日本語ブーム米国で高まる 中高生に日本語熱

フィラデルフィアで大会

ゲストスピーカーのスタンクス氏(左)

 フィラデルフィア日米協会主催の「日本語フィラコン(日本語フィラデルフィア・コンテスト)」が3月15日、ハバフォード大学で行われた。フィラデルフィア近郊で日本語を学ぶ中学や高校生を対象とした日本語のクイズ大会で、約70人の学生が参加した。

 22年目となる今回は、35年程前に高校で日本語を勉強し、その経験を生かしてさまざまな分野で活躍しているアンディ・スタンクス氏をゲストスピーカーに迎え、外国語の学習が広げる「人生の可能性」について熱く語ってもらった。スピーチの中で、強調された「重要な3P」Persistence, Passion and Power of “yes”の話 は、生きる上での指針となる名言で、みんなの心に強く響いた。そして、当時高校で彼に日本語を教えていた恩師のベル俊子先生がサプライズで登場すると、会場は大きな拍手で溢れた。その後、学生たちは日本語の習得レベルでグループに分かれ、既習の文法を駆使して語彙・文化・歴史などさまざまなジャンルの日本語のクイズに挑戦した。初対面の学生同士でもクイズが進む度に親しみ合い、どの教室も元気な声が響き渡った。

 参加した学生たちは「日本語のクイズがすごく楽しかった」「違う学校に新しい友達ができて嬉しい」「来年も絶対に来たい」などと話した。後半に行った「文化体験タイム」では、オペラ歌手のバッタ二美代氏に歌を指導してもらい、福澤泰代氏が奏でる美しい篠笛にのせて唱歌「さくら」を合唱した。テンプル大学ジャパンキャンパス(TUJ)のマット・ウィルソン学長から届いたビデオメッセージを流すと、参加者たちは日本語学習がつなげる今後の可能性に目を輝かせ熱心に耳を傾けていた。最後に、今回の頑張りを称え表彰会を行い、和やかな雰囲気でクイズ大会を締めくくった。「日本語フィラコン」への参加は、日本語教育を行っている中学・高校からの申し込みだけでなく、プライベートで勉強している学生も可能で、フィラデルフィア日米協会では、日本語を通じたつながりの場となるこのイベントを毎年春に提供していく予定。

学習優秀者を表彰

NJ日本語教師会

 ニュージャージー日本語教師会は3月28日に2025年日本語学習優秀者表彰式をシートン・ホール大学で開催した。2025年度の日本語学習優秀者表彰式はシートン・ホール大学の日本週間の行事の一環として、生徒・学生、教師、保護者の約300人が参加した。まずニュージャージー日本語教師会会長のキャサリン・フィスコ氏(クランフォード高校)が開会の挨拶、その後カーニー高校合唱部が日本語で”Believe”を熱唱し、会場が感動に包まれた。

 次に、ニュージャジー州・ニューヨーク州で日本語を学習している高校生30人、大学生25人の合計55人の受賞者が、「日本語を学習して良かった事」について日本語でスピーチをし、表彰状と記念品を受賞した。

 その後、エンターテイメントとして、クランフォード高校の日本語ダンス・チームによるソーラン節ダンスと、参加者全員によるソーラン節ダンスのミニ講習会が行われ、全員でソーラン節ダンスを楽しく踊った。最後に、在ニューヨーク日本国総領事館の佐藤巴

広報センター副領事が祝辞を述べ、ニュージャージー日本語教師会副会長の川原麗子氏(ホラス・マン高校)が閉会の辞を述べた。

 受賞者は目を輝かせ日米関係で活躍できる仕事に就きたい、コミュニティーの架け橋になる役割を担いたいなどの将来への抱負、そして日本語教師への感謝の言葉を日本語スピーチに含めていた。受賞者の今後の活躍が期待できる素晴らしい日本語発表の機会でもであった。日本語教師会(NJATJ)のホームページは(https://sites.google.com/cranfordschools.org/njatj)。シートン・ホール大学日本週間のホームページは(https://www.shu.edu/languages-literatures-cultures/japan-week)。 

