Jurassic World Rebirth 未来を開く鍵 シネマ映写室

 「ジュラシック・パーク/ワールド」シリーズ7作目。回を重ねるごとにCG恐竜の「まるで本物」という驚きも新鮮さもだんだん薄れてきてはいるものの恐竜ファンにとっては待望の新作。

 今回はジュラシック・パークの大ファンだったというスカーレット・ヨハンソンが準主役をはる。主役はもちろん、がんがん出てくる恐竜たち。「ムーンライト」「グリーンブック」で2度のアカデミー助演男優賞を受賞しているマハーシャラ・アリがいつもながらの絶妙な演技で脇を固め、キャスティングは申し分ない。監督は「ゴジラ」(2014年)のギャレス・エドワーズ。

 一度は人間社会で共存しかけた恐竜たちも地球環境の変化に伴い生息できる地域が狭められ、今は赤道近くの孤島で生き延びている。

 製薬会社パーカーゼニックスは心臓病の先端治療薬開発のために現在生息する最大級の恐竜から生体材料を採取する計画を実行に移す。同社の幹部マーティンが率いる探検チームは元特殊部隊工作員のゾラ、恐竜に詳しい古生物学者ヘンリーそしてゾラの元同僚で傭兵のダンカンらでカリブ海バルバドス近くの島めがけて出港する。

 途中、ゾラらのチームはヨット航海中に遭難したデルガド・ファミリーを救助、一時は行動を共にするも、ある事故をきっかけに離れ離れに。

 チームが追うのは海棲爬虫類モササウルス、大型草食恐竜ティタノサウルスそして翼竜ケツァルコアトルス。陸・海・空を支配する最大最強の恐竜が相手だ。彼らは生体材料の採取に成功するのか、それとも恐竜たちの餌食となり果てるのか。

 常連ティラノサウルス、スピノサウルスなどの他にかなり気味の悪いミュータントも登場する。人間と恐竜の絡みはデルガド・ファミリーとゾラのチームとが並行して繰り広げられ、それぞれファンの期待に応えるパニックぶりを見せてくれる。デルガド・ファミリーの少女イサベラが島で見つけた角竜類恐竜アキロプスの子どもにドロレスと名付け一緒に連れて行くあたりはご愛敬。2時間14分。PG13。(明)

(写真)ゾラ(ヨハンソン)らは島に上陸する Photo : Amblin Entertainment/Universal Pictures


■上映館■

Regal Times Square

247 W. 42nd St.

AMC Empire 25

234 West 42nd St.

AMC 34th Street 14

312 W. 34th St.


編集後記

編集後記


 みなさん、こんにちは。夏休みシーズンとなり、日本に一時帰省する在米の日本人も多い時期かと思います。数週間程度の帰省旅行であれば、アメリカに戻って来る時の再入国審査も、日本のパスポートを持っていれば特段問題ないのかと思いますが、最近は、4か月以上の長期間にわたりアメリカ国外に出ている人の空港での再入国審査が厳しくなっているという話をよく耳にします。実際、NYの移民弁護士事務所にも多くの問い合わせ、相談が寄せられているようです。企業派遣の駐在員、留学など一時滞在ビザを所有している長期滞在者はビザ有効期限内であれば問題ないようですが、永住権(グリーンカード)保持者で実際にはアメリカに住んでいないのに永住権を持ちながら日本に住んでいる人が、入国できるのか心配になって問い合わせているようです。6か月以上米国外に滞在する場合は、予め「再入国許可証(reentry permit )を取得していれば2年間国外に出ていても出入国は自由ですが、それを取得して出ている人が案外多くないのが現状のようです。取得する時に米国に滞在していることが条件なので、米国外からは申請できないのも原因のようです。実際に米国に住んでいる証拠として、自分の名前の不動産契約書、電気代の請求書などユーティリティー・ドキュメントのプリントアウトしたコピーなどを持っていれば、入国審査官の窓口での質問に即答できるので事なきを得るようです。弁護士によっても見解は様々で、窓口の係官の裁量次第という部分も少なからずあるようです。今週号の1面と中面で弁護士の説明などを掲載していますので永住者の方で、この夏一時帰国を考えている人は参考にされてください。要するに、ちゃんとアメリカに住んでいて、家賃も電気代も税金も自分の名前できちんと納めていますよ、という人は、当たり前のことですが、何の心配もいらないという事です。国外に出る前にパスポートとグリーンカードの有効期限が半年を切っていないかどうかだけお忘れなく。それでは、みなさんよい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一) 

