フィラデルフィアで沖縄の音楽と舞

7月19日(土)松風荘

 7月19日(土)午後6時30分から8時まで、フィラデルフィアにある松風荘 (Lansdowne Dr. & Horticultural Dr., Philadelphia)にて沖縄の音楽と舞のコンサートが開催される。沖縄に古くから伝わる民謡を紐育沖縄倶楽部のメンバーのソニー落合と溝口尚美が三線や笛を演奏しながら歌い、落合秀子が舞を披露する。後半は北村ゆいがキーボードで加わり、沖縄のアーティストが歌うJポップの楽曲などを演奏する。演奏予定曲は、浜千鳥、四つ竹、てぃんさぐぬ花、涙そうそうほか。 

 入場料は一般20ドル、松風荘会員は15ドル。チケット・詳細はウェブサイトhttps://japanphilly.org/eventを参照する。

編集後記

編集後記


 みなさん、こんにちは。ロサンゼルスにある全米日系人博物館が6月18日、第二次世界対戦中にアメリカの日系人が強制収容されたマンザナー国定史跡やミニドカ国定史跡を含む国定史跡や国立公園において「訪問者にアメリカ史を批判する内容とみなされる情報」を報告するよう促す標識を設置したことを非難する声明を発表しました(今週号1面)。同博物館のアン・バロウズ館長兼CEOは「これらの指針は、公園管理者に、アメリカ史をおとしめるものと判断された標識、展示、映画、その他の一般公開コンテンツを特定し、注意書きを付けることを求めている。これらはいずれも、現政権のより広範で継続的なキャンペーンの一部であり、多様性と民主主義の基盤となる原則を解体し、現政権が好ましいとする歴史解釈に反する歴史的な叙述を制限し、有色人種や女性、LGBTQIA+、その他のコミュニティーの貢献をアメリカ史から抹消する目的を有している」と強く非難しています。直接的にマンザナーが反米史跡であると決めつけてレッテルを貼った訳ではないようですが、そういう標識を立てること自体が、反米思想の芽を摘む行為としての歴史的検閲、政治的イデオロギーへの圧力であるとして非難したのでしょう。同博物館が、日系アメリカ人の経験を共有することによって、アメリカの民族的・文化的多様性への理解と認識を促進し、日系人の戦時強制強制収容の苦難から得た教訓が忘れられることのないよう公民権の擁護を目的とする中心的な存在として活動をしている団体として当然のこととして声を上げたということでしょう。「嫌なことはすぐにその場で嫌だ」と言わないと「黙認した」とみなされるのがこのアメリカです。間髪を入れずに反論することは大切なことです。このことは、特に他のメディアでは取りあげていないようですが、在米邦字紙としては見過ごすことはできない出来事の「記録」として今週号で記事化しています。ロサンゼルス市リトル東京で今も開業する東洋宮武写真館のアラン氏が、彼の祖父がマンザナー収容所で撮影した有名な3人の少年の写真の使用を許可してくれました(もちろん有料ですけど)。この記事にはこの写真しかないと即、電話して入手できたのはラッキーでした。何にもできませんが、こうやって伝えることができただけで今週号は自分としては二重丸でした。独立記念日を前に政治、経済各方面で日米関係にとって色々な大きなニュースが並んだ1週間でしたが、小さな独自記事で今の世相を切る、そんな新聞の存在でうちはいいと思ってます。それでは、みなさんよい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一) 

【今週の紙面の主なニュース】(2025年7月5日号)

(1)マンザナー強制収容所史跡 反米展示警告標識設置 

(2)広島・原爆投下のトランプ発言に日本で怒り

(3)デジタルアートに共感の場を 糸井七重さん

(4)光る真珠NYで披露 上村栄司さん

(5)立会人よりネット投票の本人確認が正確?

