【今週の紙面の主なニュース】(2025年10月4日号)

(1)米政府機関一時閉鎖 連邦職員の給与停止

(2)米政権、報道機関に圧力 放送免許や交付金で揺さぶり

(3)秋の足音が響く朝

(4)被爆者の証言 AKO一人芝居熱演

(5)ベスト30ゴルフ大会 山本竜也さん2連覇

(6)日本はパレスチナ国家を「未」承認

(7)NYで半世紀 竹寿司が閉店

(8)コロンビア大学で経営理念講演 鎌倉シャツ社長 貞末奈名子さん

(9)17道場から130選手が出場 第35回米国北部剣道大会

(10)ココナツオイルのバターで米国進出 荻野みどりさん

米政府機関一時閉鎖 連邦職員の給与停止

 米連邦政府は10月1日から始まる新会計年度を前に、議会で予算が成立せず、政府の一部期間が閉鎖された。現行の予算は9月30日深夜に失効した。それまでに与野党が妥協できな買ったため政府閉鎖となった。

 下院共和党は、現行水準で11月21日まで政府を運営する暫定予算案(継続予算=CR)を可決した。しかし上院では、民主党が反対姿勢を崩さず、可決の見通しは立っていなかった。民主党は、トランプ政権が夏に成立させた大型予算再編法で削減された医療保険制度改革法(通称オバマケア)の医療補助金やメディケイド(低所得者向け医療保険)支出の一部復活を求めており、条件なしの延長に応じな買った。一方、共和党は「クリーンなCR」で閉鎖を避ける方針を示していたが、両党の溝は埋まらなかった。閉鎖が現実となり約30万人が給与停止に直面し、不可欠業務に従事する法執行官らは無給で勤務を強いられる。航空管制官や交通保安局(TSA)の訓練が停止し、人員不足に拍車がかかる懸念がある。

政府閉鎖長期化の懸念も
連邦職員の間で不安高まる

 米連邦政府は10月1日から始まる新会計年度を前に、議会で予算が成立せず、政府閉鎖の危機が現実となった。現行の予算は9月30日深夜に失効した。それまでに与野党が妥協できな買ったため政府閉鎖が確定。

 下院共和党は、現行水準で11月21日まで政府を運営する暫定予算案(継続予算=CR)を可決した。しかし上院では、民主党が反対姿勢を崩さず、可決できなかった。民主党は、トランプ政権が夏に成立させた大型予算再編法で削減された医療保険制度改革法(ACA:通称オバマケア)の医療補助金やメディケイド(低所得者向け医療保険)支出の一部復活を求めており、条件なしの延長に応じなかった。一方、共和党は「クリーンなCR」で閉鎖を避ける方針を示しており、両党の溝は埋まらなかった。

 閉鎖が現実となり、約30万人が給与停止に直面し、不可欠業務に従事する法執行官らは無給で勤務を強いられる。航空管制官や交通保安局(TSA)の訓練が停止し、人員不足に拍車がかかる懸念がある。連邦補助金プログラムの支給遅延や中小企業への影響も予想される。経済全体にとっても不確実性が高まり、長期化すれば地域経済や金融市場に悪影響を与える可能性があるなど国民生活への影響は避けられない情勢だ。ホワイトハウス予算管理局(OMB)は、事前に閉鎖が発生した場合に備え、各省庁に対し一時的な休職措置(furlough)にとどまらず「恒久的な人員削減」を検討するよう指示していた。従来の閉鎖対応を超える強硬策で、公務員労働組合や民主党から「威嚇行為だ」と強い批判が相次いでいる。政権側が閉鎖を政治的な圧力の手段として利用する狙いがあるのではないかとの見方も出ている。各省庁は閉鎖時の対応計画を未だ明示せず、連邦職員の間で不安が高まっている。短期的な暫定予算案による延長で土壇場の妥協が成立する可能性もあったが、不成立となり、トランプ政権初期に発生した史上最長の政府閉鎖を含め、過去の閉鎖よりもさらに悪化する可能性があると指摘されている。

