
日本クラブは12日、ジャパン・ソサエティー理事長のジョシュア・W・ウォーカー氏(政治学博士)を迎えたオンライン講演会「世界的転換期に立つ日米関係」を開催した。新著『同盟の転機 アメリカの変貌と日本の戦略』について語るとともに、世界と国内の変革期における日米関係を考察した。
変化する地政学的動向、両国における政治的変化、そして日本の国際的役割に対する期待の高まりがどのように同盟関係を再構築しているのかを検証し、日米協力の次なる段階において、安全保障と地球規模の課題に取り組む上で、継続性、信頼に基づく関係、シェアドリーダーシップがいかに重要となるかについて語った。当日は日米◎人が聴講した。
講演要旨次の通り。
同書執筆の動機について、戦後の枠組みを超え、日米同盟がいかに変化してきたかを検証する「緊急性」、ワシントンと永田町を超えた日米関係は、これまで以上に重要性を増している「同盟」、次の80年に向け、日米同盟はどこへ向かうのか「分岐点」にあるとの3つを挙げた。
変化するグローバル環境として、「戦略的競争」が国際関係の主要な特徴となっていること、「経済的相互依存」は、安全保障とレジリエンスの観点から再定義されつつある。「多国間の国際枠組み」は、自国の国益重視の動きによって深刻な課題に直面している。「従来の予測可能な規範」から「利害が複雑に交錯する時代へ」の例としてグリーンランドを挙げた。
世界の中の米国の位置付けは、トランプ政権の取引的政策アプローチが、課題として米国の世界からの撤退ではなく、期待値の調整と政策の継続性の確保にあるとした。政権交代を跨ぐ政策の一貫性に対する国際的な懸念も高まっているとした。
岐路に立つ同盟関係
困難な環境下にあっても、米日同盟は底堅さを維持する。同時に通商措置や大規模な経済的コミットメントが、日本側にとって大きな課題になるだろうと予測した。
戦略的転換点にある日本
政権交代や解散総選挙を含む、国内政治の流動化の高まり、地域的、国際的な不確実性の中で、日本の地政学的重要性は一段と増している。防衛力の近代化、経済面での関与強化、そして同盟外交は、日本がより大きな役割を担う準備が整いつつあることを示している。国内政治、地域的責任、そして国際社会からの期待を調和させつつ、政策の継続性をいかに維持するかが課題だと述べた。
日本の国際的地位
目に見える形での貢献
日本は国際的に、安定的で信頼でき、原則を重んじる国として広く認識されている。防衛力の近代化、積極的な外交、そして経済的影響力が、その信頼性をさらに強化している。同盟国・パートナー諸国は、地域の安全保障及びグローバルガバナンスにおいて、日本がより目に見える役割を果たすことを期待している。失敗例として湾岸戦争時に多額の資金を出しても日本の貢献度の評価が低かったことを挙げた。日米関係については、不確実の時代においてこそ関係性の質が問われるので、継続性とネットワークが。日米関係の底力を支えるとした。
講演の見逃し配信
YouTubeで動画公開
同講演はYouTubeで見逃し配信公開されており、誰でも視聴できる。https://www.youtube.com/watch?v=n5F1IBwTb_4

