アイヌ音楽の騎手OKI バンド公演 ジャパン・ソサエティーで6月4日

 アイヌ音楽の旗手、 OKI(加納沖)率いる「OKI DUB AINU BAND」のコンサートが6月4日(木)午後7時30分から、ジャパン・ソサエティー (JS:東47丁目333番地)で開催される。OKIは自らのルーツをたどり、アイヌ独特の楽器トンコリの奏法を掘り起こし可能性を追求しつつ、レゲエ、ダブ、 R&B、ジャズ、ワールドミュージックなど世界のルーツ音楽を織り交ぜた新しい音楽表現に挑戦し続けている。 2022年に実施したJS 公演「OKI:アイヌの音楽」の完売コンサートに続き、今度は自身の音楽 グループ「 OKI DUB AINU BAND」を引き連れた凱旋公演となる。

 また、コンサート翌日の5日(金)午後6時30分からは、トークイベント 「Talk Story: Sharing Ainu Culture with OKI 」を開催し、OKIがアイヌの生活やその独特の楽器トンコリ など について語る。同イベントの一環として、 OKIが監督を務めたドキュメンタリー映画『普段着のアイヌ』の上映も行われる。

 入場料は、コンサートが一般43ドル、JS 会員32ドル。トークイベントが一般28ドル、会員20ドル。チケット・詳細はウェブサイトhttps://japansociety.org/performing-arts/を参照する。

ポケットの中の日本文化 目から鱗が落ちる 週刊やさしいにほんご生活

この連載は、日本語を勉強している人を読者対象としたコーナーです。日本文化やマナー、タイムリーな日本に関する話題などを簡単な日本語で毎月第3週号に掲載します。アメリカ人の友人などにご案内ください。また、漢字をまだ習っていないお子様にとっても社会を知り、漢字に接するよい機会になります。


ポケットの中の日本文化

 日本に来ると、ハンカチを持ち歩く人が多いことに気づくかもしれません。日本では、手をふいたり、汗をふいたりするために、毎日アイロンをかけた清潔なハンカチを持つ人が多くいます。学校でも身だしなみとして「ハンカチを持ちましょう」と教えられ、大切にされています。

もともとはヨーロッパから伝わった文化ですが、日本では「身だしなみを整える」という考え方とともに広まりました。無地やチェック、季節の花や和風のデザインも人気です。おみやげやプレゼントとして選ばれることもあります。小さなハンカチにも、日本の文化が見えてくるのです。

(長久保美奈、マナー講師)

わくわくことわざ(21)
文とイラスト 平田恵子

目から鱗が落ちる


 何かがきっかけとなって、それまで分からなかったことが理解できるようになるという意味。もとは新約聖書にある言葉で、これが日本語に訳されて定着しました。驚くというよりハッとして物事の真相がはっきりした時に使います。例えば、「食事前の『いただきます』の意味を知ったときは、目から鱗が落ちる思いだったな。植物や動物の命をいただいて自分の命をつないでいくことへのありがたさと、食事に関わった全ての人々への敬意の気持ちが背景にあったとはね!」などのシーンで使えます。



《言葉の意味(ことばのいみ)》

・ハンカチ:handkerchief ・持ち歩く:carry

・アイロンをかけた清潔(せいけつ)な:A clean, ironed 

・身だしなみ :personal grooming

・和風(わふう):Japanese style ・きっかけ:Trigger

・新約聖書(しんやくせいしょ):New Testament

・定着した(ていちゃく):established

・物事の真相(ものごと=の=しんそう):The truth of the matter

・「目から鱗が落ちる」の出典 (め=から=うろこ=がおちる):The scales fall from one’s eyes.

日本の伝統芸能 ジャパンビレッジで春祭り

長崎検番や阿波踊り披露

 ブルックリンにある日本文化発信の複合商業施設のジャパンビレッジで10 日、春祭りが開催された。このイベントでは、鹿児島県の奄美地方や沖縄の民謡、高知県のよさこい踊り、長崎県から「長崎検番」など各地の伝統芸能を披露した。 

(写真上・植山慎太郎)

(写真・西村純)

 阿波踊りニューヨーク連のメンバーら総勢40人がステージに登場し、迫力ある華やかな踊りを展開した。今回は日本から「阿波おどり振興協会」も参加し本場の阿波踊りを披露。ワークショップも行い、ニューヨーカーと一緒にステージ上や観客席で来場者と一緒に踊り大いに盛り上がった。 

