編集後記

編集後記

 みなさん、こんにちは。トランプ政権のもとで、地方警察と連邦移民・関税執行局(ICE)の連携が急速に拡大しています。今週号の1面で報じています。背景にあるのが「287(g)協定」と呼ばれる制度で、連邦政府が地方警察や保安官事務所に移民法執行権限の一部を委任する仕組みです。訓練を受けた警官は、通常の警察活動のなかで移民資格の確認やICEへの引き渡しに関与できるため、スピード違反やテールランプ切れなどの軽微な交通違反が移民摘発のきっかけになるケースが増加しています。地方警察を利用してICEの手足を全米に広げた格好です。6月16日付ニューヨークタイムズ紙が大きく報じたその紙面を、マンハッタンに向かう朝の通勤電車の中で読んだ私は、携帯画像に合法滞在証明の写真がちゃんとあるか思わず確認してしまいました。


 連邦政府は、地方機関の協力を促進するため、訓練費や人件費、残業代などを財政的に補助する制度も拡充しています。地方自治体にとっては財政支援を受けながら法執行能力を強化できるメリットがある一方、人種や民族的背景による職務質問が増えるのではないかとの懸念もあります。


 特に南部を中心に広がっており、フロリダ州、ジョージア州では多数の郡保安官事務所や警察機関が参加しています。特にテキサス州では人口10万人以上の地域の機関は今年12月1日までに協定締結を求められるなど、単なる推奨ではなく、州法で事実上の参加拡大を進めています。全米では高速道路や一般道路が移民取締りの現場となる地域が増える一方、北東部では逆に地方警察と移民当局の取締りを分ける動きが強まっています。ニューヨーク州やニュージャージー州、コネチカット州などは移民保護政策を維持しており、連邦政府のこの一連の流れを拒否しており、南部州とは対照的です。


 ニューヨーク州では、民主党が多数を占める州議会が地方警察による287(g)協定を禁止する法案を可決し、5月28日にホウクル知事が署名して成立しています。したがってニューヨーク市をはじめ同州の多くの自治体では、単に移民資格を理由として住民を拘束することは認められていませんが、一部の郡や自治体では連邦当局との協力事例があり、交通違反の取り締まりが結果的に移民摘発につながったケースが報告されています。なので、ニューヨークや、コネチカット、ニュージャージーでは、いきなり警察官に移民上の理由で職務質問されることはまずなさそうですが、他州に旅行したり、特に南部在住者は要注意でしょうか。アメリカに住んでいる日本人も合法滞在を証明できるものを常に携行していないといよいよ安全ではないそんなご時世になってきたようです。


 長年の取材経験から言えるのは、もし万が一、警察官に職務質問された時は、反抗的な態度は絶対に禁物で、丁寧に対応すること。警察官は最初は控えめに、必ず最初は優しく話しかけてくるので、その間にきちんと納得のいく説明をして、礼儀正しく対応をしてことなきを得ることが肝心のようです。日本と違い、アメリカの警察官は、相手が犯罪者と分かった時点で狼に豹変します。あくまで、自分たちを犯罪から守ってくれている「おまわりさん」と市民という立場で応対するのがいいようです。それではみなさん良い週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)


【今週の紙面の主なニュース】(2026年6月27日号)

(1)地方警察とICE連携 NY,NJ,CT州は拒否

(2)コニーアイランドで人魚パレード

(3)対スウェーデン戦応援  25日夜NY日系3団体共催で

(4)「二人の母」が切り拓く未来 クィアの美容師 細野まさみさん

(5)民舞座がアジア連携舞踊 「仮面とベールと水」テーマに

(6)日本のスタートアップ企業が米国の投資家を得る方法

(7)州議会訪問し意見交換 NY日系コミュニティの代表団

(8)夏にさっぱり美味しくいただく3品 生き生きEATS

(9)日系不動産業界の交流を促進 西田花蓮さん

(10)ジミヘン通り正式に グリニッジ・ビレッジ西8丁目

地方警察とICE連携 NY,NJ,CT州は拒否

 トランプ政権のもとで、地方警察と連邦移民・関税執行局(ICE)の連携が急速に拡大している。背景にあるのが「287(g)協定」と呼ばれる制度で、連邦政府が地方警察や保安官事務所に移民法執行権限の一部を委任する仕組みだ。訓練を受けた警官は、通常の警察活動のなかで移民資格の確認やICEへの引き渡しに関与できるため、スピード違反やテールランプ切れなどの軽微な交通違反が移民摘発のきっかけになるケースが増加しているという。地方警察を利用してICEの手足を全米に広げた格好だ。

