対日関税25%を通知 8月1日に発動へ

トランプ大統領

参院選後に交渉の正念場

 トランプ大統領は7月7日、石破総理大臣宛の書簡を送り、日本からの輸入品に対して来月1日から25%の関税を課すと通知した。相互関税の一時停止の期限は9日だったが延長された。4月に発表された日本に対する「相互関税」は一律関税の10%とあわせて24%だったが、25%に引き上げられた。通商拡大法232条に基づき品目ごとにすでに発動している措置(自動車と自動車部品への25%の関税と鉄鋼・アルミニウムへの50%の関税)に上乗せはされない。

 同様の内容の書簡が税率は別にして各国に送付されている。追加関税率は、韓国、マレーシア、カザフスタン、チュニジアは日本と同じ25%、南アフリカ共和国、ボスニア・ヘルツェゴビナは30%、インドネシアは32%、バングラデシュとセルビアは35%、カンボジアとタイは36%、ラオスとミャンマーは40%となっている。

 トランプ大統領は「ほぼ最終的な提案だ」としているが、4月のような世界株安は起こらず、米国のS&P総合500種株価指数が最高値圏にあるなど世界的に株価は落ち着いた動きをしている。トランプ氏はこれまでも関税を発動しては引っ込めるということを繰り返しており、金融業界の間ではTACO(TRUMP ALWAYS CHICKENS OUT=トランプ氏はいつもびびって退く)」と揶揄する言葉があるほどだ。トランプ氏が「威嚇」しようとも関税によって経済が大混乱になることはないという見方が強い。実際、米国の経済やインフレには大きな悪影響は出ておらず、株価も高水準にある。しかしそのことが逆にトランプ氏を強気にさせているとの見方もある。

 日本は、赤沢亮正経済再生相が7回訪米するなどして米側と協議を重ねてきたが、日本側が求める自動車関税の削減などの進展は見られない。トランプ氏は「各国からほかの方法の申し出があれば、われわれはオープンに対応する」とも述べている。13日には「日本がとてもとても急激に方針を変更している」と語った。ベッセント財務長官は「参院選が合意に向けた制約になっている」と述べており、交渉は7月20日の参院選以降に本格化すると思われる。

大統領の美しい支出

NY州知事が猛反発


 大統領が4日署名した「一つの大きな美しい支出パッケージ」は、全米およびニューヨーク州において、社会保障網を大幅に再編成する可能性がある。この4兆5000億ドルの法律は、2017年にトランプ政権の最初の任期中に可決された富裕層向けの継続的な減税措置を資金調達するほか、移民取り締まりと国境安全保障の強化を盛り込んでいる。これらの優先事項への支出増額を賄うため、メディケイドや補充栄養支援プログラムなどのサービスに大幅な削減が施されている。ホウクル知事は5月初旬に254億ドルの州予算に署名し、支出を大幅に増やしたが、迫る連邦資金削減の大部分を反映していないため、声明で「この法案は医療を剥奪し、コストを上昇させ、数百万人の食料支援を削減する」と猛反発している。

なめられてたまるか
首相発言米では静観

80年代「なめねこ」ブーム連想の投稿Xも

 「これは国益をかけた戦いだ。なめられてたまるか」。9日、石破首相は参議院議員選挙の街頭演説で、こう語気を強めた。日本の首相が同盟国の米国相手に激しい口調で語るのは極めて異例だったこともあり、日本国内では参議院議員選挙前の国内向けのポーズ発言とも受け止められ、大統領の対日感情を悪化させて関税交渉に影響を与えるのではないかと危惧する報道が相次いだ。

 発言の意図は「(日本は米国に)いっぱい頼っているのだから(米国の)言うことを聞きなさいということだとすれば、それは侮ってもらっては困りますということ」と首相は翌日出演したテレビで説明した。

 日本メディアの過敏な反応の一方、米国主要メディアではこの発言についての報道、論調などは出ていないが、投稿サイトのXでは「80年代に日本で流行ったなめねこ(写真=『なめんなよ、又吉のかっとびアルバム』立東舎文庫・刊、津田 覚 その他、写真・脇田 敏 )ブームを連想させる」といった投稿が英語で10日に配信されているくらいだ。果たしてトランプ大統領がなめねこを知っているかどうかは別として、「なかなかしっかり言うべきことを言うじゃないか(見直した)」と前向きに捉えるのか「喧嘩売ってんのか」と逆鱗に触れるのかは未知数で予測不能だが、又吉のキャラクターは「かわいい」と思うかもしれない。