ONE STORY AWARD 2025 NY  参加者を募集中

学生スピーチとモデルによるファッションショーを同日開催


昨年学生スピーチ部門で優勝したチャーリーさん

 ニューヨークで3年目となる国際文化交流イベント「ONE STORY AWARD 2025 NY」が、9月20日(土)に開催される。本イベントは、日本文化をテーマにした学生スピーチコンテストと、NYで活躍するモデルによるファッションショーを同日別会場で開催。いずれも日本文化の魅力を世界に発信し、日米での国際交流を目的としている。

(写真上)昨年のモデル部門の授賞式

 学生スピーチコンテストは、リプレイ・グリア・スタジオ(8番街520番地、Ripley-Grier-Studios)で午後4時30分から実施。参加者は英語で、日本文化の魅力について3分間のスピーチを行う。審査員には著名フォトグラファーのダフネ・ユーリー氏も参加。優勝者には賞金300ドルと、KAEDE KIMONOS提供の着物を着用し、ユーリー氏による日本庭園などでの写真撮影が贈られる。現在、スピーチを行う学生を募集中(年齢不問、参加費無料)。

 ファッションショー&アンバサダー選出コンテストは、シネプレイ・イベント・ベニュー(西37丁目265番地、CINEPLAY Event Venue)で午後7時から開催。NYでデザイナーとして活躍中のSHUN氏による、日本の伝統工芸を取り入れた作品が披露される。観客による投票で優勝モデルが決まり、日本への往復航空券の贈呈と日本大会へ招待される。観覧チケットは50ドル(投票券付き)。会場には日本酒や伝統工芸品のブースが作られる予定。

 当日は、日本からJAPAN AWARDのアンバサダーたちも来場予定。スピーチとファッションを通じた、日米をつなぐ一日限りの文化イベントとなる。

学生スピーチコンテストの応募・詳細は、ウェブサイトhttps://forms.gle/HwGL2VSWu5w3JDfv5 

 ファッションショーの詳細は、ウェブサイトhttps://us.onestoryaward.com/ を参照。観覧チケット申し込み先は近日同HPで公開予定。主催はONE STORY AWARD(代表取締役 鶴田一磨)、共催はMina Corporation(NY Award Director 長久保美奈)、スピーチ部門プロデューサー・協賛 河野洋、Fashion部門プロデューサー SHUN。

NY市長選挙中間報告 マムダニ氏優勢なお不透明

 ニューヨーク市長選(11月4日投開票)は、6月に行われた民主党予備選で民主社会主義者のゾーラン・マムダニ氏(33、ニューヨーク州議会議員)が得票率56・4%を獲得、アンドリュー・クオモ氏(67、元NY州知事)の得票率43・6%を破り正式に民主党候補になるという大番狂せがあった。

 クオモ氏は敗北宣言をしたものの、市長選自体の立候補は取り止めず、ファイト・アンド・デリバー党から立候補している。過去には大統領候補の声すらあったクオモ氏だが2021年にセクハラ疑惑で知事辞任に追い込まれた。市長になることで政治家としての起死回生を狙っている。

 また現職のエリック・アダムス市長(64、民主党)は2021年の市長選で民主党予備選では僅差で勝利したものの本選では共和党候補のカーティス・スリワ氏(71、ガーディアン・エンジェルズ創設者)に圧勝した。しかし就任後は住宅危機への対応の遅さの一方でホームレスや移民に対する厳しい措置などで支持率は低下。トランプ大統領との親密さなども問題視された。連邦収賄罪などで起訴されたことで不人気を決定づけた。なお、連邦司法省により起訴は却下されている。

 共和党候補は前党の指名争いで、前回に続きカーティス・スリワ氏が無投票で出馬を決めている。このほかにジム・ウォルデン氏(59、元連邦検事補、弁護士)が無所属で立候補している。

 データ・フォー・プログレスが7月初めに実施した世論調査によれば、支持率は、若年層や進歩派から支持されているマムダニ氏が40%でトップ、2位は24%でクオモ氏となっている。3位は15%アダムス市長、共和党候補のカーティス・スリワは14%で4位。無所属候補のジム・ウォルデン氏は1%で5位となっている。

 民主党系は票の分散が予想されており、クオモ氏とアダムス氏はともに中間層と経営者層の票取りを狙う構図となっている。クオモ氏を支持するデイビッド・パターソン元州知事は「クオモ氏かアダムス氏のいずれかが撤退しないと進歩系候補(マムダニ氏)を利する」と発言。クオモ氏はアダムス候補を「スプーラ」(票割れの原因)と非難、アダムス候補もクオモ氏を同様に非難しており、独立候補同士の分裂が深刻化している。