【今週の紙面の主なニュース】(2025年7月12日号)

(1)永住者米国再入国にご用心 長期国外滞在者の審査厳格化も

(2)USA連呼 独立の花火

(3)参議院議員選挙 在外投票始まる

(4)政権選択も重要な政策論議も行われない参院選の悲劇

(5)アポロ劇場大規模工事 1年間休館で近代的に

(6)GOGOカレーNY再オープン 25日は55セント

(7)福岡県がNYで商談会 日本酒や特産品をPR

(8)アメリカっぽいイベントを満載! 

(9)絶望から未来見据える瞳描く Yuriyoさん

(10)フィラデルフィアで沖縄の音楽と舞 

永住者米国再入国にご用心 長期国外滞在者の審査厳格化も

 永住権(グリーンカード)所持者が米国外に出国して国外に長期滞在した場合に、空港における米国再入国の検査が厳しくなっているという相談が移民専門法律事務所に相次いでいる。ディヴィッド・ナックマン/ニューヨーク州・ニュージャージー州弁護士は「米国税関・国境警備局(CBP)の職員は、6か月以上国外に滞在していたグリーンカード保有者に対して、より厳格な審査を行っています。渡航者のアメリカとの結びつきや帰国の意思についての質問が含まれ、場合によってはグリーンカードを自主的に放棄するよう求められることもあります」と話す。

 一方、加藤法律事務所の加藤恵子弁護士によると、6月の重大なトランプ大統領令は、12か国の国々からの人たちのアメリカへの入国禁止、および7か国の国々の人たちの旅行、短期出張、学生、交換留学などの目的でアメリカへの入国を禁止したことだ。また、永住権申請者およびスポンサーが申請者がアメリカで生活するのに十分な収入を得ていることを以前よりも厳しく審査することはあっても、「従来の永住権(グリーンカード保持者)の入国審査を厳しくするというようなことは、大統領令にも新規則も公式には発表されていない」という。

 本人の名前の電気代、家賃支払い、税金支払いのプリントした書面を証拠として持っていた方が良いにこしたことはないが、必ず審査官に見せなければならないという規則はない。またアメリカ入国時に永住権を所持している人が、仮に移民・税関審査官にアメリカでの住所を聞かれた場合に、友人の住所を知らせたとしても、永住権保持者が何らかの犯罪を犯しているということがない限り処罰の対象になるということはないだろう」という。

グリーンカード保有者の再入国リスク:海外渡航前に知っておくべきこと

 最近「長期の海外滞在後に米国に再入国しようとする永住権(グリーンカード)保持者に対して米国入国時の取り締まりが強化されている」と報告を受けています。グリーンカードを持っていて6か月以上アメリカを離れる予定がある場合、たとえ1年未満の旅行であっても、こういった影響を受ける可能性があります。

 米国税関・国境警備局(CBP)の職員は、6か月以上国外に滞在していたグリーンカード保有者に対して、より厳格な審査を行っています。渡航者のアメリカとの結びつきや帰国の意思についての質問が含まれ、場合によってはグリーンカードを自主的に放棄するよう求められることもあります。CBP職員が「あなたが永住権を放棄した」と判断した場合、移民裁判所への出頭通知(Notice to Appear)の発行、グリーンカード放棄書(Iー407フォーム)への署名を求める、強制退去手続きに移行(審理には数か月かかる場合もあり)などの措置を取られる場合があります。犯罪歴や未解決の逮捕歴がある場合、保釈が認められず拘束される可能性もあります。強制退去手続き中に国外に出た場合、不在のまま退去命令が出され、5年間の再入国禁止処分となることもあります。

