米国の名門大学のひとつイェール大学は27日、学部新入生を対象に、世帯年収20万ドル未満の家庭の学生の授業料を全額免除すると発表した。さらに年収10万ドル未満の家庭では、授業料に加え、住居費や食費など大学生活に伴う関連費用も無償とする。新制度は今年の秋学期入学者から適用され、年間9万ドルを超えるとされる学費負担を大きく軽減する。
この方針転換により、イェール大学は低・中所得層の学生に対する支援を一段と拡充し、名門大学間で激化する奨学金競争に本格的に加わる。すでにハーバード大学やマサチューセッツ工科大学、ペンシルベニア大学、プリンストン大学が世帯年収20万ドル以下は授業料を無料にするなど、近年、有名大学が相次いで授業料免除の所得基準を引き上げており、今回のイェールの措置もその流れに沿ったものだ。
背景には、2023年に連邦最高裁が人種を考慮した大学入試(アファーマティブ・アクション)を違憲と判断したことがある。人種と世帯収入には相関関係があるとされ、大学側は経済的支援を拡大することで、結果的に多様な背景を持つ学生を確保したい考えだ。高等教育への信頼が低下する中、学費をより手頃にする姿勢を示す狙いもある。
イェール大学によると、新制度により米国世帯の約80%が授業料無償の対象となり、全米のほぼ半数の世帯の学生が、授業料だけでなく生活費も含めた「完全無償教育」を受ける資格を得るという。最低所得層の学生には、住宅・食事の無料提供のほか、帰省や通学のための交通費補助、医療保険、教材購入に使える助成金なども用意される。

