ジャパンナイト 山本彩が来米ライブ

ジャパンパレード前夜祭
月9日エジソンボールルームで

 5月10日(土)に行われる第4回ジャパンパレードの前夜祭として、9日(金)午後5時30分から、エジソンボールルーム(西47丁目240番地)で「ジャパンナイト」が開催される。目玉として、人気グループ NMB48 の元キャプテンで、現在はシンガーソングライターとして活躍する山本彩さんを日本から招く。山本さんはパレードにも特別ゲストとして参加するが、パフォーマンスを披露するのはジャパンナイトのみとなる。

 山本さんは2010年にNMB48に加入、AKB48の兼任メンバーとして活動し、グループ卒業後はシンガーソングライターとして国内外で活動を行っている。楽曲リリース、ライブ、メディア出演など精力的に活動しつつ、24年にはアジアツアーを開催し成功に収めるなど、一人のアーティスト/ミュージシャンとして国内外から注目を集めている。

 山本彩さんの話「5月9日のジャパンナイト、そして翌日10日に開催される第4回ジャパンパレードに参加させていただくことになりました。どんな雰囲気になるのか私もまだわからないので、ちょっとドキドキ、そしてワクワクしながら今ライブの準備をさせていただいています。来てくださる皆さんに楽しいと思ってもらえる空間をお届けできるように頑張りたいと思いますので、ぜひ楽しみにしていてください!ハッピージャパンパレード!」

 ジャパンナイトの第1部はラウンジエリアで、米国宝酒造の澪スパークリング清酒をはじめとした日本酒の試飲会と和風オードブル、ワイン・ビールで歓談。午後7時からの第2部はメインフロアにて、3組のアーティストによる90分間の特別コンサートを開催する。日本の大人気漫画を原作とした2・5次元ミュージカル『進撃の巨人-the Musical-』のキャストによるパフォーマンス、NYを拠点に活動する石榑雅代氏率いる「MIYABI琴・三味線アンサンブル」の演奏。その後、タイトルスポンサーのASP Groupによるプレゼンテーションと、同社が支援する日本の伝統工芸の紹介、最後にアポロシアター「アマチュアナイト」日本版でメインアンバサダーおよび決勝MCを務めた山本彩さんによるライブが行われる。

入場料は75ドル〜125ドル。チケット・詳細はhttps://www.eventbrite.com/e/japan-night-reception-concert-celebrating-japan-parade-tickets-1258680751009?aff=oddtdtcreator

東欧諸国からの入植の街リッジウッド DEEPなQUEENS

 クイーンズ区リッジウッドは、17世紀頃イギリス人が入植した街。一方で、隣街ブルックリン区ブッシュウィックにはオランダ人が入植。過去には、クイーンズとブルックリンの境界線を巡って論争した事もあるそうです。

 1920年頃、労働者階級のドイツ系や東ヨーロッパ系が増加。20世紀中期以降には中南米からの人口も増え、街の多様化が進みました。2010年の国勢調査によると、人口の49・0%がヒスパニック・ラテン系、次いで39・8%が白人となっています。

 街には、労働者向けの高品質な住宅として設計された黄色いレンガ造りの居住建築が至る所にあり、建設当時の魅力がそのまま残っているそうです。また、荘厳な聖マティアス・ ローマカトリック教会やオランダ移民が1709年に建てた農家ヴァンダー・エンデ – オンダードンク・ハウス(現在は博物館)などの数々の国家歴史登録財、NY市ランドマーク、歴史地区が、そして宗教施設も多くあります。

 加えて、パブ・レストランのゴッチェーア・ホール・タバーンのようにオールド・カントリーを彷彿させる場所もあります。ここは、第二次世界大戦中、故郷を追われたオーストリア=ハンガリー帝国領ゴッチェー地方に住んでいたゴッチェーアの人々が、ニュー・ワールドの米国で集い助け合い憩う場所だったそうです。今もイベントも催され人々が集ります。

 リッジウッドは、雑誌タイムアウト2022年版で、世界で4番目にクールな街として選出され、若手プロフェッショナルやアーティスト達が増加中。ちなみに同年、東京の下北沢は7番目。数々のパティスリーや本屋を併設したカフェやレストランも魅力です。

