CUT ABOVE 賞は黒沢清監督に
ジャパン・ソサエティー(JS)が開催した日本映画祭「ジャパン・カッツ」で12日、「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」が米国で初上映された。
ヒロインを務めた俳優の河合優実さん(24)が上映前にステージに登場し、「ジャパン・カッツに来るのが夢でした」と英語で挨拶。河合さんは2019年にデビュー後、映画を中心に活躍。24年、宮藤官九郎氏が脚本を手がけたTBSドラマで昭和の不良少女17歳の純子を演じて大ブレイク。現在放映中のNHK連続テレビ小説「あんぱん」に出演中。
同映画祭は今年のセンターピース・フィルム(映画祭の最注目作品)には黒沢清監督の「クラウド」を選出した。日本映画への功績を称え贈られるCUT ABOVE賞は16日、黒沢清監督に授与が発表され上映された。(菊楽めぐみ、写真も。)
「米国映画にも出演したい」
ジャパン・カッツ上映で来米
河合さん抱負語る

ジャパン・ソサエティー(JS)が開催する日本映画祭「ジャパン・カッツ」で12日、「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」が米国で初上映された。監督と脚本は大九明子氏。原作は吉本興業に所属する日本のお笑いコンビのジャルジャル・福徳秀介氏の同名恋愛小説。今年4月25日に日本公開。ヒロインを務めた俳優の河合優実さん(24)が上映前にステージに登場し、「ジャパン・カッツに来るのが夢でした」と英語で挨拶。チケットが完売した満席の客席からは拍手と歓声が起きた。
上映後は、元ジャパン・カッツのプログラム担当で、現在はイサカ・カレッジで映画研究の分野で教鞭を執っているジョエル・ネヴィル・アンダーソン氏が質問するQ&Aが行われた。通訳はモニカ・ウチヤマ氏。河合さんと大九明子監督が一緒に働くのはこの映画が初めてではなく、再タッグになる。前作はNHK BSで2023年に放送されたドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』。監督は、既に小さいセリフのイメージが出来上がっていて、何度もリテイクがあったと河合さん。言葉遊びがある台詞があり、それが字幕でどう訳されて伝わっているかも気になっているという。撮影に入る前には関西弁を勉強し、メロディのように覚えたという。ちなみに河合氏は東京都練馬区出身。
13日には河合さんが第48回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞に輝いた映画「あんのこと」も上映された。実際の新聞記事をきっかけに入江悠監督が共鳴して制作され、公開後大きな反響を呼んだ。幼い頃から母親に虐待され売春や覚醒剤の常習者となった女性の壮絶な人生を描いた社会派ドラマだ。上映後、Q&Aが行われ、役作りについての話はもちろん、今後についても聞かれ、年齢的に高校生や子供を演じてきたが、先生や親に変わっていくのが楽しみであり、またアメリカ映画に出てみたいと抱負を語った。14日には、河合さんが大学生を演じる東京国際映画祭で東京グランプリと主演男優賞(長塚京三)に輝いた筒井康隆の小説を吉田大八監督が映画化した「敵」がNY初上映された。
河合優美さんが出演する映画が3本も上映され、日本を代表する俳優のひとりとして世界で活躍する期待が高まる。(菊楽めぐみ、写真も)



