コニーアイランドで人魚パレード

♥うちら♪陽気なロブスタ娘♪

 夏の到来を告げる「第44回マーメイド・パレード」が20日、ブルックリンのコニーアイランドで華やかに繰り広げられた。パレードは、コニーアイランドの100年にわたる華やかさとユニークな魅力を称え、市内5区だけでなく遠方からも参加する芸術的ビジョンと起業家精神を讃える催しだ。人魚や深海魚、幻想的な海の生き物を描いた独創的な手作りコスチュームにはロブスターも=写真=。マーチングバンドやダンスグループ、機械仕掛けの山車などを数千人の観客が声援を贈った。(Photo: Gregory D’Agostino)

「二人の母」が切り拓く未来 クィアの美容師 細野まさみさん

 多彩な個性が集まるニューヨークの美容界で、独自の存在感を放つ美容師がいる。イーストビレッジでサロンを経営する細野まさみさん。自身もクィアとして、性別不問の一律料金など、誰もが自分らしくいられる空間を生み出してきた。そんな細野さんは昨年、イギリス人の女性パートナーが精子提供を通して出産したことで一児の母となった。「二人の母」としての現在地、そして歩む未来に迫った。

 丁寧かつ速いカット、くせを生かしたスタイルが評判の細野さんのサロン。SNSで育児の発信をするようになり、客層もクィアの親が増えるなど変化が現れている。母になり、仕事への向き合い方は変わったのかを問うと、確かな実感を込めて言葉を紡いだ。

細野:「以前はサロンを大きくしたい『夢』がありましたが、子どもが生まれたことですべて打ち壊され、尖っていたものがなくなりました。地位を築くためではなく、おむつやデイケアなど『この仕事が家族の生活を支えている』と思うと、一人ひとりのお客さんへの感謝の気持ちがより大きくなりました」

 人種も性も多様なニューヨークに惹かれ2012年に移住。当たり前のようにLGBTQの人たちが共存している姿を見て、自身のアイデンティティに自信を持てるようになった。 出産までは数々の壁があったが、乗り越えた経験は家族の愛と絆を深めたと語る。一方で、日本へ戻る可能性を問うと細野さんは表情を曇らせる。

 細野:「戻りたくても、いまの日本は法律上結婚できません。アメリカでは家族ですが、日本では法的に認められず、異性愛の国際結婚の夫婦であれば認められる権利や制度を得られないんです」 

 また、日本へ旅行した際には、複雑な思いを抱いた経験もある。

細野:「娘と二人だと、無意識に『父親は白人男性だろう』と想定されることがあります。家族でいても、パートナーに対して『お友達ですか?』と聞かれ、『家族です』と答えても、相手は困惑していましたね」

 故郷の現状に葛藤を抱えつつも、未来への希望を次世代へと託す。

 細野:「Z世代やアルファ世代に期待しています。若者たちは政治や社会問題をタブー視せず、SNSで世界中と繋がっています。国境を越えてミックスされている世代の子たちに、これからの社会を変えていってほしいです」 

 自身も日本語での発信を続け、「同じ立場の人たちの希望になれたら」と願う細野さん。いまの夢は、いつか6月のプライドマーチに家族3人で出かけること。多様な愛が街を彩るそのパレードのなかに、家族の歩む未来が待っている。 (川﨑理加、写真も)

【ことば解説】クィア=同性愛者などを含む既存の性の枠組みにとらわれない多様な性のあり方を持つ人々の総称。

民舞座がアジア連携舞踊 「仮面とベールと水」テーマに

 日本各地の伝統芸能の踊りをニューヨークで踊り続けるジャパニーズ・フォークダンス・インスティチュート・オブ・ニューヨーク(民舞座)が主催する舞踊公演「Dances of Woven Water」が、20日と21日の両日、トライベッカにあるBMCCトライベッカ・パフォーミング・アーツセンターで開催された。民舞座が日本の踊りを披露したほか、インドネシア、ハワイ、韓国などアジア・太平洋地区の伝統ある民族舞踊も披露された。古くから伝わる伝統的なアジア諸国の踊りを紡ぎ合わせて現代を照らし出した。「Dances of Woven Water」は、アジア・太平洋地域の伝統舞踊のつながりに光を当てるシリーズの第2弾。今回は「面やベールを用いた舞踊」や「水をテーマにした舞踊」という切り口から、AAPI(アジア系アメリカ人および太平洋諸島系アメリカ人)の伝統の間に見られる類似性をさらに深く掘り下げている。

