マンハッタンのアッパーイーストサイドに9日、ユニークなコンセプトのカフェがオープンした。その名前はASANO CAFE (朝のカフェ)。店先にかかった神社の鳥居を思わせる朱色の暖簾が目印だ。
営業時間は平日の午前7時30分から午後2時30分の昼間。ロケーションの良いレストランの営業時間外の朝の店舗を借りて営業するカフェだ。

カフェの売り上げをシェアすることで、テナントは家賃なしで店舗を使え、レストランは、閉店時間帯からも利益を生み出すことができる。そして利用するお客さんは、日頃夜に行きつけている馴染みのレストランで、マンゴー抹茶ラテやコーヒー、黒胡麻とココナツのクロワッサンなどを静かに楽しめる。この「一石3鳥」のビジネスモデルを考えついたのは、ケイト・カネコさん=写真=という父親が日本人、母親が米国人の日系2世の女性だ。
彼女は、プリンストン大学を卒業後、コンサルティング会社に入り、そこで修行を重ね、そのあとハーバードビジネススクールに通い、ニューヨークだけでなくロンドン、日本、西海岸、ワシントンDCでさまざまな経験を積み、今回 新しいコンセプトのビジネスをスタートした。
「日本人のもったいないという考え方がこのビジネスの背景にあります。素敵なレストランなのに朝は空っぽでもったいないなと思ったんです」と話す。彼女のスタッフがそこでカフェを経営する。賑やかな夜とは趣を変えた静かな店内では、シェアオフィスのようにインターネットを使って仕事をするお客さんもいる。レストランとの契約は半年ごとに場所を変えるという。今回のロケーションは、イタリアレストランのSANDOS(サンドス、東86丁目322番地)で地下鉄Qライン86丁目駅下車徒歩0分。詳細はasanocafe.com
ASANO CAFE
(at SANDOS)
322 E86th St.
(Bet 1st & 2nd Aves)
New York, NY 10028