宇宙空間で「糖」検出 生命の起源に必要

地球上の生命誕生の手がかりに

 科学者たちは初めて、星間空間(せいかんくうかん)で糖(とう)の一種を検出し、地球上の糖の起源や生命誕生の謎を解く重要な手がかりを得た。この発見は7月13日、科学誌『ネイチャー・アストロノミー(Nature Astronomy)』に掲載され、生命の材料となる化学物質が地球誕生よりはるか以前に宇宙で形成された可能性を示している。7月13日付ニューヨーク・タイムズ紙が報じた。

 発見された分子は「エリスルロース(erythrulose)」と呼ばれる糖の一種で、天の川銀河の中心付近にある巨大なガスとちりの雲「いて座B2(Sagittarius B2)」で確認された。研究チームは、チリ北部にある世界最大級の電波望遠鏡「アタカマ大型ミリ波・サブミリ波干渉計(ALMA)」を使い、分子が発する特徴的な信号を分析した。

 これまでにも宇宙ではアルコールやアミノ酸に関連する有機分子が発見されていたが、天然に存在する4つの炭素原子を持つ糖が星間空間で確認されたのは今回が初めてだ。糖は生命に必要な化学反応に関わる重要な物質であり、今回の発見は生命がどのように始まったのかを探る新たな手が

かりとなる。

 地球上の糖の起源は、長年科学者を悩ませてきた謎の一つだ。生命の誕生には糖が必要であるため、地球の初期から存在していたと考えられているが、初期の地球環境を再現する実験では、これらの分子を作り出すことは難しかった。

 現在、有力な説の一つは、数十億年前に小惑星や彗星が衝突した際、宇宙に存在していた糖が地球へ運ばれたというものだ。実際に、グルコースやリボースなどの糖は隕石や小惑星からも発見されており、生命の基本的な材料が宇宙からもたらされた可能性を示している。

 研究者によると、エリスルロースは氷に覆われた宇宙塵の表面で、紫外線や宇宙線による化学反応を通じて形成された可能性がある。こうした分子は、やがて彗星や小惑星に取り込まれ、惑星へ運ばれたと考えられている。

 今回の発見は、生命に必要な条件が地球以外の場所にも存在する可能性を高めるものだ。科学者たちは今後、さらに複雑な有機分子を発見することで、「生命はどのように始まったのか」という宇宙最大の謎の解明に近づくことを期待している。(Milana Pavlova、写真は合成イメージ)