イェール大学が授業料全額免除 世帯年収20万ドル未満の新入生

 米国の名門大学のひとつイェール大学は27日、学部新入生を対象に、世帯年収20万ドル未満の家庭の学生の授業料を全額免除すると発表した。さらに年収10万ドル未満の家庭では、授業料に加え、住居費や食費など大学生活に伴う関連費用も無償とする。新制度は今年の秋学期入学者から適用され、年間9万ドルを超えるとされる学費負担を大きく軽減する。

 この方針転換により、イェール大学は低・中所得層の学生に対する支援を一段と拡充し、名門大学間で激化する奨学金競争に本格的に加わる。すでにハーバード大学やマサチューセッツ工科大学、ペンシルベニア大学、プリンストン大学が世帯年収20万ドル以下は授業料を無料にするなど、近年、有名大学が相次いで授業料免除の所得基準を引き上げており、今回のイェールの措置もその流れに沿ったものだ。

 背景には、2023年に連邦最高裁が人種を考慮した大学入試(アファーマティブ・アクション)を違憲と判断したことがある。人種と世帯収入には相関関係があるとされ、大学側は経済的支援を拡大することで、結果的に多様な背景を持つ学生を確保したい考えだ。高等教育への信頼が低下する中、学費をより手頃にする姿勢を示す狙いもある。

 イェール大学によると、新制度により米国世帯の約80%が授業料無償の対象となり、全米のほぼ半数の世帯の学生が、授業料だけでなく生活費も含めた「完全無償教育」を受ける資格を得るという。最低所得層の学生には、住宅・食事の無料提供のほか、帰省や通学のための交通費補助、医療保険、教材購入に使える助成金なども用意される。

寒波続く 少なくとも14人が死亡

 猛烈な冬の嵐「ファーン」(Fern)が1月25日から26日にかけて米国東部を襲い、ニューヨーク市も記録的な大雪と極寒に直面した。豪雪と氷点下の厳しい気温が続き、市内全域で交通混乱や停電、そして人命に関わる深刻な影響が相次いだ。市当局発表によると、この寒波で2月1日までに路上や屋外で少なくとも14人が死亡したとみられる。多くは低体温症が関与している可能性があるという。犠牲者にはホームレスや高齢者が含まれているとされ、市民に大きな衝撃を与えている。 

(写真)ハドソン川は流氷で埋まり、マンハッタンのブライアント公園の噴水も凍りついた(1月27日と30日、写真・高田由起子撮影)

 強い低気圧と寒気の影響でニューヨーク市内でも最大で15インチ(約38センチ)前後の積雪が観測され、雪に覆われた歩道や道路が交通を麻痺させた。市は除雪に大型雪融解機を稼働させるなど対応に追われた。 

 マムダニ市長は27日の記者会見で「これは単なる気象現象ではなく、公衆衛生と安全の課題だ」と強調し、徹底した対応を約束した。市当局は寒波に対応するため、「コードブルー」と呼ばれる極寒緊急対策を発令し、5つの行政区全体でシェルターや「ウォーミングセンター(暖房休憩所)」を開設した。

 厳しい寒さは一般市民の生活にも影響を与え、交通機関では遅延や運休が相次ぎ、学校の授業がオンラインに切り替えられるなど都市機能が制約を受けている。専門家は今回の寒波を「数年で最も厳しいものの一つ」と表現し、今後も寒気がしばらく続く可能性を指摘している。今回の冬の嵐は、ニューヨーク市という都市の脆弱性と社会的課題を改めて浮き彫りにした。 