 民舞座芸術監督の鈴木ケビンさんは「仮面やベールを用いた舞踊は、多くのアジア太平洋諸島の伝統において不可欠な要素であり、しばしば人類が神聖な存在に近づこうとする試みを反映しています。今日上演される舞踊は、面をつけることにより踊り手が神や権威者の前で謙虚さを示すか、あるいは自ら神を体現するかのいずれかの形で表現されます」と話す。

 その言葉通り、最初に出てきたのは「相川音頭」だった=写真中央=。この踊りは、新潟県沖合の孤島、佐渡島を起源とする音頭。かつて流刑地であったこの島では、数世紀前、日本各地から囚人が集められ、豊かな金鉱床を採掘する終身の重労働を強いられていた。この踊りは、囚人たちが新しい看守に慈悲深い態度を期待して踊ったものだという。元々は看守の前で顔を覆うために布をまとって踊られていたが、現在は菅笠をかぶって踊られている。踊りの動きからは、佐渡島を取り囲む荒波を想像することができた。顔を見せないことでより強い踊り手の想い、抑制された動きから逆に迫力のあるメッセージが伝わってくる。民舞座の創設者で同じく芸術監督を務めた鈴木百さんは「今回は本当にみんな頑張って練習してくれました」と笑顔で舞台後に姿を出して詰めかけたファンや観客と歓談していた。日本の踊りとしては岩手県の鬼剣舞、秋田県の西馬音内盆踊り、鳥取県の傘踊り/貝殻節、山形県の最上川音頭、熊本県の牛深ハイヤ節が披露された。環太平洋アジア系を民族文化である伝統舞踊の環で結んだ取り組みに、客席を埋めた大勢のアジア系の観客から大きな拍手が湧いていた。 (三浦)

写真・植山慎太郎

日本のスタートアップ企業が米国の投資家を得る方法

日本のスタートアップ企業が米国の投資家を得る方法


 日本クラブ、Reinvent NY 共催による「第3回ニューヨークビジネスパーソンの会 2026夏の陣」が18日、日本クラブで開催された。NYで活躍する日本人ビジネスパーソン同士の交流を目的としたコミュニティイベントで、ゲストスピーカーは、ベンチャーキャピタリスト&テクニカルアドバイザーの伊藤豪氏(慶大理工学部卒でソニーグループ社員を経てクエストベンチャーパートナーズ・ゼネラルパートナー)。講演では「米国VCはスタートアップの何を見て評価しているのか」について幅広い知見から解説した。

【講演内容は次の通り】

 AI企業の収益は、他のセクターの約10倍という驚異的なスピードで拡大している。収益100Mドル達成期間はドットコム時代は約10年、SaaS時代は約5年、AI時代は約2年で達成。一方でIPO(新規株式公開)は、2021年のピーク以来激減し、セカンダリー市場の拡大を背景にスタートアップ企業にとってIPOが必ずしもゴールではなくなっている。セカンダリー市場は投資家への流動性提供において急速に成長している。市場は、AI関連セクターに集中する投資と、その他セクターへの限定的な投資と明確に分かれる。

米国のVCは、スタートアップの何を見て評価しているのか

なぜ米国VCからの資金調達は難易度が高いのか。

結論:伝え方の違いにある。

 米国VCからの資金調達が難しいのは、技術やアイデアそのものよりも「伝え方」「物語の組み立て方」にズレがあるからだ。日本のスタートアップの技術力やプロダクトは、米国に対して決して劣ってはいない。むしろ多くの起業家が持つ「志」と「現場の強さ」はそのままで勝負できる素材だ。しかし、投資ゴール(投資哲学)の違いがミスマッチを生む。日本と米国とでは、投資家が「どんな勝ち方(イグジット)を求めているかが違う。日本は「打率」と「リスクマネージメント」。米国は「スケールするスピード」と「リターンサイズ」だ。

 米国VCが重視する「初期の評価軸」は、実績のない初期段階において「ホームランの匂い」がするかどうかを次の3点で嗅ぎ取る。(1)創業者の人柄。誠実さ、粘り強さ、学び続ける姿勢(2)数兆円規模の巨大なビジョンと「なぜ今なのか」というタイミング(3)成長のスピード。(1)について米国のVCが最も知りたいのは「創業者の不公平な優位性」だ。つまり米国の投資家は、初期段階の企業のアイデアは「必ず方向転換(ピボット)する」ことが分かっているので、「アイデアやプラン」ではなく「起業家自身」に投資する。その起業家がこの市場で、世界の誰よりも勝てる理由、その人だけが苦労して得た「業界のまだ誰も気づいていない真実は何か?」「他人が真似のできないあなたの武器は何か?」「あなたを突き動かしているものは何か?」