(6)在外投票232公館で NYは午後5時まで

(7)トランプ流「停戦合意」 視座点描

(8)タリータウン 食べ歩き

(9)NY補習校LI校で阿波踊り公演

(10)ブライアント公園で夏の野外映画

マンザナー強制収容所史跡 反米展示警告標識設置

全米日系人博物館が非難声明

 全米日系人博物館(ロサンゼルス、JANM)は6月18日、第二次世界対戦中にアメリカの日系人が強制収容されたマンザナー国定史跡やミニドカ国定史跡を含む国定史跡や国立公園において「訪問者にアメリカ史を批判する内容とみなされる情報」を報告するよう促す標識を設置したことを非難した。

 これは、大統領令「アメリカ史に真実と健全性を回復する」に基づき、2025年5月20日に米国内務省長官が発行した覚書、および2025年6月9日に国立公園局の会計監査官が発行した指示書に続くもの。同博物館のアン・バロウズ館長兼CEOは「これらの指針は、公園管理者に、アメリカ史をおとしめるものと判断された標識、展示、映画、その他の一般公開コンテンツを特定し、注意書きを付けることを求めている。これらはいずれも、現政権のより広範で継続的なキャンペーンの一部であり、多様性と民主主義の基盤となる原則を解体し、現政権が好ましいとする歴史解釈に反する歴史的な叙述を制限し、有色人種や女性、LGBTQIA+、その他のコミュニティーの貢献をアメリカ史から抹消する目的を有している」と非難している。

 特にJANMはこの新たな指針に、第二次世界大戦中に日系アメリカ人が不当に収容されたマンザナーやミニドカのような歴史的な場所に対して行われていることに、深く懸念を抱いている。「活動を支援している連邦の機関が広く解体され、歴史の全面的な抹消を試みる動きが行われている中で、これらは、より公正なアメリカを実現する上で何の役にも立たないことを改めて強調する。これらの影響は、アメリカの国定史跡や国立公園の枠組みをはるかに超える。だからこそ、歴史の改ざんや民主主義への脅威に対し、対峙し続ける必要がある」としている。さらに「歴史は検閲や政治的イデオロギーに屈しない。歴史は正直で透明な対話と、過去が現在と未来を形作る方法を理解する継続的なコミットメントを求める。当館は、私たちのミッションを体現し続け、歴史が完全な形で、真実に基づいて伝えられ、歴史の教訓が未来に継承されるよう活動を続けていく」とバロウズ館長は発表している。

 マンザナー強制収容所=(Manzanar internment camp)は、カリフォルニア州インヨー郡にあった、日系アメリカ人収容所のひとつ。正式名称は「Manzanar War Relocation Center」。現在はマンザナー国定史跡(Manzanar National Historic Site)として整備・保存されている。第二次世界対戦中の1942年2月19日にフランクリン・ルーズベルト大統領が発した大統領令9066号によって翌3月に開設された。日系2世、3世を含む日本人約11万2000人が強制立ち退きさせられた。マンザナー収容所は日系アメリカ人が収容された10か所の収容所の中で最もよく知られており、最大時には1万46名を収容し、収容された総数は合計で1万1070名となった。北アメリカ大陸において第2位の標高を持つホイットニー山を含むシエラネバダ山脈の麓、モハビ砂漠に設置された。建造物のほとんど全てが1940年代後半に売却・解体され、土地は1942年から所有していたロサンゼルス市水道電力局に返却された。後年に収容所問題が取り沙汰されるに伴って、国立公園局によって同地区は史跡として保存され、バラックとトイレが復元された。

 全米日系人博物館=(JANM、ロサンゼルス)は、1985年リトル東京に設立。日系アメリカ人の経験を共有することによって、アメリカの民族的・文化的多様性への理解と認識を促進。日系人の強制収容の苦難から得た教訓が忘れられることのないよう、公民権の擁護を目的とする中心的な存在。

(写真)有刺鉄線の中で
 第二次世界大戦中、カリフォルニア州マンザナーの日系人収容所で密かに記録写真を撮り続けた日系人写真家、宮武東洋(1895〜1979)が撮影した写真の一枚。(少年たちは、左からタカモト・ノリト、マサイチ・アルバート、サンスイ・ヒサシ)。(Photo :Toyo Miyatake Studio/Three Boys Behind Barbed Wire, Manzanar Internment Camp)

日系強制収容を謝罪

1988年レーガン大統領

▽大統領令9066号=1941年12月7日(米国時間)の日本軍の真珠湾攻撃により、日米両国が交戦状態となった。そのため、諜報活動の阻止や軍事活動への妨害阻止を名目として、フランクリン・ルーズベルト大統領により1942年2月19日に大統領令9066号が発令された。この大統領令により戦争中、約12万人の日系人が強制収容所に収容された。彼らのうち、62%が二世あるいは三世(いずれも合衆国の市民権を持つ)であり、残りは一世(在住外国人としての移民)だった。

