、公開情報からは不明である点も多く、詳細は今後のSBAからの発表を待つ必要があるとして、あくまでも、申請準備の「参考」として活用することを奨励している。SBA公式のウェブサイトで、日本語による申請様式サンプルを公表している。こちらも併せて確認すると参考になる。

https://content.sba.gov/sites/default/files/2021-04/SBA%20Form%203172%20RRF%20Application%204.20.21_Japanese.pdf

レストラン向け連邦政府補助金
申請方法の解説動画作成

米国日系レストラン協会

 バイデン大統領は3月11日、総額1・9兆ドルの米国救済計画法に署名した。この一部には286億ドルのレストラン向け補助金Restaurant Revitalization Fund(RRF)が含まれており、レストランやバーなど、多くのレストラン関係事業者が申請できる補助金となっている。申請は3日正午から、米国中小企業庁(SBA)のポータルサイトにて開始されている。

 米国日系レストラン協会(JRA、本部ロサンゼルス市)は、在ロサンゼルス総領事館、ジェトロロサンゼルス事務所と共催でこの補助金制度の概要および申請方法につき解説した動画を作成した。

 JRAでは、ウェブサイトにて、解説動画やQ&Aを取り揃えているほか、この補助金の無料相談窓口を設けている。米国日系レストラン協会のウエブサイトはhttp://www.jraamerica.org/restaurant-revitalization-fund-jp/

 SBA申請にあたりサイト上の事前登録が必要となるなど、手続きには事前準備が必要となる。詳細はウェブサイトhttps://www.sba.gov/funding-programs/loans/covid-19-relief-options/restaurant-revitalization-fund#section-header-8を参照する。日本語によるRRFの申請様式サンプルは「飲食店活性化基金」のカテゴリーから見ることができる。詳細はウェブサイトhttps://www.sba.gov/page/covid-19-recovery-information-other-languages#section-header-22

世界最大のゴッホ展がNYにやってくる

 デジタルアートでゴッホの作品を体験できる展示会「イマーシブ・ファン・ゴッホ」が6月10日(木)から9月まで、マンハッタン・ローワーイーストサイドにある7万5000平方フィートの巨大ウォーターフロントスペース、ピア36(サウスストリート299番地)で開催される。

 同展ではデジタルアートの巨匠、イタリアのマッシミリアーノ・シカルディにより制作された映像を壁や床に投影した空間でゴッホの作品世界に入る体験ができるもの。世界中で開催されており、米国ではシカゴ、サンフランシスコ、ラスベガスなどで合計50万枚以上のチケットが販売されている。これまでで最大となるNYの巨大会場での開催にあたり、ブロードウエーの舞台デザインで知られるエミー賞受賞者のデビッド・コリンズ氏が協力している。

 入場料は39ドル99セント〜。チケット・詳細はウェブサイトhttps://www.vangoghnyc.comを参照。

コロナ禍の中、日本文化への憧れが増殖

あめりか時評閑話休題 冷泉彰彦

 訪日外国人観光客が、年間3千万を大きく超えて4千万、更には6千万も射程に入ったと言われたのが2019年。その後、新型コロナウィルスの感染拡大を受けて、事実上日本の国境は閉鎖され外国人観光客の集団は消えた。

 それどころか、2020年末からの変異株流行に伴って、より厳しい入国規制が敷かれており、日本国籍者でもPCR検査結果の様式が合わないだけで、日本便への搭乗拒否がされている。「水際対策」の徹底を求め「島国の特質を生かせ」という決まり文句をネットにまき散らす、一部の世論に突き上げられてのことである。

 状況が日に日に厳しくなっている五輪開催問題も、その背景には8割を超すという五輪開催反対の世論がある。理由は勿論、外国人選手役員の入国によるウィルス持ち込みへの警戒感だ。海外の側から見れば、接種の進まない日本国内の環境の方が危険なわけだが、日本のムードは異なる。ワクチンなどに頼らなくても、日本式の生活様式なら感染を抑え込めるが、外国人を入れるのは怖いと言う心理であって、無意識のうちに一種の排外感情が暴走しているとも言える。

 危機に際して極端な鎖国心理が出てくるというのは、確かに日本の宿命かもしれない。では、訪日観光客年間4千万とか、6千万というのは二度と達成不可能なのだろうか? 実はそうでもないという見方もある。というのは、例えばアメリカでは、このコロナ禍の中で日本文化はどんどん遠い存在になっては「いない」からだ。それどころか実情はむしろ逆である。