日本アニメの源流 戦前の紙フィルムMoMAで上映

フェイデン教授

 ニューヨーク近代美術館(MoMA)で1月31日、日本のアニメーションの源流とも言える「日本の紙フィルム」短編映像16作品が上映された。これは、同美術館が2月2日まで開催した第22回国際映画保存フェスティバルの一環として1日限定上映で紹介された「遊び心〜アマチュア、アニメーター、前衛たち(At Play—Amateurs, Animators, and Avant-Gardes)」と題するプログラムで、NY大学オーファン・フィルム・シンポジウムとMoMAによる共同企画。当日は、上映の冒頭でダン・ストライブル氏(オーファン・シンポジウム創設ディレクター)、エリック・フェイデン教授(映画研究家・バックネル大学)が米国初公開となる「紙フィルム」について紹介した。

 紙フィルムは1930年代、日本の数社の製造会社によって、家庭上映用映画としてセルロイドの代わりに紙製のフィルムを用いて製作された。2019年、フェイデン教授は劣化しつつある紙フィルムの保存プロジェクトを発足、フィルムのデジタル保存とその研究に努めてきた。この上映会では90年近くにわたり、上映されていなかった紙フィルムの貴重な作品群を公開した。どれも無声映画で、画面には当時のままの日本語の手書き文字での会話やナレーションが映し出され、英語字幕が付け加えられた。今回のニューヨークでの上映では、当地在住の音楽家、木村伶香能(箏)と玉木光(チェロ)によるデュオ夢乃の生演奏が添えられ、効果音まで表現して臨場感を見事に出し、満場の観客を魅了した。

(写真上)木村伶香能(箏)と玉木光(チェロ)によるデュオ夢乃の生演奏で映像に命が宿った。写真の作品は「無敵凹平の海賊退治」(写真・三浦良一)

 今回上映された紙フィルム作品は、「ゴールドラッシュ」(松本夏樹コレクション)、「ボンスケ化修行」(松本夏樹コレクション)、「スタコラ、サッチャン狸の風船玉」(おもちゃ映画ミュージアム)、「スタコラ、サッチャン拳銃の巻」(松本夏樹コレクション)、「孤島の楽園(上)」(おもちゃ映画ミュージアム)、「のらくろ軽気球の巻」(松本夏樹コレクション)、「怪人タブロット」(松本夏樹コレクション)、「荒木又右衛門」(芦屋小雁コレクション)、「猿蟹合戦」(共立女子大学佐藤洋研究室)、「汽車の旅」(おもちゃ映画ミュージアム)、「無敵凹平の海賊退治」(松本夏樹コレクション)、「無敵凹平河童踊」(松本夏樹コレクション)、「かっぱ踊り」(草原真智子教授)、「白馬岳」(共立女子大学佐藤洋研究室)、「狸バヤシ」(芦屋小雁コレクション)。「怪人タブロット」はツキボシフィルム、それ以外はレフシー家庭映写株式会社制作。(三)

KAZUMAライブ 2月12日にNYで無料公演

発声障害乗り越えて

 山形県鶴岡市出身のJポップアーティスト、KAZUMAが、2月12日(木)午後7時から、ニューヨークの名門ライブハウス「アーリーンズ・グローサリー」(Arlene’s Grocery 95 Stanton St)で無​​料ライブを開催する。(開場午後6時30分)本公演では、地元アーティストたちとのコラボレーションや、日米文化交流をテーマにした特別プログラムも披露される。

 KAZUMAは2024年、ファースト・アルバム『〜KOKUU〜』をリリース。澄んだ高音と繊細なファルセットを武器に、「再生」と「希望」をテーマとした世界観で国内外から評価を得ている。しかし日本での活動中に突然深刻な発声障害を患い、歌うことが困難になり、ステージから退くことを余儀なくされた。どん底にいたニューヨークで、彼は多様性を受け入れ、声の調子が芳しくない時でさえも励ましてくれるアーティストコミュニティに出会う。彼らのサポートのおかげで彼は音楽への情熱を取り戻すことができた。この無料ライブは、彼を再び立ち上がらせてくれた街への恩返しライブ。