NY市長選挙民主党候補のマムダニ氏

有権者の多数が支持もウォール街や富裕層は反発

 6月の民主党予備選前に発表されたエマーソン大学の世論調査では、経済と住宅価格の高騰が有権者にとって最大の関心事であることが示された。マムダニ氏はこれをうまくすくい上げ予備選に圧勝した。本選でも住宅価格の高騰を選挙戦の中心課題に据えている。

 しかし、「社会主義者」が市政を担うことに関し金融業界や大企業などからはマムダニ市長誕生阻止の動きが活発化している。クオモ氏とトランプ大統領を支持していた富豪のビル・アックマン氏は現職のエリック・アダムス氏を本選挙で支持すると表明。金融大手JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は「社会主義者というより、マルクス主義者だ。イデオロギー的な混乱であり、現実世界では何の意味もない」とした。ニューヨークの富裕層の一部や金融関係者らは「ニューヨーカーズ・フォー・ア・ベター・フューチャー25」と呼ばれる独立グループを立ち上げ、マムダニ氏に反対する運動を開始した。約2000万ドル(約29億円)の資金調達を計画しているという。

 社会主義者に懸念

 ユダヤ系有権者の動向では、GQRとユダヤ人擁護団体ニューヨーク・ソリダリティー・ネットワーク(NYSN)が7月に実施したユダヤ人有権者に対する世論調査でもマムダニ氏支持が37%でトップ(他はアダムス氏25%、クオモ氏21%、スリワ氏14%)だった。しかし、マムダニ氏が市長に選出された場合、58%がNY市はユダヤ人にとってより安全ではなくなると懸念していることが分かった。マムダニ氏はガザ侵攻のさなかにイスラエルを批判した。調査では半数以上となる51%がマムダニ氏は反ユダヤ主義者だと考えていると回答した。市の登録有権者のうちユダヤ人は最大で全有権者の約20%〜25%と見積もられており、有力者も多い。パレスチナ情勢への対応によって投票が動く可能性がある。

 このほか、治安問題も浮上している。ウォールストリート・ジャーナル7月30日付はマンハッタンのミッドタウンで7月28日に4人が殺害される銃乱射事件が起きたことで、「市長選では公共の安全が最重要課題となり、有力候補のマムダニ氏にとって潜在的な弱点が浮き彫りになった」と報じた。マムダニ氏は警察予算の削減を訴え、ニューヨーク市警を人種差別主義者だと述べたことがある。公共の安全が市長選の焦点の一つとなる可能性があり、マムダニ氏が対応に失敗すれば失速も考えられる。

桃狩りの季節早くも到来!

 ビショップスオーチャーズはコネチカット州中央の沿岸の古くからある町ギルフォードに根付いて6代目となる果樹園。PYO (Pick Your Own)シーズンはブルーベリーから始まり、8月は黄桃、続いてりんごと梨、秋にはパンプキンが旬となる。近年ラインナップに加わった花束のブーケが作れるPYO花畑も大人気。ホワイトプレーンズから車で1時間半弱、日帰りで行ける果物狩りは夏の楽しいアクティビティの一つだ。只今、ファミリーファンイベント(入場料10ドル、2歳以下無料)が、ブルーベリーと桃の畑で毎日午前10時から午後4時まで開催中。子供達が大自然の中でメガ滑り台、コーンの部屋、巨大トランポリン、アップルトレインなどを楽しめる。16日は「桃祭り」が開催される。ワインやシードル、アップルサイダーも醸造しているほか、直営マーケットではワインテイスティングができ、アイスクリームショップは行列ができるほど大人気だ。ジャムや蜂蜜などもお土産に喜ばれるのは間違いない。詳細はbishopsorchards.com まで。電話音声ガイド203・458・7425(PICK)で収穫情報確認をお忘れなく。

(写真)この赤いビンテージトラックがドラフトハードサイダーとワイン売り場の目印


Bishop’s Orchards

桃、ブルーベリー、りんご畑:

480 New England Road,

Guilford, CT 06437

ファームマーケット:

1355 Boston Post Road,

 Guilford, CT 06437


新潟県南魚沼市から中高生16人来米

ワシントンDCとNYを訪問

視野広げ日米の架け橋に

 新潟県南魚沼市の中学生と高校生を合わせた16人がワシントンDCとニューヨークを訪問し、ホームステイなども含め7月29日から8月4日まで来米した。市が主催する「南魚沼市中学生海外派遣事業」の一環で来米したもので今年で3回目。一行には岡村秀康南魚沼市教育長はじめ、市教育委員会職員が同行した。 