 例えば、アニメのブームは相変わらず根強い。この4月に全米で公開された『劇場版 鬼滅の刃 無限列車編』は、暴力シーンが多いためにR指定とされたにもかかわらず、公開最初の週末ではほぼ20ミリオンの興行収入を叩き出した。LiSAさんの歌う主題歌「炎(ほむら)」も浸透している。RPGゲームのような感覚など、21世紀の若者や子供たちに共通の世界観を持った作品ということもあるが、大正期を舞台にディティールにこだわった「和」の世界がここまでの支持を受けているというのは現象と言っていい。

 食文化においては、ラーメン文化の浸透が著しい。ニューヨークやカリフォルニアなど、日本文化の浸透の早かった地域だけでなく、パンデミック下で飲食業としては厳しい環境にも関わらず、全米で各種のラーメン店がどんどんオープンしている。

 ライフスタイルの方では、近藤麻理恵さんの「片づけ」カルチャーは相変わらず高い支持を受けており、TVシリーズなども好調だ。また、ここへ来て日本式「イキガイ(生き甲斐)」論というのがブームになっている。これは「分をわきまえる」とか「腹八分目」などといった長寿のための「シンプルライフ哲学」とでも言ったもので、それが「イキガイ」という言葉とともに人気化している。

 というわけで、日本文化への憧れというのは、このコロナ禍の中でも、どんどん増殖していると言っていい。考えてみれば、今の30歳前後というのはポケモン世代であり、アニメと共に育って今は親になろうとしているわけだ。彼らにとっては、日本のカルチャーというのは血肉化していると言っていいだろう。

 その結果として、例えば航空会社や旅行代理店が「ポスト・コロナ」を意識して海外旅行のマーケティングを再開しているが、そのイメージ広告では「海外旅行といえば日本」という扱いになっているものが見られる。つまり、仮にコロナ克服というムードが広がり、日本の国境がオープンしたら、アメリカから日本への観光客は爆発的に殺到する可能性があるのだ。

 現時点での日本の「排外的なムード」については、日本社会の特質を考えると、サッと雲散霧消してしまうと思われ、余り心配はしていない。問題はインフラである。両航空会社は持ちこたえてくれると思うが、飲食、宿泊などが生き残って、4千万、6千万というボリュームを受け止められるよう祈るばかりだ。

(れいぜい・あきひこ/作家・プリンストン在住)

米人口7.4%増加、3億3114万9281人

米国勢調査の結果公表

最大州はカリフォルニア

 4月26日、米国勢調査局は「2020年国勢調査」における20年4月1日時点の米国の居住者人口(米国50州およびコロンビア特別区の居住者総数)が3億3144万9281人であると発表した。

 居住者人口は2010年の3億874万5538人から2270万3743人増え、7・4%増加した。最も人口の多い州はカリフォルニア州(3953万8223人)、最も人口の少ない州はワイオミング州(57万6851人)だった。2010年の国勢調査以降、数値上最も上昇した州はテキサス州(399万9944人増の2914万5505人)で、最も急速に成長している州はユタ州(18・4%増の327万1616人)だった。またプエルトリコの居住者人口は2010年国勢調査の372万5789人から11・8%減少し、328万5874人となった。

 ジーナ・レモンド商務長官は、「アメリカ国民の2020年国勢調査への多大なる協力に心から感謝する。度重なる困難のなか、第24回目となる国勢調査を完了することができた。これは我が国の民主主義の根幹をなすものであり、発展と回復への宣言でもある。また、米国勢調査局チームに感謝する。彼らは今後数年間にわたり意思決定に貢献するであろうクオリティ

の高いデータを収集、作成するという前例のない任務を成し遂げた」と述べた。また、国勢調査局代行局長のロン・ジャーミン氏は「2020年国勢調査の初回の結果を発表できることを誇りに思う。今回の結果は、我が国の未来を形作る最高品質の統計を作成するという、国勢調査局の全チームのたゆまぬ努力の成果だ」と述べている。

 国勢調査局としては初の試みとして、総人口データの結果発表日に、データ品質指標を公開。アメリカ合衆国各50州、コロンビア特別区、およびプエルトリコにおける最新の居住者人口統計は公式サイトcensus.govで見ることができる。

