和の保育で日本語で考える力の育成

スターチャイルド・デイケア

 「和の保育」とし、マンハッタンのイーストビレッジに開園しているニューヨーク州公認の日系デイケア・スターチャイルド。「遊びを通して友情を育む」を保育理念に、日本での保育経験を持つ職員を中心に、日本の保育園と同様のケアを目指し、多彩なプログラムを提供している。また、一人ひとりの成長に合わせ、日本語による日本の保育を行うことにより、社会性や協調性、人を思いやる心を育てることも目標にしている。

 クラスは満6か月からの「ことりクラス」と「うさぎクラス」がある。季節の歌を始めとした、手遊び、からだ遊び、製作など、日本の保育ならではのプログラムが魅力のひとつ。またニューヨークにある事から、節分やひな祭りといった日本の行事はもちろん、イースターやハロウィンといった様々な行事も取り入れている。マンハッタン内の主要箇所を回る送迎バスが出ているので、地下鉄やバスに乗らずに登園が可能。また同様の施設にて、土曜日は補習塾サタデープログラム寺子屋を開講。デイケア、サタデープログラム共に見学は随時受付中。(要予約)


スターチャイルド・デイケア

イーストビレッジ園:

435 E. 6th St., #1F or #1R, New York, NY 10009

(Between 1st Ave. & Avenue A), 

[email protected]

www.starchildny.com


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こどもまんなかをスローガンに

NJこぐま幼稚園

 ニュージャージー州認可のNJこぐま幼稚園では、子供の主体性を大切に子供たちが自分で課題を見つけ達成する努力を応援する。また人に対する思いやりのある心を育てる教育を行っている。季節ごとの日本の行事体験なども充実。発表会や運動会でも子供たちは笑顔いっぱいで練習し本番を楽しんでいる。2歳半児、3歳半児、4・5〜6歳児のクラスがあるが、週1日から通学が可能で半日通学も受け入れており、共働きの両親のために朝7時から夜8時まで延長保育も受け入れている。またスクールバンでの送迎も行っている。通常の日本語のプログラムに加え、選択制の英語のプログラムを取り入れ、子供の日本語力と英語力の向上を図っている。また通常保育と並行して コロナ禍で登園できない子供達も参加できるオンライン幼稚園、リトミッククラス、ダンスクラス、キッズジムなどのオンラインプログラムが充実していることも魅力だ。


NJこぐま幼稚園

530 10th St.

Palisades Park, NJ 07650

Tel: 201-944-6968   201-966-5561

www.newjerseykogumayouchien.com

[email protected]


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日本語幼稚園として40年の歴史

こどものくに幼稚園

 海外であっても、子供たちが心身共に健やかな幼児期を過ごし、バランスのとれた成長と発達ができるようにと設立され、「幼児のための最良の母国語環境」を提供している。

 人格形成の基礎がつくられる幼児期には、母国語による「遊びこみ」の体験が重要であるとの観点に立ち、日本とアメリカの保育をうまく融合させた年齢別クラスの保育を柱に、社会性や思いやりの心を育む「縦割り保育」、楽しみながら学ぶESLも取り入れている。さまざまな行事や異文化交流も実施。日本語の理解力や表現力を楽しい遊びの体験を通して培い、自信や意欲を育て、「自ら考え、行動できる子ども像」を目指す。ニューヨーク州認可私立学校法人。

◎サマープログラム

 長いコロナ禍で感染防止に注意を払いながら最善の保育をするための様々な方法を培ってきた経験のもと、保護者の方々にも安心してお子さんを預けて頂ける万全の環境でプログラムを進めていく。毎日のことばのクラスでは現地校生活の手助けとなるESLまた長いアメリカ生活で少し不安になってきた日本語力の集中レベルアップを目指していく。また、この夏は「世界旅行」をテーマに様々な国にまつまる活動を楽しんでいく。その中にたくさんの運動遊びも組み込んでいき、それぞれの子どもにあった目標を立てて上達を目指す。


こどものくに幼稚園

Kodomono Kuni

252 Soundview Ave., White Plains, NY 10606

Tel: 914-949-0067

Fax: 914-949-0247

www.kodomony.org

[email protected]