 このような質問を通して創業者がUnfair Advantage(不公平な優位性)を持っているのかどうかを見極める。また創業者の失敗から立ち上がる回復力、タフさも米国のVCが重視する要素の一つだ。

 創業者は1人より複数がベター。1人創業は燃え尽きて終わるリスクがあり、「作る人」と「売る人」との補足関係を見て対等に近いフラットな資本関係を好む。そして米国のVCは収益計画は見ない。今後3、5年の収益予想は「必然的に間違っている単なる妄想」と見られる。日本の場合は、創業初期段階であっても、売上高、人員計画、今後3、5年の収益化に向けたロードマップを作りがち。米国VCは「スピードと仕組み」に着目する。例えば最初の100人の顧客を獲得する方法などだ。「人を雇わずに、製品自体が自己増殖的に売れる仕組み」を構築できるスタートアップが今後の勝者となる。

 最初の5分が全て

 「チェックポイント」を突破する。米国の投資家は、最初の5分で「このピッチを最後まで真剣に聞くか」を求めている。彼らが探しているのは、優秀なプロダクトマネージャーではなく、業界のルールを書き換えるビジョナリーだ。求められるのは、プレゼンテーションの冒頭で、想像力を掻き立てるような「大胆なビジョン(強烈な大風呂敷)」を語ること。ただし、その最終目標に到達する方法を知っている理由を説明できる必要がある。

 致命的なミスは、「我々のプロダクトは競合より効率的だ」という斬進撃な改善から話し始めること。

 大風呂敷の広げ方は、まず必然の未来を断言する。例「10年後、この業務を人間がやっている世界は存在しません。我々がそれを終わらせます」。敵を巨大に設定する。投資家自身に「もしこれが本当に実現したら、とんでもないことになる」と計算させる。そして最初の5分間の目標は、投資家に「今すぐ参加しないと、歴史的なリターンを逃してしまう」という「機会損失への恐怖を煽る」ことだ。

 最後に「日本の控えめな表現や目標設定は、米国では自信がない、ビジョンが小さいと見なされるので、あなただけが持つ「不公平な強み」を武器に、AI時代における高い資本効率を実証し、自信を持ってグローバルなストーリーを語って欲しい」と述べた。

 講演後はネットワーキングの時間が設けられ参加者同士が懇談した。参加者からは「生々しい話が聞けて貴重な機会だった」「日本の学校教育では教えない内容だ」といった声が聞かれた。当日は、総合商社、弁護士、映像作家、公認会計士、報道関係者、起業家、デザイン業界など多方面の業界から若手ビジネスパーソンが参加し、熱心に聴講した。

最初の5分間のアプローチにおける日米の「伝え方の違い」

【典型的な日本のピッチ】

冒頭に会社概要、チームの経歴、丁寧な挨拶。課題の捉え方は「既存製品への不満」。話し方は「謙虚、論理的、リスクを抑えた説明」。情報の出し方は「結論(ビション)を後半に持ってくる。

【勝てるUS向けピッチ】

冒頭に衝撃的な事実、巨大な問いかけ、ビジョン。課題の捉え方は「パラダイムシフトの欠如(業界構造の破壊)、話し方は「パッション、絶対的な自信、劇場型」。情報の出し方「最初に兆円規模の未来」を見せる。

夏にさっぱり美味しくいただく3品 生き生きEATS

プロに聞く、生き生きEATS(イーツ)

元気と美味しいを求めて料理の達人が腕を振るう (67)

 今月の生き生きEATSは、ウエストチェスター郡ハリソンの日本食料品店おいしんぼの店主、高田英紀さんに、夏にサッパリの冷やし中華、新鮮なお刺身を使った簡単ちらし寿司、ご家庭でもできる夏の抹茶アイスかき氷をご紹介します。ハリソンでは先ごろ地元ハリソン高校の日本人生徒たちが中心となって夏祭りが開催されましたが、地元商店として生徒たちの相談役として応援していたのが高田さん。賑わうお店の時間を借りて、美味しい3品を店内キッチンで作っていただきました。