 連邦政府は地方機関の協力を促進するため、訓練費や人件費、残業代などを補助する制度も拡充している。地方自治体にとっては財政支援を受けながら法執行能力を強化できるメリットがある一方、人種や民族的背景による職務質問が増えるのではないかとの懸念も根強い。

 「287(g)」とは移民国籍法第287条(g)項に由来するもので、不法移民の増加への懸念や麻薬密輸などの犯罪対策のため1996年に制定された。当初は参加する自治体は皆無だったが、2001年の同時多発テロが発生すると関心が高まり2011年に72の自治体が参加した。バイデン政権末期で16州で約135件だったが、第2次トランプ政権発足後に急増し、現在では31州で1200近い警察機関・保安官事務所が参加する大規模な制度となっている。特に南部を中心に広がっており、フロリダ州、ジョージア州では多数の郡保安官事務所や警察機関が参加している。特にテキサス州では人口10万人以上の地域の機関は今年12月1日までに協定締結を求められるなど、単なる推奨ではなく、州法で事実上の参加拡大を進めている。

 全米では高速道路や一般道路が移民取締りの現場となる地域が増える一方、北東部では逆に地方警察と移民当局の取締りを分ける動きが強まっている。ニューヨーク州やニュージャージー州、コネチカット州などは移民保護政策を維持しており、南部州とは対照的だ。

 ニューヨーク州では、民主党が多数を占める州議会が地方警察による287(g)協定を禁止する法案を可決、5月28日にホウクル知事が署名し成立した。ニューヨーク市をはじめ同州の多くの自治体では、単に移民資格を理由として住民を拘束することは認められていない。しかし、一部の郡や自治体では連邦当局との協力事例があり、交通違反の取り締まりが結果的に移民摘発につながったケースが報告されていた。

 ニュージャージー州も移民保護に積極的な州の一つで、州司法当局は地方警察がICEの業務を代行することに否定的な姿勢を示してきた。コネチカット州でも同様に、州レベルでは移民コミュニティーとの信頼関係を重視する方針が強く、南部州のような大規模な参加は見られない。

 移民問題をめぐる対立は地域の交通取締りや警察活動のあり方にも広がっており、各州の対応は大きく分かれているのが現状だ。

対スウェーデン戦応援 25日夜NY日系3団体共催で

 ワールドカップ、サムライブルー(日本代表)の第3戦となるスウェーデン戦を応援するイベントが、25日(木)午後7時から(開場は午後6時)前回の対オランダ戦応援と同じプレイライト・アイリッシュパブ2階にあるイベントスペース(西35丁目27番地)にて、日本クラブ、NY日本商工会議所、NY日系人会の日系3団体共催で開催される。入場料20ドル(支払いは当日会場にて。1回分の無料ドリンク券付き)。先着順。定員200人に達し次第受け付け終了。予約なしのウォークイン可。詳細はウェブサイトhttps://www.nipponclub.org/eventを参照する。

コニーアイランドで人魚パレード

♥うちら♪陽気なロブスタ娘♪

 夏の到来を告げる「第44回マーメイド・パレード」が20日、ブルックリンのコニーアイランドで華やかに繰り広げられた。パレードは、コニーアイランドの100年にわたる華やかさとユニークな魅力を称え、市内5区だけでなく遠方からも参加する芸術的ビジョンと起業家精神を讃える催しだ。人魚や深海魚、幻想的な海の生き物を描いた独創的な手作りコスチュームにはロブスターも=写真=。マーチングバンドやダンスグループ、機械仕掛けの山車などを数千人の観客が声援を贈った。(Photo: Gregory D’Agostino)

「二人の母」が切り拓く未来 クィアの美容師 細野まさみさん

 多彩な個性が集まるニューヨークの美容界で、独自の存在感を放つ美容師がいる。イーストビレッジでサロンを経営する細野まさみさん。自身もクィアとして、性別不問の一律料金など、誰もが自分らしくいられる空間を生み出してきた。そんな細野さんは昨年、イギリス人の女性パートナーが精子提供を通して出産したことで一児の母となった。「二人の母」としての現在地、そして歩む未来に迫った。