特徴ある黄色いレンガ造りの住宅が立ち並ぶリッジウッドは、落ち着きがあり、どこか懐かしさも感じる素敵な街です。

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明石鯛プロフィール 兵庫県明石市出身、ウエストチェスター在住。週末、街歩きグループと共に、未知なるNY市内を元気に探索中。ブログ「見タイ知りタイ!行った気になる歴史と散策」を主宰 https://kkykm-m.com/

桂三輝の二番弟子になった 桂月輝さん

ブロードウエーで落語家デビュー

 日本人俳優のオゼキ・マイさんが、ブロードウエーのニューワールドステージ劇場でプロの落語家としてデビューした。昨年9月に落語家、桂三輝(桂サンシャイン)に弟子入りし、六代目桂文枝から「桂月輝(桂ムーンライト)」と命名された。今年1月から毎月公演に出演し、今月12日、満席の会場でもニューヨーカーから大きな拍手をもらった。ブロードウエー初の日本人女性落語家の誕生だ。

 ムーンライトさんは、兵庫県神戸市出身。東京学芸大学卒業後、教職には就かず都内の一部上場企業に就職。二度目の転職も大手メーカーの営業推進本部に10年間勤務して海外出張もバリバリこなすビジネスウーマンだった。同時に舞台役者としても東京で活動を続け、『熱海殺人事件』『幽霊が見えない部屋』ほか多数の作品に出演した。企業人と役者の2足の草鞋を履く生活にピリオドを打ったのは2022年3月。来米してマンハッタンのHB スタジオで2年間演劇を学んだ。卒業後の24年5月OPTを取得し、本格的にNYで役者として活動開始。昨年7月には新作劇「VOICE」をプロデュースし、自ら主演を務めた。

 次に何をやろうかと思っていた時に出会ったのが落語だった。昨年7月、友人に誘われて桂三輝の英語落語高座に行って演目「ZOO(動物園)」を聞いた。動物園のアルバイトに応募した男性がライオンと檻で対決させられる仕事とは知らずにトラの着ぐるみを着せられて檻に入る。ライオンが出てきて震え上がったところでライオンの口の中から声が聞こえ「大丈夫、俺もバイトだ」というオチ。一人の落語家と会場が一体になって盛り上がる落語のパワーに度肝を抜かれた。学生時代にロックバンドのボーカルとして4年間舞台に立ち、社会人になってからも数多くの舞台演劇でステージに立ってきたが、それとは全く異質の一体感だった。翌月、日本語版の落語公演も聞きに行った。「NYから世界に落語を広めたい、NYで落語の一門を作りたい。誰か弟子になりたい人いませんか」という「噺のネタに引っかかったのは私だけでした」が、まさかの採用。兄弟子の「晴輝(サニー)」と2人の弟子の許可をもらいに師匠の三輝がすぐに日本に飛んだ。まだ見ぬ桂文枝大師匠から許しが出て、しかもムーンライトと命名してくれた。「新婚さんいらっしゃい」の桂三枝時代からのファンだっただけに大感激。「いつか、大師匠、師匠、兄弟子と4人でNYで公演ができたら最高です」と語った。(三浦良一記者、写真も)

(写真)桂三輝(中央)と一番弟子の晴輝(左)、二番弟子の月輝(右)

福岡県柳川市から立花邸御花 料亭旅館をNYでPR

 福岡県柳川市で400年の歴史を持つ料亭旅館「御花」がこのほど改装を済ませ、海外旅行者を受け入れる体制が整ったのに合わせ7日、ニューヨーク市内でお披露目イベントが開催された。福岡の書道家、日本酒も参加した。

(写真)江戸時代、柳川藩主立花家の邸宅として建てられた屋敷を改装した「御花」

御花のおもてなしを説明した立花社長

 マンハッタンの日本食レストランZUMAで開催されたこのイベントはNYに本社を置く戦略コンサルティング・PR会社のCANVAS(キャンバス、釣島健太郎社長)が運営したもので、当日は、柳川市から立花家18代立花千月香代表取締役社長が来米し「御花」の魅力をアピールした。旅行会社関係者、航空会社、インフルエンサー、報道関係者が出席した。