警察官が語るアジアン・ヘイトクライム

JAAでオンラインセミナー

 ニューヨーク日系人会(JAA)が開催する第13回JAA春のサクラフェアーで、NY日本総領事館とNY日系ライオンズクラブ(伊藤リキ代表)の共催企画「邦人安全対策虎の巻」が29日(木)正午から1時間ZOOMによるオンラインで開催された。NY市警察(NYPD)の現役担当官が犯罪からの身の守り方などを含め、深刻な問題となっているアジア・コミュニティーの安全対策として講演した。 冒頭大橋建男領事部長が講演内容を各企業や団体に持ち帰って共有して欲しいと挨拶した。

 当日はNYPD情報部外交団リエゾンのカール・フェッファー警部補とトニー・マンサー刑事、ラシッド・エルカディ刑事がアジアン・ヘイトクライムの現状と対策について語った。英語の講演を総領事館の野﨑隆領事が解説した。

 それによると、今年のニューヨーク市内でのヘイトクライムの発生状況は、これまでに158件と昨年の101件から57件、56%増加している中で、アジア系が被害を受けた事件は68件で昨年の15件から53件、350%の大幅増加になっている。検挙率は35%から40%で残りは捜査中。

 被害にあった場合、容疑者の写真を撮影することは、たとえ背後からの写真であっても犯人を特定する上で捜査の立場からは非常に参考になるが、逆に写真を撮影することで状況を悪化させることもあるので、必ずしも良い結果になるとは限らないのでケースバイケースであるとした。警察に通報するなどの形で協力して欲しいと述べた。

アジア系ヘイトクライム特捜班は現在25人編成で11か国の言語に対応できる。メールアドレスはAsianHCTF@NYPD.ORG 、ツイッター@NYPDAsianHCTF) / Twitter となっている。

アジア特捜班に聞く

 ニューヨーク市警(NYPD)は昨年8月にアジア系へのヘイトクライムを専門に取り締まる特捜班(Asian Hate Crime Task Force)を設置、さらに現在私服警官を要所に配置して取り締まりを強化している。

 「被害を受けたら、英語が話せなくとも、ビザの有無にかかわらず、必ず被害届けを出して欲しい」と、特捜班インスペクターのトミー・ナン氏=写真=は強調する。

 「一部の報道によると、犯人たちはヘイトクライムの法に引っかからないよう黙って(憎悪用語を使わずに)暴力だけふるって立ち去ると聞くが」との本誌の質問に対しナン検査官は、「言葉を発しようと無言だろうと、暴力を振るえば警察側で状況を判断する。とにかく小さなことでも報告して欲しい」と答えた。

(ワインスタイン今井絹江)

民間から公務に転じ日米に貢献

元ジャパン・ソサエティー理事長、元ニューヨーク総領事・大使

櫻井本篤さん

令和3年春の叙勲で旭日中綬章

 日本政府は、4月29日に令和3年春の叙勲受章者を発表し、ニューヨーク日本総領事館管内では櫻井本篤元ジャパン・ソサエティー理事長、元在ニューヨーク日本国総領事館総領事(76)が日米相互理解促進及び日米文化交流に貢献したとして旭日中綬章を受章した。

  櫻井さんは、北米統括兼米国三菱商事社長在任中にニューヨーク日本商工会議所会頭を務め、年次晩餐会などを通じ、対米進出日系企業と米国政財界とのハイレベルな日米友好・協力関係の推進に尽力した。2006年には民間出身初の在ニューヨーク日本国総領事・大使に就任し、38年に及ぶ商社勤務で培った国際経験と豊富な人脈を生かし、大使として日米交流活動に大きく貢献した。その最大の功績の1つは、自らアイデアを持参して日系企業約40社に出向き、直接支援を求めるなど日夜奔走し、ニューヨーク最大の日本関連イベントとして定着したジャパン・デーを立ち上げたことだ。加えて民間で培われた経営感覚を持って総領事館のサービスを改善するとともに、職員の意識改革にも積極的に取り組み、ランチタイムの領事窓口業務の実施など、海外在外公館でも前例のないさまざまな改革を成し遂げた。