 ロナルド・レーガン大統領は、第二次世界大戦中の日系アメリカ人強制収容について、1988年に「人種差別による重大な過ちだった」と公式に謝罪し、生存者への補償を定めた「1988年市民自由法」に署名した。この法律は、強制収容された日系人1人あたり2万ドルの補償金の支払いを承認した。1988年市民自由法は、日系人に対する強制収容が人種差別によるものであり、不当であったことを認め、生存者への補償を定めたもの。この法律は、1970年代から始まった日系人による賠償金請求運動の結果成立した。運動は、日系人だけでなく、日系人以外の人々も協力して行われた。

 ニューヨーク州の州都オルバニーで6月9日、日系コミュニティ代表団がNY州議会議事堂内の下院本会議場を訪問した後、NY州下院議員と意見交換を行った。また、同日夕刻には、森美樹夫在ニューヨーク日本国総領事館総領事・大使がラリー・エヴァンス在オルバニー日本国名誉領事及びロン・キムNY州下院議員(選挙区:クイーンズ)と共に、アジア太平洋島諸国系米国人(AAPI: Asian American and Pacific Islander)ヘリテージ月間を祝賀するレセプションを開催した(本紙6月21日号既報)。

 このなかで佐藤貢司NY日系人会(JA)会長とフルモト・タケシJAA理事が「フレッド・コレマツ・デー」制定法案をNY州議会で採択することの重要性をアピールしている。フレッド・コレマツ記念日は 第二次世界大戦中の日系人強制収容の不当性を訴えた権利擁護活動家、フレッド・コレマツ氏(1919年〜2005年)の誕生日に当たる1月30日を2017年にニューヨーク市が記念日としたのを受け2020年、東海岸で二例目となる記念日がニュージャージー州フォート・リー区で制定され、2023年にはニュージャージー州が州全体でも記念日に制定している。

広島・原爆投下のトランプ発言に日本で怒り

「戦争を終わらせた本質同じ」

 トランプ米大統領が6月25日、米軍によるイラン核施設攻撃について、長崎と広島に投下された原爆になぞらえる発言をし、日本で非難する声が上がった。

 トランプ大統領は6月25日、NATO(北大西洋条約機構)のマルク・ルッテ事務総長との会談の際、イラン核施設への米軍による攻撃の成果を強調した上で、「あの攻撃で戦争は終わった」、「広島の例は使いたくない。長崎の例も使いたくない。しかし本質的には同じことだった」と述べた。また、同日の記者会見でも「広島や長崎をみれば、あれが戦争を終わらせたことがわかる。これは違う形で戦争を終わらせた」と語った。

 こうした発言に対し、ノーベル平和賞を受賞した「日本原水爆被害者団体協議会」(日本被団協)の代表委員の箕牧智之氏は「受け入れられる発言ではない。被爆80年を迎えるのにあの悲惨な経験がわかっていない。広島、長崎で(1945年末までに)21万人が亡くなった重さを受け止めていない」と述べた。横山照子代表理事は「原爆投下はどういう理由があってもやってはいけないことで、正当化するような発言には怒りしかない」と語った。

 長崎市の鈴木史朗市長は26日、「仮に原爆投下を正当化するものであるとすれば、被爆地として大変遺憾に思う」と話した。広島では26日、県被団協と原水爆禁止広島県協議会(県原水協)の呼びかけで約50人が集まり抗議集会が開かれた。広島市議会は同日、「原爆使用を正当化する発言を看過、容認することはできない」とする決議を可決した。(日本政府の見解と米国の論調7面に)

 林芳正官房長官は同日の記者会見で、トランプ氏の発言について「広島、長崎に対する原爆投下は大変多くの尊い命を奪い、病気や障害などで言葉に尽くせない苦難を強いた人道上極めて遺憾な事態をもたらしたと認識している」と述べた。政府として抗議する考えがあるかとの質問には「累次の機会に米側に伝達している」と答えるに留まった。

