田園ユニバースにNY喝采

大阪万博の応援企画
昭和歌謡ミュージカル

NYの日本人エンターティナー結集

 今年の大阪万博を記念して、昭和歌謡ミュージカル「田園ユニバースNY」が4月13日に2回、マンハッタンのシンフォニースペースで上演された。昭和・平成時代の懐かしい歌謡ヒット曲を中心に構成されたエンターテインメントショー。初の海外公演で、日本の昭和文化を紹介し異文化交流を深めることを目的としている。元祖「田園ユニバース」は、2021年に日本で初演された歌謡劇。

 舞台は1997年、大阪の老舗キャバレー「田園ユニバース」。看板女優のたまきを中心に、大阪とニューヨークのキャバレーで繰り広げられる人間模様。ニューヨークで奮闘する輝子をはじめ、日本人パフォーマーたちの日常、そして彼らを支える人々の温かさを描く。演出は俳優としても活躍中のエディ大野トール。出演者は、たまき役に宝塚に14年間在籍した漣レイラ、輝子役に「ハリーポッター呪いの子」日本公演出演の岩田華怜、ニューヨークで昭和歌謡ショーの第一人者トシ・カプチーノ。俳優の松坂龍馬、さらにドラァグクイーンのDucky &PatsyやNYで活躍中のダンサー、シンガーも加わった。作中のダンスナンバーは、石川智子、川手恭治、小野由利加などの多数の振付師が手掛けた。ダンスはステージ上の小野由利加と古井伽林が出色で、たまき役・漣レイラの男役は宝塚の舞台から抜け出してきたかのよう。岩田華怜は歌って踊ってのベテランぶりを如何なく発揮。主役の2人を飲み込んだのは昭和歌謡キャバレショーを地でいったトシ・カプチーノ。演技で魅せたのはやはり俳優の松坂龍馬だった。芝居の中で重要な脇役・みつよを演じた平川美代子は、出演だけでなく本作のエグゼキュティブ・プロデューサーとして関わった。最後に舞台で、演劇、ダンス、歌とニューヨークで普段はばらばらに活動している日本人エンターテイナーたちを束ねて一つの舞台を作りあげることができたのもニューヨークの非営利団体「キャッチ・アス・パフォーミング・アーツ(CUPA)」ならではと同団体の理事として挨拶した。 (三) 

(写真)フィナーレで満場の拍手を受ける出演者たち(13日、写真・植山慎太郎)