第6回乳がんシンポジウム  26日にBCネットワーク 

 乳がんに関する最新の治療情報や早期発見の啓発活動を行う非営利団体「BCネットワーク」は26日(土)午後1時から3時30分まで、NY日系人会(西45丁目49番地5階)にて、第6回乳がんシンポジウム@イーストコースト・サウスを会場とオンラインのハイブリッド形式で開催する。 

 このシンポジウムは、日本人女性の罹患率が高い乳がんについて正しい知識を深め、万が一罹患した場合に適切な対処ができるよう、基本的な情報と最新の医療情報を提供することを目的としている。米国在住の日本人医師を講師に迎え、質の高い医療を受けるための情報を提供する。まず、がん研有明病院乳腺センター長・乳腺外科部長の上野貴之医師が「乳がん患者さんひとりひとりに最適な治療を〜最新のデータが導く明るい未来〜」というテーマで基調講演を行う。次に、聖マリアンナ医科大学病院放射線科IVR研究グループ・放射線科医のフォックス岡本聡子医師が「日米の乳がん画像診断の違い〜乳がん手術前、術後検診まで〜」について講演を行う。そして最後にBCネットワーク創立者・代表の山本眞基子氏が「転移性乳がんと共に20年〜それでも人生は輝く〜」と題した経験者トークを行う。NYメッツとドジャースのチケットが当たるじゃんけん大会も用意している。司会はFCIーNYの久下香織子キャスター。 

 会場の参加希望者はBCネットワークのウェブサイトhttp://bcnetwork.orgから事前に申し込みが必要。オンライン参加は人数制限なし。問い合わせはEメール [email protected] まで。なお、ライブ配信を見逃した人のために、後日BCネットワークのYouTubeチャンネルにて講演動画を配信する。

(写真)左から時計回りに、上野貴之医師、岡本聡子医師、久下香織子キャスター、山本眞基子氏

ブルックリン・クラSAKE 日本デビュー

 ニューヨークのブルックリンでクラフトSAKEを醸造するブルックリン・クラは、2021年に日本酒「八海山」で知られる八海醸造(新潟県)と資本業務提携。ブルワリーも拡大して移転、共に世界に通じる飲料を目指してSAKE造りに取り組んでいる。

 3月27日には、東京のホテルニューオオタニ東京で、ブルックリン・クラの3種類のSAKEの日本デビューと八海醸造が初めて製造した米ウイスキー「Hakkaisanシングルグレーン魚沼8年ライスウイスキー2025 LIMITED」のメディア発表会が盛大に開かれた。

 八海醸造の代表取締役社長・南雲二郎さんが100年に及ぶ同社の歩みを、副社長取締役・南雲真仁さんが今後の事業戦略について述べ、世界に通用するようにと同社のロゴをローマ字に改めたことも発表した。この日、ブルックリン・クラの創設者で社長のブライアン・ポーレン氏、創設者で杜氏のブランドン・ドーン氏、八海醸造のグローバル・アンバサダーのティモシー・サリバン氏もニューヨークから駆けつけて挨拶、彼らのSAKEについてスライドを交えて語った。日本で販売するSAKEはいずれもニューヨークの水、米国産の米で醸造。水源地のキャッツキル名を冠した「CATSKILLS」、米国で最初に山田錦が栽培された土地グランド・プレーリーの名をつけた「GRAND PRAIRE」、伝統的な製法にドライホップを施した淡いピンク色の「OCCIDENTAL」日本での価格はいずれも4950円。4月14日から販売が開始される。この日はそれぞれのSAKEに合わせたペアリング・フードとの試飲も行われた。(石黒かおる、写真も)