 KAZUMAは「声が出なくなった時、私は恐怖に襲われ、将来を見失った。そんな時、ニューヨークが手を差し伸べてくれた。たとえ声が完璧でなかったとしても、私の音楽そのものを人々は大切に思ってくれた。私を救ってくれたこの街に恩返しがしたい。このコンサートが、誰かの再生のきっかけになれば嬉しい」出演は KAZUMA /トシ・カプチーノ(司会/パフォーマンス)/ raTera /Asahinoto 

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大統領権限に勝る 首相解散権

 衆議院総選挙が2月8日に行われる。60年ぶりの通常国会冒頭での解散、1年

3か月ぶりの解散、国民生活に必要な予算後回しの解散など、異例尽くしである。日本の首相の解散権は世界最強と言える。国民に選ばれた国会議員の地位を、首相の都合で突如奪えるからだ。

 「英国の首相は自由な解散権を持つ」という学説は妥当でない。英国首相の解散権にはさまざまな制約がある。英国やカナダなど議会制民主主義国の大多数が任期満了に近い選挙である。

 首相解散権が強い最大の理由は、国会の権限が弱いからである。国会は解散を制約できない。法案の8割を政府が提出する。条約の承認権がない。閣僚、日本銀行総裁などの人事拒否例がほとんどない。英国議会よりもはるかに弱く、国民主権の軽視と言える。

 英国以上に、米国議会は予算編成、法案提出、閣僚や大使の人事や条約の承認権を持ち、GAO(行政監察院)や議会予算局などの独立組織も含めて強大な権限を持つ。

 その議会以上の権限を誇示しているのがトランプ大統領である。大統領令230件以上。関税威圧外交、ベネズエラ介入、グリーンランド奪取宣言、政府

高官の解任、デモ鎮圧のための軍や警察派遣、メディア検閲などである。

 しかし、その大統領でも議会の解散権はなく、議員は2年と4年の任期を全う

する。つまり、米国大統領の強大な権限に勝る権限を日本の首相が持つ。この解散権が首相の平均在任期間を世界最短クラスの約2年としている。これでは各国首脳からの深い信頼は得られない。比類ない自由な解散権が国益に反することが今回明確になったと言える。

 首相が国会に長時間拘束されるのも国益に反する。首脳外交や政策立案を担う時間を国会は与えるべきだ。紛争の同時多発や関税戦争が拡大し、各国は合従連衡を競っている。議会やNPO等も駆使した多層外交も強化している。国会が弱く、外務省オンリーの日本ではしたたかな外交ができない。

 外交・安保に限らず、経済、社会保障などの国家戦略立案や危機管理を担う体制の不在が「失われた30年」の原因でもある。

 大統領権限に勝る首相解散権を改革し、長期的な国家のかじ取り体制を整える時である。これは日本の存亡に関わることであり、憲法改正ではなく超党派による国会法などの改正で早期実現をはかる時である。

ふじた・ゆきひさ=オックスフォード大政治国際問題学部客員研究フェロー(英国在)。慶大卒。国際MRA(現IC)や難民を助ける会等の和解・人道援助活動を経て国会議員、財務副大臣、民主党国際局長、等を歴任。現在、国際IC日本協会長、岐阜女子大特別客員教授も兼任。

NY NOW DECO BOKO 和歌山の物産

 ニューヨーク・ジャビッツ展示会場で2026年2月1日から3日、ライフスタイル展示会「NY NOW 冬展」が開催された。北米最大級のギフト・雑貨見本市として知られる同展には、世界各国からバイヤーが集まる。日本出展ブースも存在感を示していた。

 ジャパンブースのオーガナイザーはDECO BOKO。日本のカルチャー、ファッション、ライフスタイル商材に特化し、米国バイヤーにとって買いやすく、日本企業にとって売りやすい展示構成を行うことを特徴とする。日本ブランドと米国市場の間にある商習慣や情報の隔たりを埋め、透明性の高いビジネス関係を築くプラットフォームとして機能している。