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日本文化を大切にする心を養い、国際人を育てる

リセ・ケネディ日本人学校

 リセ・ケネディ日本人学校は、人格の基礎を形成する大切な時期に複数の文化のなかで過ごす子供たちがマルチカルチュラルな人間に成長し、21世紀の国際社会に貢献できる人材の育成を目指している。同校の前身は1964年設立のフランス人学校であり、その後、所在地や就学年限、内容の変遷を経て、グランド・セントラル駅近くの現在地に開設されたのは1997年である。同校には全日課程と土曜課程のプログラムがあり全日課程には幼児クラス(2〜5歳児の異年齢保育)を2クラス、土曜課程には幼児部(3、4、5歳児年齢別)、小学部、中学部を設けている。また、2021年度より高等部も開設され、毎週土曜日2時間のオンライン授業が始まる。

 全日課程幼児部はニューヨーク市保健局の監督のもと、文部科学省が定める幼稚園教育指導要領を基にESLを加えたカリキュラムが組み立てられている。子供の生活の中心である「遊び」を通して好奇心や探求心を育て、生涯にわたる人格形成の基礎を培うことをねらいとしている。

 土曜課程幼児部は日本語の習得と日本文化の継承を中心に保育が行われている。各年齢の発達段階を考慮した「聞く、話す、読む、書く」活動を保育のなかに組み入れ、小学生以降の学習への準備をしている。

 土曜課程小学部・中学部は、国語算数を中心に日本の教科書をもとに指導が行われている。「言葉は知的活動の基礎」をモットーに、知的好奇心を育み自分で考え学ぶ習慣を持たせている。「考える↓分かる↓楽しい」の体験的な活動のなかで国語学習を読書力へとつなげ、語彙を増やし、世界を知り他者を慈しむ気持ちを育てていく。さらに、中学部は相手や状況に応じて適応できる表現力も育てる。

 2021年度サマースクールは7月12日(月)から8月6日(金)まで4週間にわたってリセ・ケネディ日本人学校・マンハッタン校で実施。1週間ごとの参加が可能である。


リセ・ケネディ日本人学校

 Lyceum Kennedy Japanese School

225 E. 43rd St., New York, NY 10017

Tel: 212-681-7929

www.lyceumkennedy.org

[email protected]


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バイリンガル教育の学校、日本式で幼小一貫42周年目

ニューヨーク育英学園

 幼児部では、日本の文部科学省が定める幼稚園教育要領、保育5領域に加え、英語を取り入れた保育課程を編成し、3歳児から5歳児までの年齢別保育を行っている。

 小学部は文部科学省の定める学習指導要領に基づく教科指導のほかに英語(週10時間)を加えた教育課程を編成し、密度の高い教育を実践している。また、書き初めや餅つき、節分、ひな祭り、子供の日、運動会や遠足などの日本の行事のほかにハロウィーンなどの米国の行事も多く取り入れている。また、地域のコミュニティーとの文化交流や野球部、サッカー部、ダブルダッチ部など放課後活動にも力を入れている。

 夏には毎年サマーキャンプを実施。デイキャンプや野球教室、日本語教室、宿泊キャンプなどは内部生、外部生から好評を博している。冬には週末にスキー教室があり、初心者から上級者までの日帰りや宿泊キャンプも盛んだ。

 93年秋からサタデースクール(幼児部、小学部、中学部、高等部)をニュージャージー、マンハッタン、ポートワシントンに開設。2000年にはアフタースクール、07年には長時間保育部門「きりんのへや」や言語学習のための「りんごラーニングセンター」、08年にはサンデースクールも開設し、地域コミュニティーのニーズに合った教育環境づくりに努めている。

 マンハッタン校フレンズアカデミーが2015年9月に西103丁目へ移転したのに伴い、同校内に全日制の「たんぽぽ幼稚園」が開園した。閑静な住宅地の中に5000スクエアフィートの敷地面積を誇り、広く、落ち着いた教室や保育室を有している。公園にも近く、のびのびとした保育活動を実践している。2021年春より、日曜日に教科書準拠の小学生オンライン国算教室が開設された。


ニューヨーク育英学園

8 West Bayview Ave., Englewood Cliffs, NJ 07632

www.JapaneseSchool.org

ニューヨーク育英学園全日制、育英サタデーNJ校、アフタースクール

育英サンデーNJ校 Tel : 201-947-4832

フレンズアカデミー Tel : 212-935-8535

育英サタデー・マンハッタン校 Tel : 201-947-4832

育英サタデー・ポートワシントン校

(月〜金 Tel : 516-767-3139)

