(1)能と歌舞伎の共演 日本の伝統芸能に大喝采
(2)ヨグマタ相川圭子さん 国連で女性起業家に講演
(3)退役軍人の日 ワシントンDCで古本さんスピーチ
(4)富山県をNYでPR 新田知事が来米
(5)生き生きEATS 総集編
(6)日本ふるさと名産食品展
(7)植山慎太郎 2026年カレンダー クラウドファンディング
(8)静かな朝のクオモ、赤い夜のスリワ 40+女の人生
(9)ニューヨークの魔法
(10)ウルトラマンライブ 大人も子供も大喜

カーネギーホールで14日夜、日本の伝統芸能「歌舞伎」と「能」を融合した特別公演「An Evening of Traditional Japanese Arts」が行われた。
囃子奏者3兄弟のユニット「三響会」を中心に能と歌舞伎の共演をはじめ、箏、津軽三味線、和太鼓の演奏など多彩なプログラムが組まれた。
圧巻は、「三響会版・獅子」で観世喜正が能の、歌舞伎俳優の中村隼人が歌舞伎の獅子となって海外同一演目で並び立つという前代未聞の舞台を披露し、同大ホール2000席完売の客席からスタンディングオベーションの大喝采を浴びた。(関連記事2面と3面に)
(写真上)カーネギーホールだからこそ実現した能楽師の観世喜正と歌舞伎俳優の中村隼人の舞台共演(写真・三浦良一)

中村隼人さんは公演前に本紙の取材に対してこう語っていた。
「僕は今回、初ニューヨークなんですけど、公演前に3日間ほど歩いてみて本当に色々な文化に触れることができました。日本の新しいサブカルチャー以外にも、日本には江戸時代から伝わる伝統文化、芸術があるということを見ていただいて楽しんでいただきたいと思っています。自分のこれまでやってきたこと、古典芸能の歌舞伎役者であるということを大事にしつつ今回のお能と歌舞伎のコラボレーション公演という、そういった厳かな雰囲気を大切に努めていきたいですね。今回は「石橋(しゃっきょう)」という歌舞伎の中でも屈指の派手さを持ったものを持って来たので、古典でありながらも、煌びやかさのある作品なのでそれをぜひ楽しんでもらいたいですね」と抱負を述べた。まさにその俳優の体力・技術勝負の演目で、歌舞伎の「派手な踊り」の代表格である能の名作『石橋』を題材にした、華やかで躍動感のある歌舞伎舞踊を舞台で披露し、ラストはスピード感のある連続毛振りで、客席を沸かせた。
当日前半は、黒澤有美の箏、辻勝の和太鼓、津軽三味線の上妻宏光、光輝の演奏が披露され、場内の観客は静寂の中に鳴り響く音と舞台演出に吸い込まれるように聞き入った。会場で観劇したニューヨーク総領事の片平聡大使は「カーネギーホールの音響が本当にすばらしくて皆さんの演奏と舞台を存分に楽しむことができました」と感動していた。 (三浦良一、写真も)





国際交流基金ニューヨーク日本文化センターと在ニューヨーク日本総領事館は共催(協力DーT株式会社、マークリエーション)で、13日スカンジナビアハウスのVictor Borge Hallにおいて、歌舞伎音楽のデモンストレーションとワークショップを開催した。囃子方の田中傅左衛門氏と田中傅次郎氏、歌舞伎俳優の中村隼人氏らが歌舞伎の歴史や音楽、楽器について解説しながら実演を披露した。
その後体験として一人の米国人男性が舞台に上がり、恐る恐る鼓を打つ姿が会場を和ませていた。歌舞伎は見たことがないという米国人からは、和楽器や歌舞伎の化粧についての質問があがり、邦人女性は「滅多にない貴重な機会を得られ、たっぷりと聞かせていただいて幸運であった」と形相を崩し、また来てほしいという声に多くがうなづいていた。満席となった会場には着物姿の女性も見受けられ、銀座の歌舞伎座がそのまま移ってきたような、上質な社交の場を創り上げていた。 (フェイダーちえ)