Oishinbo

283 Halstead Ave, Harrison, NY 10528 

(914) 835-4390

https://www.instagram.com/oishinbo_ny


◾︎冷やし中華

 冷やし中華のタレは、簡単に作れます。火を使わずにボウルに入れて混ぜるだけなので、いつでも手軽に

本格的な味わいが楽しめます。さっぱりとした定番の味を楽しみたい方に最適です。

【材料】2人前

錦糸卵または刻んだ卵焼き 1個分

きゅうり 短冊切りで1/3本

ワカメ 少々

カニカマ 2本

コーン 少々

刻みネギ 少々

ハム(お好みで)

紅生姜(お好みで)

胡麻だれ

炒りごま 大さじ4

醤油 大さじ5

オイスターソース 大さじ1

砂糖 大さじ4

酢 大さじ4

はちみつ 小さじ1と1/2

鶏ガラスープの素 小さじ1

すりごま 大さじ3

塩 小さじ1/4

ごま油 大さじ1と1/2

水 大さじ 3

【作り方】冷やし中華のタレ

(醤油タレの場合)醤油:お酢:水:砂糖:胡麻油=3:3:3:2:1の割合で混ぜ合わせるだけ。

(胡麻だれの場合)材料を全て混ぜ合わせて完成です。


◾︎ちらし寿司

【材料】2人前

酢飯 丼2杯分を冷ます

刺身=サーモン、イカ、はまち、トロ、赤身、アボカド、イクラ、ウニ、玉子焼き、生姜(ガリ)、大葉、わさび。

【作り方】

 一番簡単なのはお店で「刺身盛り合わせ」のパックを複数利用して盛り合わせるのが経済的。個別に柵で買う場合は、研いだ包丁で、購入時に刺身スライスにしてサランラップで2枚ずつラップしてトレーに戻して冷凍。食べる時に合わせて2時間の自然解凍で新鮮なお刺身が蘇ります。今回のウニはメイン州からの直送でおいしんぼで特売中とのこと。ガリは既製品で白とピンクお好みで。大葉(しその葉)は、イカと相性がよし。


◾︎かき氷

【材料】

家庭用かき氷器があればベスト。ない場合はスキップ。

抹茶(はちみつ入り)かき氷シロップ。

こしあん(缶詰)

バニラアイス 1スクープ

【作り方】

 製氷皿で作った氷をビニール袋に入れてハンマーで叩いてサイコロくらいの大きさに砕く。

 かき氷器があれば氷をシャーベット状にする。ない場合は、さらに細かく氷をハンマーで砕いて、氷菓子風に器に盛り付け、こしあん、バニラアイス、シロップをかけて出来上がり。

州議会訪問し意見交換 NY日系コミュニティの代表団

経済・文化貢献を説明

日系公民権運動も紹介

 ニューヨーク州の州都オルバニーで5月28日、日系コミュニティの代表団が州議会議事堂内の上下両院本会議場を訪問するとともに、上下院議員と意見交換した。また、同日夕刻には、アジア太平洋諸国系米国人(AAPI: Asian American and Pacific Islander)ヘリテージ月間を祝賀するレセプションを開催した。

 同日午前に州下院本会議場、午後に州上院本会議場において議場紹介を受けた。下院では、アンジェロ・サンタバーバラ下院議員が、日本とNY州の強固なパートナーシップを称えるスピーチを行った。上院では、クリスティン・ゴンザレス議員が、自身の日本との繋がりや、5月に開催された「第5回ジャパン・パレード」に出席した際のエピソードを交えつつ、代表団を歓迎した。

(写真上)サンタバーバラ下院議員と日系コミュニティ代表団

 また同日午後、州議会議員6人とのラウンド・テーブルを開催した。会合では、AI専門家の吉平健治氏から「AIによる働き方の再設計」に関するプレゼンテーションが行われ、それを受けて、AI普及に伴う労働環境の変化への対応やNY州と日系企業・団体との間の連携の強化について活発な議論が交わされた。

 また同日夕刻、片平聡在ニューヨーク日本国総領事・大使は、ラリー・エヴァンス在オルバニー日本国名誉領事及び州上下院議員らと共にAAPI祝賀レセプションを開催した。

 同レセプションには、日系企業・団体関係者、AAPIコミュニティ関係者、州議会議員、州政府高官など約80人が参加した。

 会場では片平大使及びエヴァンス名誉領事からNY州における日本の貢献が紹介されたほか、佐藤JAA会長から日系人フレッド・コレマツの公民権運動を称える「フレッド・コレマツ・デー」制定法案採択に向けた取り組、為田JCCI会頭から「ジャパン・パレード」などの日系コミュニティの活動が紹介され、ウォーカージャパン・ソサエティー理事長からは日本の経済的貢献や文化浸透に触れつつ日系コミュニティを歓迎し、関係を深化させる必要性が強調された。