りんごラーニングセンターTel : 201-947-4707


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世界で活躍する日本人を育てる教育

ニューヨーク日本人学校

 ニューヨーク日本人学校(相澤順校長)は、北米で最も古い歴史と伝統のある日本人学校である。自然豊かな環境の中で「SMILEがあふれ、HAPPYを感じられる学校」を目指した教育活動が行われており、グローバル社会での活躍が期待される子供たちがのびのびと育っている。

【日本語での教育の充実】

 日本語で理解し、考え、表現する力を育成し、母語としての日本語の確立を図るため、文部科学省が派遣する教員が、一人一人を大切にした日本語でのきめ細かな指導を行っている。帰国後も困らない、確かな学力の育成に努めており、日本国内と同等以上の学力の定着を目指している。

【英語教育の充実】

 英語の授業は1学年を原則3クラスの習熟度別クラス編制で実施している。初等部は週4時間、中等部は週5時間の英語の授業のほか、ART科もアメリカ人の教師が英語で進めている。生活に生きる実践的な英語を子供たちは習得しており、初等部低・中学年で英検2級に合格する例も見られる。

【小中一貫教育の推進】

 小中学生が同じ校舎で学習、生活し、思いやりの心をもつ素直な子供が育っている。異年齢、異学年の交流を意図的・計画的に行うことで、豊かな人間性の育成に努めている。

【特別支援教育の充実】

 北米で唯一の特別支援学級を設置する日本人学校である。また、通常学級在籍の子供にも、必要に応じて取り出し指導を実施するなど、特別支援教育の充実を図っている。

【現地理解教育の推進】

 タウンホールや警察署、消防署を始め、国連本部、博物館、美術館等への移動教室やボストン、ワシントンDC等への宿泊学習を実施している。また、全学年で行われる現地校との学校間交流や中等部のスポーツ交流は、現地社会を理解するための一助となっている。

【進路指導の充実】

 保護者との面談や受験面接の指導など、丁寧で具体的な指導を行っている。指定校推薦や校長推薦等の推薦制度があり、日本の国立大学附属高校や有名私立高校へ進学する生徒も多い。


ニューヨーク日本人学校

The Japanese School of New York

(Greenwich Japanese School)

Tel: 203-629-9039 Fax: 203-629-9660

www.gwjs.org [email protected]


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「できる体験を大切に」

ニュージャージー日本人学校

【教育全般】

 月〜金曜日に30時間の授業を実施している。6校時終了後には特設の7時間目を設け、自主学習の時間・復習や質問の時間にあてている。学級は最多でも3名〜10名程度の人数で授業をするので、きめ細かい教員からの指導が全児童生徒に行き届くことができる。

学習のねらいを明示し、「分かる喜び・できる喜び」に重点を置いた授業を展開している。

【ICT機器を活用した教育】

 新型感染症コロナ対応への必要性から始まったリモート授業は、当校の教育に大きな成果をもたらした。児童生徒は、全員がディバイス(パソコン・アイパッド・クロームブック)を使用し、学校での対面授業や家庭でのリモート授業に最大限活用している。ICT機器の活用は、対面授業だけでは成し得ない、生き生きとした「効果的な学習」に繋がっている。

【相談体制の充実】

 「人間は悩んだり、躓いて当たり前」の発想の下、その苦悩を受け止め、早期に解決できる相談体制を学校全体として構築している。スクールカウンセラーとして、ニューヨーク日本人教育審議会からバーンズ亀山先生を招き、児童生徒と保護者の相談に対応している。

他の教職員も児童生徒の悩みを早期に発見するよう、観察や相談を受けるなど、組織的に児童生徒や保護者の「困り感」「苦しみ」に寄り添うように心がけている。

【進路指導と英語教育】

 「海外での努力、貴重な体験をした児童生徒は、世界の宝」と考え、帰国後もその体験を十分に発揮できるような進路指導を目指している。帰国後の高校選択において、当該生徒の海外生活経験歴・将来への展望が十分に生きるように、他国の日本人学校(北米・欧州)と連携した「進路指導情報」の集約や活用に取り組んでいる。