日本クラブは12日夕、「2025秋の芸能イベント」と題し、カーネギーホールで14日に開催の三響會特別公演「An Evening of Traditional Japanese Arts」のプレイベント「伝統芸能への誘い」を開催した。
NHKの時代劇や大河ドラマでも活躍する歌舞伎俳優・中村隼人氏と、総合プロデューサーで歌舞伎囃子方の田中傳次郎氏が登壇。公演の見どころをはじめ、幼少期からの厳しい修行、トルコやサウジアラビアでの公演のエピソードや21日から全米公開される映画『国宝』の話題も語った。中村氏は見得や獅子のポーズは体重のかけ方が重要と実際に披露。田中氏は実際に鼓(つづみ)を演奏し、空気を貫くような鋭い音と迫力ある掛け声に、会場は静まり返った。指名を受けて鼓を叩いた北米三菱商事社長の河手哲雄氏は「叩いても全く音が聞こえなかった。あの響きは長年の鍛錬の賜物」と感嘆していた。1時間の講演後は食事とドリンクとともに懇親レセプションの時間が設けられ、中村氏は多くのファンたちのリクエストに応えて笑顔で写真に収まっていた。 (菊楽恵、写真・高田由起子)
ヨグマタ相川圭子さん(80)が14日午前、ニューヨークの国連本部デリゲーションダイニングルームで開催された米国で活躍する女性の団体WEDOの開会式冒頭で講演し、全米から集まった女性起業家たちに精神面からの気づきについて解説した。
相川さんはヒマラヤの秘境にて死を超える修行を重ね、最終段階のサマディ(究極の悟り)に到達した人だけに、最初は近づき難い地位の高僧のように畏敬の眼差しで聞いていた女性たちも、後半は通訳なしで流暢な英語で相川さんが自らのヨガとの出会いや、現代の世界で必要とされる心のバランス、オフィスでも簡単にできる瞑想方法をステージから伝授して、大きな拍手に会場が湧いた。
当日は、ロッキー青木氏夫人の青木恵子さんもアジア系の女性起業家たちとともにテーブルで相川さんの講演に聞き入った。
「世界を平和にすることは大変なんですが、一人一人が自然のパワーとつながって聖なるエネルギーとコンタクトするとセルフ・リアライゼーションができるようになります。お金持ちになりたいと思って、お金持ちになったとしても、手に入れたものからパワーは得られないのです。自分の内側を満たす、量子力学的に言うと、全ては波動のエネルギーでできています。源の存在につながりそこからの愛とパワーと知恵を湧き上がらせることで内側が満ちて、また人を幸せにする生き方、現実の中で内と外を車の両輪のように実践する瞑想で心の内側から平和になり充電することが大切だ」とゼスチャーを交えはつらつとスピーチした。
(写真)仕事と心のバランスの大切さを説く相川さん
退役軍人ベテランズデーの11日、ワシントンDCで開催された第二次世界大戦中の日系米兵の記念団体JAVA&NJAMFの年次大会に古本不動産会長の古本武司さんがベトナム戦争退役軍人として登壇した。
古本さんは「私の父は、日本にまだ家族、親戚が残っているため、日本に帰れなくなることを恐れ、父が忠誠登録の質問27番と28番に『No、No』と答えました。これは、米国への忠誠と兵役を拒否したとみなされ、私の家族はカリフォルニア州北部のツール・レイク収容所に送られました。私はこのツールレイク日系アメリカ人強制収容所で生まれました。私は大学を卒業後、ベトナム戦争に志願して出兵しています。その後、私はベトナム戦争でPTSDとAgent Orange(枯葉剤)を受けたことによる後遺症に悩まされることになりました。皆さんもご存じの通り、2011 年 11 月 2 日の式典で、アメリカ連邦議会から第100歩兵大隊、第 442連隊戦闘団に黄金勲章を授与。その頃、私はテリー・シマさんにJAVA(Japanese American Veterans Association)に参加しないかと声をかけらた。ベテランズ・デーはこの国を守り、米国の精神や愛国心を体現してきた人々を讃える日でもあります。こうした精神こそがアメリカの魂であり、私たちはこの日を心から敬意をもって祝うべきだと考えます。ベテランズ・デーは退役軍人が功績を得ていますが、配偶者も讃えられるべきだと考えます。私をずっと支えてくれている妻も讃えたいです」とスピーチした。
ミュージカル俳優の小野功司が出演するホリデーショー「Christmas In The Air」のUSツアーが28日にロサンゼルスからスタートし、12月22日まで全米各地で公演を行う。NY・NJエリアは12月12日(金)NY州シラキュース、20日(土)NJ州アトランティックシティー、22日(月)NY州オグデンズバーグ。
小野は東京ディズニーランドのダンサーとしてキャリアをスタート、その後は劇団四季で俳優として11年間活動した。退団後2019年からNYを拠点に活動している。同ショーは昨年に続き2度目の出演となる。チケットはhttps://www.vividseats.com/christmas-is-in-the-air-tickets/performer/66122から。
(写真)スピーチする古本さん(左)と妻のキャロルさん
ニューヨーク総領事の片平大使公邸で13日、富山県のPRレセプション「The Blessings of 13,000ft」が開催された(富山県、在NY日本国総領事館の共催)。このイベントは、富山県の豊かな自然、食、歴史と伝統、文化など富山県の多彩な魅力を発信し、訪日外国人の誘客を強化することを目的とするもの。
(写真上)南砺市の伝統工芸である井波彫刻職人の木彫刻作品制作のデモンストレーション
当日は、新田八朗富山県知事によるプレゼンテーションのほか、伝統工芸の井波彫刻の実演、富山の県産食材を使ったオリジナルメニューの提供等が行われた。富山県議会議長の武田慎一さんの挨拶で乾杯し、来場者たちは「富富富(ふふふ)」県産米を使ったおにぎりや寿司、山元醸造のはとむぎ味噌を使ったハマチはとむぎ味噌幽庵焼き、ホタルイカの沖漬け、大門そうめんや日本酒を楽しんだ。