 丁寧かつ速いカット、くせを生かしたスタイルが評判の細野さんのサロン。SNSで育児の発信をするようになり、客層もクィアの親が増えるなど変化が現れている。母になり、仕事への向き合い方は変わったのかを問うと、確かな実感を込めて言葉を紡いだ。

細野:「以前はサロンを大きくしたい『夢』がありましたが、子どもが生まれたことですべて打ち壊され、尖っていたものがなくなりました。地位を築くためではなく、おむつやデイケアなど『この仕事が家族の生活を支えている』と思うと、一人ひとりのお客さんへの感謝の気持ちがより大きくなりました」

 人種も性も多様なニューヨークに惹かれ2012年に移住。当たり前のようにLGBTQの人たちが共存している姿を見て、自身のアイデンティティに自信を持てるようになった。 出産までは数々の壁があったが、乗り越えた経験は家族の愛と絆を深めたと語る。一方で、日本へ戻る可能性を問うと細野さんは表情を曇らせる。

 細野:「戻りたくても、いまの日本は法律上結婚できません。アメリカでは家族ですが、日本では法的に認められず、異性愛の国際結婚の夫婦であれば認められる権利や制度を得られないんです」 

 また、日本へ旅行した際には、複雑な思いを抱いた経験もある。

細野:「娘と二人だと、無意識に『父親は白人男性だろう』と想定されることがあります。家族でいても、パートナーに対して『お友達ですか?』と聞かれ、『家族です』と答えても、相手は困惑していましたね」

 故郷の現状に葛藤を抱えつつも、未来への希望を次世代へと託す。

 細野:「Z世代やアルファ世代に期待しています。若者たちは政治や社会問題をタブー視せず、SNSで世界中と繋がっています。国境を越えてミックスされている世代の子たちに、これからの社会を変えていってほしいです」 

 自身も日本語での発信を続け、「同じ立場の人たちの希望になれたら」と願う細野さん。いまの夢は、いつか6月のプライドマーチに家族3人で出かけること。多様な愛が街を彩るそのパレードのなかに、家族の歩む未来が待っている。 (川﨑理加、写真も)

【ことば解説】クィア=同性愛者などを含む既存の性の枠組みにとらわれない多様な性のあり方を持つ人々の総称。

民舞座がアジア連携舞踊 「仮面とベールと水」テーマに

 日本各地の伝統芸能の踊りをニューヨークで踊り続けるジャパニーズ・フォークダンス・インスティチュート・オブ・ニューヨーク(民舞座)が主催する舞踊公演「Dances of Woven Water」が、20日と21日の両日、トライベッカにあるBMCCトライベッカ・パフォーミング・アーツセンターで開催された。民舞座が日本の踊りを披露したほか、インドネシア、ハワイ、韓国などアジア・太平洋地区の伝統ある民族舞踊も披露された。古くから伝わる伝統的なアジア諸国の踊りを紡ぎ合わせて現代を照らし出した。「Dances of Woven Water」は、アジア・太平洋地域の伝統舞踊のつながりに光を当てるシリーズの第2弾。今回は「面やベールを用いた舞踊」や「水をテーマにした舞踊」という切り口から、AAPI(アジア系アメリカ人および太平洋諸島系アメリカ人)の伝統の間に見られる類似性をさらに深く掘り下げている。

 民舞座芸術監督の鈴木ケビンさんは「仮面やベールを用いた舞踊は、多くのアジア太平洋諸島の伝統において不可欠な要素であり、しばしば人類が神聖な存在に近づこうとする試みを反映しています。今日上演される舞踊は、面をつけることにより踊り手が神や権威者の前で謙虚さを示すか、あるいは自ら神を体現するかのいずれかの形で表現されます」と話す。