(写真上)日の丸もたなびく国連本部ビルも間近で見学

 ニューヨークでは、日本政府国連代表部とニューヨーク日本総領事公邸を表敬訪問した。国連代表部では、山﨑和之国連大使と面会し、代表部の仕事の説明を受けた後、生徒たちからの質問に答えた。山﨑大使は「戦後1945年に加盟55か国でスタートした国連は、現在加盟国が193か国あり、そのほとんどが戦後、植民地から独立した国で、エネルギーの99%を海外から輸入している日本は世界とコミットしていかないと生きていけない国である」などと語った。一行は国連本部の建物を見た後、ニューヨーク日本総領事公邸を訪れ、総領事館の役割など聞いたあと意見交換した。当日は、体調不良で急遽欠席となった森大使に代わって総領事館職員が「ワシントンDCが政治の中心ならニューヨークは、経済、メディア、文化の中心である」と述べ、「在留邦人が安全に生活できるよう支援する」という総領事館の仕事を説明した。 

 今回で3回目となる派遣事業を主催する南魚沼市では、選抜は成績評価だけで決めるのではなく、一生懸命努力をしている子や、芸術やスポーツに熱心な子などさまざまな観点から市教育委員会が選んだという。 

 この事業の発起人は、ニューヨークで不動産業を営む現ニューヨーク新潟県人会名誉会長の大坪賢次さん。日大卒業後にワシントン州に米国留学し、そこでビル・ゲイツや現コストコの会長などその後米国の政財界で活躍する多くの人材と出会い、NYで不動産業で成功した人物だ。  

 生徒たちは、国連代表部、総領事館公邸表敬訪問という公式行事を終えたあと、 ニューヨーク滞在中は、同時多発テロの現場に作られた9・11メモリアル博物館も見学したほか、最終日はニューヨーク新潟県人会(大滝哲生会長)が迎えるホストファミリー宅に宿泊し、海外で生活する同郷の先輩たち家族とも交流した。

 体験したホームステイ中にはシティーフィールドでの大リーグ野球観戦やメトロポリタン美術館見学、遊覧船乗船などに連れて行ってもらうなど楽しい時間を過ごした。

日本見つめ直す絶好の機会

南魚沼市長 林 茂男

 南魚沼市中学生高校生海外派遣研修事業を3年継続して実施することができましたことを大変嬉しく思っております。

 生徒たちは、温かく迎えてくださったホストファミリーの皆様のおかげで現地の暮らしぶりや国際的な価値観に触れるとともに、国連日本政府代表部や在ニューヨーク総領事館公邸への訪問を通じて、日本という国を世界という大きな枠組みの中で見つめ直す、極めて貴重な経験を積むことができました。これらはすべて郷里の子ども達を、国際感覚を持った人材に育てたいというニューヨーク新潟県人会の大坪賢次名誉会長のご尽力と大滝会長をはじめとする会員の皆様の献身的なご協力により実現したものであり、改めて深い感謝を表します。 

これからの人生に大きな影響

南魚沼市教育長 岡村秀康

 派遣生16名は、憧れのニューヨークで「今、世界の中心に立っている」と感動の時を過ごしました。街並みも人々の熱気も想像を遥かに超え、そこで活躍する日本人の魅力に引き込まれました。

 山﨑和之国連大使、森美樹夫総領事大使との面会、そしてホストファミリーの皆さんと過ごした二日間。ニューヨークは魅力に満ちています。「大人になってからもう一度訪ねてみたい」「私も世界で活躍したい」と夢は広がり、ここでの感動と発見はこれからの人生に大きな影響を与えることでしょう。

 大坪賢次様をはじめ、ホストファミリーの皆様、関係者の皆様のご尽力とご協力に心から感謝申し上げます。

国際感覚を持つ人材の育成

NY新潟県人会名誉会長 大坪賢次


 経済停滞に直面している新潟県の活性化には、国際感覚を持った人材の育成が重要だと思い、林茂男南魚沼市長に生徒のアメリカへの派遣を提案しました。生憎とパンデミックに見舞われ実施が遅れましたが、今年で三年目を迎える事が出来ました。生徒達は単なる市内観光だけではなく、ニューヨーク新潟県人会会員との懇親会・ホーム・ステイ、山崎和之国連大使による日本の国際社会に於ける活動と立場の説明、森美樹夫ニューヨーク総領事・大使主催の総領事公邸での歓迎・セミナーに参加します。これらを経験することで、国際感覚を持つ人間が育ち、将来故郷の発展に貢献してくれる事を期待しています。