「野球の殿堂」NY州クーパーズタウン

イチローらの授賞式典開催7月に

 今、日本でも米国でも、大リーグ野球は大谷翔平選手の活躍の話題を中心に回っている。今まで野球に興味がなかった人が、「オータニサン」キッカケで続々と野球ファンになっていて、野球界の発展を考えれば大変素晴らしいことだ。だが、彼の前に大リーグで数々の金字塔を打ち立てた日本人の先駆者のことを忘れてはいけない。そう、イチロー(鈴木一朗)氏は、2001年に大リーグに移籍しシアトル・マリナーズに入団。それまで大リーグで活躍した日本人選手は投手ばかりだった時代に初めて野手として挑戦。移籍初年度にアメリカンリーグの新人王とMVPをいきなり獲得した。2004年には262本のヒットを打ち大リーグのシーズン最多安打記録を84年ぶりに更新、また新人から10年連続200安打以上を記録するなど、大リーグ通算19年で3089安打、117本塁打、780打点、打率3割1分1厘というとんでもない成績を残した。そんなイチロー氏が今年、「大リーグ在籍10年以上、引退して5年以上」で偉業を成し遂げた選手や監督、野球界の発展に貢献した関係者らのみに資格がある「野球の殿堂」に、資格取得1年目にしてほぼ満票に近い得票で選出。日本人大リーガーとして初めて「野球の殿堂」入りという栄光を手にした。そして、7月27日に行われる野球の殿堂授賞式典に臨む。

 式典が行われるのは、「野球の殿堂博物館」がある、NY州オチゴ郡のクーパーズタウン。この町は広大なNY州のほぼ真ん中あたりに位置し、NY市からは約190マイル(約306キロ)離れていて、高速道路と途中から一般道を使って片道3・5時間以上かかる場所にある。近くには大都市もなく、有名な観光地もない。人口2000人にも満たないこんな辺鄙な田舎町になぜ「野球の殿堂」があるのか不思議に思うが、一説によると、1839年にアブナー・ダブルデイ氏がこの地で「ベースボール」を生み出したということらしい。その100年後、世界恐慌などで米国各地の地方都市が経済的打撃を被る中で、地元のクラーク財団が町おこしの一環として、ダブルデイ氏の偉業を讃え、全米から観光客を集める手段として、1939年に「野球の殿堂博物館」を開業した。実は近年の研究で、同地が「野球発祥の地」という説は否定されたそうだが、博物館の近くには同氏の名前を冠した「ダブルデイ球場」もあり、以前は毎年1試合だけ、大リーグの公式戦もここで開催されていた。博物館のオープン以降は毎年、この町で野球の殿堂授賞式典も開催され、世界中の野球ファンから「野球の聖地」として知られるようになり、特に春から秋にかけての週末は連日、町の人口を遥かに超える観光客が全米からこの地を訪れている。

 町に着いたら、まず最初に「野球の殿堂博物館」(メインストリート25番地)は必ず訪れよう。というか、ここに行かないのならわざわざクーパーズタウンまで行く意味がないと言っても過言ではない。同館は毎日午前9時から午後5時まで開館。入場料は大人30ドル。館内に入るとまず2階の展示コーナーへ。野球の創世期から始まり、ベーブ・ルースの活躍など、また黒人リーグ、中南米リーグ、女性リーグのことなど、野球界の歴史を数々の展示物と共に学ぶことができる。戦前に開催された日米野球に関する展示もある。次に向かう3階には、現在の大リーグチームに関する展示や、さまざまな部門での記録などの展示がある。最新のものでは、昨年世界一に輝いたドジャースのコーナーがあり大谷選手のユニホームなどが展示されていた。各ポジション別歴代ホームラン記録の展示では、投手は生涯170数本打った戦前の選手の名前があったが、大谷選手の引退時には投手としてここに記録されるのかどうかが気になった。またこのフロアには、イチロー氏の授賞式参加に合わせて7月に日本の野球を特集した展示コーナーも新しくできるそうだ。最後にいよいよ1階の「殿堂」ギャラリーへ。一番奥の中央に、第1回の1936年に受賞したベーブ・ルースやタイ・カッブら5人の楯が飾られ、そこから左は古い時代の受賞者の楯が、そこから右は1980年代以降の受賞者の楯がずらりと並ぶ様は圧巻だ。7月にその仲間入りをするイチロー氏の楯が設置される予定位置には、現在はイチロー氏がサインペンで書いた直筆サイン付きの白い枠が貼られていた。なお、同館の展示は毎年更新されていくので、以前に来たことがある人にも新鮮で新しい発見があり楽しい。野球が本当に好きな人ならじっくりと数時間ここで過ごしても飽きないし、忙しい人なら1時間程度で全館を見て回ることができる。見学の最後には、ここでしか手に入らない記念グッズや、全球団のグッズが販売されている充実したお土産コーナーでの買い物も忘れずに。