 これに対し、ゴンザレス上院議員、リュウ上院議員、セプルヴィーダ上院議員からは、日系コミュニティとの関係強化への支持が表明されるとともに、日本とのパートナーシップの更なる強化への意欲が示された。

 会場では、日本各地の観光展示や横浜市の「GREEN×EXPO 2027」のPRが行われる中、寿司やNY州産清酒を含む上質な酒と焼酎のテイスティングが提供され、出席者の間では日本に関する多岐にわたる話題で歓談が和やかに行われた。

 ◇

 日系コミュニティ代表団参加者は次の通り。

 片平聡NY総領事・大使、

佐藤貢司NY日系人会(JAA)会長、タケシ・フルモトJAA理事、小風華香 JAA理事、JMSA理事、USJC会員、ジョシュア・W・ウォーカー・ジャパン・ソサエティー理事長、ブラッドリー・エドミスター・ジャパン・ソサエティー理事、為田耕太郎NY日本商工会議所(JCCI)会頭、町田敬司JCCI理事、前田正明JCCI事務所長、三浦聡独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)NY事務所長、松本将独立行政法人国際観光振興機構(JNTO)NY所長、吉平健治氏(AI及び日米イノベーション・エコシステム専門家)。

ラウンド・テーブルで意見交換

日系不動産業界の交流を促進 西田花蓮さん

OKADA & CO. アソシエイト
JAREC事務局兼任

 ニューヨークを拠点に商業不動産仲介を行っているOkada & Companyの西田花蓮さん(24)は、名古屋生まれの名古屋育ち。ニューヨーク大学を卒業して商業物件の世界の最高峰マンハッタンで現在活躍中だ。母親がアメリカ人で日本で父親が不動産投資する姿を見て興味を持った。大学では家庭学と建築がどういう心理的な作用を及ぼすのかを卒業論文のテーマにした。ホームという括りにこだわりがあったので不動産でも自分はレジデンシャルに進むのかと思っていたが、インターンシップの会社が全て商業不動産関係の会社だったため「何かしら運命的なものを感じた」という。

 2010年代後半、ニューヨークの日系・日本人不動産関係者同士の交流と情報共有の場を作りたいという思いから、現在勤務するOkada & Company代表のクリス・オカダ氏が「Japanese American Real Estate Club(JAREC)」を立ち上げた。当時は、同じ業界で活動していても互いの存在を知る程度で、業界横断的な交流の機会がほとんどなかった。そこで不動産に関わる関係者が定期的に集まりを開催し、業種や会社の垣根を越えた親睦を深めていた。しかしコロナ禍の影響で活動を休止し、その後長らく再開できない状況が続いた。

 先月、約6年ぶりにその集まりを再び開催することができた。西田さんは、クリス代表から同社が行なっていた不動産交流会の再開の任務を任された。今回多くの人々に参加してもらえ、大変有意義な時間を過ごすことができたという。古本不動産の古本武司会長やJ.ONE不動産の山辺亜紀社長ら老舗の不動産関連事業者や日系企業、小売業界など、さまざまな分野からの参加があった。

 西田さんは「この会は企業単位での参加だけでなく、ビジネスパーソン個人での参加も大歓迎です。日系企業だけにとどまらず、例えば米系企業に所属する弁護士や公認会計士などアメリカのビジネス社会で活躍する日本人プロフェッショナルの方々など、私どもが把握できていない日系人材にも数多く参加していただければと思っています」と話す。今回は、NBAのニックスの53年ぶりの優勝大パレードを見下ろす自社オフィスに取引先関係者やJARECのメンバーを招いてパレードのお祝いイベントも開催した。

 1960年代、70年代、代表のクリスさんの父親の岡田初代社長は、ニューヨークの商業不動産業界では多くの有名物件を扱う老舗不動産として名を馳せた人物。二代目のクリスさんを支えている同社勤続18年の番頭役、エージェントの岩田洋明さんが西田さんのサポート役として支えている。ここ3、4年でマンハッタンのビジネスオフィスの空室率は10%を下回るほど戻ってきているという。マジソン街には日本からの大型投資でどんどんとビルが建設される勢いだ。