 立花社長は江戸時代から続く邸宅の歴史などをスライドで映して紹介しながら「全面的な大改装をすませ、海外からの皆さまに日本の伝統美を満足していただける御花を紹介できることは大きな喜び」と挨拶した。書道家、中村ふくが「福」「明」などの前衛書の実演を披露したほか、クラフト酒蔵LIBROMがゆず風味のフルーティーな日本酒などを振る舞った。日本側でのPRを担当するFATコミュニティーの宮脇太CEOが東京からの空の便などアクセスを解説した。

御花のおもてなしを説明した立花社長

「御花」の歴史は、江戸時代、柳川藩主立花家の邸宅として始まる。五代藩主 立花貞俶(さだよし)が側室や子息たちの住まいを柳川城近くのこの場所に移して以来、令和の現在に至るまで立花家が受け継いできた。屋敷が建てられたのちこの場所は季節の花々で彩られるようになったことから「御花畠(ばたけ)」の愛称で親しまれるようになり、それが現在の屋号「御花」となった。

 時代が変わり、伯爵家となった明治時代、戦中戦後の混乱期を乗り越え、現在は料亭旅館として、柳川藩主の末裔、立花家が運営を続けている。

 訪日宿泊体験した米国人インフルエンサーのハンドルネームRESTAURANT GROUPIEさんは「日本庭園の松濤園を眺めながら楽しむ料理や船着場から舟を浮かべて水の音を聞き、船頭の歌に耳を傾けてそこで出会うのは、かつてここで暮らした藩主や伯爵のある一日でした。ときの流れに思いを馳せる、そんなひとときを楽しむことができました」と体験を報告した。

 行き方は、九州福岡空港から九州新幹線で越後船小屋下車。予約など詳細はウェブサイトhttps://ohana.co.jp/guest-room/ 参照。

田園ユニバースにNY喝采

大阪万博の応援企画
昭和歌謡ミュージカル

NYの日本人エンターティナー結集

 今年の大阪万博を記念して、昭和歌謡ミュージカル「田園ユニバースNY」が4月13日に2回、マンハッタンのシンフォニースペースで上演された。昭和・平成時代の懐かしい歌謡ヒット曲を中心に構成されたエンターテインメントショー。初の海外公演で、日本の昭和文化を紹介し異文化交流を深めることを目的としている。元祖「田園ユニバース」は、2021年に日本で初演された歌謡劇。

 舞台は1997年、大阪の老舗キャバレー「田園ユニバース」。看板女優のたまきを中心に、大阪とニューヨークのキャバレーで繰り広げられる人間模様。ニューヨークで奮闘する輝子をはじめ、日本人パフォーマーたちの日常、そして彼らを支える人々の温かさを描く。演出は俳優としても活躍中のエディ大野トール。出演者は、たまき役に宝塚に14年間在籍した漣レイラ、輝子役に「ハリーポッター呪いの子」日本公演出演の岩田華怜、ニューヨークで昭和歌謡ショーの第一人者トシ・カプチーノ。俳優の松坂龍馬、さらにドラァグクイーンのDucky &PatsyやNYで活躍中のダンサー、シンガーも加わった。作中のダンスナンバーは、石川智子、川手恭治、小野由利加などの多数の振付師が手掛けた。ダンスはステージ上の小野由利加と古井伽林が出色で、たまき役・漣レイラの男役は宝塚の舞台から抜け出してきたかのよう。岩田華怜は歌って踊ってのベテランぶりを如何なく発揮。主役の2人を飲み込んだのは昭和歌謡キャバレショーを地でいったトシ・カプチーノ。演技で魅せたのはやはり俳優の松坂龍馬だった。芝居の中で重要な脇役・みつよを演じた平川美代子は、出演だけでなく本作のエグゼキュティブ・プロデューサーとして関わった。最後に舞台で、演劇、ダンス、歌とニューヨークで普段はばらばらに活動している日本人エンターテイナーたちを束ねて一つの舞台を作りあげることができたのもニューヨークの非営利団体「キャッチ・アス・パフォーミング・アーツ(CUPA)」ならではと同団体の理事として挨拶した。 (三) 