 トランプ大統領の発言は、イラン核施設を「完全に破壊した」とする自身の主張に対する疑問が起きる中、それを払拭する狙いがあっと思われる。ロイターやニューヨーク・タイムズ、CNNなどの主要メディアは、完全に破壊できたかどうかは疑問で、その意味で原爆との比較は不適切であるとしている。ただし原爆が戦争を終わらせたこと自体を否定しているわけではない。


原爆との比較不適切
NYタイムズ報道

 林芳正官房長官は同日の記者会見で、トランプ氏の発言について「広島、長崎に対する原爆投下は大変多くの尊い命を奪い、病気や障害などで言葉に尽くせない苦難を強いた人道上極めて遺憾な事態をもたらしたと認識している」と述べた。政府として抗議する考えがあるかとの質問には「累次の機会に米側に伝達している」と答えるに留まった。

 トランプ大統領の発言は、イラン核施設を「完全に破壊した」とする自身の主張に対する疑問が起きる中、それを払拭する狙いがあったと思われる。ロイターやニューヨーク・タイムズ、CNNなどの主要メディアは、完全に破壊できたかどうかは疑問で、その意味で原爆との比較は不適切であるとしている。ただ原爆が戦争を終わらせたこと自体を否定しているわけではない。

光る真珠NYで披露 上村栄司さん

光を照射すると光を吸収して暗闇で光るホタル真珠

 パールアート作家、上村栄司(うえむら・えいじ)さんのニューヨークで9回目となる展示会が6月24日から28日までソーホーのギャラリー・マックス・ニューヨークで開催された。

 光の下では普通の真珠なのだが暗がりの中で自ら赤や青に発光する真珠。この「ホタル真珠」をパールアート作家で自ら真珠養殖も手がける、上村さんとそのチームが5年をかけて世界初の開発に成功した。

 上村さんは昨年開催されたニューヨークでの展示会にこの試作品を持参、初めて公開した。普通の真珠に光を当てると、光を吸収して暗がりで 蛍のように 内側から美しい赤や青の光を発光させる。今回も展示会場で披露すると、参加者たちから驚きの声が上がった。日本では昨年12月NHKのニュースで取り上げられ話題になった。今回の展示会期間中となる6月26日には NHKの「あさイチ」

でも紹介された。「バーに行って、店で自分のつけている真珠が余り光っていなかったので、もしこれが光っていたならなあ」という思いが開発の発端だったという。上村さんは、 三重県南伊勢で祖父の代から真珠養殖を営む3代目。真珠に限りない愛情を注ぎ制作に取り組んでいるユニークなパールアート作家だ。

デジタルアートに共感の場を 糸井七重さん

ウェブデザイナー
ミクストメディア・アーティスト

 糸井七重さんは、2011年に来米、2023年にハンターカレッジを卒業後ミクストメディア・アーティストとしてニューヨークを拠点に活動をしている。和紙や墨などの日本の伝統的な素材と、AR(拡張現実)やモーションキャプチャー、センサー、プロジェクションマッピングなどの最新メディア技術を掛け合わせ、現実とデジタルの境界線で五感を刺激し、身体と空間を巻き込むインタラクティブなアート体験を生み出している。創作の中心には、「人間の思考の構造」「哲学的な問い」「錯覚や洗脳といった認知の揺らぎ」「脳科学への興味」といった、目に見えない内面世界を視覚・聴覚・触覚で可視化することに関心があるという。アートを通して「見えるとはどういうことか?」「信じるとは何か?」という問いを立ち上げ、観る人それぞれの「思考の旅」を誘発するような空間をつくり出すことを目指している。糸井さんの作品は、観客が身体を通して関わり、他者と時間を共有する体験そのもの。観る・触れる・聴く・動くといった行為のなかで、自分自身の認知や感情と向き合い、周囲とのつながりを感じられるような「共鳴する場」を設計している。

 日本とニューヨークを中心に展示やイベントを行っており、最近ではインタラクティブなデジタルアートをダンサーやミュージシャンとコラボレーション、音とライブペイントを使ったパフォーマンス、AIやプログラミングを取り入れた実験的作品をジャンルを超えていろんな種類のアーティストにも取り組んでいる。アートを通じて、思考と感覚、そして人と人の間、人とデジタルの間にある「見えないもの」を照らし出すこと。それが活動の根幹となっている。現在ニューヨーク市内の美容サロンなどでプロジェクションマッピングの映像を発表している。AIを駆使することで100年前の写真が実際に動き出したり、笑顔になったり、数年前までは不可能だった映像を作り出すことができる現代。最前線でクリエーターたちが手探りで作り出す新しいものと自分のアート作品との融合を追求している毎日だ。京都出身。(三浦良一記者、写真は本人提供) 

立会人よりネット投票の本人確認が正確?

