週刊やさしいにほんご生活 日本の浴衣のマナー 雨降って地固まる 

この連載は、日本語を勉強している人を読者対象としたコーナーです。日本文化やマナー、タイムリーな日本に関する話題などを簡単な日本語で毎月第3週号に掲載します。アメリカ人の友人などにご案内ください。また、漢字をまだ習っていないお子様にとっても社会を知り、漢字に接するよい機会になります。

日本の浴衣のマナー

 浴衣は、夏に着る木綿の生地でできたカジュアルな着物です。夏祭りや花火大会などでよく見られます。最近日本ではお洒落としても人気が再燃しています。浴衣を着るときは、マナーが大切です。歩幅を小さめにしてゆっくり歩きましょう。座るときは、すそが広がらないように手でおさえます。下駄をはくときは、大きな音をたてず静かに歩くと上品です。うちわや扇子で風をおこしたり、ハンカチで汗を拭くと涼しげで見た目も美しくなります。帯の形や色、持ち物には男女で違いがありますが、気づかいと丁寧な動きは、どちらも同じです。

(長久保美奈、マナー講師)

わくわくことわざ(10)
文とイラスト 平田恵子

雨降って地固まる 


 もめごと、悪いことがあった後では、かえって物事がうまくいくという意味。地は地面のことです。雨が降れば一時的に地面がぬかるみますが、その後はしっかりと固くなります。雨をもめごとなどの難題、地面を人間関係や環境に例えたことわざです。誰かと大喧嘩や激論で落ち込んでいる人に「大丈夫、理解が深まることもあるよ」などの場面で使えます。なお、日本は、6月から約1か月にわたって梅雨という雨季を迎えますが、雨は田植え後の稲の成長を促す天の恵みでもあります。


《言葉の意味(ことばのいみ)》

・浴衣(ゆかた):yukata (light summer kimono)

・着物(きもの):kimono (traditional Japanese clothing)

・下駄(げた):geta (wooden sandals)

・上品(じょうひん):elegant, refined

・扇子(せんす):folding fan

・帯(おび):obi (sash)

・地面がぬかるむ the ground is muddy

・人間関係  relationships

・梅雨  rainy season (the origin is rainy season is starting when plums are ripening)

・田植え rice planting

・「雨降って地固まる」と同じ意味の英語のことわざ after rain comes fair weather.