(写真)フィナーレで満場の拍手を受ける出演者たち(13日、写真・植山慎太郎)

編集後記

【編集後記】

 みなさん、こんにちは。 本日9日昼過ぎ、今週号の新聞をクイーンズの工場で印刷した後、配達走行中のマンハッタンの車内で、トランプ大統領が本日発動したばかりの相互関税の上乗せ部分について中国を除いて90日間一時停止すると言う発表を知りました。なんだか不動産の家賃や物件売買の値下げ交渉に似てるなと思った人もいるのではないでしょうか。売りたい方は実際の落とし所よりは高いアスキングプライスを設定し、交渉の結果、本来、心の内で納得がいく額まで値引きして売り、相手側は最初に提示された高い価格を自らの交渉によって下げることができたという見せかけの成果を手に入れて契約が成立することになります。若き日に不動産王などと呼ばれたトランプ大統領ならではのこのディール(取引)手法は、国際政治に独自のビジネス感覚を色濃く投影しています。普通の政治家ならこんなドラスチックなことはやりませんし政治家としてのモラルが邪魔してできません。メール1本で優秀な連邦政府公務員を大量解雇することや教育省を解体することを一介の一時的な重用お雇い人の男に莫大な権限を与えて許可したり、不採算部門はリストラカットで合理化だとばかりに後先の影響も考えずに即断する姿は、側から見ても強引です。1930年に米国大統領のフランクリン・ルーズベルトが行った一連の経済政策、ニューディール政策は前年の世界大恐慌を乗り切るためのものでした。ほぼ1世紀後にいまトランプ大統領が行おうとしているニュー・ディール(新型取引)政策が、逆に世界経済をどん底に陥れ、世界恐慌の再来を招かないことを祈るばかりです。交渉によってどうなるか、やってみないと分からないところが、政権発足からわずか3か月のスジ書きなきドラマの第一章となっています。それでは、みなさんよい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)

【今週の紙面の主なニュース】(2025年4月12日号)

(1)NY地下鉄路線公式マップ 50年ぶりに刷新

(2)トランプショック 関税で株価大暴落

(3)桜満開♪ お花見を愉しむ女子会 大石育子の暮らしのテーブル

(4)花・香る・飲む香水 MORRIS 本格芋焼酎米国で発売

(5)政局激動の軸になれず迷走する民主党

(6)第6回乳がんシンポジウム 26日にBCネットワーク

(7)ブルックリン・クラSAKE 日本デビュー

(8)「野球の殿堂」NY州クーパーズタウン

(9) 池坊の生花展 プリンス・キタノで開催

(10) プロの世界に羽ばたいて 尾原蓉子氏母校FITで講演

NY地下鉄路線公式マップ 50年ぶりに刷新 MTA

 都市交通局(MTA)は2日、1979年以来、約50年ぶりに更新した地下鉄路線マップを公表した。新バージョンは、1972年にNYシティ・トランジット・オーソリティ(NYCTA)が発行したカラーのダイアグラムを参考にしながら「読みやすく鮮明で、はっきりした規則的な方法」で路線の必須情報を簡素化した。同局のクリエイティブ・サービス地図作製部は、地下鉄路線が画面でも目で追いやすいようにあえて太い直線を採用し、視覚障害者や認知障害者が把握しやすいように背景は白、駅は黒いドットにした。

 また、改札を出ても追加料金なく乗り換えができるハブ駅などのアクセス方法、乗り換え、安全性に関する情報も増やし、MTAのウェブサイトにつながるQRコードも掲載。新マップはすでに駅のデジタルスクリーンに掲示されており、R211貫通路式車両にも近く表示される。物理的な路線図は今後徐々に新バージョンに交換されるが、MTAのウェブサイトhttps://www.mta.info/mapsでは新旧共にダウンロードできる。

トランプショック 関税で株価大暴落

 トランプ米大統領が2日に「相互関税」を発表して以降、景気の先行き不透明感を背景に投資家のリスク回避姿勢が強まっており、株安の連鎖が続いている。相互関税は5日より約100か国に一律10%の関税をかけ、うち約60か国には9日よりさらに税率を上乗せするもの。合計で中国は104%、日本は24%、欧州連合(EU)が20%、英国は10%となっている。