 6月17日「在外投票を推進する議員連盟」の総会が開催されました。今回浮上した最大の課題は、河野太郎議員が指摘した「投票所における立会人による投票者の本人確認よりもマイナカードによる本人確認の方が正確ではないか」という論点です。立会人である町会長さんですら知らない人も、ハガキを持参するだけで投票できるのが今の制度で、実際に立会人が本人以外の人を発見した事例があるのかという質問も出されました。

 実は現行の郵便投票も立会人不在です。海外有権者ネットワークNYの竹永浩之さんは、昨年の総選挙で在外邦人で郵便投票ができた人はこれまで最低の246人、在外郵便投票用紙の約54%の国内返送が遅れて無効になったという資料を提供しました。世界の郵便事情は悪化が加速し、減少は更に進むといわれます。

 他方、2023年から開始された在外公館における「ビデオ通話による本人確認」が、乳幼児のある家庭や仕事の都合で公館に行けない人々に好評との報告もされました。

 また2024年に以下が改正されました。1.在外邦人の投票申請書が外務省経由で国内の選挙管理委員会に送られていたものを、直接選挙管理委員会に送付。2.選挙管理委員会が印刷して在外公館経由で在外邦人に送付していた在外選挙人証を在外公館が印刷。これにより、これまで取得に約85日間かかっていた日数が約18日間短縮されました。最短で即日交付です!

 在外ネット投票の技術的な課題についても、投票画面の表示方法、マイナカードのスマホ版電子証明書の活用、視覚障碍者のアクセシビリティ確保、と絞られてきました。

 しかし、総会では逢沢一郎議連会長を含め、総務省が在外ネット投票への慎重論の根拠としてきた「立会人の不在」と「100%確実な制度の導入」という価値判断の是非も問われました。

 今後は、西村智奈美事務局長のもとで、一般論での堂々巡りではなく、政府に課題項目の提出を求め、議連で詰めを行うことが決定されました。私がこの議連会長をしていた時代より大きな前進です!100%確実な制度という理由で、104万人の在外邦人の1万7000人しか投票できない実態を変えるべき時です。

 投票の権利は民主主義の根幹です。

ふじた・ゆきひさ=オックスフォード大政治国際問題学部客員研究フェロー(英国在)。慶大卒。国際MRA(現IC)や難民を助ける会等の和解・人道援助活動を経て国会議員、財務副大臣、民主党国際局長、等を歴任。現在、国際IC日本協会長、岐阜女子大特別客員教授も兼任。

在外投票232公館で NYは午後5時まで

今月4日から13日まで実施

 第27回参議院選挙の在外選挙の在外公館投票が、ニューヨーク日本総領事館で7月4日から13日(日)まで実施されている。在外公館投票は平日・週末・祝日共に関係なく行われる。投票時間は、午前9時30分から午後5時まで。投票のための予約手続きはいらない。投票に必要はものは在外選挙人証、パスポート等の写真付き身分証明書(例・米国の自動車運転免許証など)。日本の投票日となる20日までに全世界の在外公館で投票された票が日本全国の選挙管理員会に届けられる。

 今回の参院選では、総議席248の半数124議席と東京で出た欠員1人を加えた125議席が選挙対象となる。選挙区の総数は日本全国で45。このうち、鳥取と島根、徳島と高知が合区となる。1人区は32。選挙区は75あり、立候補予定者は311人となっている。比例区は50で立候補予定は137人。立候補予定は選挙区・比例代表合わせて計448人で前回の参院選比97人減。今回の参院選の争点は、日本国内における物価高対策、企業・団体献金、選択的夫婦別姓、少子化対策、社会保障制度など。 