同県の富山市は今年、ニューヨーク・タイムズ紙「2025年に行くべき52か所」に選定されたことを受けて5月にNYで開催されたジャパンパレードに招待され、藤井裕久市長らが市のPRを行った。今回はそれに続いて富山県知事が来米して富山県全体の自然や食の魅力を旅行関連業者や報道関係者を招いて観光地としての魅力をトップセールスした。
会場では、富山県南西部(南砺市)にあり、世界遺産に登録されている五箇山の合掌造り集落や黒部ルート峡谷、立山山麓スキー場など富山の名所をスライドを使って紹介した。
会場では、南砺市の伝統工芸である井波彫刻の職人、花嶋一作さんが木彫刻作品制作のデモンストレーションを行った。招待客として来場していたメトロポリタン美術館の日本アート部門工芸作品専門の学芸員、モニカ・ビンチクさん=写真上=は、日本間の天井などに施された「欄間」の彫刻展示を見て「初めて実物の彫刻彫り制作の実演を見ました。とても興味深いですね」と見入っていた。
プロに聞く、生き生きEATS(イーツ)
今年もあと残すところ1か月。今回は、今年紹介したプロが指導する家庭料理の中から4品を選んだ総集編となりました。料理研究家の杉本佳子さん、和参の櫻井覚三郎シェフ、高級ホテルの和食シェフ鈴木達也さんのご紹介する料理を今一度、お楽しみください。

【作り方】
キクラゲ約10個は、水をはったボウルに入れて柔らかく戻します。厚揚げ(小さいものなら6個)はざるに入れ、熱湯をかけて油切りします。これをしないと油っぽくなるので、重要なひと手間!キャベツの葉3枚くらいは、食べやすい大きさにちぎっておきます。鍋に水カップ2を入れ、和風だしの素をパックなら半量入れます(通常、水4カップで1パックとなっているので。だしの素によって違うかもしれないのでご確認ください)。煮立ってきたら厚揚げ、キクラゲ、キャベツを入れて、キャベツがしんなりし、厚揚げが十分汁をすったら、おろし生姜汁を大さじ1くらい加えてできあがりです。

杉本佳子さんはファッションジャーナリスト兼美容食研究家で、1988年よりニューヨーク在住。ファッションジャーナリストとして働く傍ら、YOSHIKOlicious Beautyの名前でブログ及びインスタグラム、そして集英社OurAgeの連載、NY発!美しくなる「トリプル美食」で美容食を紹介している。