日本の介護事情を説明 NY日系人会で西村さん

 ニューヨーク日系人会(JAA)は3月25日夕、本紙で日本の介護事情を連載している西村栄一氏を講師に迎えたセミナー「日本の介護事情・制度の理解、介護施設契約書の読み方、そしてキーパーソンの探し方」を開催した。当日はズーム参加者も含め70人が聴講した。同氏は複雑化している日本の介護制度の現状、業界のデジタル化と遠隔介護の実情、認知症と診断された入居者への介護現場の実情などを分かりやすく解説した。講演要旨は次の通り(抜粋)。

(写真上:帰国後の介護事情を熱心に聞く参加者(NY日系人会で))

講演後、参加者の質問に答える西村氏

 米国で長く生活したあと日本に帰国して生活する場合、文化や言語の面で母国語環境は安心感がある一方、米国で構築した人間関係を手放すことにもなり、海外生活で日本との関係が希薄になっている場合は、新たなコミュニティ作りが課題となる。

 日本人の平均寿命は男性が79・6歳で、健康寿命は70・4歳。介護年数は男性が9・2年。女性の平均寿命は86・3歳、健康寿命は73・6歳で介護年数は12・7年と米国の男女平均8年よりも長い。老後の子供への期待は、義務ではないので自然な親子の絆から生まれる支援と考えるべきで、米国でも日本でも基本的に「自助努力」中心に考え、子供のサポートは「補完的」と考えるのが現実的だ。

 高齢者施設、住宅の種類は、民間施設では住宅型有料老人ホーム、介護付有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、グループホーム(認知症対応型共同生活介護)が主であり、公的施設では特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保険施設(老健)がある。

 日本の介護保険制度は、高齢者の生活や自立支援のための社会保険制度であり、賦課(ふか)方式を採用している。賦課方式は積み立て方式とは異なり、払ったお金がその場で高齢者に使われる。住民票を復活させることで、すぐに介護保険制度の利用が可能。利用者は原則的にかかった費用の1割から3割を負担するだけで済む。

 米国で老後に介護が必要になった場合は、メディケイド(低所得者向け医療扶助)を利用するか、民間の長期介護保険に加入するか全額自己負担となる。米国で介護が必要になった場合、毎月ナーシングホーム代に70万円から80万円、都市部では100万円以上かかる。老後を日本で過ごすか、米国で過ごすかを決めるのは肉体的にも問題がない70代が判断時期となる。

 日本のどこで老後を過ごすかを決めたら、その地域の地域包括支援センターが重要になる。地域包括支援センターは、地域の高齢者を支援するための重要な機関であり、スムーズな介護サービスの提供に役立つ。知り合いを通じた紹介がスムーズな連絡を可能にする。ケアマネージャーの選定においても重要な役割を果たす。介護福祉士出身のケアマネージャーは45%を占める。看護師出身のケアマネージャーは知識が豊富だ。

 日本の介護施設契約時の注意点は、入居条件と退去・転居条件など重要事項をしっかり確認すること、費用、医療看護体制なども確認することが大事だ。

 西村氏は、(株)ヘルプズ&カンパニー代表、ISO9001審査員、大阪公立大学院都市経営修士。16年間で1200以上の取引先を持ち、全国の介護事業所や行政向けに運営指導を行っている。障害者支援グループホームも運営するほか、介護事業に関する著書も多数。NYでの講演は6年ぶり。

 参加者からは「対面で話が聞けて実感が湧いてきた」「あとは決断するだけだ」などの感想が聞かれた。

ウエストチェスターの隠れ家的ギャラリー キノサイトウ

 ウエストチェスター北部の町ピークスキルの南、ハドソン川にほど近いバープランクという町に「キノサイトウ」がある。「キノサイトウ」は晩年をこの地で過ごしたアーティスト斎藤規矩夫(さいとうきくお)の意志を継いで創立された学術アートセンターで、二つのギャラリーと多目的パフォーマンススペース、教室、定期的に常駐アーティストが入れ替わるスタジオ2つとカフェを備えている。読者の皆さんに教えたい気持ちと教えたくない気持ちのせめぎ合いを経て、とても素敵な場所なので、やっぱりご紹介。