 自分自身を守るためにできることとして、弊社では長期の海外旅行を計画しているグリーンカード保持者に対し、渡航前に「再入国許可証(Reentry Permit)」の申請を検討することを強く勧めています。再入国許可証は1回の申請で最長2年間有効であり「米国永住の意思がある」ことを示す有力な証拠になります。申請と指紋採取のために米国内に物理的に滞在している必要があります。すでに国外にいる場合は「帰国永住者ビザ(SBー1)」の申請が必要ですが、取得するのが困難です。

 CBP職員が単独で永住権を取り消す権限はありませんので、国境でIー407フォームに署名する前に、必ず弁護士に相談してください。刑事問題がある方は、渡航前に法的アドバイスを受けることが非常に重要です。高額所得者・資産家の方は、米国永住権を放棄することによって税務上の影響にも注意が必要です。

(ディヴィッド・ナックマン/ニューヨーク州・ニュージャージー州弁護士)

参議院議員選挙 在外投票始まる

 第27回参議院選挙の在外選挙の在外公館投票が、ニューヨーク日本総領事館(パーク街299番地、48丁目と49丁目の間)で7月4日から13日(日)まで実施されている。在外公館投票は平日・週末・祝日共に関係なく行われる。投票時間は、午前9時30分から午後5時まで。投票のための予約手続きはいらない。投票に必要はものは「在外選挙人証」、「パスポート等の写真付き身分証明書(例・米国の自動車運転免許証など)」。日本の投票日となる20日までに全世界の在外公館で投票された票が日本全国の選挙管理委員会に届けられる。今回の参院選では、総議席248の半数124議席と東京で出た欠員1人を加えた125議席が選挙対象となる。主な争点は、日本国内における物価高対策、給付の実施、消費税率の引下げや廃止、コメの価格高騰対策、企業・団体献金の扱い、選択的夫婦別姓、少子化対策、年金など社会保障政策など。

「日本を動かすのは政治家」
「日本の家族や親の生活が心配」

NY有権者の声


 今回、昨年の衆院選に続いて2度目の在外投票をするという京都出身の滞米1年半の30代の男性は、「投票したから自分に直接的にどういう影響があるのかは分からないが、日本には残してきている家族や親が住んでいるので、物価高や米の価格なども海外にいても気になる。少しでも日本の家族の暮らしが良くなればという思いで投票にきた」という。また、ある60代男性は「2人いる子供たちがアメリカ生まれアメリカ育ちで、アメリカの投票に行きなさいと言っている手前、親として自分も投票しないといけないという思いで投票した」とウーバーで呼んだ車に乗って投票所を後にした。また、40代のある女性投票者は「このままだと日本は危険だと思ったので来ました。日本の国を動かすのは政治家じゃないですか。海外からできることは投票するしかないので来ました」と話した。

13日まで公館投票

候補者情報事前の確認を


有権者に説明する受付係(4日午前9時45分、NY日本総領事館で、本紙撮影)

 第27回参議院選挙の在外選挙の在外公館投票が、ニューヨーク日本総領事館(パーク街299番地、48丁目と49丁目の間)で7月4日から13日(日)まで実施されている(1面に記事)。在外公館投票は平日・週末・祝日共に関係なく行われる。投票時間は、午前9時30分から午後5時まで。投票のための予約手続きはいらない。