 ニューヨークの不動産の特徴を聞くと「不動産の面で言うとニューヨークでしか勝たない。世界中が落ちていってもNYは落ちていかないのが面白いですね。ニューヨークは人が多くて孤独なこともありますが、日本から来たばかりの人も含めてぜひJARECに参加して欲しいです。自分自身がNYに来たばかりの時の気持ちが重なるのでお役に立ちたいです」と笑顔を見せた。

 (三浦良一記者、写真も)

ジミヘン通り正式に グリニッジ・ビレッジ西8丁目

 グリニッジ・ビレッジの西8丁目が10日、正式に「ジミ・ヘンドリックス・ウエィ」と命名された。

 天才ギタリストの故ジミ・ヘンドリックスは1968年、同地に収録スタジオ「エレクトリック・レイディ・スタジオズ」創設計画を立てたが、開設の2か月前に本人は27歳で死去した。運営危機をも乗り越え、同スタジオではパティ・スミスやスティービー・ワンダー、デヴィッド・ボウイ、ローリング・ストーンズを含む著名アーティストたちが名曲を生み出した。NY市ディストリクト2を代表するハーベイ・エスペインNY市議会議員は、ヘンドリックスの偉業と音楽業界に対する貢献を称え、同一角を「ジミ・ヘンドリックス・ウエィ」と命名する法案を提出した。同時にヘンドリックスの遺族が経営する事務所エクスペリエンス・ヘンドリックスは同法案を支援する署名運動を行い、NY市議会の承認に至った。

 ストリート名掲示の当日は、朝から式典会場の西8丁目と6番街の角に多くのファンたちが集結し、エスペイン同議員が司会を務めた式典には、NY州議会議員、マンハッタン区長、音楽関係者たちが出席し、故人への思いや思い出を伝えた。同イニシアチブは同時に、ミュージシャンのスティーヴン・ヴァン・ザント、ボノ、ジャクソン・ブラウン、ブルース・スプリングスティーンそして映画監督のマーティン・スコセッシが設立した音楽を通して若者の生活向上を支援する非営利団体ティーチロックと提携し、NY市内の学校に音楽やポップカルチャー、歴史や言語など500以上の無料カリキュラムを提供する。なかにはヘンドリックスのR&Bとブルースのルーツ、ロックミュージックに与えた革新的な影響、ライブパフォーマンスを学ぶ中高生を対象にした科目「ジミ・ヘンドリックス:ロックの先駆的なイノベーター、影響的なギタリスト」もある。

編集後記

編集後記

 みなさん、こんにちは。ニューヨークの夏は野外コンサートの季節です。今年も1960~70年代に活躍した往年のスターたちが続々と来演し、洋楽ファンには見逃せないシーズンとなりそうです。
 ロングアイランドの海辺にある野外劇場、ジョーンズビーチシアターでは、7月2日にドゥービー・ブラザーズとサンタナが共演する「ONENESS 2026TOUR」が開催されます。「Listen to the Music」「What a Fool Believes」など、アメリカン・ロックの名曲を生で楽しめます。チケットは67ドル前後からと嬉しいリーズナブルなお値段。


 続いて7月23日には、ブラスロックの代表格、シカゴがスティクスと共演。「Hard to Say I’m Sorry(素直になれなくて)」「If You Leave Me Now(愛ある別れ)」など、日本でも親しまれてきたヒット曲の演奏が期待されています。さらに7月31日にはロッド・スチュワートが登場。サポートアクトにリチャード・マークスを迎え、「Sailing」「Maggie May」など半世紀以上愛される名曲を披露する予定です。今回のツアーは大規模ツアーとしては最後になる可能性も報じられており、チケット料金は75ドルから300ドル。


 また、先月号で報じたクイーンズのフォレストヒルズ・スタジアムでは、ポール・サイモン(7月8日)やボブ・ディラン(7月19日、チケット119ドルから)の公演も予定されており、ニューヨーク近郊はまさに往年のロックファンにとって夢のような夏となります。青春時代にラジオやレコードで親しんだ名曲を、本場アメリカの野外会場で直に味わえる絶好の機会でもあります。

 アメリカに住んでいて良かったと思えるのは、懐かしの洋楽を安く、オリジナルのミュージシャンで聴けることでしょうか。まだかなり存命ですからね。ただザ・モンキーズのメンバーが、ミッキー・ドレンツ以外いなくなっちゃったのは悲しいですが、まあ、彼一人でも「アイム・ア・ビリーバー」は歌えますし。NYでは、これまでシルヴィ・バルタン、ダイアナ・ロス、「シーズン」のゾンビーズ、アース・アンド・ファイアなども聴けましたよ。日本だとどれも値段が高そうですからNYにいる間に聴きましょう。チケットはチケットマスターで。https://www.ticketmaster.comそれではみなさん良い週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)