材料
〇ゴマソース (A)
練りごま(タヒニでも可) 60g
砂糖 70g
酢 70g
オリーブオイル 30g
醤油 20g
塩 8g
水 90g
スリラチャ 15g
以上を混ぜ合わせる。
〇漬ける出汁 (B)
カツオ昆布だし(顆粒でOK)
300g
薄口しょうゆ 20g
みりん 20g
火にかけてひと煮たちさせた後、よく冷やしておく。
【作り方】
なすび1本はへたを落として、周りに切り目を入れて、塩をこすりつけて、網を載せた直火で柔らかくなるまで焼けたら、粗熱をとって皮をむき、(B)のだしにつける
海老4匹は殻つきのまま塩少々を入れ、沸騰しているお湯に入れて30秒ほど加熱してとりだし、粗熱が取れたら、しっぽだけ殻が残った状態に剥いて、(B)のだしにつける。
茄子と海老は同じ出汁に入れて、30分ほど冷蔵庫でさらに冷やしてから、取り出し、ペーパータオルで水気をとってから切って、器に盛り付け、(A)のゴマソースをかけて、上に刻みネギとおろししょうがを盛り付ける。赤かぶのスライスを添えると美しい。

櫻井覚三郎さんは、ブルックリンの日本食レストラン和参とa-unのオーナーシェフでNY日本食レストラン協会理事を務める。

材料
しめさば(日系スーパーで購入)
1枚
白米 100グラム
大葉(日系スーパーで購入) 4枚
寿司がり(日系スーパーで購入)
刻み 30グラム(甘酢30グラム)
いりごま 少々
ライム 一個
【作り方】
(酢飯の準備)
酢飯を作ります。ボウルに150グラムほどの白いご飯、刻んだ寿司ガリ、千切りにした大葉、炒りごまを少々いれて混ぜ合わせます。少し混ざったところで、寿司ガリの甘酢と米を馴染ませます。
(しめ鯖の準備)
しめ鯖は市販品を用意します。薄い皮があるのでまずはこれを剥がします。水気が多いのでペーパータオルなどで余分な水気をしっかりと吸収しておきます。少し経ったら鯖に切れ目を入れます。横に5〜6本切れ込みを入れます。酢で〆た鯖は身がしまっていて巻きづらいので、切れ込みをいれてシャリと巻きやすいようにします。
(棒寿司に巻いていく)
ラップを一番はじめに下に敷きます。その上に皮を下に、身を上むきに置きます。身の上に仕込んだ酢飯を置いていきます。この時少しおにぎりをにぎる要領でお米を「ぎゅぎゅ」と固めてこねていきます。ラップの手前の端と奥の端をあわせるようにしてしめ鯖が酢飯を包み込むように巻いて形を整えます。
(切り出し)
最後は棒寿司を切っていきます。ラップをしたまま切ります。包丁を鋸のように前後に大きくスライドさせながら切りましょう。一回切るごとにタオルで包丁を拭いて湿らせておくと切りやすいです。

材料
たこ 足1本
乾燥わかめ 適量
きゅうり 1本
〈土佐酢レシピ〉
顆粒だしのもと 5g
お湯 200g
酢 50g
醤油 5g
みりん 15g
【作り方】
(下準備)
▽たこ=たこは指の幅1本から2本の一口大の大きさにカットします。
▽わかめ=乾燥わかめを戻します。大きめのボウルのたっぷりのお水で戻します。▽きゅうり=こちらのきゅうりは皮が厚くて食べにくいものもあります。そんな時は蛇腹切りという和食の技法をつかいます。きゅうりを千切りするように何度も切れ目を入れます。下まで切りすぎて完全にきゅうりを切り離すことのないように注意します。反対側(下側)の面も同じように千切りのように細かく切れ込みをいれます。こうすることで厚い皮でも食べやすく、また味も染み込みやすくなります。
(味付け)
土佐酢で味付けします。土佐酢は出汁の素をお湯で溶かしそこにお醤油、みりん、お酢を加えて冷やして使います。わかめ、きゅうり、タコを土佐酢とともに混ぜ合わせます。すぐに食べる場合は味が染み込んでいないので、土佐酢を少し多めにかけます。少し混ぜてから時間を置いて食べる場合は土佐酢を少なめにして和えます。時間が経つと食材から水分が出て味が薄くなるので再度召し上がる直前に土佐酢をかけると美味しく召し上がっていただけます。