 2009年にはジャパン・ソサエティーに初の日本人理事長として就任し、在任中の10年間で、リーマン・ショック後で基金が大幅に減少していた同団体の財務状況を黒字化させることに成功した。その後も日本文化を米国に伝えるという強い使命感の下、超人的な粘り強さとスタミナをもってファンドレイジングとネットワーク構築に尽力し、数多くの文化関連団体がひしめき合うニューヨークで、同団体が一流の組織であり続けることに貢献した。特に東日本大震災直後に立ち上げた「東日本大震災支援金」は、米国の民間非営利団体のなかで最も多い1400万ドル以上の募金を集め、現在までに東北で復興活動を行う45団体69の事業に助成されている。さらに熊本地震、台風19号の被害に際してもリーダーシップを発揮して迅速に支援基金を立ち上げ、災害復興に広く貢献した。

 櫻井さんは「大変名誉なことで喜んでいます。民間企業、総領事館、ジャパンソサエティーとそれぞれ対面する人が違うという異なったフェーズで、どうやったらお客さんに喜んでもらえるのかを考えるのはとても新鮮な体験でした。前にやった仕事が次の仕事に役立つという密接な関係を持っていたことも自分がパブリックサービスとしての仕事を続ける上でよかったです」と叙勲の喜びを話していた。現在は東日本大震災で孤児となった子供達を支援する団体やニューヨークの日本食レストラン協会などのアドバイザーを務めるが、今後はアメリカ社会とアジア系との橋渡し役となる新たな分野にも力を注いでいきたいそうだ。(三浦良一記者、写真は本人提供)

ニューヨークは屋台天国

ホットドッグやチキンオーバーライス

 世界中からたくさんの人々が集まってくるニューヨーク。だからこそ、ここでは多国籍な種類のフードトラックが紹介しきれないほど豊富にある。最近は暖かくなってきたこともあり、お昼の時間になるとテイクアウトして公園などでランチを楽しむ人たちの姿をよく見かけるようになった。レストランで食事を取るのも良いが、サクッと手軽にフードトラックで購入して食べる習慣は、忙しいイメージがあるニューヨーカーらしくて、日本では体験できない新鮮な気分になる。日本のサラリーマンはお昼ご飯に、道端で販売されるワンコイン弁当を500円で楽しむが、ニューヨーカーにとってフードトラックとはそのような存在なのかも知れない。

 アメリカでは毎年フードトラックのナンバーワンを決める「Vendy Award」が開催されるほど熱狂的な盛り上がりを見せるが、ホットドッグ以外にも大人気なのがチキンオーバーライス。日本では見かけることのない細長い黄色いお米にチキンが盛り付けられ、その上にホワイトソースがかかった料理で、お米は私達が普段食べる白米より味がしっかりとしていてとても美味しい。日本では夏祭りの時くらいにしか屋台が出ないが、ニューヨークの街では毎日ほかほかの出来立てを食べることができ、夏になるとアイスクリームのトラックも登場する。またフードトラック内には小さな台所が完備されており、まさに「動くキッチン」と言える。そのまま日本まで来てくれると良いですね。

(藤澤希世紀、編集部インターン)

日本へ帰国、入国の注意点

旅行代理店のプロがアドバイス

 4月19日以降、日本の空港検疫において日本入国の際に必要な出国前72時間以内の「出国前検査証明」の記載事項の確認が一層厳格化された(本紙5月1日号既報)。厚生労働省では入国時の検疫における出国前検査証明書の確認を厳格化するにあたり、厚生労働省が指定するフォーマットを利用して検査証明を取得するよう勧奨している。任意のフォーマットの検査証明書も使用可能だが、この場合、航空機の搭乗時及び本邦入国時に検査証明の内容を確認するための時間がかかるほか、場合によっては搭乗拒否や検疫法に基づき入国が認められない事態がすでに発生しており帰国には注意が必要だ。厚生労働省が指定するフォーマットまたは任意のフォーマット、いずれの場合でも、厚生労働省が指定する有効な「検体」及び「検査方法」が記載された検査証明のみ有効として取り扱われる。この時期に帰国する人は、親族の一大事だったり、会社の転勤による帰国などを余儀なくされている人がほとんどで間違いは許されない。手続きが厳しくなるなかで、IACEトラベル法人部予約課の渋谷かなえさんに日本入国に関する注意点とポイント聞いた。

■日本入国に関する注意点とポイント

①検査は早めに予約/確認PCR検査結果判明に平均24〜48時間だが、ギリギリで検査結果がでる場合もある。予約時の確認事項:検査判明までの時間、検査方法 経由便利用の場合は、経由便出発時間(出国)からの72時間以内になるので注意。〜入国拒否/搭乗拒否一例〜 所定のフォーマット以外で、認められてない検査方法(Nasal swab) 所定のフォーマット+LAB結果(添付)での検査方法の表記が違うと指摘