 また、ESL(米国人英語講師)授業を特別設定し、英会話力の向上に努め、帰国子女として世界に通用する言語力や思考力を育んでいる。


ニュージャージー日本人学校 

The New Jersey Japanese School

www.NewJersyJapaneseSchool.org

[email protected]


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海を渡った若獅子たち

幕末に渡米した日本人留学生
ラトガース大学で150周年記念会議

 ニュージャージー州のラトガース大学で5日(金)午後7時から、「ラトガース大学、日本との出会い」と題するオンライン会議が開催された。同大学に明治時代初期、日本人留学生が大挙留学して150年になることを記念するもの。同大は、オランダ修正教会を母体とする学校を前身として1866年に創立された州立大学。ストレプトマイシンを発見したS・A・ワックスマンを輩出するなど、化学、農学、科学技術分野に突出した業績を持つニュージャージー州最大の総合大学だ。

 この大学に近代日本の黎明(れいめい)期にあたる慶応3年から明治30年までの30年あまりの間に、300人近くもの日本人留学生が学んだ。

 当時この大学に学んだ日本人留学生の多くは、幕末の壮士、政治家、知識人とその子息たちで、帰国後、科学技術、政治、教育、ビジネスの分野で日本の近代化に大きな足跡を残している。

 慶応3年(1867年)にラトガース大学に入学した日本人最初の官費留学生、日下部太郎=写真右=のパスポート番号は第4号。日本からの正式な海外渡航者の4人目、当時の奨学金として年間600ドルが支給された。当時の同大学の年間学費は45ドルから60ドルだった。

 越前福井藩士の日下部は、同大を3年間でしかも首席で終えたが、卒業の1か月前に結核のため、この地で死んだ。享年26歳の若さだった。しかし成績が優秀だったため、正式に卒業が認められ、米国最高の学称ファイ・ベータ・カッパの称号と金のカギを受けている。 

日米交流の原点
ラトガース大と日本人留学生

 ラトガースは全米でも最も早く日本人留学生を受け入れた大学の一つで、1867年に福井藩士の日下部太郎がラトガース大の外国人留学生第一号として入学しました。日下部は残念ながら、卒業間際の1870年にニューブランズウィックで結核のため亡くなりましたが、同じ年に彼の先輩であり友人でもあったウイリアム・E・グリフィス(William E. Griffis)が福井に招かれ、3年半の日本滞在中、福井と現在の東京大学の前身である大学南校・開成学校で教鞭を取りました。また帰国後は『Mikado’s Empire 』を初め多くの論文や本を書き、アメリカの人々に日本を紹介しました。1870年代のラトガースは、日本人留学生を多く受け入れており、留学生の中には岩倉具視や勝海舟の子息、開成学校初代校長の畠山義成、元海援隊士の白峰駿馬などが名を連ねていました。また、1872年の岩倉使節団訪米の際にはラトガース大学教授のダビッド・モルレー (David Murray)の学監としての招聘が決まり、モルレーは1873年から78年まで文部省の顧問として日本の教育の近代化に大きく貢献しました。2020年がちょうど1870年から150年の節目となることからラトガース大学では、日本との友好関係を記念したシンポジウムを企画いたしました。アメリカ・カナダ・日本の大学から専門家をお招きし、19世紀後半におけるラトガースと日本との交流をお雇い外国人、日本人留学生、宣教師の三つの視点からお話いただきます。

  日本では知名度の低いラトガース大学といたしましては、この機会に当大学が日本の近代化に果たした役割をより多くの方達に知っていただきたいと思っています。また、ラトガース大学にはウイリアム・E・グリフィス・コレクション(William E. Griffis Collection)や付属のツィンメリー美術館(Zimmerli Art Museum)に多くの幕末・明治期の貴重な資料があることも、この学会を機に知っていただき、多くの研究者に活用していただきたいと考えています。

 幕末・明治初期にアメリカから日本に渡った宣教師やお雇い外国人、そして日本からニューブランズウィックのラトガース大学や付属のグラマースクールに留学した日本人を通して、当時の日本の近代化の一翼を担った若き日本人留学生たちの志、彼らと深い信頼と友情で結ばれたラトガース大学の教員や同級生、そして彼らを支えたオランダ改革派教会やニューブランウィックの人々に思いを馳せるとともに、今後の日米交流の形を考える機会となることを期待しています。