 その言葉通り、最初に出てきたのは「相川音頭」だった=写真中央=。この踊りは、新潟県沖合の孤島、佐渡島を起源とする音頭。かつて流刑地であったこの島では、数世紀前、日本各地から囚人が集められ、豊かな金鉱床を採掘する終身の重労働を強いられていた。この踊りは、囚人たちが新しい看守に慈悲深い態度を期待して踊ったものだという。元々は看守の前で顔を覆うために布をまとって踊られていたが、現在は菅笠をかぶって踊られている。踊りの動きからは、佐渡島を取り囲む荒波を想像することができた。顔を見せないことでより強い踊り手の想い、抑制された動きから逆に迫力のあるメッセージが伝わってくる。民舞座の創設者で同じく芸術監督を務めた鈴木百さんは「今回は本当にみんな頑張って練習してくれました」と笑顔で舞台後に姿を出して詰めかけたファンや観客と歓談していた。日本の踊りとしては岩手県の鬼剣舞、秋田県の西馬音内盆踊り、鳥取県の傘踊り/貝殻節、山形県の最上川音頭、熊本県の牛深ハイヤ節が披露された。環太平洋アジア系を民族文化である伝統舞踊の環で結んだ取り組みに、客席を埋めた大勢のアジア系の観客から大きな拍手が湧いていた。 (三浦)

写真・植山慎太郎

日本のスタートアップ企業が米国の投資家を得る方法

日本のスタートアップ企業が米国の投資家を得る方法


 日本クラブ、Reinvent NY 共催による「第3回ニューヨークビジネスパーソンの会 2026夏の陣」が18日、日本クラブで開催された。NYで活躍する日本人ビジネスパーソン同士の交流を目的としたコミュニティイベントで、ゲストスピーカーは、ベンチャーキャピタリスト&テクニカルアドバイザーの伊藤豪氏(慶大理工学部卒でソニーグループ社員を経てクエストベンチャーパートナーズ・ゼネラルパートナー)。講演では「米国VCはスタートアップの何を見て評価しているのか」について幅広い知見から解説した。

【講演内容は次の通り】

 AI企業の収益は、他のセクターの約10倍という驚異的なスピードで拡大している。収益100Mドル達成期間はドットコム時代は約10年、SaaS時代は約5年、AI時代は約2年で達成。一方でIPO(新規株式公開)は、2021年のピーク以来激減し、セカンダリー市場の拡大を背景にスタートアップ企業にとってIPOが必ずしもゴールではなくなっている。セカンダリー市場は投資家への流動性提供において急速に成長している。市場は、AI関連セクターに集中する投資と、その他セクターへの限定的な投資と明確に分かれる。

米国のVCは、スタートアップの何を見て評価しているのか

なぜ米国VCからの資金調達は難易度が高いのか。

結論:伝え方の違いにある。

 米国VCからの資金調達が難しいのは、技術やアイデアそのものよりも「伝え方」「物語の組み立て方」にズレがあるからだ。日本のスタートアップの技術力やプロダクトは、米国に対して決して劣ってはいない。むしろ多くの起業家が持つ「志」と「現場の強さ」はそのままで勝負できる素材だ。しかし、投資ゴール(投資哲学)の違いがミスマッチを生む。日本と米国とでは、投資家が「どんな勝ち方(イグジット)を求めているかが違う。日本は「打率」と「リスクマネージメント」。米国は「スケールするスピード」と「リターンサイズ」だ。

 米国VCが重視する「初期の評価軸」は、実績のない初期段階において「ホームランの匂い」がするかどうかを次の3点で嗅ぎ取る。(1)創業者の人柄。誠実さ、粘り強さ、学び続ける姿勢(2)数兆円規模の巨大なビジョンと「なぜ今なのか」というタイミング(3)成長のスピード。(1)について米国のVCが最も知りたいのは「創業者の不公平な優位性」だ。つまり米国の投資家は、初期段階の企業のアイデアは「必ず方向転換(ピボット)する」ことが分かっているので、「アイデアやプラン」ではなく「起業家自身」に投資する。その起業家がこの市場で、世界の誰よりも勝てる理由、その人だけが苦労して得た「業界のまだ誰も気づいていない真実は何か?」「他人が真似のできないあなたの武器は何か?」「あなたを突き動かしているものは何か?」

 このような質問を通して創業者がUnfair Advantage(不公平な優位性)を持っているのかどうかを見極める。また創業者の失敗から立ち上がる回復力、タフさも米国のVCが重視する要素の一つだ。