 今回は、ジェトロ和歌山事務所が地元企業10社の商品を出品し、地域色豊かなブランドを紹介した。会場では、サステナビリティ製品を打ち出す商品もあり、環境配慮型の素材や循環型の製品設計が来場者の関心を集めていた。

 印象的だったのが、株式会社坂本が手がける「ZENCOCORO」シリーズだ。食用には適さない間引きみかんを活用し、安眠をテーマにしたお香の香りを開発。坂本社長は、納得のいく製品に仕上げるまでに100回以上の試作を重ねたという。廃棄されがちな資源に新たな価値を与える姿勢が、バイヤーから高い評価を受けていた。

 ジェトロ和歌山の土屋智洋所長は「地域の素材や背景にある物語が、海外市場では大きな強みになる。今後も和歌山発の価値を世界へ発信していきたい」と話している。

■古市裕子

ニューヨーク・マーケティング・ビジネス・アクション代表取締役。SDGsジャーナリスト。国連サステナビリティ (ABD: Ph.D.) 。元ジェトロ17年勤務。著書・新潮社『欧米企業に学 ぶ・SDGs 転換戦略:サステナブル×これからの企業価値』。『パーパス: 何のために存在しどんな価値を提供するのか』

公民権活動家称える フレッド・コレマツ・デー

NJ州フォートリーで記念式典

 第二次世界大戦時、日系米国人は敵国のスパイと疑われ、当時のルーズベルト大統領が発した大統領令によって、全ての財産を奪われ強制収容所での生活を余儀なくされた。「当時の米国の判断は違憲である」と、戦後数十年にわたって国と戦い、最終的に大統領からの謝罪と日系人の人権回復を勝ち取った日系人の公民権活動家が、故フレッド・コレマツ氏。同氏の偉業を讃え、彼の誕生日である1月30日を「フレッド・コレマツ・デー」として、「全ての移民の人権を守る」記念日にしようという動きが全米各地で起きている。

(写真上)オンラインでスピーチするカレン・コレマツさん

 東海岸では2017年にNY市が認定したのをきっかけに、2020年にはNJ州のフォートリーが自治体単独で、2023年にはNJ州全体で同日を正式に州の記念日に認定した。現在は次のステップとしてNY州全体で認定してもらえるよう議会に働きかけており、今年中に認定されそうな段階にきているという。

 東海岸で、自治体や州での認定に向けて議会への調整や市民への教育に尽力している中心人物は、自身も強制収容所で生まれた、日系米国人実業家の古本武司さん。同氏は、2020年以降毎年1月30日にフレッド・コレマツ・デー記念式典を地元のフォートリーで主催しており、今年も同日の午後に第7回記念式典が同区役所のホールで開催された。

 祖父が強制収容所に入れられていたという古本不動産社長エリザベス・タミコ・オオオカさんの司会で始まった式典は、フォートリーのマーク・ソコリッチ区長、NJ州アジア・環太平洋諸島系米国人評議会の役員アンバー・リードさん、日本国NY総領事の片平聡大使、NY日系人会の佐藤貢司会長らが次々とスピーチ。次に、古本氏の活動を支えるキャロル夫人からの紹介で、カリフォルニアからオンラインで参加したコレマツ氏の長女で父の遺志を継いで公民権活動家になったカレン・コレマツさんが、同記念日を全米の国民に地道に伝え続けることの重要性などを話した。また、著書「ゴースト・オブ・ヒロシマ」がジェームス・キャメロン監督による映画化が決定したベストセラー作家、チャールズ・ペレグリーノさんがキーノートスピーカーとして登壇。自身の取材に基づいた戦時中の話を語った。最後に古本さんがスピーチをして式典を締め括った。

 現政権の指揮下で移民が不安になるような出来事が立て続けに起きている現在、アメリカが80数年前と同じ過ちを起こさないためにも、「フレッド・コレマツ・デーをアメリカで暮らす人々に広める意義は大きい」と、古本さんや参加者は口々に話していた。 (本紙・久松茂、写真も)

