日本アニメの源流 戦前の紙フィルムMoMAで上映

フェイデン教授

 ニューヨーク近代美術館(MoMA)で1月31日、日本のアニメーションの源流とも言える「日本の紙フィルム」短編映像16作品が上映された。これは、同美術館が2月2日まで開催した第22回国際映画保存フェスティバルの一環として1日限定上映で紹介された「遊び心〜アマチュア、アニメーター、前衛たち(At Play—Amateurs, Animators, and Avant-Gardes)」と題するプログラムで、NY大学オーファン・フィルム・シンポジウムとMoMAによる共同企画。当日は、上映の冒頭でダン・ストライブル氏(オーファン・シンポジウム創設ディレクター)、エリック・フェイデン教授(映画研究家・バックネル大学)が米国初公開となる「紙フィルム」について紹介した。

 紙フィルムは1930年代、日本の数社の製造会社によって、家庭上映用映画としてセルロイドの代わりに紙製のフィルムを用いて製作された。2019年、フェイデン教授は劣化しつつある紙フィルムの保存プロジェクトを発足、フィルムのデジタル保存とその研究に努めてきた。この上映会では90年近くにわたり、上映されていなかった紙フィルムの貴重な作品群を公開した。どれも無声映画で、画面には当時のままの日本語の手書き文字での会話やナレーションが映し出され、英語字幕が付け加えられた。今回のニューヨークでの上映では、当地在住の音楽家、木村伶香能(箏)と玉木光(チェロ)によるデュオ夢乃の生演奏が添えられ、効果音まで表現して臨場感を見事に出し、満場の観客を魅了した。

(写真上)木村伶香能(箏)と玉木光(チェロ)によるデュオ夢乃の生演奏で映像に命が宿った。写真の作品は「無敵凹平の海賊退治」(写真・三浦良一)

 今回上映された紙フィルム作品は、「ゴールドラッシュ」(松本夏樹コレクション)、「ボンスケ化修行」(松本夏樹コレクション)、「スタコラ、サッチャン狸の風船玉」(おもちゃ映画ミュージアム)、「スタコラ、サッチャン拳銃の巻」(松本夏樹コレクション)、「孤島の楽園(上)」(おもちゃ映画ミュージアム)、「のらくろ軽気球の巻」(松本夏樹コレクション)、「怪人タブロット」(松本夏樹コレクション)、「荒木又右衛門」(芦屋小雁コレクション)、「猿蟹合戦」(共立女子大学佐藤洋研究室)、「汽車の旅」(おもちゃ映画ミュージアム)、「無敵凹平の海賊退治」(松本夏樹コレクション)、「無敵凹平河童踊」(松本夏樹コレクション)、「かっぱ踊り」(草原真智子教授)、「白馬岳」(共立女子大学佐藤洋研究室)、「狸バヤシ」(芦屋小雁コレクション)。「怪人タブロット」はツキボシフィルム、それ以外はレフシー家庭映写株式会社制作。(三)