 創業者は1人より複数がベター。1人創業は燃え尽きて終わるリスクがあり、「作る人」と「売る人」との補足関係を見て対等に近いフラットな資本関係を好む。そして米国のVCは収益計画は見ない。今後3、5年の収益予想は「必然的に間違っている単なる妄想」と見られる。日本の場合は、創業初期段階であっても、売上高、人員計画、今後3、5年の収益化に向けたロードマップを作りがち。米国VCは「スピードと仕組み」に着目する。例えば最初の100人の顧客を獲得する方法などだ。「人を雇わずに、製品自体が自己増殖的に売れる仕組み」を構築できるスタートアップが今後の勝者となる。

 最初の5分が全て

 「チェックポイント」を突破する。米国の投資家は、最初の5分で「このピッチを最後まで真剣に聞くか」を求めている。彼らが探しているのは、優秀なプロダクトマネージャーではなく、業界のルールを書き換えるビジョナリーだ。求められるのは、プレゼンテーションの冒頭で、想像力を掻き立てるような「大胆なビジョン(強烈な大風呂敷)」を語ること。ただし、その最終目標に到達する方法を知っている理由を説明できる必要がある。

 致命的なミスは、「我々のプロダクトは競合より効率的だ」という斬進撃な改善から話し始めること。

 大風呂敷の広げ方は、まず必然の未来を断言する。例「10年後、この業務を人間がやっている世界は存在しません。我々がそれを終わらせます」。敵を巨大に設定する。投資家自身に「もしこれが本当に実現したら、とんでもないことになる」と計算させる。そして最初の5分間の目標は、投資家に「今すぐ参加しないと、歴史的なリターンを逃してしまう」という「機会損失への恐怖を煽る」ことだ。

 最後に「日本の控えめな表現や目標設定は、米国では自信がない、ビジョンが小さいと見なされるので、あなただけが持つ「不公平な強み」を武器に、AI時代における高い資本効率を実証し、自信を持ってグローバルなストーリーを語って欲しい」と述べた。

 講演後はネットワーキングの時間が設けられ参加者同士が懇談した。参加者からは「生々しい話が聞けて貴重な機会だった」「日本の学校教育では教えない内容だ」といった声が聞かれた。当日は、総合商社、弁護士、映像作家、公認会計士、報道関係者、起業家、デザイン業界など多方面の業界から若手ビジネスパーソンが参加し、熱心に聴講した。

最初の5分間のアプローチにおける日米の「伝え方の違い」

【典型的な日本のピッチ】

冒頭に会社概要、チームの経歴、丁寧な挨拶。課題の捉え方は「既存製品への不満」。話し方は「謙虚、論理的、リスクを抑えた説明」。情報の出し方は「結論(ビション)を後半に持ってくる。

【勝てるUS向けピッチ】

冒頭に衝撃的な事実、巨大な問いかけ、ビジョン。課題の捉え方は「パラダイムシフトの欠如(業界構造の破壊)、話し方は「パッション、絶対的な自信、劇場型」。情報の出し方「最初に兆円規模の未来」を見せる。

夏にさっぱり美味しくいただく3品 生き生きEATS

プロに聞く、生き生きEATS(イーツ)

元気と美味しいを求めて料理の達人が腕を振るう (67)

 今月の生き生きEATSは、ウエストチェスター郡ハリソンの日本食料品店おいしんぼの店主、高田英紀さんに、夏にサッパリの冷やし中華、新鮮なお刺身を使った簡単ちらし寿司、ご家庭でもできる夏の抹茶アイスかき氷をご紹介します。ハリソンでは先ごろ地元ハリソン高校の日本人生徒たちが中心となって夏祭りが開催されましたが、地元商店として生徒たちの相談役として応援していたのが高田さん。賑わうお店の時間を借りて、美味しい3品を店内キッチンで作っていただきました。

Oishinbo

283 Halstead Ave, Harrison, NY 10528 

(914) 835-4390

https://www.instagram.com/oishinbo_ny


◾︎冷やし中華

 冷やし中華のタレは、簡単に作れます。火を使わずにボウルに入れて混ぜるだけなので、いつでも手軽に

本格的な味わいが楽しめます。さっぱりとした定番の味を楽しみたい方に最適です。

【材料】2人前

錦糸卵または刻んだ卵焼き 1個分

きゅうり 短冊切りで1/3本

ワカメ 少々

カニカマ 2本

コーン 少々

刻みネギ 少々

ハム(お好みで)

紅生姜(お好みで)