 クーパーズタウンは本当に小さな田舎町なので、メインストリートも100数十メートルほど。築100年以上の古い建物が多く残っていて雰囲気は良い。蝋人形館やバッティングセンターなどはあるが、他は野球関連のお土産店や、何軒かの飲食店があるぐらい。あと、町の北側にオチゴ湖という小さな湖があり、その周辺は元々ネイティブアメリカンのイロコイ族の居留地だった。このオチゴ湖の周りにはいくつかレクリエーション施設がある。ボートで湖を周遊したり、カヌー体験をしたり、鉄道の廃線レール上を走る足漕ぎカーで散策したりといったアクティビティを楽しめる。現地に宿泊施設もあるが、クーパーズタウン観光は日帰りで充分満喫できるサイズ感だ。

 最後に、7月27日に開催される殿堂授賞式典について。会場は町の中心地から少し離れた、クラーク・スポーツ・センターという複合スポーツセンターの屋外広場。当日はおそらく町からシャトルバスが出るようだ。今年はイチロー氏をはじめ5人の元選手と元監督が表彰される。基本的に式典会場に入れるのは関係者や招待客と高いプレミアムチケットを購入した一部の客のみ。ただ、一般客も柵の外の芝生地帯から会場のライブ感を楽しむことは可能。スポーツセンターに展示されていた昨年度の式典の写真を見ると、この小さな田舎町の会場に全米から数千人もの野球ファンが詰めかけたことが分かり驚いた。

 大リーグ人気が盛り返してきた今年、イチロー氏の殿堂入りという朗報を機に、クーパーズタウンを訪れてみてはどうだろう。

 (本紙/久松茂、写真も)

池坊の生花展 プリンス・キタノNYで開催

 池坊(いけのぼう)による生花展「Ikebana Flower  Exhibition」が4月3日から6日まで、プリンス・キタノ・ニューヨークで開催された。春の息吹と自然のはかない美しさを表現した生け花が26点展示された。池坊NYC支部長の野田典孝さん=写真=によると、今回はパンデミックが明けて初の6年ぶりの開催。生花には、池坊、草月、小原の3大流派があるが、池坊は立花が特徴。数多くの役枝をもち、草木の出生に習って構成される。草月はアバンギャルドな自由さがあり、小原流はその中間とされる。池坊にはこのほか生花、投花がある。

 野田さんの今回の作品は松。生花は松に始まって松に終わると言われるほどの日本美を象徴した作品。自宅の庭から取ってきた松の木で山水画の世界を表現したそうだ。期間中、イケバナ・インターナショナルの会長など大勢が来場した。

プロの世界に羽ばたいて 尾原蓉子氏母校FITで講演

日本 FIT 会名誉会長

NYで学ぶ後輩たちを激励

 元IFIビジネススクール学長の尾原蓉子氏が3日、米国留学先母校のニューヨーク・ファッション工科大(FIT)で、「FITで学んだプロフェッショナリズム〜フルブライト1966年留学記」(主催日本FIT同窓会)と題し講演した。当日は同大のジョイス・ブラウン学長も応援に駆けつけ祝辞を述べた。同大在学中の日本人学生や卒業生が聴講した。

 尾原氏は、1962年に東京大学教養学部を卒業後、旭化成に大卒女性の新卒入社として初めて採用された。66年にフルブライト奨学生としてFITに留学、その後ハーバード・ビジネス・スクールAMP修了。日本にファッション・ビジネスという概念を作った実業家として知られる。

 講演では、3回の留学で、女性が溌剌と働くことの大切さ(55年高校時代)、実学カリキュラムやプロフェッショナルの真髄(66年FIT時代)、リーダーシップとコミュニケーション(97年ハーバード時代)を紹介。『ファッション。ビジネスの世界』(68年)翻訳と出版での苦労や改訂版(76年)、業界公開のファッション産業教育の歩みなどを話した。

 その中で、真のプロフェッショナルとは、(1)抜きん出た専門能力を持ち、それでお金が取れること。(2)常に研鑽し、高み、本質追求へのドライブ=高い山、深い穴を目指すこと。(3)謙虚=「自分が知らない」ことを認識している=他から学ぶ姿勢を持ち、自分の位置を知っていること。(4)信念とプライド=強い想い、プロの名に恥じない仕事、業界がプロフェッショナルと認める人物であること。(5)人間力=信頼であるーと述べた。

 参加者からは「話の中で、留学していたのが当時28歳だったと聞いて、自分はまだ20代だと思っていたがショックを受けてもっと頑張らなくてはと思った」「ファッションビジネスの第一人者で尊敬している人が同じFITの卒業生であることをとても光栄に思えた」などの感想が聞かれた。

 (三浦良一記者、写真も)

編集後記 補足

編集後記(補足)P.S.