 米国は発表翌日の3日、主要企業でつくるダウ工業株30種平均が前日終値より1679・39ドル(約4%)安の4万545・93ドルで取引を終え、コロナ禍の2020年6月以来、約5年ぶりの下げ幅を記録した。S&P500種指数は約4・8%安、ハイテク株比率が高いナスダック総合指数も約6%安と下落。

 中国は4日、対抗措置として米国からの全輸入品に34%の追加関税を10日から課すと発表。株式を売る動きは止まらずダウは前日比2231ドル(5・5%)も落ち込み、史上3番目の下げ幅を記録した。ナスダックも前日比6%安となるなど、ほとんどの銘柄が下落し、ウォール・ストリート・ジャーナルは、2日間でおよそ6兆6000億ドルの株式の時価総額が失われたと報じた。

 トランプ大統領は6日、「何もかも下がることは望んでいない。しかし、何かを解決するためには薬を飲まなければならないこともある」と記者団に語り、株価が大幅に下がっても「相互関税」など関税引き上げは必要との認識を示した。 

 インフレ懸念が高まる米国だが、原油価格は6日、一時1バレル60ドルを下回り、ほぼ4年ぶりの安値となった。またトランプ大統領は、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長に対し、利下げをするよう再三、求めている。

 NY市場は、9日に発動される上乗せ分の相互関税によって世界的に景気が悪化するとの懸念が強まり、ダウは先週末と比べて一時、1700ドルを超える値下がりとなった。しかし関税措置を90日間、停止することをトランプ大統領が検討しているという噂が流れ、買い戻しの動きも起きた。ところがホワイトハウスが「フェイク(虚偽)だ」と否定すると再び下落した。結局、前週末比349ドル26セント(0・91%)安の3万7965ドル60セントで終え、下げ幅を縮小した。S&P500も先週末比0・23%安と小幅の下落。ナスダックは3営業日ぶりに小幅反発し、前週末比0・099%高で終えた。(以上いずれも速報値)

 (写真)NY証券取引所前に立つ「恐れを知らぬ少女像」も見守る世界経済(4日、写真・三浦良一)

    桜満開♪ お花見を愉しむ女子会 大石育子の暮らしのテーブル

 3月末に東京は夏日となって桜満開宣言が出ました。いよいよお花見もピークかと思いましたが、翌日から10度以下の寒い気温と雨模様が続き、やっと週末にはお天気が回復して街はお花見でにぎわいました。今週はNYも満開の桜のお花見になりそうですね。

 3月26日から4月15日まで松屋銀座7階おりふしギャラリーで「アンティークサロン嘉多加古×大石育子 春のテーブル」をコラボ展示しています。銀座へ行かれる際はぜひお立ちよりくださいね。

 今回春号のテーブルは、おうちの中で桜を愛でるお花見のテーブルを作ってみました。大ぶりな枝を使って木の下にいるかのようなお花見のシチュエーションを。セッティングしながらハラハラ舞う桜の花びらも情緒があります。東洋と西洋、古いものと新しいものを使って、人種のるつぼニューヨークにふさわしいクロスオーバースタイルにしてみました。皆様もぜひ美しい桜のお花見を大切な方と愉しんでくださいね。

◆蝙蝠は吉祥文様◆

 蝙蝠は西洋ではドラキュラなどあまりいいイメージではありませんが、古く中国では「福に変わる」という発音と同じことから福寿を象徴する吉祥文様として日本でもその影響を受けて福を呼ぶ縁起の良い柄として長らくデザイン化されてきた歴史があります。

◆唐獅子模様の古伊万里◆

 唐獅子は、中国、日本に伝わる神獣。もとは仏陀の一族を守護するインドライオンがモチーフで、中国に伝わるにつれて美術的、装飾的に図案化されていったようです。古来獅子は百獣の王、瑞獣と考えられ、美術品の意匠として巻き毛のたてがみを蓄えた勇壮な姿で描かれています。お気に入りの器です。