米政権、報道機関に圧力 放送免許や交付金で揺さぶり

 トランプ政権がメディアに圧力を加えており、娯楽番組と政治的表現の境界、放送メディアへの規制、言論の自由などをめぐる問題となっている。

 人気コメディアンのジミー・キンメル氏は15日、活動家チャーリー・カーク氏が9月10日に銃撃死したことについて、自身の番組「ジミー・キンメル・ライブ!」で「MAGA(トランプ支持派)たちがこの殺人を政治的に利用しようとしている」「(トランプ氏は)まるで4歳児が金魚を弔っているようだ」などと揶揄した。これに対し、保守派から強い反発が巻き起こった。連邦通信委員会(FCC)委員長のブレンダン・カー氏は17日、キンメル氏の発言を非難、放送ライセンス問題をほのめかしABCに対応を促す発言をした。同日、ABCとその親会社のウォルト・ディズニー社は番組の「無期限休止」を発表、放送を中止した。カリフォルニア州のディズニー本社前などでは市民らの抗議デモが発生、人権団体「米自由人権協会」(ACLU)が俳優のトム・ハンクスさんらとともに「言論の自由に対する政府の脅しは決して受け入れられない」などと訴えた。

 ABCは結局、23日からの放送再開を決定。キンメル氏は復帰初日の放送で、発言について「殺人を軽視したつもりはない」「特定集団を非難しようとしたわけではない」と釈明しつつも表現の自由を重視する姿勢を強く示した。

 トランプ政権は大手メディアへの圧力を強めている。特に公共放送廃止の動きが顕著となっている。

 トランプ大統領は5月1日に大統領令を発出しPBS(公共放送サービス)と NPR(全米公共ラジオ)に対する連邦資金の提供を「可能な限り停止する」よう命じた。連邦議会はPBSと NPRを運営する公共放送公社(CPB)への11億ドルの予算を取り消す法案を上下院で相次いで可決、7月24日にトランプ大統領が署名し、発効した。

 連邦資金の大幅削減が続けば、地方の小規模局の閉鎖や番組縮小は避けられない。CPBは8月1日、2026年1月までに業務整理すると発表した。しかし、公共放送の運営は連邦政府からの交付金だけで行われているわけではなく、視聴者や財団、企業からの寄付など複数の財源で成り立っているため閉鎖と決まったわけではない。「表現の自由」などを基に、法案の違憲性を問う訴訟も起こされている。

 過去の共和党政権でも「公共放送予算ゼロ化」が何度も提案されたが、PBSの「セサミストリート」などの人気番組やNPRのニュース・文化番組を支持する声は大きく、完全廃止には至っていない。今回の動きは、長期的には全国ネットワークとしてのPBSとNPRが維持できるかどうかが焦点となっている。

 また、海外メディアに対しても、報道関係者の米国滞在ビザの短縮案などを打ち出しており、報道機関への締め付けが厳しさを増している。

報道関係者のビザ短縮令

日系報道機関が意見書提出

 米国に取材拠点を置く日本の主要新聞・通信・放送15社は9月26日、トランプ政権が報道関係者を対象としたビザ(査証)の有効期間を大幅に短縮する方針を打ち出したことについて、異議を唱えるパブリックコメント(意見書)を国土安全保障省に提出した。日本国内の報道によると、報道関係者向けの「Iビザ」は有効期間が現在5年で延長申請が何度も可能だが、トランプ政権は先月下旬、当初の滞在期間を240日に短縮し、追加的に240日の滞在を認めるという内容に変更すると発表した。

 これに対し、日本の報道各社は、滞在期間および延長が240日に限定されれば「米国に関するニュース報道の深さや質、継続性が損なわれる」と強い懸念を表明。「入国時に2年の滞在期間を許可し、さらに2年単位で滞在延長を認め、最長期間を設けることなく複数回の滞在延長を認める」よう要求した。 第1次トランプ政権でも2020年に同様の方針を打ち出したが、バイデン政権が撤回している。今回は、トランプ政権があと3年続くこともあり、改正案を自分から撤回することはないと見られるため、前回のように真っ向から反発して抗議するというスタンスからは一歩後退しながらも、代替案としての2年を提示して落とし所を探るような内容となっている。