小豆島からオリーブ日本酒 マンハッタンで好評

小豆島酒造が紹介

 ニューヨークのミシュラン星レストラン「Odo」の姉妹店「ザ・ギャラリー」で1月26日、香川県・小豆島にある島で唯一の酒蔵「小豆島酒造」が業者向けに試飲会を行った。前日の25日にはマンハッタンに大雪が降り、開催が心配されたが、レストランやリカー・ショップの関係者ら約30人が参加して賑わった。

 小豆島は、400年の伝統を誇る木桶の醤油造りが有名。また、1908年に米国からオリーブの苗木が輸入され、日本で最初にオリーブの栽培に成功した島でもある。この日、小豆島酒造は島の特産品であるオリーブの実から抽出した「さぬきオリーブ酵母」で造った日本酒「小豆島にオリーブの実のなるころ」「ホシガジョウノソラ」「はちはち」を紹介した。

 最初に小豆島酒造の池田亜紀さんが小豆島の地理、気候、オリーブの栽培の歴史、さぬきオリーブ酵母、酒造りについてスライド写真を交えて紹介。その後、オリーブオイルを使った料理と合わせて日本酒を試飲した。来場者の一人、クイーンズの和酒専門店Bin Bin Sakeのジョージ・パディアさんは「オリーブ酵母の日本酒には大変興味がある。特に小豆島の棚田で栽培した酒米「オオセト」で造った「はちはち」が気に入った。すべてが小豆島で造られた酒というところがいい」と話した。同酒造の池田亜紀さんは「雪の中、たくさんの人に来ていただいて良かった。小豆島の小さな酒蔵がマンハッタンのミシュラン星のレストランでオリーブ酵母の日本酒を紹介できるチャンスをいただいた。これをきっかけに米国で頑張っていかなければと決意を新たにした」と話した。

 小豆島を含む瀬戸内海の島々では、2010年より3年ごとに現代アートの祭典、瀬戸内国際芸術祭も開かれており、アートの島として海外からの観光客も多い。 (石黒かおる・写真も)

女性起業家 10人が来米 東京都がNYに短期研修派遣

事業内容などを発表

 東京都の女性ベンチャー支援プログラム「APT Women」(小池都知事支援)で10人の女性起業家が1月20日から31日までニューヨークで研修し、そのピッチイベントが29日、SGR法律事務所NYオフィスで開催された。10日間の研修成果やベンチャー事業の紹介を米国側関係者たちを招いて行い、イベント後は交流会も開催された。ニューヨーク総領事の片平聡大使も来場し、10人のプレゼンテーションを最初から最後まで聞いた。

 堀汐里さんは、AIを活用した営業メッセージ支援システム「SalesTailor」 の開発・提供を紹介した。菅原沙耶さんは、訪日観光客ファミリー向けに日本文化を伝えるチャイルドコンシェルジュサービス「Parent Time」を運営している活動を発表した。

 森本彩加さんは、コーチングをベースにした20〜30代女性向けライフキャリアデザインプログラムを提供。中村瞳さんは、最短30分から30分単位で利用できる家事代行サービスの米国での将来的進出に意欲を見せた。稲本彩さんは、革新的なスマートジュエリー 「RIVETRING」で「美とテクノロジーの融合」というビジョンと新しい価値をモアサナイトを通じて提供していることをアピール。仲琴舞貴さんは、ヒマラヤ生まれのプレミアムピーナッツバターを世界中の食卓へと届けたいとPRした。

 三嘴香澄さんは自らの肌のトラブルの克服ストーリーを披露しながら敏感年齢肌をサポートするスキンケアD2Cブランド『klarm(クラーム)』を紹介した。山脇有紗さんは、着物の技術と芸術を活かした、伝統を再定義する職人発ラグジュアリーアパレルブランド『ALISA有紗』の米国展開への期待感を語った。