 トランプ大統領が日本に24%の関税をかけると発表し、同席したレビット報道官が日本はアメリカの米に700%もの関税をかけていると、ボードをかざして発表しました。これには世界もびっくり。私もびっくりして今週号の編集後記に書いたところです。本当に実際に日本は700%も関税を掛けているのでしょうか。日本の農水省によれば、2001年ごろのWTO(世界貿易機関)の貿易自由化の交渉で、当時のコメの国際価格に基づき、税率に換算すると確かに778%だという。しかし、現在の実行関税率は204.3%だと試算し、国産のコメの価格に影響を与えないよう、1kgあたり341円の関税を掛けているそうです。アメリカが使用したデータが古いのかどうかわからないが、その根拠は明らかにしていない。各種報道を見るとWTO(世界貿易機関)協定に基づく関税に加え、国内の米農家を保護するための「マークアップ」と呼ばれる追加関税が上乗せされていて、このマークアップを含めた実効関税率が、700%に相当するとアメリカ側はどうやら主張しているようだが実際のところは詳しい説明がないので不明だ。この件に関しては、当然日本国内でも報道関係者から政府に記者会見で質問が出たが、林官房長官は「米政府関係者の発言にいちいちコメントする気はない」と答えたのみでした。日本の国内新聞にも大きく、米国産の米に日本は関税700%と見出しに出して報じたが、記事本文では、「国内的には、実際には700%ではないが、アメリカのその発言の根拠は不明」とするところが多かったようです。アメリカのメデイアでは、大統領の発表と米国政府が公式の場で発表した数字を正面から「嘘っぱちだ、フェイクだ」と批判する記事は今のところ見当たらないです。名指しされた当事者の日本がきちんと反論すべきだったと、ここで申し上げて、前回の編集後記の補足とさせていただきます。

編集後記

【編集後記】


 みなさん、こんにちは。私はよく自炊します。日曜以外毎日会社に行くこともあり、お弁当も持っていくことも多いです。外食代が、以前より随分とNYでは高くなった感じで、白いテーブルクロスのかかった、ウエイターが注文を取りに来るようなレストランなら、ランチタイムで以前はメインディッシュが20ドル代であったのが今は30ドル代後半が多いようです。それにワインかビールなどの飲み物、前菜とデザートとコーヒーのフルコースで頼めば、タックスとチップを入れると軽く一人あたり100ドル前後になります。ですから私はそんなところには行きません。かといって一人で入れる食堂のようなNYのレストランでもラーメンと餃子を頼んで日本円で6000円という物価高のご時世です。先日、会社の近くのカツ専門店でランチにカツカレーを注文しておいしくいただきましたが、お勘定はチップを入れて33ドル(1ドル150円換算で¥4950)でした。飲み物は店で出されたコップのお冷だけです。日本でカツカレーひと皿5000円しますかね。今日、トランプ大統領が相互関税を発表していました。日本も24%の上乗せ関税とのこと。トランプ大統領が発表するまで知りませんでしたが、日本はアメリカからの輸入米に700%もの関税をかけていたのですね。アメリカのお米が日本で売れなくするために。今、日本はお米が足りなくて農林水産省が備蓄米を放出してますが、日本国民は昨年の2倍の価格でお米を買っているそうです。安い米が米国から入ってきては日本の農家が潰れてしまうという保護政策なのでしょうが、海外からの良質で安いお米を流通させながら、日本の稲作農家も守るという方法はないのでしょうか。日本の国会はそんな議論よりも今、企業献金の是々非々をめぐり与野党が折り合いがつかないままです。日本経済も否応なしに予測不能な嵐にさらされるのか、福神漬けもらっきょうもないカレー店のカウンターで水を飲みながら自炊が当分続くなと思った次第です。それでは、みなさんよい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)

【今週の紙面の主なニュース】(2025年4月5日号)