 そして、後半にはこの日のメインイベントである「長崎検番」が登場。イベント途中で小雨が降り出しいったん進行が中断するというアクシデントが発生したが、その後、天候が回復し続行。待ち侘びた大勢の観客を前に満を辞して長崎検番が登壇した。長崎は今年1月に発表されたニューヨーク・タイムズ紙の「2026年に行くべき52か所」に選出され話題を呼んでおり、長崎県は現地ニューヨークで長崎観光の魅力を発信することを目的にこの日のイベントに特別出演した。芸妓衆6人が「長崎音頭」「長崎ぶらぶら節」などの演目で芸者踊りを生演奏で披露した。 

 出演した長崎検番の会長で芸妓の立方、梅喜久(うめぎく)さんは「雨で心配しましたが、無事ニューヨーカーに踊りを紹介できて安心しました。ニューヨークの皆さんは賑やかでノリがよくてとても良かったです。実際に長崎を訪れ本場のお座敷で芸妓の伝統文化をゆっくり体験してほしい」と語った。 

日本の相続の現状を紹介

山口里美さん

 ニューヨーク日系人会(JAA)が主催する第18回春のサクラヘルスフェアで、NY日系ライオンズクラブが企画する「ライオンズ大学大人の教養シリーズ」のインターネット配信の単独講座を行った。

 講師は、ファーストブランド(本社大阪市、河本扶美子社長)が運営するマイベストプロ登録メンバーの山口里美さん(グランサクシードグループ代表、一般社団法人日本リレーションサポート協会代表理事)。

 テーマは「ニューヨークからでもできる日本の相続と生前準備〜帰国前に知っておきたい基礎知識〜」。講演要旨は次のとおり。

 日本に帰るかまだ決めていない、でも年齢は70代、日本に不動産がある、日本に親、兄弟、子供がいる、なんとなく気になっているがまだ動いていないーもし、あなたがこんな状態であれば次の準備が役立つ。

 迷っている状態が一番リスクが高い。もしNYで自分が倒れたら誰が日本の財産を守るか? そして自身の「最期」は日米どちらで迎える予定か? 帰国を決めていない人ほど何もしていないことが多い。

 一例として、帰国未定で日本に実家がある米国永住者のAさん(74)の場合を紹介した。母親が入院したとの連絡を受けて3日後に帰国したが母親が長期入院して認知症で判断能力を失った。銀行は本人の意思確認ができないとして定期預金の解約を拒否、不動産会社も同様、売却も賃貸も大修繕もできないという反応だった。つまり財産を持っていても活用することができなかった。財産の問題だけではなく、家族が動けず、揉める原因となり後悔する「家族の問題」となった例を紹介した。

 ニューヨークからでもできる対策として(1)遺言書を書く。遺言書は遺書ではなく、誰に何をプレゼントするかを決められる権利と理解する。家族を迷わせず、海外在住でも可能な公正証書がおすすめ。(2)任意後見・財産管理契約をする。認知症対策であり、家族が動ける状態を作ることができる。(3)相続登記ができているかを確認する。2024年から義務化し、罰則がある。(4)日本の財産のリストアップをしておく。不動産、預貯金、有価証券など。特にネットバンキングなどはパソコンのパスワードなどを共有しておく。スマホすら開けられないこともある。

 ニューヨーク在住者が知っておくべきことは(1)手続きは日本にいなくても始められる(2)相続、不動産、身元保証、死後事務まで日本の窓口を一本化する(3)誰に頼むかを決める。帰国するかどうかは今決めなくてもいいが、日本の準備は帰国前にしかできないことを知っておくことだ。
オンライン動画https://www.youtube.com/watch?v=P0LDRwYRKTI

エッセイ入賞者を表彰 ストーニーブルック日本センター主催

体験重視、感動的な作品

キヤノンUSA後援

 第21回ストーニー・ブルック日本センター主催、キヤノンUSA後援のエッセイ・コンペティションの表彰式が3日、ストーニー・ブルック大学校内のチャールス・ワン・センターで行われた。表彰式開催にあたり尾島巌ストーニー・ブルック日本センター理事長が同センターの今までの歩みと活動紹介を、そしてデイヴィット・ローベル:ストーニー・ブルック大学学部長、ジャミ・シュルツ:キヤノンUSA副社長、相真紀子ニューヨーク日本総領事館ジャパン・インフォーメーション・センター所長が受賞者への祝辞を贈った。続いて賞状、賞金、副賞のキヤノンのカメラ等が各受賞者に授与され、入賞者は各自の作品を朗読した。近年AIの普及に伴い審査の方向も個人の体験重視の傾向