(若林晴子/ラトガース大学アジア言語文化学科助教授)

ラトガース大学の日米交流150年
米国に学び近代日本支える

W.E.グリフィス

 今から150年以上も前になぜ、ラトガース大学にこぞって日本人留学生が集中したのか。その数は300人余りに上る。その問いに答える学術的研究はなされていないが、明治以前から長崎にいた米国人宣教師で、英語教師もしていたオランダ修正派教会から派遣されていたフルベツキの手引きがあったからという説がある。1853年のペリー提督の来港以来、幕府の日本人海外渡航禁止令は有名無実となり、大志を抱いた若者が続々と西欧文化の取得に海を渡った。幕府自身も1862年ごろからオランダ、イギリス、フランス、ロシアに留学生を送り出している。新島譲は1864年に函館から単身渡米し、マサチューセッツ州アムハースト大に入学、その前年には長州藩が伊藤博文、井上馨らをイギリスに送り出し、薩摩は65年に森有礼ら15人を船出させている。同大のウイリアム・E・グリフィス(William E. Griffis)が福井に招かれ、3年半の日本滞在中、福井と現在の東京大学の前身である大学南校・開成学校で教鞭を取っている。 

 そのような時代に来日した60人を超えるラトガース大卒業生の「お雇い外国人」教師や宣教師たちが日本の近代化に果たした役割は、欧米の他の大学に比して劣らぬものであった。

 越前福井藩士の日下部は、同大を3年間でしかも首席で終えたが、卒業の1か月前に結核のため、この地で死んだ。大学キャンパスから学生街を抜けた一角の共同墓地、ウイローブ墓地の片隅に、日下部ら日本人留学生の墓がある。並ぶ7本の墓石に、長谷川鍛郎(23)、小幡甚三郎(29)、阪谷達郎、川崎新二郎(21)、入江音次郎、松方蘇介(22)の名がいずれもかすかに読み取れる。松方蘇介は、後の1884年に渡米して同大に学び、帰国後初代川崎造船社長となる松方幸次郎の実兄でもある。

 同大図書館に保存されている1958年1月11日付の地元紙、ザ・デイリー・ホーム・ニューズが「明治初期の日本人留学生の墓が23年間も倒れたまま、荒地に放置されている」と報じるまで、在米邦人はこの墓の存在を知らなかった。この記事を読んだニューヨーク日系人会(JAA)の代表が、当時のポール市長にかけあい、修復工事を依頼、市長は、ヘルスケア大手のジョンソン&ジョンソンのジョージ・スミス社長に修復のための工事費、200ドルを懇願、墓石修復を行ったという。しかし1977年にこれらの墓石が再び将棋倒しのように倒れ、日下部の故郷、福井市市長が来米して修復、現在に至っている。

 同大に学んだ日本人留学生には、1872年に特命全権大使として来米した岩倉具視の子息3人もおり、帰国後、宮内庁や外務省の要職に就いたほか、岩倉の通訳として来米し、帰国後も政府の要職を歴任した畠山茂成や、県知事や東京大学の前身、東京開成学校予備門長を歴任した服部一三、大蔵書記官となった吉田清成、川崎造船の初代社長で日本の実業界のリーダーとなり、膨大な美術収集・松方コレクションで知られる松方幸次郎らがいる。

 さらに明治維新の立役者の一人、勝海舟の子息、勝小鹿もここに学び、その小鹿の従者として渡米した富田鉄之助と高木三郎もともに同大に在籍、明治5年にできたニューヨーク領事館の副領事と領事を務めている。富田は留学生のまま副領事を4年間務め、帰国後の明治21年から1年間、二代目の日銀総裁に就いている。高木は、初代のニューヨーク総領事となり、離官後ニューヨークにそのまま留まる。製糸の輸入業を営み、日米貿易の先駆者として活躍した。

 日下部太郎らの墓と共に「1877年没、タカギ・サブロウ・スマ夫妻の幼女」と記された小さな墓は、この高木の亡くなった幼女の墓で、外地で娘を一人にせず、せめてともに志を同じくした同胞とともに眠らせようと、高木三郎夫妻がこの地に埋葬したのだという。(1面に関連記事)