胡麻だれ

炒りごま 大さじ4

醤油 大さじ5

オイスターソース 大さじ1

砂糖 大さじ4

酢 大さじ4

はちみつ 小さじ1と1/2

鶏ガラスープの素 小さじ1

すりごま 大さじ3

塩 小さじ1/4

ごま油 大さじ1と1/2

水 大さじ 3

【作り方】冷やし中華のタレ

(醤油タレの場合)醤油:お酢:水:砂糖:胡麻油=3:3:3:2:1の割合で混ぜ合わせるだけ。

(胡麻だれの場合)材料を全て混ぜ合わせて完成です。


◾︎ちらし寿司

【材料】2人前

酢飯 丼2杯分を冷ます

刺身=サーモン、イカ、はまち、トロ、赤身、アボカド、イクラ、ウニ、玉子焼き、生姜(ガリ)、大葉、わさび。

【作り方】

 一番簡単なのはお店で「刺身盛り合わせ」のパックを複数利用して盛り合わせるのが経済的。個別に柵で買う場合は、研いだ包丁で、購入時に刺身スライスにしてサランラップで2枚ずつラップしてトレーに戻して冷凍。食べる時に合わせて2時間の自然解凍で新鮮なお刺身が蘇ります。今回のウニはメイン州からの直送でおいしんぼで特売中とのこと。ガリは既製品で白とピンクお好みで。大葉(しその葉)は、イカと相性がよし。


◾︎かき氷

【材料】

家庭用かき氷器があればベスト。ない場合はスキップ。

抹茶(はちみつ入り)かき氷シロップ。

こしあん(缶詰)

バニラアイス 1スクープ

【作り方】

 製氷皿で作った氷をビニール袋に入れてハンマーで叩いてサイコロくらいの大きさに砕く。

 かき氷器があれば氷をシャーベット状にする。ない場合は、さらに細かく氷をハンマーで砕いて、氷菓子風に器に盛り付け、こしあん、バニラアイス、シロップをかけて出来上がり。

州議会訪問し意見交換 NY日系コミュニティの代表団

経済・文化貢献を説明

日系公民権運動も紹介

 ニューヨーク州の州都オルバニーで5月28日、日系コミュニティの代表団が州議会議事堂内の上下両院本会議場を訪問するとともに、上下院議員と意見交換した。また、同日夕刻には、アジア太平洋諸国系米国人(AAPI: Asian American and Pacific Islander)ヘリテージ月間を祝賀するレセプションを開催した。

 同日午前に州下院本会議場、午後に州上院本会議場において議場紹介を受けた。下院では、アンジェロ・サンタバーバラ下院議員が、日本とNY州の強固なパートナーシップを称えるスピーチを行った。上院では、クリスティン・ゴンザレス議員が、自身の日本との繋がりや、5月に開催された「第5回ジャパン・パレード」に出席した際のエピソードを交えつつ、代表団を歓迎した。

(写真上)サンタバーバラ下院議員と日系コミュニティ代表団

 また同日午後、州議会議員6人とのラウンド・テーブルを開催した。会合では、AI専門家の吉平健治氏から「AIによる働き方の再設計」に関するプレゼンテーションが行われ、それを受けて、AI普及に伴う労働環境の変化への対応やNY州と日系企業・団体との間の連携の強化について活発な議論が交わされた。

 また同日夕刻、片平聡在ニューヨーク日本国総領事・大使は、ラリー・エヴァンス在オルバニー日本国名誉領事及び州上下院議員らと共にAAPI祝賀レセプションを開催した。

 同レセプションには、日系企業・団体関係者、AAPIコミュニティ関係者、州議会議員、州政府高官など約80人が参加した。

 会場では片平大使及びエヴァンス名誉領事からNY州における日本の貢献が紹介されたほか、佐藤JAA会長から日系人フレッド・コレマツの公民権運動を称える「フレッド・コレマツ・デー」制定法案採択に向けた取り組、為田JCCI会頭から「ジャパン・パレード」などの日系コミュニティの活動が紹介され、ウォーカージャパン・ソサエティー理事長からは日本の経済的貢献や文化浸透に触れつつ日系コミュニティを歓迎し、関係を深化させる必要性が強調された。

 これに対し、ゴンザレス上院議員、リュウ上院議員、セプルヴィーダ上院議員からは、日系コミュニティとの関係強化への支持が表明されるとともに、日本とのパートナーシップの更なる強化への意欲が示された。