新潟県南魚沼市の中学・高校生16人

山﨑国連大使と意見交換

 新潟県南魚沼市の中学生と高校生合わせて16人がワシントンDCとニューヨークを訪問し、8月1日、日本政府国連代表部とニューヨーク日本総領事公邸を表敬訪問した。

 国連代表部では、山﨑和之国連大使と面会し、代表部の仕事の説明を受けた後、生後たちからの質問に答えた。一行は国連本部の建物を見た後、ニューヨーク日本総領事公邸も訪れ、総領事館の役割など聞いたあと意見交換した。

生徒を代表してお礼を述べる上村さん

 国連代表部では岡村秀康教育長が山﨑大使に謝辞を述べたあと、生徒を代表して上村愛莉さんが日本の将来を見据えた夢を語りながら面会のお礼の挨拶を述べた。

 山﨑大使は、歓迎の言葉の中で、入居しているビルの3フロアを使っていること、日本からの職員が60人、現地採用スタッフが50人の100人あまりの陣容で国連での職務にあたっていることを説明した。

 戦後1945年に加盟55か国でスタートした国連は、現在加盟国が193か国あり、そのほとんどが戦後、植民地から独立した国で、国連総会中は多くの会議が開催されているが、国によって会議の準備、本国への報告など全ての会議に参加できていない国もあると現状を紹介した。

 その中で安全保障理事会のメンバーになることを希望する国が増えていること、日本はこれまで12回非常人理事国に選ばれていること、選挙で選ばれるためには、多くの国と外交関係を保つことが重要だとした。エネルギーの99%を海外から輸入している日本は世界とコミットしていかないと生きていけない国であるなどと語った。

 また国際紛争が世界各地で起こっているが、イスラエル人がハマスによって1200人殺害されたとして、ガザの人々6万人を殺害したのはやりすぎだという声があるが悲惨な映像を見ると「紛争当時国は、外部の批判を全く受け入れられないのもわかる」などと語り、人間の憎悪の連鎖を止めることが大切だと述べた。アメリカが国連への拠出を減らすことへの批判が高まっているが、米国が国連予算の4分の1を負担しており、国連が米国頼りの現状であることもまた現実だと述べた。

日米の文化交流事情を学ぶ

南魚沼の生徒たちNY総領事公邸で

 ニューヨーク日本総領事館では体調不良で急遽欠席となった森大使に代わって総領事館職員が総領事館の仕事について説明した。

お礼を述べる関さん

 その中で「ワシントンDCが政治の中心ならニューヨークは、経済、メディア、文化の中心である」と述べ、「在留邦人が安全に生活できるよう支援することが総領事館の仕事」であると説明した。

 またニューヨークで開催されているジャパンパレードが、日本文化の紹介や、地元に感謝する気持ちを伝え、日系社会の連帯を強めることに役立っていることも紹介した。生徒からは「有効な広報活動をするにはどうしたら良いか」という質問に「SNSはもちろんコミュニティーに根差した広報が大切だ」と述べた。また「当地で生活する日系人は各界で活躍し、自分の故郷を大切にしています。みなさんも日本と世界のために貢献できるよう頑張ってください」などと激励した。最後に生徒を代表して関詩音さんが「将来は日米の文化の架け橋になれるよう頑張ります」とお礼を述べた。

三島由紀夫を大特集 ジャパン・ソサエティー舞台公演部

生誕100周年シリーズ、9月11日から

 ジャパン・ソサエティー(JS)舞台公演部は2025年秋から26年初夏・新シーズンのラインナップを発表した。9月から12月にかけては「三島由紀夫・生誕100周年シリーズ(英題:Yukio Mishima Centennial Series: Emergences)」と題し、三島由紀夫に関連した舞台公演シリーズを開催する。戦後の日本を代表する作家であり、文芸や美学から政治思想に至るまで日本と世界に強烈なインパクトを残した三島は、誕生から今年で100年を迎える。文学界、演劇界、映画界とさまざまなジャンルで活躍した三島の功績を俯瞰しつつ、彼が次世代に与えた影響だけではなく、彼自身に影響を与えた日本の伝統美まで、舞台芸術という切り口から三島の世界を見直す。また、同シリーズの一環として、三島に関する文学トークや三島作品を原作とした映画の上映会も行われる。

 シリーズの幕開けは9月11日から20日まで、演劇作品『KINKAKUJI』の世界初演。海外からの評価も高い代表作『金閣寺』(1957年出版)を、日米演劇界の架け橋として長く活躍する在NYのレオン・インガルスラッド(SITIカンパニー共同創立者)と、実験劇場からブロードウエーや映画までこなす韓国系アメリカ人俳優、メジャー・クルダが共同で翻案。三島の原作から再構築した新たなテキストを軸に、インガルスラッドの演出、クルダの独演にて、詩的な一人芝居として上演する。

 また、人気美術作家の塩田千春が同作の舞台美術を担当する。JSギャラリーでは9月12日から来年1月11日まで、塩田のNYでの美術館初個展となる「Two Home Countries」を開催する。チケット・詳細はウェブサイトhttps://japansociety.org/performing-arts/を参照。

戦後80年にあたって「謝罪外交」からの「卒業」は可能か?