 建物一階受付で在外選挙に来たことを係員に告げると、案内係が来て18階に設置された「在外公館投票記載場所」に通され、手前のデスクで「在外選挙認証」と身分証明書の提示を求められ、投票用紙申請書を渡される。中の受付に行き、そこで投票用紙と封筒を渡され、立候補者名簿のある記載台で投票後、立会人の署名を得て投票箱に入れられて投票は完了する。受け付けから投票が完了するまで10分もかからない。

 日本国内の選挙区別に分けられて記載された立候補者名簿には、所属政党と名前しか記載されていないので、その場で公約や顔写真などを見ることはできない。投票者は、あらかじめ、オンラインなどで各自該当選挙区の立候補者の公約などを読んで判断し、誰に投票するかを決めて行かないと戸惑いかねない。特に在外選挙は公職選挙法に基づくテレビ・ラジオの政見放送番組も、看板もなく、日本の公示日翌日からいきなり投票が始まるため、どんな立候補者が出ているのかを予めよく自発的に研究しておくことが、有権者側の責任として求められている点が国内と大きく異なる。

 今回の参院選では、総議席248の半数124議席と東京で出た欠員1人を加えた125議席が選挙対象となる。選挙区の総数は日本全国で45。このうち、鳥取と島根、徳島と高知が合区となる。1人区は32。選挙区は75あり、立候補予定者は311人となっている。比例区は50で立候補予定は137人。立候補予定は選挙区・比例代表合わせて計448人で前回の参院選比97人減。今回の参院選の主な争点は、日本国内における物価高対策、給付の実施、消費税率の引下げや廃止、コメの価格高騰対策、企業・団体献金の扱い、選択的夫婦別姓、少子化対策、年金など社会保障政策など。

 今回の在外公館等投票は、1999年(平成11年)の制度導入から18回目となり、232の在外公館等において実施される。在外公館等投票の締切日は、在外公館ごとに定められており、総務省より告示されている。在外公館投票により受け付けた投票用紙は、在外公館投票締切り後、国内投票期日(7月20日)の投票所閉鎖時刻(原則として午後8時)までに国内の各市区町村選挙管理委員会に届くように郵送される。

 在外選挙における投票方法には、次の3つがある。  (1)在外公館等投票(海外の日本大使館、総領事館、領事事務所等に出向いて、「在外選挙人証」と「旅券」等の身分証明書を提示して投票する方法)(2)郵便等投票(在外公館等を経由せず、登録先の国内市区町村選挙管理委員会に対して投票用紙等の交付請求を行い、公示日の翌日以降投票用紙に記入して、再び登録先の選挙管理委員会へ郵送して投票する方法)(3)日本国内における投票(一時帰国等の際、または転入届提出後3か月以内であって選挙人名簿に登録されるまでの間、在外選挙人証を提示して、国内の一般の選挙人と同様に国内の投票方法を利用して投票する方法)。

立候補者情報満載 選挙ドットコムで

 今回の参議院議員選挙の動向は「選挙ドットコム」(https://sangiin.go2senkyo.com/2025)を検索すると自分の選挙区の立候補者、選挙区別候補者一覧、比例代表候補者一覧、政党別候補者一覧があり、年齢、職業、顔写真、選挙公約を見ることができる。政策の比較ができ、参院選特集動画を見ることでより具体的な情報が入手できる。在外選挙有権者にとっては、知りたいことが掲載されているので、投票所に出向く前に見ておくと便利だ。

USA連呼 独立の花火


 7月4日、独立記念日の「メイシーズ主催の花火大会」が午後9時15分から始まり、8万発以上の花火がイーストリバーから打ち上げられた。25分間にわたる天体ショーが夜空を彩り、ブルックリンブリッジやマンハッタンブリッジの麓には大勢の見物客で足の踏み場もないほどの大混雑となった。大輪の花火が夜空に広がるたびにUSA、USAの掛け声が響いた。(写真・三浦良一)