■アーティスト斎藤規矩夫

 1939年東京出身。22歳で日本画家に弟子入りした後、1966年に来米。ラ・ママ劇場創始者エレン・スチュアートとの出会いをきっかけに舞台装置、衣装、照明、小道具をデザインす

るほか、自らの演劇も演出した。ニューヨークのアート・スチューデンツ・リーグに在籍後、ラリー・プーンやケネス・ノーランドなど著名画家のアシスタントを務める。斎藤は長い間、絵画と演劇の2つの世界を行き来しながら活動したが、最終的に絵画制作に専念。現実と想像両方のモチーフや記号を取り入れ、大胆かつ予想外な色使いで独自の表現方法を確立した。1996年にデューク大学のアーティスト・イン・レジデンスに、2003年には武蔵野美術大学客員教授に招かれる。2014年にバーパンクの旧カトリックスクールの建物と敷地一帯を購入し移住。2016年逝去。

■「キノサイトウ」

 2020年、斎藤のスタジオは彼の遺志を継いで、抽象芸術創作と実践に根ざしたさまざまな実験を育む非営利アートセンター「キノサイトウ」としてオープン。境界や定義にとらわれない芸術に対する斎藤のビジョンを推進している。古い建材を最大限に活かしてリノベーションした煉瓦造りの本館がとにかく美しい。1階には自然光が豊かに差し込むギャラリーが2つ、水彩画やオブジェ作成などのワークショップを開催する教室とカフェがあり、ギャラリーの一つでは常に斎藤の作品を展示している。2階にはギャラリーとしても使用可能な多目的ホールがあり、5月18日までアーティスト2人による参加型インスタレーション「Sound Forest / Between Worlds」を展示している。 主に木材を使ったオブジェに音響装置を組み込んだもので、作品の一部に座り込んで音を聴くユニークなアートだ。

 1階のカフェでは美味しいコーヒーをリーズナブルな値段で淹れてくれる。カフェ前のテーブルで一服するも良し、敷地内の広々したガーデンにはあちこちに椅子が置かれているので、天気が良い日にはガーデンでのんびりするも良し。他の美術館やギャラリーでは体験できない、静かで穏やかなエネルギーを全身で感じることができる「キノサイトウ」を是非訪れて、ニューヨーク郊外ならではのアートを体験して欲しい。

■4月のワークショップ *キノキッズ以外は全て要予約

□大人向け水彩画 12日(土)午後1時から3時 参加費20ドル

□子供向け「キノキッズ」毎週日曜午後1時から4時 参加費無料

□大人向け卓上オブジェ 19日(土)午後1時から3時 参加費25ドル

□大人向けミックスメディア 26日(土)午後1時から3時 参加費25ドル

KinoSaito

115 7 th St. Verplank, NY 10596

ホワイトプレーンズから車で約30分、マンハッタンからはメトロノース・ハドソンラインに乗って66分、ピークスキル駅で下車してウーバーで8分ほど。

金〜日 10:00〜17:00(感謝祭後の金曜日はクローズ)

入場無料(任意寄付)  www.kinosaito.org

特別ゲストに進撃の巨人 ザ・ミュージカル

ジャパンパレード5 月 10 日に開催

©I・K/AMPC2024

 5 月 10 日(土)に開催される第4回「ジャパンパレード&ストリートフェア」において、日本からの特別ゲストとして「進撃の巨人 ザ・ミュージカル」のキャストを迎えることが決定した。

 諫山創による『進撃の巨人』は2009年から21年まで、「別冊少年マガジン」(講談社)にて連載され、コミックス累計発行部数1億4000万部を突破した大人気漫画。同作を舞台化した「進撃の巨人 ザ・ミュージカル」(植木豪演出)は 23年に日本初演、音楽・ダンス・アクションを交えた表現やクオリティの高さが大きな話題を呼んだ。24年10月には初の海外公演となるNY公演を行い、全米各地だけでなく世界20か国以上からファンが集結した。ジャパンパレードには、舞台版のキャストより、エルヴィン・スミス(大野拓朗)、リヴァイ(松田凌)、ハンジ・ゾエ(立道梨緒奈)と4人の Blade Attackers(下尾浩章、橋渡竜馬、松本ユキ子、加藤貴彦)を迎える。