 今回の在外公館等投票は、1999年(平成11年)の制度導入から18回目となり、232の在外公館等において実施される。在外公館等投票の締切日は、在外公館ごとに定められており、総務省より告示されている。在外公館投票により受け付けた投票用紙は、在外公館投票締切り後、国内投票期日(7月20日)の投票所閉鎖時刻(原則として午後8時)までに国内の各市区町村選挙管理委員会に届くように郵送される。外務省及び在外公館は、海外在留邦人の積極的かつ適正な選挙参加を促進するため、現地邦字紙、ホームページ、領事メール等を通じて在外投票の広報に努め、投票を呼びかけている。

 在外選挙における投票方法=在外選挙における投票方法には、次の3つがある。  (1)在外公館等投票(海外の日本大使館、総領事館、領事事務所等に出向いて、「在外選挙人証」と「旅券」等の身分証明書を提示して投票する方法)(2)郵便等投票(在外公館等を経由せず、登録先の国内市区町村選挙管理委員会に対して投票用紙等の交付請求を行い、公示日の翌日以降投票用紙に記入して、再び登録先の選挙管理委員会へ郵送して投票する方法)(3)日本国内における投票(一時帰国等の際、または転入届提出後3か月以内であって選挙人名簿に登録されるまでの間、在外選挙人証を提示して、国内の一般の選挙人と同様に国内の投票方法を利用して投票する方法)。

 訂正=先週号でNY日本総領事館での在外選挙公館投票の時間が午後7時までとあるのは午後5時までの誤りでした。お詫びして訂正します。

(写真)NY日本総領事館の投票所(昨年の衆議院在外選挙で、本紙撮影)

トランプ流「停戦合意」 視座点描

 大統領が「大成功」と言うなら大成功であると従うのが今のアメリカです。そうじゃなきゃクビが飛ぶ。

 6月13日にイスラエルがイランの核施設や核科学者、革命防衛隊司令官らを標的に奇襲攻撃を仕掛けて始まった戦争は、米国の地下貫通弾バンカーバスターのおかげか、因縁の泥沼かと思われたものの12日間で停戦になりました。

 この「12日間戦争」、さすがMAGA派が「平和の使者」と呼ぶ大統領、豪語していたウクライナでの「24時間以内に終戦」こそ果たせませんでしたが、イランに関しては数年かけた空爆計画だったらしく、見事に収めました。

 で、この大統領、核施設空爆直後の21日には副大統領、国務長官、国防長官を従え4人揃い踏みで「今夜私は世界に向けて攻撃が大成功を収めたことを報告する」と大見得を切った。イスラエルのネタニヤフ首相も24日「私たちは歴史的な勝利を収めた」と自画自賛。さらにイランのハメネイ師も26日「偽りのシオニスト政権(イスラエル)に対する勝利を祝福する」とビデオ声明……ん? みんな勝ったの?

 まあ三者とも幸せならそれに越したことはありません。でも米情報機関がバンカーバスターなどによる空爆はイランの核施設の「重要部は破壊できなかった」と初期評価していたことがリークされ欧米メディアが一斉報道。大統領は例によって烈火の如くそれを大否定。その怒りを擁護するようにCIA長官も「深刻な打撃を与えた」「証拠がある」と後追い発表。

 うーむ、よくわからん。何せ大統領は3月に上院公聴会で国家情報長官ギャバードが言った「イランは核開発を進めていない」という証言を「間違っている」として空爆に踏み切ったのです。

 連邦政府の計17に及ぶ情報機関を統括する人物の証言を否定するなら情報機関など不要。その中にはもちろんCIAも含まれていますが、情報機関が「間違っている」なら今回のその「深刻な打撃を与えた証拠」という情報も「間違って」はいないのか?