鈴木達也さんは、元AZABU NYのスーシェフとして勤め、現在はマンハッタンのホテル内の寿司和食レストランに勤務している。
一般財団法人自治体国際化協会(クレア)は21日(金)から23日(日)の3日間、ブルックリンのジャパンビレッジ(934 3rd Avenue,)にて、自治体の海外販路開拓支援を行うため、日本各地の地域特産品の実食・販売を行う物産展「日本ふるさと名産食品展」を開催する。会場では各地の自慢の逸品を紹介し、試食や購入を通じて、日本の豊かな食文化を体験できる。当日は7自治体/10事業者による、43品目が紹介される。
開催時間は、21日(金)が正午から午後7時、22日(土)が午前11時から午後8時、23日(日)が午前11時から午後6時まで。入場無料。予約不要。
出展事業者は次の通り。●株式会社 ミナミ食品(岩手県:南部ゆばとわかめのうま塩スープ、南部ゆばの醤油スープ)
●株式会社 常陸風月堂(茨城県:栗蒸し羊羹)
●株式会社 染野屋(茨城県:ソミートしょうが焼き、ソミート炙り焼き、ソミートプルコギ)
●コエドブルワリー(埼玉県:ビール)
●有限会社 粋(福井県:冷凍穴子の棒寿司、冷凍浜焼鯖の押し寿司)
●小山製茶(熊本:緑茶、ほうじ茶、抹茶、GABA茶、GABA紅茶)
●株式会社 日本海水(熊本市:ふりかけ)
●株式会社SAZANKA FARM(宮崎県:焼き芋)
●株式会社 タケマン(鹿児島県:たけのこ水煮、たけのこご飯の素)
●株式会社 海連(鹿児島県:さつまいも、焼き芋)
詳細はウェブサイト
https://sites.google.com/jfcausa.org/official2025japanesefoodexpo/home
本紙の表紙写真でもお馴染みのニューヨーク在住フォトグラファー、植山慎太郎さんによる「月とニューヨーク」シリーズを収録した2026年版フォトカレンダーがクラウドファンディングで登場している。コロナ禍から始まった小さな挑戦が、今年で6年目を迎えた。「旅をするように日常を過ごす」ようなニューヨークの季節と詩的な瞬間を届けている。
2020年、ニューヨークがロックダウンに包まれた日。仕事も撮影もすべてが止まった中で、「写真を通して人を元気づけたい」との思いから始まったこのプロジェクト。それから6年、毎年好評を博しているフォトカレンダーが今年も新作を迎えた。
テーマは、「永遠のニューヨーク」。
ブルックリンブリッジのスーパームーン、セントラルパークの紅葉、雪に沈むSOHO、春色の光。街が魅せる一瞬の表情を切り取り、「時間の流れとともに変わるニューヨークの詩情」を感じられる構成にした。
一般的なカレンダーのようにニューヨークのランドマークを並べるのではなく、「暮らしに飾っても、心が静かに満たされる」ような写真をセレクト。ページをめくるたびに、まるでニューヨークを旅しているような気分に。インテリアとしても楽しめるデザインに仕上げた。忙しい日々の中でふと視線を上げたとき、心が少し軽くなるようなカレンダーを目指している。
クラウドファンディング
受け付け締め切り迫る
植山さんは「ご自宅をニューヨークに、オフィスの安らぎに、大切な方へのプレゼントとして、飾っていただければ嬉しく思います」と話している。このカレンダーをリターンとしたクラウドファンディングが現在進行中だ。
■ クラウドファンディング概要
プロジェクト名:
あなたの1年を重ねてニューヨークの記憶を綴るカレンダーを届けたい!
実施場所:CAMPFIRE
ページURL:https://camp-fire.jp/projects/872113/view
支援受付期間:2025年10月28日〜11月22日
主なリターン:2026年版フォトカレンダー、フォトキャンバス、デジタルフォトデータセット など。
フォトグラファー:植山 慎太郎 (うえやま しんたろう)=在住地:ニューヨーク、出身地:奈良県。 普段はニューヨークをベースにポートレート・ウェディングフォト・ファミリーフォト・イベント・講演会・料理撮影など幅広く活動。また、さまざまな国際写真コンテストで5年連続入賞、Gold賞・Bronze賞獲得。
巨大都市ニューヨークでは、政治が思いがけない場所に姿を現す。新しい市長が決まった今だが、実は2人の候補と投票の前に別々の場所で会話を交わす機会があった。
朝の静けさの中で語られる政策も、夜のレストランで交わされる街の声も、すべてが都市のエネルギーとして混ざり合っている。
ニューヨークの魅力のひとつは、政治が「特別な舞台の上だけ」で語られるのではなく、街の日常に自然と溶け込んでいることだ。早朝の会場でも、レストランの雑踏でも、政治はいつも生活の近くにある。
ある朝、マンハッタンで開かれた小さな朝食会に招かれた。まだ街が完全に目を覚ます前、柔らかな光が差し込む会場に登壇したのは、アンドリュー・クオモ元ニューヨーク州知事。経済、移民政策、治安——語られる話題は幅広く、どの言葉も驚くほど冷静で実務的だった。