【今週の紙面の主なニュース】(2026年6月20日号)

(1)FIFA決勝無料観戦5万人 セントラルパークで

(2)サムライブルー頂点に挑む

(3)ニックス優勝パレード 18日にダウンタウン行進

(4)子どものリュックを背負った男 ニューヨークの魔法

(5)ホールフーズNYC全店に SALTFIELDS BREWING  

(6)やさしいにほんご

(7)北米最大の日本映画祭 ジャパンカッツ開幕へ

(8)この夏、NYで聴く往年の名曲続々

(9)小柄な体型を武器にステージに  網永真夏さん

(10)  日豪友好協力基本条約から半世紀  NYで記念座談会

FIFA決勝無料観戦5万人 セントラルパークで

 ニューヨーク市は、7月19日(日)に行われるFIFAワールドカップ2026決勝戦に合わせ、セントラルパークのグレートローンで無料のパブリックビューイングを開催すると発表した。会場には約5万人を収容でき、世界最大級のワールドカップ観戦イベントの一つとなる見込みだ。

(写真提供・NY市長室) Ed Reed/Mayoral Photography Office.

 チケットは無料だが事前登録が必要で、Global Citizenが抽選方式で配布する。一般向けチケットのほか、一部は地域の非営利団体やボランティア向けに確保される。応募の受付は6月11日から7月16日(木)。当日会場には大型LEDスクリーンが設置され、ライブエンターテインメントや飲食販売も予定されている。

 また、市とFIFAは大会期間中、セントラルパーク内に期間限定のミニサッカーコート「FIFA Arena」を開設した。7月18日まで一般に無料開放され、子ども向けサッカー教室や地域トーナメント、自由参加型のプレーイベントなどが行われる。

 今回の取り組みは、試合会場に行けない市民にもワールドカップを楽しんでもらうことを目的としている。ニューヨーク市はすでに5区での無料ファンイベント開催や、参加レストランで手頃な価格のメニューを提供する「$26 for 2026」キャンペーンなども発表し、市全体で大会の機運を盛り上げている。

 市当局は「ワールドカップは一部の人だけのものではなく、すべてのニューヨーカーが参加できるイベントであるべきだ」としており、この夏は市内各地でサッカー関連イベントが開催される予定だ。セントラルパークでの決勝戦観戦イベントは、多くの市民や観光客にとって忘れられない夏の思い出となりそうだ。

https://www.globalcitizen.org/en/events-broadcasts/fifa-world-cup-final-watch-party

サムライブルー頂点に挑む

着て応援!

日本コーナーも人気

 FIFAワールドカップの開催を受けて、ニューヨーク市内のスポーツ店や運動靴店では、各国のユニフォームが販売されている。

 マンハッタン五番街46丁目のアディダスのフラッグシップ店内には、色とりどりの各国カラーのユニフォームやバッグ、グッズがずらりと並び、大勢の来店客で賑わっている。日本チームのサムライブルーも150ドルで販売されている。着て応援すればチーム一体感を満喫できそうだ。

初戦は上出来!

NYで歓声響く
日系3団体共催応援会

 グループリーグF組の日本の初戦は14日、オランダを相手にテキサス州ダラス会場(アーリントン)のAT&Tスタジアムで行われ、ニューヨークの日系コミュニティーでも観戦イベントが開かれた。

(写真上)終盤の同点ゴールに大歓声が上がったマンハッタンの応援会場(14日、写真・三浦良一)

 マンハッタンでは、ニューヨーク日本商工会議所、日本クラブ、ニューヨーク日系人会ヤング・プロフェッショナルズ3団体共催による応援イベントが西35丁目27番地にあるプレイライト・アイリッシュパブで行われた。会場には佐藤貢司NY日系人会会長はじめ日本チームを応援する日米150人あまりが詰めかけた。また、同時間帯、ブルックリンでは、サントリー・ザ・プレミアム・モルツが、ジャパンビレッジでパブリック・ビューイングを開催し、大勢の応援観戦客が訪れた。両会場共に、日本が終盤間際に同点ゴールを決めると割れんばかりの大歓声があがった。

