プロの世界に羽ばたいて 尾原蓉子氏母校FITで講演

日本 FIT 会名誉会長

NYで学ぶ後輩たちを激励

 元IFIビジネススクール学長の尾原蓉子氏が3日、米国留学先母校のニューヨーク・ファッション工科大(FIT)で、「FITで学んだプロフェッショナリズム〜フルブライト1966年留学記」(主催日本FIT同窓会)と題し講演した。当日は同大のジョイス・ブラウン学長も応援に駆けつけ祝辞を述べた。同大在学中の日本人学生や卒業生が聴講した。

 尾原氏は、1962年に東京大学教養学部を卒業後、旭化成に大卒女性の新卒入社として初めて採用された。66年にフルブライト奨学生としてFITに留学、その後ハーバード・ビジネス・スクールAMP修了。日本にファッション・ビジネスという概念を作った実業家として知られる。

 講演では、3回の留学で、女性が溌剌と働くことの大切さ(55年高校時代)、実学カリキュラムやプロフェッショナルの真髄(66年FIT時代)、リーダーシップとコミュニケーション(97年ハーバード時代)を紹介。『ファッション。ビジネスの世界』(68年)翻訳と出版での苦労や改訂版(76年)、業界公開のファッション産業教育の歩みなどを話した。

 その中で、真のプロフェッショナルとは、(1)抜きん出た専門能力を持ち、それでお金が取れること。(2)常に研鑽し、高み、本質追求へのドライブ=高い山、深い穴を目指すこと。(3)謙虚=「自分が知らない」ことを認識している=他から学ぶ姿勢を持ち、自分の位置を知っていること。(4)信念とプライド=強い想い、プロの名に恥じない仕事、業界がプロフェッショナルと認める人物であること。(5)人間力=信頼であるーと述べた。

 参加者からは「話の中で、留学していたのが当時28歳だったと聞いて、自分はまだ20代だと思っていたがショックを受けてもっと頑張らなくてはと思った」「ファッションビジネスの第一人者で尊敬している人が同じFITの卒業生であることをとても光栄に思えた」などの感想が聞かれた。

 (三浦良一記者、写真も)