NYで能公演 宝生流が来米 ジャパン・ソサエテティー

 ジャパン・ソサエティーでは、三島由紀夫生誕100年記念シリーズとして、4日から6日までにわたり『三島の愛した能』と題して、宝生流による能公演『葵上』『綾鼓』を上演した。米国デビューとなる第20代宗家・宝生和英氏が『葵上』のシテを、『綾鼓』では後見を務めた。また伝統に則り、能の前には舞と大蔵流山本東次郎家による狂言『附子(ぶす)』が演じられた。『綾鼓』ではツレの女御役で能楽師・関直美氏が舞台を踏み、主題にさらなる慎みと奥行を広げ、三島が魅入られただろう一瞬を披いた。

 公演の前には、三島と能についての講演が催され、普段は親しみのない能へと誘われた観客は、その後舞台の上に現れた幽玄の世界にすっかり魅了されていた。

 上演の後、宝生和英氏と山本則重氏による対談が行われ、能楽師としての気概や、これからの希望展望などを忌憚なく語り、覇気に満ちた若い世代による伝統芸能の継承に期待が寄せられた。 (フェイダーちえ)

(写真)『綾鼓』ではツレの女御役で能楽師・関直美氏が舞台を踏む(Photo by Ayumi Sakamoto)