今年は前夜祭も

 また、パレードの前夜祭として 5 月 9 日(金)午後5時30分から、エジソンボールルーム(西47丁目240番地)にて「ジャパンナイト・レセプション&コンサート・セレブレーション・ジャパンパレード」を開催。第1部は、米国宝酒造の澪スパークリング清酒をはじめとした日本酒試飲会と和風オードブルが楽しめる。第2部は、3組のアーティストによる90分間のコンサートが行われる。出演者は「進撃の巨人」のキャストによるパフォーマンス、琴・三味線演奏家の石榑雅代率いる MIYABI 箏・三味線アンサンブル、NMB48の元キャプテンで現在はシンガーソングライターとして活躍する山本彩。入場料は75ドル〜125ドル。

チケット・詳細はhttps://www.eventbrite.com/e/japan-night-reception-concert-celebrating-japan-parade-tickets-1258680751009?aff=oddtdtcreator

大人の教養シリーズ 4講師がオンライン講座 JAAヘルスフェア

 ニューヨーク日系人会(JAA)が主催する第17回春のヘルスフェアで、NY日系ライオンズクラブが企画する大人の教養シリーズ第9弾が21日(月)から5月1日(木)までYouTubeで無料公開される。日本で活躍する4人の有名講師陣が各30分の担当時間で連続してセミナーを配信する。好きな時に好きな講師の講座を視聴できる。講師はファーストブランド(本社大阪市、河本扶美子社長)が運営するマイベストプロの登録メンバーが担当する。期間限定で日本の事情や生活を豊かにする情報を提供する企画として毎回人気の講座だ。

 今年は、常連の山口里美さん(一般社団法人 日本リレーションサポート協会代表理事)が「あなたの実家は大丈夫?」と題し、今からできる空き家対策を解説するほか、パーソナルトレーナーの大久保圭祐さんが「気持ちよく伸ばしてゆるめる!」と題して身体の感覚を意識した肩こり予防ストレッチ方法を紹介する。また、不動産コンサルタントの藤木賀子さんが「米国在住者が日本の家を購入する際の注意点」を解説。そして大人向けピアノ指導者の光畑浩美さんが入門講座として日本の心を奏でる「さくらさくら」の演奏方法を伝授するなどバラエティーに富んだ構成になっている。

 無料講座だが視聴するには登録が必要で、申し込みはEメールで[email protected]まで。申し込み者に後日視聴URLのアドレスを通知する。問い合わせは電話212・840・6942(JAA事務局)。

写真左から:光畑氏、藤木氏、大久保氏、山口氏

横浜市立南高等学校の生徒6人 NYでグローバルな視点を研修

「勇気を持って自分の未来に飛び込んで」

徳重さん対談でアドバイス

 横浜SGHスーパーグローバルハイスクール事業の一環として、3月26日から30日まで横浜市立南高等学校の2年生4人、1年生2人、教師2人の計8人がニューヨークを訪問した。初日に横浜市米州事務所を訪問し、横浜市出身でノースレーン・インターナショナル社のプロデューサー、徳重真梨子さんと対談した。(写真上:将来の目標について徳重さん(奥)と話す生徒たち(3月26日、横浜市米州事務所で))

 徳重さんは、日本の紅白歌合戦やNYのブロードウエーなどの舞台衣装を手がける日米の会社で働いたあと、NYの宝石商の仕事がきっかけで国際ギフト見本市のNYNOWなどで日本製ギフト・ファッション・雑貨・ライフスタイル製品のホールセールビジネスをサポートするスペシャリストとして現在米国で活躍している。当日は自身の経験を紹介しながら生徒たちに勇気を持って自分の未来に飛び込んで欲しいとアドバイスした。