政権選択も重要な政策論議も行われない参院選の悲劇

 日本では参院選が進行中である。ここ数年、在外有権者の声を国会に届けるにはどうしたら良いかを考えてきた中で、在外選挙を通じて日本の政治事情に触れることの意義も訴えてきたが、今回の選挙にはどういうものか気持ちが入らない。一言で言えば、何かが根本的に間違っているとしか言いようがないからだ。

 まず、現在の石破内閣は少数与党である。この状態を前提に、参院選によって、どのような政権構想を描くのか、各野党からは真剣な提案もないし、各政党の姿勢がさっぱり見えない。与党の自民党と公明党を合わせて、衆議院の過半数を有していない中で、どうして政権を担っているのかというと、同じ野党でも保守政党から共産党まで幅がある中では結集はできないからだ。その結果として自公政権が継続している。ただ、内閣を潰そうと思えば野党はいつでも不信任案を通すことができる。

 だが、選挙前の駆け引きで露呈したように、野党には不信任案を通す意図はなかった。どうしてかというと、経済が長期低落傾向の中で、現状不満が社会に満ちている中では、野党は野党として政権批判をするほうが集票できると踏んでいるようだからだ。仮に、その政権批判の効果があり過ぎて、参院選で与党が大敗し、政権が倒れてしまったら、その時はその時として連立工作を考えよう、そのような成り行き任せの姿勢がミエミエである。つまり、各野党は言うことは威勢が良いが、要するに政権担当という茨の道を進む気概も能力もないということであり、無責任極まりない。

 そんな中で、具体的な争点は「減税か給付か」という選択だという。減税とは消費税減税で、実際は食料品だけゼロにするなどバリエーションがあるが、いずれにしても実務的には小売の現場を疲弊させ、何よりも壮大な歳入不足が起こり得る。一方で、与党側としては、減税ではなく給付が良いというのは財政が慢性的に危機の中で、一過性の「対策」にとどめておきたいからのようだ。

 この「減税か給付か」という論争も不毛と言わざるを得ない。どうして国民が物価高に苦しんでいるのかというと、円安、原油高、資材高、人件費高騰などが理由である。この中で資材高というのは、他国が景気過熱に陥った一方で、日本は円安で「買い負け」となっているからだ。更に言えば、多国籍企業は円安を追い風に海外での収益が膨張する中で賃上げが可能となっている。一方で、グローバル経済にアクセスできない産業は賃上げ余力がないという格差の問題もある。

 これは通貨政策、産業構造政策の問題であり、当に政治を通じて主権者が選択をする問題だ。にもかかわらず、こうした本質論は回避して、とにかくバラマキと、その種類という不毛な議論ばかりが続くというのは、観るに耐えないものがある。

 何よりも耐え難いのは世界の変化に日本がどう対応するか、という視点が欠落していることだ。具体的には、ロシアのウクライナ侵攻と二期目のトランプ政権の登場により、戦後秩序が揺らぎ安全保障環境や自由経済に激変が起きていることだ。選挙戦を見ていると、まるで国際社会の変化など起きていないかのような「のんき」な議論ばかりで落胆を禁じ得ない。

 例えばトランプ関税の関連では、自動車産業の問題がある。米国の通商政策のために、日本車の輸出に高額な関税が適用されれば、現地生産という名の空洞化は更に進む。これは日本のGDPを毀損する。その一方で、自動車産業においては、EV(電気自動車)化、AV(自動運転車)化というトレンドは、ここ数年は停滞するであろうが、中長期的には不可避だ。

 では、そのEV化に向けて産業の構造転換をするのか、これは大きな問題だ。国内でのEV普及にはまず電力供給が必要だ。その場合には、原発再稼働問題は避けて通れない。また、2t以上となるEV車に耐えられるように老朽化した橋梁などの修復も全国で進める必要がある。AVの推進には、自動運転車の許認可も問題となろう。具体的な話題としては苦境に立つ日産を台湾の鴻海が買収して、EV産業を展開しようとしているが、そもそも国策としてこうした動きを許すのかも重要な選択だ。