になり、より感動的な作品が入賞する結果となった。レセプションでは入賞者を囲んで家族、友人等の参加者達が軽食を取りながら歓談し、ラッフルを楽しんだ。

 賞金は高校の部第1位最優秀賞賞金3000ドル並びに日本国総領事特別賞、第2位賞金2000ドル、第3位賞金1000ドル、内田メモリアル賞賞金1000ドル、特別賞3人には各賞金500ドルと入賞者全員に副賞のキヤノン製品が手渡された。

高校の部第1位チェルシー・アラタさん
大学の部最優秀賞テレサ・リーさん

 高校の部は、第1位日本総領事賞(賞金3000ドルとキヤノン・カメラ)チェルシー・アラタ(ローカスト・バレー高校)、2位(賞金2000ドルとキヤノン・カメラ及び多機能フォトプリンター)ヴィーナス・ホアン(スタテン・アイランド高校)、3位(賞金1000ドルとキヤノン・カメラ)メイ・ハチヤ(ハンター・カレッジ高校)。

 大学の部は、最優秀賞テレサ・リー(ストーニー・ブルック大学)、内田賞(賞金1000ドルとキヤノン・カメラ)アナベラ・ガルシア(ストーニー・ブルック大学)。特別賞(賞金500ドルとコンパクト・フォト・プリンター)は、バリー・ジアン(スタテン・アイランド高校)、クロエ・ワン(スタイヴァサント高校)、クロエ・ウォン(スタテン・アイランド大学高校国際学科)。入賞作品は https://www.stonybrook.edu/commcms/japan/programs/essay-comp.php に掲載されている。

(写真上)上段左から(敬称略)尾島巌(ストーニーブルック日本センター理事長)、佐藤恵里子(同執行理事)、デイヴィット・ローベル(ストーニー・ブルック大学学部長)、ジャミ・シュルツ(キヤノンUSA副社長)、相真紀子(ニューヨーク日本総領事館ジャパン・インフォーメンション・センター長)、新木敬子(キヤノンUSAシニアスペシャリスト)ー下段左から(敬称略)チェルシー・アラタ(高校の部第1位、日本総領事賞)、ヴィーナス・ホアン(高校の部第2位)、メイ・ハチヤ(高校の部第3位)、テレサ・リー(大学の部最優秀賞)、アナベラ・ガルシア(内田賞)、バリー・ジアン(特別賞)、クロエ・ワン(特別賞)、クロエ・ウォン(特別賞)。

ふたりぼっち ニューヨークの魔法

 What brought you to New York?

 どうしてニューヨークに来たのですか。

 どこの出身ですか、と同じくらい、ニューヨークではよく聞かれる質問だ。

 あのときも、それが話のきっかけだった。

 九十六丁目の角を曲がったところで、地下鉄の轟音が聞こえたので、駆け足で階段を下り、改札を通り抜けたが、すでにホームに電車の姿はなかった。

 仕方なく向かったホームのベンチには、女の人がひとり、背中を丸め、空を見つめてすわっていた。中南米のスペイン語圏からの移民、ヒスパニック系のようだった。

 今、来た電車はCトレインでしたか、と尋ねると、いいえ。Bよ。私もCを待っているのよ、とその人が答えた。

 週末は地下鉄のルートがよく変わるから、何が何だかわからなくて、と私がぼやく。

 この辺に住んでいるの?  とその人が私に聞いた。

 いいえ。あなたは?

 もっと北のブロンクスよ。

 話していると、Cトレインがホームに入ってきた。私たちは隣にすわった。

 その人はプエルトリコ出身だった。

 What brought you to New York?

 どうしてニューヨークにやってきたの?

 軽い気持ちで、私が尋ねた。

 It’s a long story.