(1)教育省閉鎖の大統領令 民主党反発で困難

(2)桜前線が北上中 NYでお花見シーズン到来

(3)田園ユニバースNY公演 昭和歌謡ミュージカル

(4)カナダ欧州連合の誕生 海外日本人サポート

(5)日本語ブーム米国で高まる 中高生に日本語熱

(6)日本の介護事情を説明 NY日系人会で西村さん

(7)キノサイトウ  ウエストチェスターの隠れ家的ギャラリー

(8)特別ゲストに進撃の巨人 ザ・ミュージカル ジャパンパレード5月10日

(9)大人の教養シリーズ 4講師がオンライン講座 JAAヘルスフェア 

(10)横浜市立南高等学校の生徒6人 NYでグローバルな視点研修

教育省閉鎖の大統領令 民主党反発で困難

 トランプ大統領は3月20日、教育省の閉鎖を開始するよう命じる大統領令に署名した。教育省のリンダ・マクマホン長官に対して、法律で規定された範囲内で同省の閉鎖を促進し、教育に関連する権限の州・地方自治体への返還に向けて、あらゆる必要な措置を講じることを指示した。

 トランプ大統領は「米国は生徒1人当たりの教育費が他国をはるかに上回るが、成果については最下位に近い。教育省をできるだけ早く閉鎖し、教育を各州に戻す」と表明した。障害を持つ子供らへの資金援助機能などは維持するとした。

 教育省は教育機会の均等化を目指し、小中高校への助成金や奨学金の交付、学生ローンの運営などを行っている。大統領令に合わせて提出されたホワイトハウスのファクトシートによれば、同省は1979年の設立以降、教育予算を拡充してきたにもかかわらず、学力は向上してこなかったなどとして、連邦政府主導の教育行政制度を非効率だと断定、またDEI(多様性、公平性、包摂性)のイデオロギーを押し付けてきたことも問題視している。

 ニューヨークの民主党議員らは相次いで反発する声明を出した。連邦下院のハキーム・ジェフリーズ民主党院内総務(ブルックリン選出)は「教育省を閉鎖すれば、全国の公立学校に通う何百万人もの子供たち、その家族、そして勤勉な教師たちに悪影響が及ぶ。クラスの規模は急増し、教師は解雇され、特別教育プログラムは削減され、生活費がすでに高すぎるこの時期に大学の学費はさらに高くなるだろう」との声明を出した。

 グレゴリー・ミークス下院議員(民主党、クイーンズ区)は「共和党の学生に対する攻撃は、教師の解雇によってクラスの規模を拡大し、障害を持つ子供たちを傷つけ、大学や職業訓練を手の届かないものにするだろう」とし、「トランプ大統領とイーロン・マスク氏は、再び連邦政府職員の生活をひっくり返し、全国の何百万人もの人々を傷つけた。すべては富裕層への減税に充てる資金を調達するために、不可欠なサービスに対する政府支出を削減するためだ」と述べ、憤慨を隠さない。

 ミークス下院議員はまた、「トランプ大統領の命令は「連邦機関を廃止する権限は議会のみにあるため、我が国の民主主義を露骨に無視している」と述べた。教育省の閉鎖は議会での法案通過が必要となる。共和党は上院で53対47の多数派だが、重要法案の成立には60票が必要であり、民主党議員7人の賛成が必要となる。閉鎖を疑問視する共和党議員もおり、困難と見られる。

桜前線が北上中 NYでもお花見シーズンが到来

 ニューヨークにもやっと桜の季節がやってきた。マンハッタンの名所はなんと言ってもセントラルパーク。この週末は、ソメイヨシノはまだ蕾で、オカメ桜だけが咲いていた。気温も華氏80度(摂氏25度)と初夏を思わせる陽気で暖かったせいか、芝生の公園シープメドウズもピクニックをする市民や観光客で賑わった。ベセスダテラス近くのオカメ桜にも多くの観光客が集まって春の日差しを楽しんでいた。

 ブルックリン植物園の桜まつりは有名で4月26日(土)から5月11日(日)まで開催される。花見ナイトは22日(火)から25日(金)までの午後5時から8時30分まで。このほかニューヨーク市ではリバーサイドパーク、ルーズベルトアイランドなどにも桜の木があり、花見客で賑わう。ワシントンDCでは一足早くポトマック河畔の3800本の桜が3月28日に満開宣言し、今月13日まで全米桜まつりが開催されている。桜前線ただいま北上中だ。(3月28日午後3時、セントラルパークで、写真・植山慎太郎)

カナダ欧州連合の誕生 海外日本人サポート

 カナダのカーニー新首相は就任直後、米国ではなく先ず英仏両国を訪問しました。カナダの国王でもあるチャールズ国王は破格の歓迎を行い、本年中のカナダ訪問も検討中と言われます。旧宗主国でもあるフランスのマクロン大統領は「関税よりも国際ルールを尊重する公正な貿易が望ましい」と新首相を支援しました。