 安全保障に関しては、同盟国に防衛負担を強いるアメリカの政策に対して、できるだけ負担を先送りしつつ、軽武装国家の国是は壊さないのが国民的合意で、従って選挙の争点にはならないのかもしれない。それでも、防衛費の激しい膨張は周辺国に軍拡競争への誘惑を生じてしまう。それは日本国の本意では全くないことは、やはり選挙戦の中で明確に国民が意思を示すべきだろう。

 いずれにしても、正々堂々と政権構想が語られず、重要な政策論議もされない今回の参院選は、日本にとって悲劇としか言いようがない。

(れいぜい・あきひこ/作家・プリンストン在住)

アポロ劇場大規模工事 1年間休館で近代的に

 ハーレム文化を象徴する老舗アポロ・シアターが91年前の開設以来初の修繕工事のため、1日に休館となった。

 同劇場は1914年に開設、34年に黒人エンターテイナーが出演するNY唯一の劇場として再生し、エラ・フィッツジェラルドやローリン・ヒルほか多くの著名黒人アーティストたちが同劇場でキャリアを積んだ。6500万ドルを投じる改修工事ではファサードの修復、入口のLED照明の改良、ロビーの拡張、座席の交換、近代的なAVシステムの導入が含まれ大規模な施工となるが、数々の出演者たちがサインした「シグネチャー・ウォール」を含む歴史的要素は保存される。休館の1年間はアマチュア・ナイトは休演となるが、そのほかの公演は125丁目を下ったアポロ・ステージの小規模な2劇場で行う。

GOGOカレーNY再オープン 25日は55セント

 金沢スタイルの日本カレー、ゴーゴーカレーが7月25日(金)にリニューアルオープンを祝い、カレーを55セントで提供する。

 同店は2003年に東京に1号店をオープン、07年にニューヨークでデビューして以来、ニューヨーカーに濃厚なカレーにサクサクのとんかつ、千切りキャベツを添え、ステンレスの皿に盛り付けた金沢カレーを紹介してきた。現在、同ブランドは世界各地に120以上の店舗を構えている。パンデミック後、一時閉店していたゴーゴーカレーは、タイムズスクエアの旗艦店(西38丁目273番地)のリニューアルオープンを発表。25日は一部商品を55セントで販売するほか、トッピングチケット5枚をプレゼントする。また、8月5日、15、25日は対象商品を5ドル55セントにて販売するキャンペーンを実施。詳細はhttps://www.gogocurry-usa.comを参照。

福岡県がNYで商談会 日本酒や特産品をPR

 日本国内の県産農林水産物の更なる輸出拡大を図るため、福岡県の特産品および日本酒、焼酎をPRする商談会が8日、マンハッタン・ミッドタウンの特設イベント会場で開催された。

 当日は、福岡県から12銘柄の酒と食文化の魅力を伝える特産品が展示され、ニューヨークのレストラン、リカーストア、飲食業関係者に紹介した。会場は80人近い来場者で賑わった。参加企業は西吉田酒造株式会社、池亀酒造株式会社、株式会社山口酒造場、株式会社みいの寿、株式会社高橋商店、食品・飲料は八女茶、福岡有明のり、明太子(かねふく)。

 会場では酒のほか、発祥から600年の歴史を持つ八女茶、全国トップクラスの生産量を誇る福岡有明のり、300年続く庄分酢、伝統工芸品の福岡花ござ、掛川織なども会場で披露した。福岡県農林水産部の森丈倫輸出第一係長は「福岡県内には60を超える酒蔵があり、日本有数の酒処となっています。お酒を楽しんで手にとって皆様の店舗での扱いをご検討ください」と挨拶した=写真右=。

 主催したCANVAS キャンバス・クリエーティブ・グループの釣島健太郎社長は「福岡は食文化が豊かな土地で、玄界灘の豊富な魚やお酒もレベルが高い。ラーメン、八女茶、明太子いろんなものが混ざっているユニークな県。今後もニューヨークでアピールして行きたい」と話す。翌日には市内レストランで飲食店経営者やメディア、インフルエンサーを招いたペアリング試食会も開催した。

アメリカっぽいイベントを満載! 