会場の誰かが、「知事から市長になるのは『降格』では?」と冗談交じりに投げかけると、クオモ氏はふっと笑みを浮かべ、こう返した。
「ニューヨークは、経験者でないと務まらない街だよ」。
その表情には、「今の候補者の多くはまだ未熟で、この街には自分のような経験が必要なのだ」という静かな自負がにじんでいた。
朝の光の中で語られるユーモアの裏には、巨大都市を率いてきた者だけが知る独特の重みがあった。
また別の晩。ローカルのイタリアンレストランに足を運ぶと、賑やかなテーブルの向こうに、ひときわ目立つ赤いベレー帽が見えた。カーティス・スリワ氏(ガーディアン・エンジェルス創設者)だ。
特別な警備があるわけでもなく、地元の住民と肩を並べながら、治安や地域の未来を語り合う姿は、まさに「街の声」そのものだった。静かな朝の政策論と、夜の赤いベレー帽が放つ熱量。
二つの対照的な風景のあいだに、ニューヨークという都市の輪郭が浮かび上がってくる。制度や経済を語る合理的な側面と、街角の温度を守ろうとする情熱的な側面。その両方が、この都市の生命力を支えている。
日本では政治家と一般市民の距離を遠く感じることもあるが、ニューヨークでは違う。カフェでも、地下鉄でも、特別な舞台を用意しなくても、この街では政治が人々の生活に交わり続けている。その近さこそが、世界中の人を惹きつける「ニューヨークらしさ」の一つなのだろう。
朝のクオモ氏のユーモアも、夜のスリワ氏の赤いベレー帽も——
そのどちらもが、この都市を形づくる重要なピースであり、ニューヨークに生きる人々の物語の一部なのである。
(写真)スリワ氏(写真左)とクオモ氏と(同右)
藤田カンナ
美容クリニック「Re:forma」と「Kirei House」代表として日本の美の哲学と、米国および世界中から取り入れた先進的な技術を融合させ、心身の調和を重視した総合的な美容と健康ケアを提供。女性の健康をサポートするために開発、Femtechアワードを受賞した幹細胞製品の米国代表。KAATSUスペシャリスト認定資格およびインテグレーティブ・ニュートリション認定ヘルスコーチの資格を持ち、コロンビア大学で学んだビジネスと経営の知識を活かし、事業運営や顧客サービスにおいて、常に最先端のアプローチを追求している。
マリーパットは最近、ファッション工科大学(FIT=Fashion Institute of Technology)で、ある講座を受講することになった。客室乗務員として長い間、働いてきたが、数年前に退職し、自分のアート作品を作り続けている。
FITはカルバン·クラインなど多くの有名デザイナーを輩出しているファッション専門大学で、全米はもとより世界中から学生が集まる。二十三丁目を中心にマンハッタン西部に広がるおしゃれなチェルシー地区にある。
若い学生たちとともに、あこがれのFITで学び始める。マリーパットは気分も高揚していた。
初日、教室に入っていくと、彼女以外の学生はほとんどが二十代だった。隣にすわっていた女子学生は、とてもフレンドリーだ。マリーパットと同じウィスコンシン州出身ということで、話はさらに盛り上がった。
米中西部の最北にあるウィスコンシン州は、酪農が盛んだ。私も高校時代に留学していたことがあり、その町は人より牛の数のほうが多いといわれていた。
若い学生と楽しい会話を交わしたあと、まだ授業前だったので、マリーパットは机に顔を伏せて少し眠った。
と、突然、ものすごい音がして目が覚めた。教室中に鳴り響いたらしい。これから一緒に学び始めるクラスメートたちが全員、振り返り、マリーパットの顔を見つめている。
そして、気がついた。それは、自分のおならだったことに。
さっきまで親しく話しかけてくれた隣の女子学生の、投げかける視線が痛い。
あなたはやっぱり、ウィスコンシン州の農家の田舎娘だったのねーー。
この話を友だちにしたら、私のために作詞作曲してくれたのよ。それも、シャワー浴びながら、できちゃったっていうから、すごいじゃない?
タイトルは「She Was Friendly ‘Til I Farted」(あの娘はフレンドリーだったの、私がおならをするまでは)。
そのとき、マリーパットは何歳だったの?
I was sixty-six when I farted at FIT.
六十六歳だったわ、FITで私がおならをしたとき。
これも歌の題名になりそうだよって、モンティ(夫)が言うのよ。ビートルズの曲「ホエン・アイム・シックスティー・フォー」(When I’’m Sixty-Four)みたいでしょ。
マリーパットはくったくなく笑う。
ちょっと恥ずかしいこんな失敗も、おおらかなマリーパットのことだから、周りの冷たい視線も何のその、きっと大声で笑い飛ばしていたに違いない。
マリーパットへ、私から一曲、贈ろう。
I’ll Still Be Friendly If You Fart
「私はフレンドリーなままよ、あなたがおならをしたって」
このエッセイは、文春文庫「ニューヨークの魔法」シリーズ第5弾『ニューヨークの魔法のじかん』に収録されています。

