アジア系差別激増

増悪犯罪相次ぎNYで抗議集会

 アジア系米国人へのヘイトクライム(憎悪犯罪)が深刻化しているなか、「ライズ・アップ・アゲンスト・エイジアン・ヘイト」と銘打った集会が27日昼、ダウンタウンの市庁舎近くにあるフォーリー・スクエアで行われた。

 2月3日に地下鉄で顔を切られたというフィリピン系米国人のノエル・キンタナさん(61)は「助けを求めたが、誰も助けてくれなかった。誰かが撮影していたら加害者はすぐ特定できた」と述べ、居合わせた人が事件を録画することの大切さを訴えた。

 ニューヨーク市は偏見、差別及びヘイトクライムに対処するためのサイト「Stop Asian Hate」を開設し、差別、ハラスメント及びヘイトクライムの被害を受けた場合には関係機関に報告するようアジア系の人々に呼びかけている。

 在ニューヨーク日本国総領事館は2月26日、概要を在留邦人にメールなどで伝えた。

犠牲者急増に怒り
連帯して防衛訴える

 アジア系米国人へのヘイトクライム(憎悪犯罪)が深刻化しているなか、「ライズ・アップ・アゲンスト・エイジアン・ヘイト」と銘打った集会が27日昼、ダウンタウンの市庁舎近くにあるフォーリー・スクエアで行われた(1面に記事)。アジア系アメリカ人同盟(AAF)が主催したもので集会には300人が集まり、ビル・デブラシオNY市長やチャック・シューマー連邦上院院内総務ら政府要人も演壇に立った。日系福祉団体の日米ソーシャルサービス(JASSI)も参加した。

 デブラシオ市長は「アジア人への憎しみを止めろ」と訴え、「これは、ニューヨーク市だけでなく、この国全体で私たちが出さなければならないメッセージです。アジアの憎しみを止めてください」今すぐ止めてください!」と述べた。チャック・シューマー連邦上院議員(ニューヨーク選出、民主党)は「国中のアジア系コミュニティーが人種も基づく差別と嫌がらせの標的になっている」と述べた。ニューヨーク州のレティシア・ジェームズ司法長官は「一人に対する攻撃は私たち全員に対する攻撃です」と述べ、憎悪犯罪と思ったらすぐ司法当局に報告するよう訴えた。

 昨年9月に連邦下院で「アジア系アメリカ人に対する憎悪を非難する決議」が243対164で可決されたが、この議案の提出を主導したグレース・メン連邦下院議員(ニューヨーク6区選出、民主党)は、「さらなる人種差別をもって人種差別との戦いをするわけではないことを確認する必要がある」と語り、「私たちは連帯して差別と戦っている。決して、特定のグループを他にグループと対立させることはない。すべての人種差別に反対している」と訴えた。

 主催したアジア系アメリカ人同盟(AAF)によれば、2020年に口頭から身体的暴行、咳や唾吐き、忌避、その他の形態の差別を含め、約500件の偏見事件または憎悪犯罪があったという。これはAAFのほか、人権団体「ストップAAPI(アジア太平洋諸島系)ヘイト」、ニューヨーク市人権委員会、ニューヨーク市警の情報に基づくという。

(写真)「アジア系増悪犯罪に立ち上がれ」と抗議するデモ集会参加者(2月27日、写真・三浦良一)