 山口奈々さんは、世界初の連続式水熱反応プラントにより、未利用資源から機能性物質等の抽出、アップサイクルする技術の商用化を目指す取り組みを解説した。小島幸代さんは、暮らしに循環を根づかせる体験型アップサイクルサービス『Rinne.bar』を展開。使い捨ての価値観や孤立しがちな日常を楽しく前向きに変化させる提案をした。

 プレゼンテーションを聞いたアントレプレナーら米国人審査員たちからは「もっと詳しく知りたい、米国でぜひ展開して欲しい」など激励のコメントが相次いだ。片平大使は「非常にどれも面白かったです。特に子育てに関心があったので、いくつかのテーマは本当に自分にとってはストライクゾーンでした」と感想を語った。また今回10人は1月27日夕には、インフルエンサーのセレブ、青木恵子さんの五番街の自宅に招かれ、世界で活躍する女性実業家になるための心得などアドバイスを受けた。 (三浦良一記者、写真も)

編集後記

編集後記

 みなさん、こんにちは。ジャパン・ソサエティー理事長のジョシュア・W・ウォーカーさんがこのほど『同盟の転機』、「アメリカの変貌と日本の戦略」(日本経済新聞出版)と題した本を執筆しました。トランプ再選から1年。アメリカ・ファーストを推し進める大国のもと、第二次世界大戦後から長らく続く日米関係はいま新たなフェーズに入っているとして、日本とアメリカの関係を再構築し、国際社会でのプレゼンスを高めるためにはどうすればいいのかを、新時代のリーダーに向けて、知日派の著者が提言しています。

 著者のウォーカーさん(44)は、1歳の時に宣教師の親と共に訪日し、18歳まで北海道の札幌市で育った自称「道産子」です。米国で世界的に知られる政治分析会社ユーラシア・グループにおいてイアン・ブレマー社長直属の戦略イニシアティブ担当として日本での事業を担当し、民間に移る前には米国務省、国防総省といった米連邦政府のさまざまな部署で勤務、2019年に100年以上の歴史を持つジャパン・ソサエティーの理事長に歴代最年少で就任しました。

 同書執筆の動機として彼は、「日本が自ら日米同盟を変えろということではなく、日米同盟そのものがいまターニングポイント、転換点に差し掛かっているという現実を認識しなくてはならない」と述べ、「残りの3年は、大統領のエゴとファミリーのために使われるかもしれないが、日本はなんとしても生き延びなくてはならない。日本は米国との戦いを極力回避し、静かにそして熟考してアメリカ人が納得する方法でアメリカをサポートすることを考える方が得策だ。日本企業のプライベートセクターがアメリカ社会で活躍して成功しているのを見習って、もっと積極的に世界の表舞台で発言し、アピールして顔の見える日本になってプレゼンス、存在感を高めてほしい」と話しました。

 2月の出版を前に執筆の動機と意図について今週号の1面にインタビュー記事、19面に書評を掲載しています。同書は2月2日に日本で出版されます。NYの紀伊國屋書店にも近く店頭に並び、キンドル、電子書籍はアマゾンですでに予約が始まっているようです。3月に来米する高市首相にはぜひ来米前に読んでいただきたい本です。それでは、みなさんよい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)

【今週の紙面の主なニュース】(2026年1月31日号)

(1)日米同盟の転機語る 出版インタビュー J.W.ウォーカー氏

(2)北陸3県フェア おにぎり作り人気

(3)NJ日本人会新年名刺交換会 「150年続く会に」

(4)移民法の新規則と永住権発行の制限  加藤弁護士

(5)在外投票始まる 2月1日まで実施 

(6)日米企業の協創と投資 スタートアップ支援

(7)米国で結婚への出会い応援  松本直子さん

(8)米東部に寒波と大雪直撃

(9)時代と国を超えて歌う 東京ダウンタウン

(10) 同盟の危機  BOOKS