 話せば長いのよ。

 そう言って笑うと、女の人は自分の物語を話し始めた。

 私が生まれる前に、父は母を置いて、家を出ていったの。そして私が八歳のとき、今度は母が私を置いて、家を出ていってしまった。私は母方の祖母に育てられたの。母はひとりでニューヨークに行ったと、あとで知った。十八歳になったとき、母を追い求めて、私もひとりでこの街にやってきたの。

 で、お母さんには会えたの?

 その人は首を横に振った。

 会えるわけがないわよ。この大都会のどこに母がいるか、何の手がかりもなかったんだから。でも、母に会いたい一心で、飛び出してきちゃった。あれからもう二十年もたってしまった。

 そう言うと、みるみるうちに、その人の目から涙があふれ出した。

 ごめんなさい。聞かなければ、よかったわね。

 いいえ。聞いてくれて、うれしかった。

 降りるとき、私が声をかけた。

 You never know. You might run into your mother tomorrow. This is New York. Anything can happen.

 わからないわよ。明日、お母さんにばったり会うかもしれない。ここはニューヨーク。何だって起こり得るんだから。

 その人が笑った。

 Thank you for listening.

 話を聞いてくれてありがとう。

 地下鉄でそばにすわっていた人たちは、その人と私がたった今、出会ったとは、想像もしないだろう。

 でも、それがニューヨークという街でもある。

 そっとしておいてほしければ、群衆のなかでひとりぼっちでいることもできる。でも、誰かと話したければ、ひとりぼっちではなく、ふたりぼっちになれる。それも、地球の反対側からやってきた、見ず知らずの人とでも。

 いつか私がふたりぼっちになりたいときも、きっと耳を傾けてくれる人がいるだろう。

 ニューヨークはなぜか、そんなふうに思える街なのだ。

 このエッセイは、「ニューヨークの魔法」シリーズ第6弾『ニューヨークの魔法をさがして』に収録されています。

https://www.amazon.co.jp/dp/4167717220

鼻下長紳士回顧録 今秋オフブロードウエー公開決定

安野モヨコの漫画を英語ミュージカル化

  安野モヨコのマンガが原作となった英語ミュージカル『鼻下長紳士回顧録』の長期オフブロードウエー公演が今秋開幕することが決まった。同作品のミュージカル化プロジェクトは、2023年春に台本読み合わせを実施し、25年初頭のワークショップを経ての劇場公開となる。

 場所は、「スリープ・ノー・モア」が14年間ロングラン上演を行ってきたニューヨーク・チェルシー地区の劇場が改装され、「鼻下長紳士回顧録」の専用劇場として生まれ変わる。

 演出・振付はトニー賞受賞演出家・振付家のロブ・アシュフォード、作詞・作曲は「春のめざめ」でトニー賞を受賞したダンカン・シーク、脚本は新進気鋭の劇作家リア・ナナコ・ウィンクラーが担当。

 同作品は、20世紀初頭のパリの、変態紳士たちが集う娼館「メゾン・クローズ」を舞台とした作品。2013年から2018年にかけてフィール・ヤング(祥伝社)で連載された。単行本は上下巻が発売されている。第23回文化庁メディア芸術祭マンガ部門で優秀賞を受賞した。

 安野モヨココメント

「鼻下長紳士回顧録」は、人間の欲望や孤独、そして、自分らしく生きることの美しさを描きたいと思って描いた作品です。人の欲望には、その人だけの痛みや願いが宿っている。私はずっと、そういう「簡単には言葉にできないもの」に惹かれ、描いてきました。そんな、とても個人的な衝動から始まった、この作品。描いていた当時は、まさか海を渡り、ニューヨークでミュージカルになるなんて、想像もしていませんでした。自分の中から生まれたとても個人的なものが、たくさんの方々の力によって、国や言葉、表現の形を越えて広がっていくことを、とても不思議で幸せに感じていますし、国も文化も違っても、「自分らしく生きたい」と願う気持ちは変わらないのかもしれません。素晴らしいクリエイターのみなさんによって、『鼻下長紳士回顧録』の世界がどのように立ち上がり、新しい観客のみなさんに届いていくのか、私自身とても楽しみにしています。チケット情報などは後日発表となる予定だ。

オーディションに夢託す 鵜飼優波さん

ダンサー

 ニューヨークを拠点に活動して2年あまり。平日は午前7時からのオーディションの列に並ぶ。ビデオ面接も増えてはいるが、原則はアナログな対面オーディションが毎日4、5本開催される。すべてがブロードウエーでなく、地方巡業やクルーズ客船でのショーなどさまざまだ。これまで3回最終選考まで行った。