 まあ、気に食わない情報は何から何まで「フェイクニュース!」で蹴散らす大統領ではあるものの、何を信じてよいかわからなくなるというのが情報戦の常。そもそもこの大統領本人も何を信じて行動しているのか誰にもよくわからない。ただいずれにしても、つまりは12日間で戦争が終結してよかったのはよかった。

 そしてここからが仮定の話。13日のイスラエルの奇襲から21日のバンカーバスター撃ち込みまで1週間ほど。この間にイランが濃縮ウランやその設備を秘密裏に移動させる余裕はあった。しかし「大成功」と言った手前、米国大統領は前言撤回はできない。イラン側もこれ以上の攻撃を避けるため米国に「大成功」と言わせておくのが上策。イスラエルも国際法違反の先制攻撃を非難されたくない。何せイランの核を許さぬこの国は自分は核を持っているのにIAEAの査察も受け入れず、イランの方がよほど国際法遵守なのです。

 さてこのトランプの威を借るキツネとタヌキとムジナみたいな騙し合いが現状だと仮定すると、この「停戦合意」は三者それぞれの政治的メンツだけでバランスを取っているような危うさなのです。

 イランを再びの協議に誘い込みたいアメリカは、交渉に何らかのアメを用意しているそう。最初にデカいことをぶつけて後からひっそり色々と折れるトランプ流。自身の政治的延命のために戦争し続けなければならないネタニヤフは次の攻撃理由を探しています。そして歴史ある大国のメンツをかけたイランは、これまで以上に核開発の覚悟を固めているはずです。

 軍事行動が、その場は凌げるとしてもとどのつまりは愚行であることが、再び証明されるのを我々はまた目撃することになるのかもしれません。

(武藤芳治/ジャーナリスト)

タリータウン 食べ歩き

 グランドセントラル駅から電車で約50分、人口1万2000人ほどの町、タリータウンは全米の「住みたい町トップ10」の常連となっている。一昔前までハドソン川沿いのエリアはマリーナとレストランが1〜2軒あるだけで資材置き場と荒地が広がっていたが、ここ10年で開発が進み、ハドソン川を望むおしゃれなコンドミニアムが立ち並ぶようになった。とは言え、現在も町の中心は川沿いではなく、内陸部。グラセンから進行方向右手に駅を降りると旧駅舎を改装したカフェがあるのみ、駅前には見事なほど何も無く、初めて来た人は絶句してしまう。気を取り直して坂道をふうふう言いながら登って行くと、やがて町のメインストリートにたどり着く。昔ながらのハードウェアショップを皮切りに、レストランやカフェ、ミュージックホール、雑貨屋、手芸店など、個性的でチャーミングな店が並ぶ。高い建物がなく、昔ながらの趣きを残す町はブラブラ歩くだけでも楽しい。また、車がないと行けないが、南には米国近代文学史に名を遺すワシントン・アービングの邸宅「サニーサイド」や、19世紀ゴシックリバイバル様式の邸宅美術館「リンドハースト」、北には18世紀の暮らしを再現した「フィリップスバーグ・マナー」、ロックフェラー家の旧邸宅「カイカッツ」などの歴史的サイトが多数あるほか、さまざまなトレイルが整備された「ロックフェラー州立自然保護区」や旧水路が遊歩道となった「オールド・クロトン・アクアダクト」など豊かな自然を楽しめるのもタリータウンの魅力の一つ。

 さて、今回はタリータウンのメインストリートでおすすめの店を3軒紹介しよう。まず1軒目はハンバーガーの店「Little B’s」。赤煉瓦の店内はカジュアルな雰囲気で、ビールを片手におしゃべりする地元民と、ハンバーガー目当ての常連さんや観光客が入り混じっている。この店の一番のメニューは「ビルド・ユアオウン・バーガー」。その名の通りパン、パテ、トッピング、ソース、サイドメニューを選んで自分好みのハンバーガーを作るシステムで、テーブルに置いてある注文用紙と睨めっこして決める。パンはブリオッシュ、全粒粉、イングリッシュマフィン、グルテンフリーの他、レタスもあり、バーガーは食べたいけれど、パンはいらない人やヘルシー嗜好の人には嬉しいチョイスだ。パテはアンガスビーフ、バイソン、ターキー、ツナ、ラム、もちろんベジタリアンもある。トッピングはレタスやトマト、オニオン、マッシュルーム、コールスロー、ベーコンなど20種から4種を選ぶ。それに好みのチーズとソースを選んで完成。今回はサイドにハンドカットのフライをオーダーしたが、このフライが揚げたてで塩加減がちょうど良く、バーガーを食べる前にハフハフと食べ続けてしまった。新鮮な材料を使ったパテは絶妙な焼き加減で美味しい。しかも自分の好きな物だけを組み合わせたバーガー、まずい訳がない。