 対談後参加者たちからは「夢を大きく持って行動することで具体的に実現が可能だと思った」(和田莉奈さん2年生)、「計画性を持ち目的を達成するためにやるべきことをやるのが大切だと思った」(黄雅希さん1年生)、「自分の感情や関心のあることなど自分の信じたことをやるのが大切だと思った」(幸奈菜帆さん1年生)、「自分のやりたい気持ちを大事にして勇気を持って自分からアクションを起こしたい」(柴山莉央 さん2年生)、「色々な体験を通し、意欲的に行動することで具体的な目標が持てるのだと思った」(藤小夏さん2年生)、「やりたいことはあってもどこから手を出せばいいのかが分からなかったのは、一歩踏み出す行動を自分が起こしていなかったのだと知った」(上田藍珂さん2年生)などの感想が聞かれた。

 今回の来米趣旨は、多様な文化・価値観を理解し、グローバルな視点に立った課題発見解決力、異文化コミュニケーション力を兼ね備えたビジネスリーダーの育成を図ることで、横浜市が今年から実施している。一行は国連国際学校での交流、国連本部見学、地元高校生やコロンビア大学生との懇談、NY日本総領事館表敬訪問、NY近代美術館(MoMA )見学、ブロードウエーミュージカル観劇など盛り沢山な体験をして30日帰国した。

 (三浦良一記者、写真も)

編集後記

編集後記


 みなさん、こんにちは。先ほど、週刊NY生活の第1号を最初に設置した紀伊國屋書店NY本店に今週号の第1000号を設置してきました。21年前の2004年1月に創刊した本紙も気が付いたら生まれていつの間にか成人に達していたということでしょうか。米同時多発テロがあった2001年から3年後、同じ読売アメリカ米国現地版で編集部にいた私と営業部にいた久松茂と二人で、互いの退職金を出し合って立ち上げた会社は、2007年のリーマンショック、2011年の東日本大震災、2020年の新型コロナウイルス蔓延による3年あまりのパンデミック期間中も1度も休むことなく新聞を出し続けることができました。新聞作りに関わってきた多くの執筆者、ライター、スタッフ、営業社員、デザイナー、読者とスポンサーと公私の枠を超えて支援していただいた多くの人に支えられての1000号です。本当にありがとうございました。今日も印刷所の立ち合いの帰りにマンハッタンでの新聞設置を久松が運転する車の中で運転席と助手席で2人、特にこれといった会話もないのですが、配達現場の新聞の減り具合などを見て読者の反応を肌で感じていました。コロナ禍で、街に人が誰も歩いていなかった頃、営業していた日系食料品店に新聞を届けた時、軒先に設置された新聞ラックに手を伸ばした年配の男性が「この新聞を手にすると、まだ、自分は大丈夫なんだって思えるんだよ。ありがとうね」と言ったあの時の目を忘れることができません。これからもご愛読のほどどうぞよろしくお願い致します。来週号は新聞休刊週のため1回飛びますが、また4月5日号でお目にかかります。それでは、皆さん良い週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO,三浦良一)

【今週の紙面の主なニュース】(2025年3月22日号)

(1)敵性外国人法を適用 全米日系人博物館が非難声明

(2)トランプタワーの戯け者 ニール・グリーンフィールドさん(62)

(3)本紙創刊1000号を突破  在米邦人の読者と共に21年

(4)和風中華「佐分利」の味をご家庭で! 生き生きEATS

(5)福井麻衣&中西聖嗣デュオリサイタル 4月12日カーネギーホール

(6)女性の人権日本まだまだ 現状を専門家が解説 

(7)ブルックリンのヤマモトさん

(8)忘れがたき故郷 ニューヨークの魔法

(9)読書と執筆の規則正しい毎日 エッセイスト 茂木麻予さん

(10)未来への扉をあけよう Mickey17 シネマ映写室

敵性外国人法を適用 全米日系人博物館が非難声明

集団国外退去を強制

大統領令

 全米日系人博物館(JANM、カリフォルニア州ロサンゼルス市)は、15日に発表されたベネズエラ系移民の集団国外退去を強制するために、1798年の「敵性外国人法」を適用する大統領令を非難する声明文を発表した。