 2歳からクラシックバレエと英語、ミュージカルを始め、これまでに『コッペリア』スワニルダ役、『レ・ミゼラブル』コゼット役、そして『Finding Neverland』を原作にした作品『Second Star on the Right』にてシルビア役を演じるなど、数々の主要キャラクターを務めてきた。

 小学生の頃からブロードウエーの舞台に立つことを夢見ていたが、「アジア人には難しいのではないか」と言われた経験があり、大きなショックを受けた。また、ミュージカル『ビリー・エリオット』を初めて観た際に、主人公が自分の好きなことに出会い、夢中になって夢を追いかけていく姿に強く心を動かされ、自分も舞台に立ちたいという思いがより一層強くなったという。

 そんな中でブロードウエーで活躍するアジア人パフォーマーの姿に触れ、「自分にもできるかもしれない」と勇気をもらったことが、今の原動力となっている。

 高校1年の時に1年間、東京都のプログラムに参加してオーストラリアのブリスベーンに近いイプスイッチという町にある現地の高校に通ってダンス、ドラマを選べたのが新鮮だった。海外で生きていきたいという気持ちになったのはこの時だった。2023年にニューヨークのミュージカル学校アメリカン・ミュージカル・アンド・ドラマチック・アカデミー(AMDA)に合格し、歌・ダンス・演技を本格的に学んだ。

 現在はニューヨークを拠点に、グリーン・ルームでのキャバレー出演や、ブロードウエー作品のオーディションに挑戦し、最終審査に進むなど、舞台を中心に活動している。

 将来は、ブロードウエーで活躍する数少ない日本人パフォーマーの一人として、同じように夢を追う人やマイノリティの人に「あなたにもできる」と勇気を届けられる存在になりたいと考えている。「かつて自分が背中を押してもらったように、今度は自分が誰かにとってのその存在になれるよう、これからも挑戦を続けていきたい」という。   (三浦良一記者、写真も)

NY日系人主催 第30回美術展が開幕

 ニューヨーク日系人会(JAA)主催、ニューヨーク日本総領事館後援、第30回「ニューヨークで活躍する日本人・日系人美術家の展」のオープニングレセプションが7日、JAAホールで開催された。出展作家はじめ大勢の来場者で賑わった。佐藤貢司JAA会長の開会の挨拶に続き、ニューヨーク総領事の片平聡大使が祝辞を述べた。

会場で出展作家らと作品を囲んで談笑する山﨑国連大使(左)とNY総領事の片平大使(右)

 今年で30周年を迎える同展覧会で、野田美知代事務局長が初回の展覧会から参加している4人の作家を紹介、篠原有司男さん、澤野水纓さん、依田順子さん、依田寿久さんの4人に大使から感謝状が贈られた。また特別展示として飯塚国雄、中里斉、内間安せい、内間俊子、和田スティーブの故人の作家の作品も披露され、懐かしい見慣れたタッチの絵に見入るファンも多かった。故人の作家、内間安せい、内間俊子夫妻の子息、内間安樹・洋子夫妻が参加したほか、中里斉さんの妻、すみさんも来場した。会場には、山﨑和之国連大使、経済学者のポール・シェアードさんらも姿を見せ、出展作家の作品を楽しんでいた。展覧会は23日(土)午後3時まで。入場無料。展示されている作品は販売されており、販売価格の半額がJAAに寄付される。野田事務局長によるとオープニングレセプション初日だけで10点の作品が売約済みとなったという。

 出品アーティストは次の通り。林幸江 、廣瀬ジョージ 、平之内美穂 、廣瀬公美 、百田和子、 市村しげの、小林園実、久住真理子、三浦良一、森本洋充、森戸泰光、永野みき、野田正明、大野廣子、小野知美、作山畯治、佐々木健二郎、佐藤正明 、澤野水纓、篠原空海アレックス、篠原乃り子 、篠原有司男、鈴木克美 、竹田あけみ、渡辺啓子、依田順子、依田寿久、依田洋一朗。