 同提案は、日本の報道機関だけを狙い撃ちしたものではなく、中国はさらに厳しいビザ滞在期間が90日となっており、各国の足並みが揃うのかバラバラになるのかは不明だ。改正案が修正なしに240日の滞在となると、特派員や報道機関の派遣職員の業務に支障をきたすだけでなく、駐在そのものの形にまで影響を与えることになる。特に滞在期間が1年未満となればアパートの契約や帯同家族の子供の修学などにも影響が出るものと見られ、米政府がどのような判断を下すのかが予測できないだけに成り行きが注目される。

秋の足音が響く朝

 まるで10月の到来を告げるアナウンスのように

ニューヨークのホームに秋が静かに滑り込んで来た

夏とは異なる影の長さ

 時計台のあるロビーに 秋の乾いた足音が響く

(グランドセントラル駅で、写真・三浦良一)

被爆者の証言 AKO一人芝居熱演

フロム・トリニティー・トゥ・トリニティ
10月5日まで上演中

 ニューヨークの劇団アマテラス座(アコ・ダッチェス座長)が10月5日(日)までHEREアーツセンター(6番街145番地)ドロシー・B・ウィリアムズ劇場で長崎で被爆した作家の林京子の随筆をもとにした一人芝居「From Trinity to Trinity」を上演している。

 アコさんは、「広島、長崎への原爆投下から80年目になる今年、少しでも多くの方に、特に戦争を知らない世代の方にぜひ観て頂きたい作品です。国連総会で世界中の国家元首がニューヨークに集まっている時期に上演できてよかった」と話す。

 英訳は舞踏家の大竹永子が担当。公演は英語で日本語の字幕がついている。米国では、日本語舞台が英訳されたテロップで芸場に流れることが多いが、逆に英語劇が日本語のテロップつきでニューヨークで上演されることは珍しい。

 客席で舞台を見た演劇プロデューサーのユージン・M・グライプさんは「舞台は舞台の良さがあるが、独演の形でも映像として伝えることでもっと多くの人に見てもらえるのではないかと思った。映画にしたらいい」と話していた。クレアと名乗る女性は「一人の女性の旅の情景が浮かぶ。舞台の中心となるトリニティーが私が好きな画家のジョージ・オキーフの故郷として作品の中で映像で映し出されて感動した」と話していた。チケットは10ドルと30ドル。開演5分前にボックスオフィスで残っているチケットがあれば、シニアと学生は無料で入場できる。(三浦、写真も)詳細はhttps://here.org/shows/from-trinity-to-trinity/

ベスト30ゴルフ大会 山本竜也さん2連覇

15試合に出場優勝3度目

来年は開催50周年へ

 第49回目を迎えた2025ベスト30ゴルフが9月14日、ワイルドターキーGCで開催され、51人が参加した。今年は、より多くの人に親しみやすい大会にするため、初の試みとして、従来の複数日から1日の大会として開催。一般、シニア、グランドシニア、女性それぞれティーの位置を変え、統合のスコアを競った結果、1位に輝いたのは昨年の覇者・山本竜也さん、2位はグランドシニアで参加の元チャンピオン漆原建二さん、3位は早川フランクさんだった。また同時に行われた団体戦ではチーム盧が優勝、2位はチームLegend、3位は北斗の拳が入賞した。

 2009年から参加して今回で15回目の出場になり、3度目の優勝を果たした山本竜也さん=写真左=は「やはり、毎年、NYの日本人の人口、ゴルファー、トーナメントへの参加者の減少に伴い、コミティー、ボランティア、スポンサー、協賛者様のご協力が必須になっており、ベスト30トーナメントの存続にコミティー一同で、全力を尽くしております。来年からの参加者は、80人を目指しておりますので、皆様のご協力を宜しくお願い申し上げます」と語る喜びのコメントからもなんとか大会を盛り上げていきたいとの思いが伝わってくる。