 会場では、日本各地の観光展示や横浜市の「GREEN×EXPO 2027」のPRが行われる中、寿司やNY州産清酒を含む上質な酒と焼酎のテイスティングが提供され、出席者の間では日本に関する多岐にわたる話題で歓談が和やかに行われた。

 ◇

 日系コミュニティ代表団参加者は次の通り。

 片平聡NY総領事・大使、

佐藤貢司NY日系人会(JAA)会長、タケシ・フルモトJAA理事、小風華香 JAA理事、JMSA理事、USJC会員、ジョシュア・W・ウォーカー・ジャパン・ソサエティー理事長、ブラッドリー・エドミスター・ジャパン・ソサエティー理事、為田耕太郎NY日本商工会議所(JCCI)会頭、町田敬司JCCI理事、前田正明JCCI事務所長、三浦聡独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)NY事務所長、松本将独立行政法人国際観光振興機構(JNTO)NY所長、吉平健治氏(AI及び日米イノベーション・エコシステム専門家)。

ラウンド・テーブルで意見交換

日系不動産業界の交流を促進 西田花蓮さん

OKADA & CO. アソシエイト
JAREC事務局兼任

 ニューヨークを拠点に商業不動産仲介を行っているOkada & Companyの西田花蓮さん(24)は、名古屋生まれの名古屋育ち。ニューヨーク大学を卒業して商業物件の世界の最高峰マンハッタンで現在活躍中だ。母親がアメリカ人で日本で父親が不動産投資する姿を見て興味を持った。大学では家庭学と建築がどういう心理的な作用を及ぼすのかを卒業論文のテーマにした。ホームという括りにこだわりがあったので不動産でも自分はレジデンシャルに進むのかと思っていたが、インターンシップの会社が全て商業不動産関係の会社だったため「何かしら運命的なものを感じた」という。

 2010年代後半、ニューヨークの日系・日本人不動産関係者同士の交流と情報共有の場を作りたいという思いから、現在勤務するOkada & Company代表のクリス・オカダ氏が「Japanese American Real Estate Club(JAREC)」を立ち上げた。当時は、同じ業界で活動していても互いの存在を知る程度で、業界横断的な交流の機会がほとんどなかった。そこで不動産に関わる関係者が定期的に集まりを開催し、業種や会社の垣根を越えた親睦を深めていた。しかしコロナ禍の影響で活動を休止し、その後長らく再開できない状況が続いた。

 先月、約6年ぶりにその集まりを再び開催することができた。西田さんは、クリス代表から同社が行なっていた不動産交流会の再開の任務を任された。今回多くの人々に参加してもらえ、大変有意義な時間を過ごすことができたという。古本不動産の古本武司会長やJ.ONE不動産の山辺亜紀社長ら老舗の不動産関連事業者や日系企業、小売業界など、さまざまな分野からの参加があった。

 西田さんは「この会は企業単位での参加だけでなく、ビジネスパーソン個人での参加も大歓迎です。日系企業だけにとどまらず、例えば米系企業に所属する弁護士や公認会計士などアメリカのビジネス社会で活躍する日本人プロフェッショナルの方々など、私どもが把握できていない日系人材にも数多く参加していただければと思っています」と話す。今回は、NBAのニックスの53年ぶりの優勝大パレードを見下ろす自社オフィスに取引先関係者やJARECのメンバーを招いてパレードのお祝いイベントも開催した。

 1960年代、70年代、代表のクリスさんの父親の岡田初代社長は、ニューヨークの商業不動産業界では多くの有名物件を扱う老舗不動産として名を馳せた人物。二代目のクリスさんを支えている同社勤続18年の番頭役、エージェントの岩田洋明さんが西田さんのサポート役として支えている。ここ3、4年でマンハッタンのビジネスオフィスの空室率は10%を下回るほど戻ってきているという。マジソン街には日本からの大型投資でどんどんとビルが建設される勢いだ。

 ニューヨークの不動産の特徴を聞くと「不動産の面で言うとニューヨークでしか勝たない。世界中が落ちていってもNYは落ちていかないのが面白いですね。ニューヨークは人が多くて孤独なこともありますが、日本から来たばかりの人も含めてぜひJARECに参加して欲しいです。自分自身がNYに来たばかりの時の気持ちが重なるのでお役に立ちたいです」と笑顔を見せた。

 (三浦良一記者、写真も)