Little B’s

 (49 Main St. Tarrytown)

https://littlebstarrytownny.com/

月・水・木 17:00〜21:00、金・土12:00〜23:00、日12:00〜20:00、火曜定休



 2軒目はバーガーの後におすすめのアイスクリームショップ「メイン・ストリート・スイーツ」。元々ホームメイドアイスクリームのマニアだったマルライナさんが母親と妹と共にオープンした店で、20年経った今もメインストリートで毎日30種類のフレーバーを提供している。他店に比べるとこの店のアイスクリームは若干高価だが、それは脂肪分が高いクリームを使用しているためで、その分クリーミーでリッチな味わいが楽しめる。人気商品はコーヒー風味のアイスにチョコレートチャンクとファッジが入った「メインストリート・スペシャル」と、バニラアイスにホワイトチョコ、チョコレートアーモンド、ヒースバーが入った「デボンズ・ドリーム」。

Main Street Sweets

(35 Main St. Tarrytown)

www.facebook.com/msstarrytown/

月〜木12:00〜21:00、金・土12:00〜23:00、日12:00〜22:00



 3軒目は消防署の右隣にある店「Muddy Water」。2015年10月にリントンとロレッタの2人がオープンしたカフェは美味しいコーヒーを提供するだけではなく、省エネにこだわり環境への悪影響軽減に尽力している。また、地元アーティストが展示を行い、ミュージシャンが演奏し、詩人が作品を朗読するなど、地域社会にとってポジティブな集いの場所づくりを目指す。フェアトレードのコーヒー豆と地元産の乳製品を使用したコーヒー各種は独特な風味と上質な味わいを持つ。バターたっぷりのクロワッサン、スコーン、パイのほか、スープ、サンドイッチ、キッシュなどの日替わりの軽食メニューもある。天気が良ければ裏庭のテーブルもおすすめ。コーヒーとカフェが好きな人は是非お立ち寄りを。

Muddy Water

 (52 Main St. Tarrytown)

www.muddywatercoffeehouse.com/

月〜金8:00〜16:00、

土・日8:00〜17:00

NY補習校LI校で阿波踊り公演

 ニューヨーク補習授業校LI校(小島昇校長)は、6月21日に保護者会が主催する日本文化伝承行事として、阿波踊りニューヨーク連を招き公演を行った。ニューヨーク連は徳島県の伝統芸能である阿波踊りの楽しさを、現地の人たちに広める活動をしている。

 イベントは、哀愁を帯びた曲調の「吉野川」という曲にのせて、しとやかな「女踊り」で幕を開けた。美しい着物をまとった4人の踊り子が舞い始めると、児童生徒たちはその優雅な世界に引き込まれた。その後、日本3大盆踊りの一つである阿波踊りが発展した歴史を学び、楽器紹介では、笛・鉦(かね)・締め太鼓・大太鼓の音色が披露され、その響きを楽しんだ。

 続いて「男踊り」の踊り子たちに率いられ、法被を着た子供たちが続々と登場すると観客席から歓声が上がり、一気ににぎやかな雰囲気に包まれた。この日のために練習してきた初等部1年生の児童たちは、その成果を舞台で披露した。そして、3人の子供によるうちわ裁きが鮮やかで俊敏な踊りや、のびやかで力強く、表情豊かな男踊りも披露され、それぞれの踊りの違いを堪能した。子供たちが再登場すると、次々と繰り出される「ヤットサー」という掛け声に、観客席からも「ヤットヤットー」という歓声が上がった。次に、阿波踊り歴30年以上のメンバーによる振付の指導が行われ、生徒・教師・保護者も踊りに加わった。参加者たちはひとつの大きな輪になって踊り歩き、響き渡る掛け声や和楽器の音色も加わって、会場は大きな一体感と熱気に包まれた。

 イベント終了後、子供たちは瞳を輝かせながら「とても楽しかったので、また踊りたい」と感想を述べた。保護者からも「阿波踊りを通して、会場全体がひとつになる感じがよかった」「軽やかな楽器のリズムに日本の夏を思い出し、熱い思いが込み上げてきた」との声が聞かれた。