 メンバーの橋本純一さんは「かつて『時には真剣勝負も良いもんです!』を謳い文句に競技ゴルフを愛する日系アマチュアゴルファーの真夏の祭典として、幾多のドラマが繰り広げられてきたベスト30ゴルフトーナメントですが、来年は遂に50周年を迎えます。今季からより多くの方々に親しみやすい大会として1日開催の大会となりましたが、来年はさらにパワーアップして、次の50年に繋げるような大会を目指すつもりですので、今後ともどうぞよろしくお願いします」とコメントした。

 協賛企業・個人は次の通り。T.UP TRADING, INC.、ユナイテッド航空、Kintetsu International Travel、初花、小磯レストラン、Kubota Japanese Sake、Eco Bee House、ワイルドターキーGC、Hiro Ishikawa、Frank Hayakawa、Mac Kitaura、橋本純一、Jin Yoshida。

日本はパレスチナ国家を“未”承認

 石破茂首相は9月23日の国連総会で、日本がパレスチナの国家承認をしないことを、「するか否かではなく、いつ承認するかの問題だ」と演説しました。イスラエルのガザ攻撃を強く非難すると共に、「イスラエルによる一方的行為が継続すれば、新たな対応をとることになる」とも述べました。

 「二枚舌外交」で現在の中東の対立を生んだ元凶と言われる英国、仏国を初め多くの国々が最近承認を決定し、その合計は193の国連加盟国の約8割となります。しかも国連常任理事国の米国以外の仏英中露4か国も含まれます。

 日本は1970年代の石油危機以来、アラブ諸国との関係や国連外交を重視してきました。2023年10月以来日本政府が行ってきたガザにおける水、医療、インフラ整備などの血税3848億円の援助がイスラエルの空爆で破壊されています。しかし、日本が承認できなかったのは、米国からの圧力であることは想像できます。

 米国の圧力を乗り越えて英国や仏国などが動いた陰に、イスラエルとパレスチナ双方の有志による連携があります。イスラエルの元官僚、外交官などと、パレスチナ側でハマスも現パレスチナ自治政府も支援しない有力者達です。この人達は、「二国間解決(共存)」を達成しなければ、紛争が未来永劫続くとの危機感で行動し、一緒に仏国のマクロン大統領に直談判しました。私もこの人達の連携を手伝ってきました。

 イスラエルでは最近、政府高官や外交官などの辞任が増大し、外国に逃れる中産階級の人々も増大しています。元々イスラエルはロシアから逃れたユダヤ人が多く、欧州諸国から逃れた米国のユダヤ人の構成とは異なると言われます。戦闘継続しか生き残れないネタニヤフ首相と、それを支える右派政治家の突出が懸念されます。

 最近、国連人権理事会の調査委員会が、ガザでのイスラエル軍の行動をジェノサイドと認定しました。ユダヤ人が大量虐殺されたホロコストを防ぐために制定されたジェノサイド条約に基きイスラエルが指弾されるという皮肉です。

 9月29日のトランプ・ネタニヤフ会談後の和平案に対し、林芳正官房長官は「二国家解決に向けた重要な一歩」と述べました。英国ブレア元首相も和平案作成に関与していました。日本外交が、受け身ではなく、関与している姿を見たいものです。

ふじた・ゆきひさ=オックスフォード大政治国際問題学部客員研究フェロー(英国在)。慶大卒。国際MRA(現IC)や難民を助ける会等の和解・人道援助活動を経て国会議員、財務副大臣、民主党国際局長、等を歴任。現在、国際IC日本協会長、岐阜女子大特別客員教授も兼任。