 戦後80年を迎える中、日本では石破総理が「戦後80年談話」を発出することへの風当たりが強い。自民党内の、いわゆる保守派が反対しているそうで、もしも「総理が強引に発出する」と党が割れてしまうという声もあるという。反対論の中心は「謝罪外交」への違和感のようだ。日本が戦争に関する謝罪を続けるのであれば、いつまでも周辺国が日本を見下げることとなり、日本としては国益に反する利敵行為だという、これが「謝罪外交反対論」の中核のようだ。

 確かにここへ来て「謝罪外交」の意味が薄れ、弊害が強くなっているのは事実だと思う。一番の問題は、世代交代である。第二次大戦に至る日本のアジアにおける戦争が大きな災厄を生んだのは否定できない事実だとしても、加害側、被害側ともに当事者世代はほぼ残っていない。仮に1945年に20歳であった人々を当事者の下限だとすると、今回戦後80年を迎える中では100歳になっているからだ。

 現在の人口の中核を担う世代は、日本にしてもアジア諸国にしても戦争当事者の子ではなく、孫世代である。ほとんど無関係と言っていい世代において、一方が謝罪を要求し、一方が謝罪をするというのは、どこかに無理を生じる。特に「生まれながらにして」謝罪を強いられる日本の状況は、理不尽だと思い始めたら後戻りは難しい。

 また、謝罪というのは心理的、経済的に余裕があれば比較的容易だが、そうでなくては辛いという特性がある。日本が高度成長を駆け上がり、バブル景気に酔っていた時代においては、謝罪の主体になることには抵抗感は薄かった。それどころか、倫理的な高揚感を伴っていたのである。けれども、現在の世相は当時とは全く異なる。むしろ謝罪に積極的になるグループは、物理的にも心理的にも余裕のある「持てる側」として目立ってしまう時代でもある。

 最も重要なのは、謝罪というのは極めて精神的な態度の問題であり、惰性的な言葉では伝わらないということだ。オバマ大統領が仲介した日韓合意の際に、亡くなった安倍総理が韓国に対して謝罪を述べた。その際に韓国側からは、「本音は右派である安倍氏の謝罪は胸に響かない」という反発が出た。国を代表した総理の公式発言に対する姿勢としては非礼とも思うが、謝罪という精神論の場合はこのように「伝わらない」場合があるということは残念ながら事実である。

 では、日本はこうした「謝罪外交」を卒業できるのであろうか?これはそう簡単ではない。説明もなく謝罪を停止するとか、単に保守派の勢力が増したから止めますというのでは国益は守れない。第二次大戦は人類にとって最後の世界大戦だという前提に立てば、これを最後まで戦ったにもかかわらず、国体を護持した日本は、半永久的に恭順国家という位置づけから動けないからだ。

 また、大韓民国にしても中華人民共和国にしても、建国の原点に戦前の日本が深く関与している以上は、日本との過去を忘れることは不可能である。中でもアメリカの場合は、軍国日本との戦いは建国以来最大の事件である。二度の世界大戦の欧州戦線参加はあくまで援軍派遣だったが、対日戦というのは唯一にして最大の総力戦だったからだ。

 どうすればいいのかというと、謝罪の代わりにまず追悼を行うべきだ。謝罪は一方的だが、追悼は共同作業になる。とりあえず、故安倍晋三総理とバラク・オバマ大統領の間では、広島と真珠湾において相互献花外交の完結を見た。同じように、日韓や日中における共同追悼の作業が求められる。これは個人的な意見だが、追悼というのは政治的行為ではなく、人間性の純粋な部分で行うものであるから、総理大臣ではなく天皇陛下に行っていただくのが良いと思う。日米の共同追悼の儀式も、例えば沖縄で、長崎で、更に太平洋の各地で陛下と大統領により厳かに続けることができればその意義は深いであろう。