②航空券予約時、出発の曜日には注意 通常の検査機関や医療機関は土日休みなので、月・火・水の出発は避けた方がよい。

③必要アプリはアメリカ国内で事前にダウンロード 日本での空港内のWi-Fi環境がよくないようでダウンロードに時間がかかるとの事。 設定等は日本到着後に実施だが、アプリは事前にダウンロードした方がよい。 家族で同じところに滞在予定の場合は1つのスマートフォンでもよい。 滞在先が異なる場合は各自のスマートフォンへアプリダウンロード必要。 スマートフォンを持ってない人は、入国前に政府指定のレンタル会社よりレンタルをすることとなるので、スマートフォンを持っていなくても日本へは渡航可能。

④出発前に質問票の記入 質問票の提出はアメリカ国内で実施。チェックイン時に回答されているか確認があるので 完了後のQRコードをスクリーンショットまたは、印刷して忘れずに携帯。

⑤誓約書の記入 誓約書も厚生労働省のウェブサイトからダウンロード可能なので事前に記入することも可能。事前準備、書類が多いので、クリアファイルに入れてまとめておくのもおすすめ。必要書類がアップデートされるので、記入前には最新のものかダブルチェックする。

■新型コロナウイルス変異株流行国・地域からの帰国者

 4月29日時点で滞在先(住まい)が、テネシー州、フロリダ州、ミシガン州、ミネソタ州の人が対象。乗り継ぎでテネシー州、フロリダ州、ミシガン州、ミネソタ州の空港を利用する人は措置対象外だが、対象州に前泊した場合は措置対象となる。対象の場合は日本入国後3日間(帰国日含め3泊4日)国が指定する施設に強制待機となり、入国日含め4日後に再度検査+陰性結果の上退所となる。残りの自主待機期間は手配したホテルや自宅など所定の場所で過ごす。

検査証明に対応している医療機関

(NY日本総領事館のサイトで紹介)

https://www.ny.us.emb-japan.go.jp/oshirase/border-control.html#3

【ニューヨーク州】

○ 安心メディカル http://www.anshinmedical.com/

○ CareCube https://carecube.clinic/

○ 20 East Medical http://www.20eastmedical.com/

○ 岩原内科 電話:(212) 879-2328

○ Jメディカル https://www.jmedical.com/

○ Lenox Hill Hospital https://lenoxhill.northwell.edu/signature-services

○ 東京海上記念診療所 https://www.mountsinai.org/locations/msd-japanese-medical-practice/japanese

○ The Mount Sinai Hospital https://www.mountsinai.org/locations/mount-sinai/your-visit/locations

【ニュージャージー州】

○ ひばりファミリーメディカル https://hibarifamilymedical.com/

第25回NYで活躍する日本人・日系人美術家展

20日からJAAホールで

レセプションは対面とZOOM

 ニューヨーク日系人会(JAA)が主催する第25回「JAAニューヨークで活躍する日本人・日系人美術家展覧会」(後援・ニューヨーク日本総領事館、週刊NY生活、よみタイム)が20日(木)から29日(土)まで、オンラインとニューヨーク日系人会(西45丁目49番地11階)で開催される。

 参加作家はニューヨークで創作活動を続ける次の26人。服部夏子、廣瀬ジョージ、広瀬公美、百田和子、市村しげの、キノマホ、三浦良一、 森本洋充、森戸泰光、本宮陽子、永野みき、野田正明、岡田桂、小野知美、作山晙治、佐々木健二郎、佐藤正明、澤野水纓、篠原乃り子、篠原有司男、竹田あけみ、渡辺啓子、依田順子、依田寿久、依田洋一朗、 飯塚国雄(特別参加)。展示作品は販売され、売り上げの半額がニューヨーク日系人会の活動資金に寄付される。

 入場無料だが事前予約が必要。開廊時間は月〜金曜が午前10時から午後5時、土曜は午後3時まで。日曜休廊。オープニングレセプションは20日(木)午後4時から6時まで開催される。コロナパンデミック対応の会場入場制限がこれまの30人から50人に緩和されたため、レセプションは会場での対面式とZOOMオンラインの2方式を併用して開催する。問い合わせ・会場への入場予約は電話212・840・6942まで。