編集後記

編集後記

 みなさん、こんにちは。 ニューヨークのナイトライフはオペラやミュージカルと華やかですが、ジャズもまたNYならではのエンタメアートです。イーストビレッジに蘇った伝説のジャズクラブ、ファイブ・スポット・ジャズ(東9丁目231番地)もそれの一つで、2日夜、ゴールデンウイーク日本週間特集としてボーカリストのMonday満ちるとそのトリオがライブ公演しました。2部構成で一部では母で世界的なジャズピアニストの秋吉敏子と夫のサックス奏者ルー・タバキン夫妻が客席で見守る中、秋吉が最後に弾く定番のHIROSHIMAを披露し、秋吉が涙する姿もありました。満ちるは、自身のアルバムから「ミステリー・オブ・ザ・ライフ」などを熱唱しました。

 同店は、1950年代後半にNYダウンタウンにあったジャズクラブ、ファイブ・スポット・カフェを甦らせたいと、市内で手広くレストランを経営するTICグループの八木ボン社長が、普段は同社が営業する「ハイカラー(Hi-Collar)」を特定の夜に照明を落としてライブ音楽を響かせてジャズクラブとして復活させたものです。スタイリッシュでコンパクトな和風カフェで、最高級のコーヒー、オムライス、厳選された日本酒やウイスキーを提供しています。


 ジャズベーシストの中村照夫やトランペットの日野皓正、日本を代表するジャズ・ギタリストの川崎燎らが演奏したかつてのジャズスポットを再現した店で演奏を聴くのもよし、演奏をするのもよし、歌うのもよし。ビレッジ・バンガード、ブルーノート、スモールズはじめ、特にニューヨークで活躍している多くのジャズミュージシャンにとっては演奏披露できるベニューがまた一つ加わったと言えるでしょう。 それでは、みなさんよい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)

【今週の紙面の主なニュース】(2026年5月9日号)

(1)NY飲食業界が悲鳴 保険料の急激な高騰

(2)土曜日にまってるぜ! 9日にジャパンパレード 

(3)一風堂が最上級店「五行」をNYに

(4)アメリカの原風景に出会う 八神純子が旅するルート66 (2)

(5)円と国債は守れるのか、静かに進む経済非常事態

(6)鈴木長崎市長 NYタイムズに感謝伝える

(7)ゆるめて整う、母の時間 山並絵美さん

(8)ハリソンで日本祭り 6月7日(日)開催へ

(9)ファイブ・スポット・ジャズ Monday満ちるトリオがライブ

(10)スケバン女子プロレス 世界王者決定戦

NY飲食業界が悲鳴 保険料の急激な高騰

説明責任求める法案も

 ニューヨーク日本食ホスピタリティ協会(JFHANY、木下直樹会長)は4月30日、加盟するニューヨーク市ホスピタリティ協会(NYCHA)が市議会公聴会で、保険業界の説明責任強化に関する法案「Introduction 0685-2026」を支持したと発表した。

 これは、ニューヨーク市のレストラン、バー、ナイトライフ業態は、急激に上昇する保険コストに直面しており、事業継続そのものが脅かされていることを受けての対応。

 ジュリー・メニン市議会議長、複数の市議会議員、および業界関係者とともに、NYCHAは市庁舎にて、法案「Introduction 0685-2026」を支持するため、公聴会に先立ち記者会見に参加した。

 同法案は、DCWP(消費者・労働者保護局)内に「保険説明責任オフィス(Office of Insurance Accountability)」を設立し、保険料の高騰に関する調査、透明性の向上、小規模事業者へのガイダンス提供、そして市場の安定化に向けた政策提言の策定を目的としている。近年、ニューヨーク市のホスピタリティ業界では、保険料の大幅な上昇に加え、免責額の引き上げ、補償内容の制限、さらには契約更新の拒否といった問題が発生しており、最新の業界調査でも最も大きな懸念事項の一つとして挙げられている。

 発表によると、ニューヨーク市内の一部事業者では賠償責任保険のコストが急激に上昇しており、事業者の例として月額保険料が約2000ドルから4000ドルへと倍増した事例も紹介している。本法案は保険料を直接引き下げるものではないが、コスト上昇の要因を明確にし、より広範な制度改革に向けた基盤を築くための重要な一歩となるとしている。JFHAの木下会長は「協会としては今回の保険代高騰のみならず、業界としての問題の共有、解決に向け、随時メンバー向けにセミナーを開催している。ぜひ協会に加入して頂き、共通の悩みの解決に向けて一緒に取り組んでいきたい」と話している。現在会員は70社。
詳細はhttps://jfhany.org/