◆文字紋の入ったタイの焼き物◆

 友人がタイ旅行で買ってきてくれたBlue & Whiteのティーセット。篆書体という古い字体に似ていますがそうではなく、「文字紋」という願いを表す文様なのだそうです。韓国時代劇で王様や偉い人が来ている服や帽子にこの文字紋がついていると篆書の先生が教えてくださいました。

◆春のテーブルのポイント◆

Point1 全体をピンクにせず小物や飲み物をアクセント使いでNY大人女子のテーブル♪

Point2 料理には菜の花や蕗の薹のてんぷらなど旬のものを取り入れて♪

Point3 折敷をアクリル板にすることで透け感を出して軽やかに♪

大石育子(Ikuko Oishi)

 インテリアコーディネーター、食空間プランナー、日本クラブカルチャー講座講師。東京ドームテーブルウェアフェスティバル2019入選、2020年2部門で入選&奨励賞受賞。2023年2部門で入選&佳作受賞。

atelierdeikukonewyork.themedia.jp

花・香る・飲む香水 MORRIS 本格芋焼酎米国で発売

 15年前に凛とした香りの焼酎を打ち出したラグジュアリーブランド・リードデザイナーの今井千恵さん。2010年、当時芋焼酎を香りで打ち出す酒蔵会社はどこにもなかった時代、女性が胸をはって飲めるかっこいい焼酎、モーリススピリッツを誕生させた。

 ファッションデザイナーはよく、次なるアイテムとして香水をプロデュースするが、 今井さんの発想は違った。ただの香水ではなく「飲む香水」だった。自身の故郷、鹿児島の豊かな環境が生み出した、まったく新しいスタイルの本格芋焼酎、それがMORRIS (モーリス)だ。飲みやすさと香り、凛とした口ざわり、CHIE IMAIのモーリススピリッツが15年を経て、まるでこの桜のシーズンに合わせたかのように、ここニューヨークで有名なディストリビューターの手により販売が開始された。

モーリスを手に持つ今井さん

 MORRIS(モーリス)の酒質は、焼酎に最も適しているといわれる「黄金千貫」の甘い香りと上品な風味、時流に乗った黒麹仕込みによるコクの深みが特徴だ。 

 「2010年当時、焼酎

界は香りに興味のない時代でしたが、製造工程で華やかな香りを引き出す手法を用いたことにより、絶妙な香りと味を引き出しました。今はどこの焼酎蔵も香りを打ち出し始めています」。妥協を許さないファッションデザイナーは 15 年前に焼酎界でも香りのパイオニアとなり、いまだかつてない「香福の滴」を作り出した。

 今井さんは「アメリカは政権が変わり、貿易関係がタイトになりつつありますが、こんな時代こそ、モーリスなのです。逆境を跳ねのけて伸びてきたモーリススピリッツ。糖度0。若者に今大人気です。日本では、素晴らしいホテルのバーや、三ツ星レストランなどで飲めても買えない焼酎として人気が出ています」という。

【飲み方例】

◆モーリス・ウォーター=

冷たく冷えたモーリスとトニックウォーターを3:7の割合でグラスに注ぎ、スライスしたライムで飾り付けして出来上がり。マティーニグラス、フルートグラスがおすすめ。(写真左)

◆モーリス・オン・ザ・ロック=ロックアイスをお好みのロックグラスに入れ、モーリス注ぐ。お好みでライムスライスを添えて。(写真右)

政局激動の軸になれず迷走する民主党

 トランプ政権は連邦政府のリストラ、孤立主義の外交に続いて「相互関税」政策へと踏み出した。サプライチェーンを壊すだけでなく、大不況を人工的に起こして自給自足経済を目指すらしい。混乱の規模と深度を考えると、最も弱い部分、つまり中間層以下の生活を直撃することは不可避であり、このまま進むのであれば政治的には流動化もあり得る。

 そんな中で、野党の民主党には政局の軸になるような動きは見当たらない。それどころか、内紛を抱えて迷走中である。大統領選敗北の犯人探しも収まっていない中、とりわけ、ここニューヨークにおける混乱は目立つ。