アジア系差別激増

増悪犯罪相次ぎNYで抗議集会

 アジア系米国人へのヘイトクライム(憎悪犯罪)が深刻化しているなか、「ライズ・アップ・アゲンスト・エイジアン・ヘイト」と銘打った集会が27日昼、ダウンタウンの市庁舎近くにあるフォーリー・スクエアで行われた。

 2月3日に地下鉄で顔を切られたというフィリピン系米国人のノエル・キンタナさん(61)は「助けを求めたが、誰も助けてくれなかった。誰かが撮影していたら加害者はすぐ特定できた」と述べ、居合わせた人が事件を録画することの大切さを訴えた。

 ニューヨーク市は偏見、差別及びヘイトクライムに対処するためのサイト「Stop Asian Hate」を開設し、差別、ハラスメント及びヘイトクライムの被害を受けた場合には関係機関に報告するようアジア系の人々に呼びかけている。

 在ニューヨーク日本国総領事館は2月26日、概要を在留邦人にメールなどで伝えた。

犠牲者急増に怒り
連帯して防衛訴える

 アジア系米国人へのヘイトクライム(憎悪犯罪)が深刻化しているなか、「ライズ・アップ・アゲンスト・エイジアン・ヘイト」と銘打った集会が27日昼、ダウンタウンの市庁舎近くにあるフォーリー・スクエアで行われた(1面に記事)。アジア系アメリカ人同盟(AAF)が主催したもので集会には300人が集まり、ビル・デブラシオNY市長やチャック・シューマー連邦上院院内総務ら政府要人も演壇に立った。日系福祉団体の日米ソーシャルサービス(JASSI)も参加した。

 デブラシオ市長は「アジア人への憎しみを止めろ」と訴え、「これは、ニューヨーク市だけでなく、この国全体で私たちが出さなければならないメッセージです。アジアの憎しみを止めてください」今すぐ止めてください!」と述べた。チャック・シューマー連邦上院議員(ニューヨーク選出、民主党)は「国中のアジア系コミュニティーが人種も基づく差別と嫌がらせの標的になっている」と述べた。ニューヨーク州のレティシア・ジェームズ司法長官は「一人に対する攻撃は私たち全員に対する攻撃です」と述べ、憎悪犯罪と思ったらすぐ司法当局に報告するよう訴えた。

 昨年9月に連邦下院で「アジア系アメリカ人に対する憎悪を非難する決議」が243対164で可決されたが、この議案の提出を主導したグレース・メン連邦下院議員(ニューヨーク6区選出、民主党)は、「さらなる人種差別をもって人種差別との戦いをするわけではないことを確認する必要がある」と語り、「私たちは連帯して差別と戦っている。決して、特定のグループを他にグループと対立させることはない。すべての人種差別に反対している」と訴えた。

 主催したアジア系アメリカ人同盟(AAF)によれば、2020年に口頭から身体的暴行、咳や唾吐き、忌避、その他の形態の差別を含め、約500件の偏見事件または憎悪犯罪があったという。これはAAFのほか、人権団体「ストップAAPI(アジア太平洋諸島系)ヘイト」、ニューヨーク市人権委員会、ニューヨーク市警の情報に基づくという。

(写真)「アジア系増悪犯罪に立ち上がれ」と抗議するデモ集会参加者(2月27日、写真・三浦良一)

孤高のラッパーメジャーリリース

R-NABY
新アルバム「Jap squad」

 音楽の聖地NYで破天荒な生き方をする 「自称孤高のラッパー」 と言われる『R-NABY』。『生きる』『人生サイコロ』をテーマに 「孤高のカス」を突き通し、海外生活におけるリアルメッセージを発信する姿が常に巷で話題になり「たまにはNY在住日本人からも煙たがれる存在にもなって」と強面の表情が一瞬緩む。本名は 吉本秀真。京都出身のアーティストだ。年間200本近くのライブ、頻度を落とさない作品リリース、ラジオ番組出演、飲食店経営、レーベル運営など幅広く活躍する彼が3月10日にいよいよメジャーレコード会社のソニーミュージックから新アルバム『Jap Squad』(全9曲)をリリースする。