 もう一つは批判である。自分は戦争の当事者世代ではないので謝罪の主体にはならない、そのような世代が日本の大半になっているが、だからといって過去を肯定しているのではない。また現在形でアジアをもう一度侵略しようなどと考えている人間は皆無であろう。日本国内においては自明なことだが、態度として示さねば伝わるものも伝わらない。日本は謝罪をやめて軍国主義や侵略の正当化を進めていると思われたら、軍拡の口実にされたり、最悪の場合は日中離反、日韓離反の工作に引っかかるとか、外交孤立の状態に追い込まれることもあり得る。

 これを避けるために必要なのは、歴史認識における過去への批判を明確にすることだ。日露戦争が防衛戦争であったことは間違いないが、戦後の朝鮮半島のビジョンなきまま戦闘に突入した時点から先の朝鮮半島政策はどう考えても批判の対象で良いのではないか。中国政策に関しても、第一次大戦後に21カ条要求でドイツ利権の返還を拒んだ以降は、やはり批判が主となろう。対米戦については、その全てが戦略的な間違いという批判をすることが、既に両国の暗黙の公式理解となっているが、こちらも変更の必要は感じない。

 改めて戦後80年の今年、惰性的な謝罪外交を見直して、真摯な共同追悼に冷静な歴史批判を加えるという姿勢への転換を提言したいと思う。もしかしたら「保守派」という概念からは、過去への批判というのも「先人の犠牲を貶めるもの」だとして、嫌悪の対象になるのかもしれない。だが、謝罪も共同追悼も批判もしないということでは、現在の日米安保体制が「日本の軍国主義を封じ込める瓶のフタ」ではなくなっている中では、日本孤立策の口実を与えるだけだ。その意味で「保守」とは何かということも、厳しく問われる時代となった。

(れいぜい・あきひこ/作家・プリンストン在住)

日本ブランドを米国市場に DECO BOKO NY NOW

 日本のブランドと米国のバイヤーを繋ぐ展示会「DECO BOKO(デコボコ)」が、3日から5日までニューヨークのジェイコブ・ジャビッツ・コンベンション・センターで開催された米国最大規模のギフト・雑貨展示会「NY NOWサマー2025」に展示ブースを出展した。

 同展示ブースは、2017年に立ち上げたノース・レーン・インターナショナル(本社ニューヨーク、徳重真梨子代表)が「アメリカでまだ無名のブランドでも、アメリカ流のマーケティングを駆使し進出を実現する」ことを目的に2021年から実施している。今年5回目で、今回は31ブランドが展示された。

電子レンジ対応土鍋も

 神奈川県は、古くからモノづくりで栄え、伝統工芸品に加え現代的なアイテムを数多く製造。毎日異なる漢字に出会えるカレンダー「Koyomi」、寄木細工「TEGAMI」などで和の魅力をアピール。横浜のブースは、電子レンジ対応の土鍋など個性的なアイテムを展開。

 鳥取県で連綿と受け継がれてきた匠の技が光る逸品で、エージェントによるグループ展示は3つ。「COCORO STORE」は鳥取県に特化し、伝統的な玩具の復活・再生に取り組む「YANAGIYA REPRODUCT」や、独創的な椅子で定評のある「Junsei FUJIMOTO」を紹介。

 また石川県の食器ブランド「ARAS」、手仕事で芸術的なガラス製品をつくる「Hirota Glass」のほか、「PICUS」、「Craft Design Technology」、「Happa Stand」といった厳選ブランドが並んだ。

 1873年創業・日本を代表する靴メーカーの「moonstar」は、単独ブランドで箸の「STYLE OF JAPAN」、「moonstar」、100%天然ヒノキで作られたプロダクトを手がけ、森林浴の癒しを体感できる「shin rin yoku」を出品。

 DECO BOKOの大きな特徴について徳重さんは「ここに来ればデザイン性の高い新しい日本ブランドが見つかるというバイヤーからの信頼と豊富な実績」と言う。「今回は初めて出店者のネットワーキングイベントとバイヤーズディスカッションを実施して好評だった」とそうだ。会場からはトランプ関税がどう影響するのかについて質問が出て、バイヤー側からは商品価格に上乗せするのではなく,予め価格に含んで定価をつけてもらった方が購入に抵抗が少ないという声があったという。

NYタクシーに監視カメラ  保険金詐欺防止策

NYタクシー運転手連合
車両500台に設置

 NYタクシー運転手連合組合(NYSFTD)は7月22日、料金支払い拒否や自損事故を偽装した保険金詐欺の対策として、新たなイニシアチブ「オペレーション・ブライト・アイズ」を始動した。タクシーを狙った組織的な保険金詐欺行為の被害額は10億ドルにのぼる。同組合は車載カメラのディスプレイライド社、商業用自動車保険のアメリカン・トランジット・インシュランス社、クイーンズを拠点とする保険ブローカーのNYABブローカレッジと提携して資金を調達し、車両500台の前方、後方、車内に監視カメラを設置する。監視カメラ1台の市場価格は約250ドルだが、同プログラムに登録する運転手は少なくとも最初の1年間は無料で設置でき、将来的に10万台の車載を目指している。