 両国とカナダは特別の関係を有するとともに、外国人で初めてイングランド銀行(中央銀行)総裁を務めたカーニー首相は金融危機対応経験もある欧州の指導者としての定評もあるのです。カーニー首相は「欧州以外の国々の中で最も欧州的なのがカナダである」とも強調しました。

 トランプ大統領による関税攻勢に対し、カナダは欧州との包括的経済貿易協定(CETA)を結び貿易額が7%増加した他、安全保障面での協力も拡大しています。米国製品に代わるカナダ製品の輸入拡大はアジアなどへも広がっています。またカナダは石油や天然ガスの対米輸出を減らして日本や韓国に回す動きも始めています。

 しかし、関税以上に「カナダを米国の51番目の州に」とのトランプ大統領の発言に反発したのは、政府以上に国民のナショナリズムであり、国民と企業でした。米国製品ボイコットのSNSが爆発し、約1か月で米国製食品、衣類、家庭用品などの売り上げが20%減。米国への旅行の激減などにより、米国人雇用が1万4000人減、などと言われます。カナダ国旗の掲揚も増大しました。 

 加えて、カナダはエネルギーを戦力的武器として活用する検討を始めました。米国の輸入の約60%を占める石油を始め、天然ガス、水力発電、ウランなどの対米輸出を減らして、他の国々へと多角化する政策です。

 カナダ欧州連合の誕生は、こうして、米国中心の世界市場構造に代わる新しい市場構造が、世界全体に拡大する象徴となっています。これは米国や米国民も大きな打撃を受ける可能性を秘めており、米国とカナダ政府間での大人の対応が望まれるところです。

 私はかつて、国境を接する大国米国に対して、はっきりモノ申すカナダの姿勢が日本にも必要だと指摘したことがあります。今回のカナダ欧州連合の動きは日本にとっても大いに参考になると思います。

ふじた・ゆきひさ=オックスフォード大政治国際問題学部客員研究フェロー(英国在)。慶大卒。国際MRA(現IC)や難民を助ける会等の和解・人道援助活動を経て国会議員、財務副大臣、民主党国際局長、等を歴任。現在、国際IC日本協会長、岐阜女子大特別客員教授も兼任。

田園ユニバースNY公演 昭和歌謡ミュージカル

大阪万博記念

4月13日シンフォニースペースで

 今年の大阪万博を記念して、昭和歌謡ミュージカル「田園ユニバースNY」が4月13日(日)午後2時と6時からの2回、Leonard Nimoy Thalia at Peter Norton Symphony Space(西95丁目250番地)で初上演される。昭和・平成時代の懐かしい歌謡ヒット曲を中心に構成されたエンターテインメントショー。初の海外公演で、日本の昭和文化を紹介し異文化交流を深めることを目的としている。元祖「田園ユニバース」は、2021年に日本で初演された歌謡劇で、23年12月は大阪と東京で再演され大成功を収めた。主催はアーツハンド、企画・演出は西郷輝美が手掛け、昭和歌謡と人情物語を組み合わせたオリジナル作品として評価された。

(写真左から:トシ・カプチーノ、岩田華怜、漣レイラ)

 舞台は1997年、大阪の老舗キャバレー「田園ユニバース」。看板女優のたまきを中心に、大阪とニューヨークのキャバレーで繰り広げられる人間模様。ニューヨークで奮闘する輝子をはじめ、日本人パフォーマーたちの日常、そして彼らを支える人々の温かさを描く。演出は俳優としても活躍中のエディ大野トール。出演者は、たまき役に宝塚に14年間在籍した漣レイラ、輝子役に「ハリーポッター呪いの子」日本公演出演の岩田華怜、ニューヨークで昭和歌謡ショーの第一人者トシ・カプチーノ。俳優の松坂龍馬、さらにドラァグクイーンのDucky &PatsyやNYで活躍中のダンサー、シンガーも加わる。作中のダンスナンバーは、石川智子、川手恭治、小野由利加などの多数の振付師が手掛けた。

 入場料は37〜55ドル(8歳以上)。チケット・詳細はウェブサイトhttps://www.symphonyspace.org/events/vp-from-osaka-to-nyc-den-en-universe参照。