 前作の 『The R-naby Album』では若くて勢いのある内容に加え若干雑な部分もあったが今作は 「話題」が生まれそうな内容に仕上げて来た。NYでのコロナ禍を自ら体験した内容曲 “We Gotta” や “Don’t Trust You ” など攻撃的に押して来るが、「My Boo」や 「頑張っても」では自分自身や大切な人に歌う一面なども見せる。人間性ある歌詞とメロディーは人の脳にしつこく残りそうだ。参加メンバーは、ディージェー カズ サクマ、ディディ、 ティーハワード、ソング ソウルボイス、 トキ、ジャスミン。コロナ禍で最近はイーストビレッジにラーメン屋もオープン。店名は「Gorin Ramen」。メインは「喜多方ラーメン」 。「ニューヨークって、豚骨ラーメンで何処も似たり寄ったりですが、喜多方ラーメンは全然ないのでその分お客様に良いアプローチが出来てると思いますのでぜひ食べに来て頂きたいですね! シンプルに美味しいです!」とひたむきな一面も見せる。場所は東14丁目351番地。  (三浦)

天皇誕生日祝う

各国の国連大使が祝辞

国際連合日本政府代表部

 国際連合日本政府代表部主催の天皇陛下誕生日オンラインレセプションが2月26日夕に石兼公博国連大使公邸からライブ配信で開催された。当日は、各国代表部の常駐代表、次席常駐代表、国連幹部などを始めとする国連及び日本政府代表部関係者約220人がオンラインで出席した。

 レセプションは垂水バイオリン財団の君が代の演奏で始まり、石兼公博国連大使が主催者としてスピーチした=写真=。

 大使は、天皇陛下が皇太子時代の2011年に日本の皇族としては初めて国連総会議場で演説し、人と水災害の歴史から災害に備えた社会づくりのヒントを探ると題するスピーチをされた時のことや、皇后陛下の父親が小和田元国連大使であることなども紹介し、天皇陛下一家が国連とも繋がりのある存在であることをアピールした。

 また、世界的に広まった新型コロナウイルスによって人類の健康や社会、経済、政治に大きな影響が出た中で、気候変動やコロナに人類が対抗していくには軍備とは異なった安全保障のアプローチが求められると語り、そのような観点から日本は安全保障理事会の2023年〜24年の非常任理事国に立候補すると宣言した。

 最後に「コロナが明けた暁にはみなさんをこの公邸にご招待して妻の生花とお茶、シェフの日本料理でおもてなししますのでそれまで楽しみにしていてください」と挨拶した。

 当日は、ドイツ、バングラデシュ、セネガル、マーシャル諸島共和国から国連大使らが祝辞を述べた。エンターテインメントとして和太鼓奏者の林英哲さんが迫力満点の太鼓を披露した。

クオモ知事にセクハラ疑惑

元側近など3人の女性が告白
辞任問題に発展か

 クオモニューヨーク州知事に対するセクハラ疑惑が相次いで浮上し、辞任問題に発展しそうな勢いを見せている。2月24日に2018年までニューヨーク州の経済開発局の副局長兼特別顧問を担当していたリンジー・ボイランさん(36)からセクハラを受けたと告発されたのに続き、27日には昨年11月までクオモ州知事の保健政策顧問を務めていたシャーロット・ベネット氏(25)さんが昨年性生活について質問されたり威圧的な嫌がらせを受けたと公表した。

 また2日付ニューヨークタイムズ紙は、2019年9月にあった結婚披露宴の会場で知人から知事を紹介されたアンナ・ルッチさん(33)が、クオモ知事からパーティドレスの露出した背中を触られたり、頬を両手で触られたり、周囲の人々にも聞こえるくらい大きな声で、キスをしていいかと尋ねられたという証言を掲載した。クオモ知事は28日に発表した声明の中で謝罪を述べたが、そのような性的発言や行為はしておらず、あくまでも交流の一部であり誤解されていると弁明した。

 クオモ知事は昨年、コロナ対策でリーダーシップを発揮して支持が高まったが、現在、高齢者施設のコロナ対応で多くの死者を招いた責任を追求されており、今回の相次ぐセクハラ疑惑浮上を受けて辞任要求の声が高まりそうだ。

(写真)困惑気味の表情を見せるルッチさんとクオモ知事の写真、クレジットなしで2日付ニューヨークタイムズ紙が掲載