 運転手が偽った事故や傷害の被害で訴えられた場合に、ドライブレコーダーに収録された動画が証拠として提示できる。同組合によると、タクシー事故の70%は詐欺行為だという。同組合広報担当のフェルナンド・マテオ氏は「長年にわたり強力な犯罪組織に加担する弁護士、医院、詐欺師たちが、タクシー運転手や保険会社に不当な請求をすることで帝国を築いてきた。自衛のために拳銃や刃物を所持できないため、監視カメラを武器に真実を究明する」と話している。

青森ねぶた 春夏秋冬 久保修ワールド

 昨年の青森ねぶた祭に取材で訪れた。

 東京の夏に比べると暑いとは言え、過ごしやすい。  

 山車が来るのを持っていると、お囃子と大鼓の音が近づいてくる。それに合わせてハネトの「ラッセラー、ラッセラー」のかけ声が聞こえてくると、一層高揚感に包まれる。

 ライトアップした山車が近づいてくる。さまざまなねぶた師が作るねぶたは迫力があって、日中制作小屋で見た物とはまた違った感じを受ける。

 多くのねぶたが目の前を通り過ぎてゆく中で、一つのねぶたの武者の睨みの効いた表情が目に入った。同時にその全体の立体造形に思わずこれを描きたい!と感じた。

 最終日の花火大会が始まると、1万発の花火が打ち上げられ、海上を運行するねぶたとの融合に酔いしれた。青森の夏の終わりを告げたように感じた。8月31日まで青森県「東奥日報新町New’sホール」にて展覧会開催中。 (くぼ・しゅう/切り画家、東京都在住)

夢の続きは舞台表現者としてNYで  黒木 璃七(くろぎりあな)さん

舞台俳優

 東京生まれ。10歳で帝国劇場ミュージカル『モーツァルト!』に出演し、以降、NHK特集ドラマ『はじまりの歌』、『スコア!』(主演)など数々の舞台・映像作品に出演。国内で長年にわたって活動を続けてきた。都立翔陽高校卒業後、言語や文化の壁を超えてさらなる表現の幅を広げたいという想いから単身で2020年来米。カリフォルニア州、アイダホ州を経てニューヨークを拠点に活動している。これまでに、オフ・ブロードウエー作品『Mr. Puppy the Musical』(AMT Theater)ではSwingとして主要3役を務め、昨年7月にはニューヨークの夏の風物詩でもある「ブロードウエー・イン・ブライアントパーク」に出演し、マンハッタンの中心で多数の観客の前でパフォーマンスを披露した。大規模な野外イベントに日本人として出演するのは貴重な経験であり、自身の表現が言葉や文化を超えて届く瞬間だと実感したという。

 また、今年11月には、MoMA PS1などで知られるアートフェスティバルPERFORMAの舞台にメインキャストとして出演する予定だ。2026年には同作品で全米テレビ出演も予定されている。これまで主にミュージカル作品で培ってきた経験を活かしつつ、現在は現代アートやメディアアートなど、ジャンルを越えたパフォーミングアーツの世界にも積極的に挑戦している。実は、初めてNYを訪れたのは2017年だったのだが「当時はアジア人である自分の居場所がここにはないと感じ、夢を追うことに不安を抱いていた。しかし2022年に訪れた際には、環境が少しずつ変わり始めていることを肌で感じ、『今なら挑戦できる』と思えるようになった」という。その想いからアイダホから転校を決意し、23年春よりAMDA(The American Musical and Dramatic Academy)に編入し、現在はニューヨークを拠点に活動している。

 8月6日夜、広島の原爆投下から丁度80年となるその日、マンハッタンのタイムズスクエア界隈にあるプロデューサーズクラブで朗読劇「モリワキ・ヨーコの日記」が上演され、黒木も日本人キャストとして舞台に立っていた。

 「実際に被爆された13歳の少女の遺した日記をもとにした作品で、戦争の記憶と平和の大切さを伝えるこの舞台に、日本人として携われることを大変光栄に感じています。『世界で活躍する表現者』として成長し続けたいと願っています」と語る。同作品は秋からのオフブロードウエーのロングラン公演が決まっている。(三浦良一記者、写真は本人提供)