NYで半世紀 竹寿司が閉店

10月5日がラストデー


 1975年にニューヨークにおける寿司の専門店の第1号としてマンハッタン48丁目のマジソン街と五番街の間に開店した竹寿司。その後、グランドセントラル駅に近いパークアベニューに移転して、81年から96年まで高度経済成長の波に乗って海外進出した日本企業の活況とバブル経済でニューヨークに一大寿司ブームが巻き起こり、その看板店として一世を風靡した。その栄華は、共同経営した松本紘宇の著書『ニューヨーク竹寿司物語』(朝日新聞社・刊)に詳しい。21年の歴史に1度はピリオドを打ったが、オーナーのロビン川田さん(78)が同店復活を決意してクイーンズのサニーサイド(クイーンズ大通り4131番地)で看板を掲げ、最後は喫茶店のコーナーを借りてまで寿司を握り続けた。今月5日(日)が最後の営業となる。

(写真右)竹寿司を一躍有名にした松本紘宇の本(朝日新聞社刊)

コロンビア大学で経営理念講演 鎌倉シャツ社長 貞末奈名子さん

 メーカーズシャツ鎌倉(本社東京都、通称・鎌倉シャツ)の貞末奈名子社長が9月23日午後、コロンビア大学ビジネススクールで講演した。同大学日本経済経営研究所の主催で行われたもので、当日は日本のアパレル業界でメイド・イン・ジャパンの日本製ブランドに革命を与えた同社の歩みや、値引きプロモーション、宣伝をしない同社独自の経営方針について語った。

 同社は1993年11月7日に鎌倉市で創業し、メンズファッションで知られるVANジャケットの元社員だった父の貞末良雄と妻の民子が始めたファミリービジネスだった。30年近い日本のデフレ経済の中で、縫製品質の高いシャツを手頃な価格で販売する方式で成長し、現在日本全国に25店舗を構えている。海外では2012年にニューヨークのマジソン街に出店、金融街にも店舗を拡大、2019年には中国上海にも進出したが、2020年のコロナ禍のパンデミックでニューヨークから撤退した経緯を述べた。「父の悲願だったマジソン店を私の手で閉めるのはとても辛かったが、またいつかこのニューヨークの地に戻ってくると心に誓い、4年後の昨年、再度上陸を果たしました」と語った。

 現在鎌倉シャツは、マンハッタンの中心にあるグランドセントラル駅に隣接するグレイバービル16階にサロン店を構えている。同店は完全予約制で注文仕立てのシャツを販売、ニューヨークのビジネスマンにSNSなどを通じて圧倒的な人気を誇っている。今回の同大での講演も、NYサロン開店1周年記念レセプションで貞末社長が来米するタイミングで開催された。貞末社長は講演の中で、鎌倉シャツのコーポレートポリシーが「世界で活躍するピープルを応援する」ことであることを紹介し、日本製の国産にこだわっている点を強調した。「パンデミックの時に企業がリモートワークになりシャツが売れなくなった時期、ワイシャツの生地でマスクを作ったら発売6日で50万枚の注文が来た。仕事を継続的に発注することで職人や工場の高い技術が維持できる」とも述べた。コットンの栽培、原料から全ての工程を完結させることも紹介した。

 講演後半は同大日本経済経営研究所マネジングディレクター荻野僚子さんの司会で質疑応答が行われた。聴講した大学院2年生のクリスチャン・ウオルターさんは「ファミリービジネスからグローバル展開できているその背景に高品質とサービスがあることがよく分かった」と感想を述べた。

 13年前、マジソン街店開店の朝午前7時、当時の社長で母の民子はこう訓示した。「ニューヨークの皆さんに日本のおもてなしの心を見せてあげようではありませんか」。その志は今、二代目の奈名子社長にしっかりと受け継がれている。

 (三浦良一記者、写真も)