 優勝候補の一角とされるオランダ相手に2対2の引き分けで勝ち点1を獲得、決勝トーナメント進出へ向けて好スタートを切ったことに詰めかけたマンハッタンで応援の日本人ファンからも「これでいい、上出来だった。まずは良かった」という安堵の声が聞かれた一方、「オランダは明らかに故意に足を引っかけたり体当たりしているのにレフリーが知らん顔の場面がいくつかあり、ケガをした久保選手が心配だ。あれは一発レッドでも良いはずなのに、ファールも取らないし、監督もおとなしすぎると思った」という声も聞かれた。

 また別の観客からは、オランダご訪問中の天皇皇后両陛下がオランダ国王の城で観戦していたことに思いを馳せ、「日本、オランダ双方共に大健闘の末の引き分けだったので、外交的にはベストだったのではないか」という声も聞かれた。

 F組では同日、スウェーデンがチュニジアを5対1で下した。日本の次戦はチュニジアで、21日午前0時(米国東部時間)にメキシコ・モンテレイで対戦する。

「FIFA W杯観戦準備を」

NY日本総領事館特設ページを公開

 在ニューヨーク日本国総領事館は、FIFAワールドカップを観戦する日本人に対して注意事項を発表した。試合会場のうち、メットライフ・スタジアム(今次大会においてはニューヨーク・ニュージャージー・スタジアム)及び リンカーン・ファイナンシャル・フィールド(同フィラデルフィア・スタジアム)は、同領事館の管轄地域にある。当地への滞在に向けて、あらかじめ準備しておくべきこと、試合観戦での留意事項等は次の通り。

●決済手段の確保(カード・スマートフォン決済)

 スタジアム内の決済は「完全キャッシュレス化」されている(現金不可)。グッズ、食事や飲み物の購入のためには、クレジットカード、デビットカードやタッチ決済(ApplePay、Google Wallet 等)による支払いが求められる。

●移動・試合観戦に関する注意事項

 スタジアム入場時には、セキュリティチェックが厳格に行われる。手荷物は基

準が定められており、基準外のものは一切持ち込めない(預ける場所もなく、入場するためにはその場で廃棄処分とせざるを得ない場合もある) 。

(1)クリアバッグポリシー(透明バッグ規制)

 持込み可能な手荷物は、30センチ×15センチ×30センチ以内のクリアバッグ(透明なプラスチック、ビニール、PVC製のバッグ)のみ。中身が見えない通常のリュック、トートバッグ、カメラバッグは一切持込み禁止。手のひらサイズの小さなポーチ(11センチ×16センチ以内)のみ、透明でなくてもひとり1点まで持込み可能。

(2)雨具(レインコート・ポンチョ)の用意

 スタジアム内への「傘」の持込みは固く禁じられている。雨天に備え、レインコート等を用意する。

(3)カメラ・機材の制限

 機材の持込みには、厳しいサイズ規制が敷かれている。基準を超えたレンズは入場時に没収又は廃棄処分となる。NY・NJ・スタジアムは、レンズの長さが15センチ(6インチ)を超えるもの、三脚、一脚、自撮り棒は一切持込禁止。フィラデルフィア・スタジアムは、レンズの長さが 12・7センチ(5インチ)を超えるもの、三脚、一脚、自撮り棒に加え、GoPro(アクションカメラ)も一切持込禁止。

(4)飲食物・ビン・缶の持込禁止

 外部からの飲食物、アルコール、ビン、缶、水筒、魔法瓶、クーラーボックスなどの持込みは固く禁じられている。酷暑対策に伴う直近の規定変更により、期間中のスタジアム内には「未開封の市販のペットボトル入りの水(500〜600ミリリットル/20 オンス以下のもの。ひとり1本まで) 」 、または「中身がカラの1リットル以下の透明なプラスチックボトル」のみ持込みが許可される(スタジアム内の無料給水ステーションが利用可能) 。

(5)スタジアムへの交通アクセスと移動時

 NY・NJ・スタジアムへは、ポート・オーソリティ・バスターミナルから直行バス「公式スタジアム・シャトル(Official NYNJ Stadium Shuttle) 」が運行される。チケットは完全事 前予約制。購入及 び乗車には 「当日の観戦チケット」 の提示が必須 。

 詳細はNY日本総領事館 FIFAワールドカップ特設ページ(https://www.ny.us.emb-japan.go.jp/itpr_ja/fifa26_00.html)を参照する。

   

NY・NJ・スタジアム

での試合日程は次の通り

6月22日(月)午後8時

25日(木)午後4時

27日(土)午後5時

30日(火)午後5時

7月5日(日)午後4時

19日(日)午後3時