 まず、今年の11月には任期満了に伴うニューヨーク市長選挙が行われる。現職のエリック・アダムス市長はバイデン政権時代に、外国政府からの接待を受けた容疑で起訴されていた。政権交代後、アダムス氏はトランプ新大統領に接近して、起訴を取り下げてもらう代わりに不法移民摘発に協力すると約束。これを裏切り行為と受け取った民主党は市長の罷免を模索する一方で、市長は無所属出馬も辞さないとしている。

 一見するとアダムス氏は身勝手な変節漢に思われるが、話は単純ではない。まず、バイデン政権時代に、難民申請者が南部国境に押し押せた。保守派は彼らを不法移民扱いしているが、実際は合法難民申請者であるので、連邦政府としては申請を受理して審査しなくてはならない。けれども審査の期間のケアを嫌がった南部諸州は、多くの申請者をニューヨーク市に送り込んだ。アダムス氏は頑張ってその受け入れを続けた結果、市の予算は逼迫し連邦政府に支援を求めた。ところが、当時のバイデン政権は「アダムス市長は問題を処理できないばかりか、民主党のイメージを悪化させている」というニュアンスで、冷たい態度を取った。アダムス氏は、恐らくこのバイデン政権の冷淡さの延長で、自分への捜査が行われたと思っている可能性がある。事情を知る有権者の中に市長への同情論があるのはこのためだ。

 では、アダムス氏を引きずり下ろそうという民主党の有力候補はというと、元知事のアンドリュー・クオモ氏が有力となっている。同氏の場合は、コロナ禍対策の失敗を批判されて知事を辞任、その後はセクハラ疑惑も出た。だが、これら2つのスキャンダルについては身の潔白が証明されたとしてヤル気満々だ。ちなみに、この2つの問題で同氏を追い詰めたのは民主党の党内左派であり、ここにも内紛が見て取れる。

 国政レベルでは、26年の中間選挙で改選を迎えるチャック・シューマー民主党上院院内総務(ニューヨーク州選出)を、予備選段階で引きずり下ろす動きがある。市内クイーンズ区選出のAOCことアレクサンドリア・オカシオコルテス下院議員を上院に擁立しようという待望論がある。理由は、シューマー議員は、政府閉鎖を回避するための予算案で共和党に同調したからだ。党内左派は、政府閉鎖を発生させた方がトランプ政権に打撃を与えることができたとして、シューマー氏の妥協を裏切りだとしている。党内の世論調査ではAOC氏が大きくリードしている。ただ、彼女にスイッチした場合に保守化が見られる州全体では本選で勝てるか不透明とも言われており、AOC氏は現時点では慎重だ。

 アメリカ政治の世界では、二大政党の党内抗争は全体のエネルギーを高めるので良いとされてきた。けれども、現在の民主党の内紛には、そのようなポジティブなエネルギーは感じられない。低次元の抗争が繰り返されているということもあるが、問題はもっと根深い。

 それは、現在のトランプ政治が、「グローバル経済で稼いだカネを国内で再分配する」というクリントン=オバマ路線への「全面拒否」を突きつけているからだ。つまり国際分業を進める中で米国は「知的付加価値の生産」に専念し、製造工程は空洞化させてきたわけだが、そうなると「知的なるもの」に関心のない層は国内には居場所がなくなる。この状況への「破壊的異議申し立て」がトランプ政治というわけだ。ならば、民主党は改めて「土と油の匂いのする誠実な労働の場」をリスぺクトする、つまり80年代以前の自分たちの原点を見つめ直す必要がある。

 けれども、党内穏健派にはクリントン=オバマ路線を修正する動きは見えない。左派に至っては、米国経済を壊しかねないトランプ政治と比較すると、GXによる全体の成長プラス強めの再分配という路線は説得力を持つはずだが、一本調子のトランプ批判ばかりで上滑りを重ねている。現在の混乱は、経済的なインパクトの大きさから考えると、いつまでも続けられるものではない。けれども、野党民主党には混乱にストップをかける知恵もエネルギーも感じられない中では、共和党の穏健派に希望を託すしかないのかもしれない。

(れいぜい・あきひこ/作家・プリンストン在住)