世代を超えて愛されるヒーロー「ウルトラマン」シリーズを制作する円谷プロダクション(本社東京都)は、シリーズの放送開始60周年を記念し、全米で様々なプロモーション企画を展開中。その一環で、15日(土)と16(日)、NJ州イーストラザフォードにある巨大複合型商業施設「アメリカンドリーム」のショッピングモール・コートAでは、「ウルトラマン・ライブ/プレゼント・バイ・バンダイナムコ」と題したイベントを開催。初日の15日は、11時の開場に対して1時間以上前から多くのウルトラマンファンや家族連れが詰めかけ、入場するために列を作っていた。
会場にはミート&グリートとして、初代ウルトラマン、ウルトラマンティガ、ウルトラマンゼロ、ウルトラマンオメガら歴代のウルトラマンと、バルタン星人、メトロン星人、レッドキング、ゴモラ、ダダなど人気怪獣&宇宙人が30分ごとに現れ、参加者は記念撮影を楽しんだ。また、ステージでは1日3回、ウルトラヒーローが活躍するライブショーが行われた。ショーは、昨年アメリカで制作され全世界に配信されたネットフリックスのオリジナルアニメ映画「ウルトラマン・ライジング」で主人公ケン・サトウの声を担当した俳優クリストファー・シーンがMCを務め進行。ライブアクションとCGが見事に絡み合って展開する20分ほどのショーは、ウルトラヒーローや敵の怪獣や宇宙人の「中の人」(=スーツアクター)が過酷なトレーニングと綿密なリハーサルを繰り返して作り上げたことがよく分かる、ハイクオリティな内容で、会場を埋め尽くした子供たちだけでなく、それを勝る数の大人たちも皆、大きな歓声を上げていた。
会場では、バンダイナムコ社がウルトラマン関連のフィギュアやグッズの販売をしたほか、ウルトラシリーズの歴史や怪獣関連の展示や、ウルトラマンカードゲームを体験できるコーナーも設置された。また、11月28日から英語版がアメリカの9つのプラットフォームで同時配信を開始する、シリーズ最新作「ウルトラマンオメガ」のプロモーションも展開していた。
なお、入場費無料・事前予約なしで参加できる同イベントは、22日(土)と23日(日)にも11時から同じ場所で開催される。迫力満点のライブショーとウルトラヒーローや怪獣たちとの触れ合いを楽しもう。