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17道場から130選手が出場 第35回米国北部剣道大会

慶應義塾NY学院で開催


 9月21日、ニューヨーク州パーチェスにある慶應義塾ニューヨーク学院にて、第35回グレーター米国北部剣道大会が開催された。(主催:志道学院NY士道館)同大会には、9歳以下の子供から70歳代まで、約130人が参加。17の道場が集まり、年代別・男女別の個人戦、道場別の団体戦が盛大に行われた。最後の講評として、梯正治審判長(範士8段元警視庁剣道主席師範)から各参加者への健闘を称えた上で、昔からの教えである「剣道の試合では見苦しい勝者になるより、美しい敗者であれ」「勝敗に拘ることで礼儀を忘れた基本の崩れた試合で勝つことにだけ執着するのではなく、基本を重視した正しい剣道を目指すことが結局は将来の大きな素晴らしい勝者となることに繋がる」という言葉が贈られた。問い合わせはkendo-ny.org
(写真)5段以上の部決勝、左アダムス・ダンキン(士道舘) 優勝 右加藤大士(士道舘) 

ココナツオイルのバターで米国進出 荻野みどりさん

BROWN SUGAR 1ST社
代表取締役 社長

 「わが子に食べさせたいかどうか?」を基準に食材を厳選する食品ブランドBROWN SUGAR 1STを日本で経営している荻野みどりさんは、ココナツオイル製品で、首都圏を中心に成城石井、KINOKUNIYA、ヨーカドーなどミドルからアッパーの食料品店を中心に全国約3000店に商品を卸す女性起業家だ。

 東京・青山のファーマーズマーケットで菓子店を2011年に創業以来、ココナツオイル由来の食品やスナックでビジネスを成長させ、今年8月にはフィリピン産有機ココナツを使用したヴィーガンバター「Better Than Butter」を乳製品大手のタカナシを販売パートナーとして業務用先行で発売。全国から引き合いが殺到している。東京に本社を置き、昨年10月に資金調達を完了し、今年1月にニューヨークに米国現地法人を設立、ミッドタウンにオフィスを構え、自らもこの8月に中学2年生の一人娘とともに来米、現地オペレーションの事業を軌道に乗せるまでを念頭に腰を落ち着かせてニューヨーク生活をスタートさせたばかりだ。

 「自社食品を米国のメジャーマーケットで展開するためには、自力でチームを構築して事業を牽引する必要があると判断、対米進出を実現しました。これまで何度も商品見本市などの海外フェアに参加しましたが、その場所で商談が成立しないと時間の無駄だと思ったんです。アメリカのバイヤーは広い会場を回って歩くのでとても忙しく、具体的に商談ができて契約をまとめられる担当者があまりいなかった日本のブースには関心を示してくれず素通りされることが多かったです」と過去にあまり手応えの感触を得られなかった自己の体験談を話す。

 日米両拠点の運営を積極的に管理する荻野さんは、生産者・環境・消費者を支える循環型ビジネスモデルに注力し、食を通じた社会的価値の創出を目指しているという。米国では同社の商品群の中から「ナチュラルスナックとヴィーガン・バターを全米4万店舗に卸すぞ!」と意気込んで、2029年までに東京証券取引所グロース市場への上場準備を推進中だ。「アメリカのバター市場は8000億円規模と言われていますが、2035年、10年後にはその5%を自社製品で取りに行くのが目標です」と鼻息は荒い。

 NYでは、同社取り扱い商品である薬膳おやつ「ZEN SNACK」をロングアイランドシティの日系食料品店で試食販売を開始しており、「アジア系以外の人は薬膳に関する認知度が少ないため、スーパーフルーツとかスーパーナッツとして年明けからパッケージも衣替えして販売するつもり」だ。だが、米国での主力販売品となるのは、あくまでも本家本元のココナツオイルから作ったヴィーガンのバター「ベター・ザン・バター」だ。同商品は現在自社で輸出入を行なっており、代理店を通じて西海岸の米大手食品スーパーに売り込み中だという。

 日本国内での成功体験をどう米国に繋げるかが腕の見せ所だ。

 (三浦良一記者、写真も)

https://brownsugar1st.store