 この法律は、米国が戦争状態にある国々や米国を侵略した国々からの人々の国外退去を認めるもので、1941年にルーズベルト大統領がこの法律を適用し、適正な法の手続きを経ることなく、司法省の収容所に日本、ドイツ、イタリアの市民を逮捕・拘留した根拠となる法律。1942年には、大統領は戦時権限の範囲を拡大して「大統領令9066号」を発令し、12万5000人以上の日系アメリカ人の強制収容につながった。 

 同館はワシントンDCの連邦裁判所にアメリカ自由人権協会(ACLA)とデモクラシー・フォーワードの弁護士が起こした訴訟を注視している。米国地方裁判所の判事は、強制国外退去を一時的に差し止める命令を出した。 JANMは、敵性外国人法の廃止を求める「敵ではなく隣人」法案への支持を改めて表明。

 アン・バロウズJANM館長兼CEOは、「敵性外国人法は、その文言の通り差別的なものだ。ベネズエラからの侵略行為がない平時にこの法律が発動されることは、この法律自体に違反している。この法律は、大統領に『米国と外国の国家または政府との間に宣戦布告があった場合、または外国の国家または政府が米国領土に対して侵略行為または略奪的侵入行為を実行、企て、または脅迫した場合』にのみ権限を与えるものだ。法の執行と司法制度は、犯罪に対処するための適切な憲法上の手段であり、犯罪行為の容疑者は、出身国を理由に正当な手続きを拒否されてはならない。 この布告は、中国人排斥法、外国人土地法、第二次世界大戦中の日本人、ドイツ人、イタリア人の収容、日系アメリカ人の強制退去と収容につながったのと同じ危険な暴言に煽られたものだ。JANMは、このようなことが決してほかの人々に繰り返されてはならないとの誓いのもと設立された。しかし今日の出来事はこの誓いが脅かされていることを私たちに思い起こさせる。もはや歴史は繰り返さないと断言することはできない。しかし私たちにできることは、ミッションを堅持し、歴史の教訓を守り、その時代を生き抜いた人々の声を増幅させ、彼らの物語が警告となり、行動を促すものとなるよう努めることだ」と声明文の中で述べている。 

 全米日系人博物館(JANM)=1985年設立。アメリカの民族的・文化的多様性への理解と認識を促進。ロサンゼルスのダウンタウンのリトルトーキョー地区に位置する 。第二次世界大戦中の日系人の強制収容の苦難から得た教訓が忘れられることのないよう公民権の擁護を目的とする中心的な存在として活動。スミソニアン協会の加盟館で「アメリカの文化財」にも選ばれている。ウェブサイトはjanm.org 

トランプタワーの戯け者 ニール・グリーンフィールドさん(62)

 マンハッタン5番街の56丁目、トランプタワーの正面で週6日、日中にドナルド・トランプ大統領のマスクを被り、ものまねをしているのはニール・グリーンフィールドさん(62)。

 過去6年間、トランプ大統領の仕草をゼスチャーで表現してニューヨークを訪れる観光客の目を楽しませている。時には車道に出て交通整理のものまねをしたり、信号待ちのタクシー運転手を激励したり、バスの乗り降り客に挨拶したりと忙しい。トランプタワー前で厳重警備している警察官たちも、今では諦め顔で静観している。

 (3月14日、写真・三浦良一)

本紙創刊1000号を突破  在米邦人の読者と共に21年


 本紙「週刊NY生活」は、本号で創刊1000号を迎えました。本号を無事迎えることができましたのもご愛読いただいている読者の皆様、ご協賛いただいている広告スポンサーの皆様のご支援の賜物です。ありがとうございました。本紙はニューヨークで発行する週刊邦字紙として米国に住む日本人を主な対象とし、教育、就労ビザ、社会問題、文化、経済、その他アメリカで生活するうえで必要な情報をすべて独自取材で構成し伝えていこうという主旨で2004年1月に創刊しました。海外日系新聞放送協会に米国東海岸で唯一の加盟邦字新聞社として、また、日本の国立国会図書館、東京都立中央図書館に所蔵され、国会議員をはじめ一般利用者が閲覧できる海外邦字紙として、紙面の質を高め、在米読者の地域生活に役立つ情報の提供を今後も続けて参ります。 ニューヨーク生活プレス社