好きなことを仕事に生きる  全日本趣味起業協会がNY展

 戸田充広氏が率いる全日本趣味起業協会が、7月29日から8月4日まで、ニューヨーク天理ギャラリーで昨年に続き3度目の「Echoes of Japan ジャパニーズ・アート&クラフト イン NY 2025」展を開催した。

 「好きなことを仕事にしている人は、人生まるごと輝いている」という理念のもと、全日本趣味起業協会は、ひとりでも多くの人が「趣味」「特技」「好きなこと」を活かした起業・副業を実践していくために、さまざまな支援活動を行なっている。

 戸田代表は、ビジネスコンサルタントとして、18年間に約3000人、180種以上の趣味起業と向き合い、全国でのセミナー、講演活動のほか、数々の講座で趣味起業家を育て続けている。著書は『副業アイデア逆引き事典』『のんびり副業』『趣味起業の教科書』など14冊。今回の展覧会では、同協会に所属するハンドメイド作家や画家、造形作家らが創り出した絵画からバッグ、漫画まで、さまざまな日本のアートを紹介した。NYからのゲストアーティストとして平野内美穂 、深谷成子 、マリア・クラスが参加した。1日に行われたレセプションでは、奈良在住の日本人ソプラノ歌手、植田祐嘉子によるミニコンサートも開催した。植田は、恩師アマデウス大西氏(故人)が、この日のために残してくれた音源で熱唱し、会場のニューヨーカーを感動させた。

(写真)レセプションで来場者と歓談する歌手の植田(中央)と戸田代表(1日、NY天理文化会館で)

編集後記

編集後記

 みなさん、こんにちは。今週もいろいろなことが起こった1週間でした。個人的にはニューヨーク在住の北海道出身者たちで作る「北海道ゆかりの会」主催のジンギスカンBBQ大会が日曜日にブルックリンのプロスペクトパークであってそれに参加したことが激務の毎日の非日常へのエスケープになりました。半分週末気分が抜けないまま翌月曜日、夕方会社でレイアウトの続きをしていると編集部の窓からすぐ上に見えるロックフェラープラザ上空にヘリコプターがホバリングしていて轟音が響いてきて、一体何事かとカメラを持って外に出ましたが、会社の前の通りは昔の同時多発テロほどの緊迫感が感じられなかったので、レイアウト途中で締切が過ぎていたこともあり、「気のせいか」とまたオフィスに戻って仕事に就いたらNY総領事館から緊急メールで「パーク街で乱射事件発生」とのこと。「いっけねぇ。やば」と会社に戻ってきたことを後悔しながら再びカメラを持って現場へ。事件発生から1時間半も経ってしまっていましたが、まあ、さっきそのまま早く現場に行っていたとしてもPOLICE LINE がはられていて現場のビルまでは辿りつけ行けなかったのだろうと諦めるしかなかったのですが。事件のときは、警察より先に現場に行くことが大切なんですが。まあしかし、走って行ける距離でいろんなことが起こるのがマンハッタンです。同日夜の記者会見で現場で自殺した犯人の名前が「タムラ」ということが気になりました。内心「日本人だったらどうしよう、嫌だな」と正直思いました。きっとその名前を最初に聞いた日本の報道関係者たちも皆一様にビクッとしたはずです。(下の方のファーストネームが、タカシとかアキラだったらもう決定的ですからね。)翌日の新聞やネット、テレビでは一切容疑者が何者であるか、ネバダ州から来た元カジノの守衛で高校時代にフットボール選手として活躍した経歴と顔写真が掲載されているだけで、何者なのかについて特段国籍について触れているメデイアなかったので、アメリカ人なのでしょうと自分としては勝手に理解した訳です。そんなこともあって日本の報道では名前を出しているところもほとんどなかったようです。しかし彼は日本人のようなラストネームなのに日本人ではないのか、日系米人でもないのか、日本のルーツを持っている人なのではないのかという単純な疑問は最後まで残り、原稿の締切まで時間のないところで、こういうことは考えても答えは出ないので、総領事館に率直に聞いたところ「総領事館では容疑者の国籍は承知していない」との回答でした。ラスベガス都市警察が発行した彼の銃器所持許可証にはTAMURAとLAST NAMEがあるのでニックネームや愛称とかではなく戸籍上の名前であることは確かですが、そもそも事件と日本とは関係のないものなので、あえて触れる必要はないし、触れるべきではないということなのでしょう。デリケートな問題を内包することも含めて、聞きづらいこともあえて正面からとりあえずは一度は聞いておくという姿勢は、書く書かないは別として記者の基本姿勢として持っていなくてはならないのだろうなと感じた事件でした。今週号で珍しく事件もので1面になってます。それでは、みなさんよい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)