ウォレン・カウンティ・ファーマーズ・フェア

 州西部のウォレン郡で毎年の恒例行事となっている大きなイベント、「ウォレン・カウンティ・ファーマーズ・フェア」。87年目を迎える今年も、同郡フィリップスバーグ、ストライカーズロード1350番地の会場で、7月26日から8月2日まで開催される。

 同イベントの目玉は、今年で25年目となる「気球祭り」。色とりどりの気球が毎晩、次々と大空に飛び立つ様は圧巻だ。また事前申込制で、気球搭乗体験を楽しむことも可能。

 また、乗馬のデモンストレーションやカウボーイのレース、ポニーライド体験といった、馬関連のショーも人気のイベントだ。そのほか、ロデオショー、車をぶつけ合う「デモリッションダービー」、トラックのショー、また、ライブ音楽のパフォーマンスや、アートエキスポ、色んなフードが楽しめる屋台、ゲームコーナー、その他、大人も子どもも一日中いても飽きないお楽しみが満載。「これぞアメリカ!」を感じられるフェアを満喫しよう。

 フェアの詳細は、https://www.warrencountyfarmersfair.org

絶望から未来見据える瞳描く Yuriyo(有梨余)さん

アートパフォーマー

 10代で母親を亡くしたことから言葉で感情で悲しみや怒りを伝えることが出来なくなった代わりに絵で吐き出すようになった。人間の生死や何度も繰り返される戦争について考えるようになり、2019年ポーランドのアウシュビッツ強制収容所へ赴いた。それがきっかけで自身の過去や世界のあらゆる理不尽な生死、止まることのない戦争など、自身の無力感と悲憤をキャンバスへ描き出し始めた。絵は独学で学び、無意識と直感による制作で自己の深層心理、感情や訴えを表現している。

 作品の中心的なモチーフは「目」。それを多重に配置することで、細胞や生命そのものを象徴的に表現している。個々の目は独立した存在でありながら、集合することで生命のリズムを形成し、世界(キャンバス)の中での存在の増減や流転を描き出していく。日本国内だけに関わらず海外でも展示会などで活動する。元ストリートダンサーとして数々のコンテスト、バトルで入賞した経年を生かし、さらに自身の表現の幅を広げるため、画家、ボディペイントとダンスを組み合わせたアートパフォーマーへ転身した。そのことで「より世界に対して訴えたいことや表現に対する思いが強くなりました。私の表現の源は、悲しみや怒りを無意識の中で吐き出し、この世界で生きながらえていく、そして成長していくにつれ終わることのない戦争とリンクしながら、無力感と悲しみの中でも、少しでも可能性のある希望を諦めないことです。そんな思いで描いた作品を今回ニューヨークというさまざまな文化や人種が混ざり合う世界の中で挑戦したくなったんです」と話す。

 個展のタイトル「Eye Know」は、全ての生き物が持っている細胞、そして大きな細胞として捉えた瞳をモチーフに地球に生きる全ての生命に大小がないこと、細胞や瞳が捉えた過去の出来事からの学び、次世代へより良い未来に繋げることを目標としてタイトルにしたそうだ。

 ニューヨークのギャラリー60(東60丁目208番地)で19日(土)から30日(水)まで個展「Eye Know」を開催する。オープニングレセプションは19日午後5時から。6時からアートダンスパフォーマンス。期間中の22日、26日、28日にもパフォーマンスする。兵庫県出身。大阪市在住。

(三浦良一記者、写真は本人提供)

(写真左)タイトル:Eyes and Cells、2025年制作、素材:アクリルとオイルパステル、キャンバス、サイズ:35.8×5.8 in. | 91×91 cm