福岡県柳川市で400年の歴史を持つ料亭旅館「御花」がこのほど改装を済ませ、海外旅行者を受け入れる体制が整ったのに合わせ7日、ニューヨーク市内でお披露目イベントが開催された。福岡の書道家、日本酒も参加した。
(写真)江戸時代、柳川藩主立花家の邸宅として建てられた屋敷を改装した「御花」

マンハッタンの日本食レストランZUMAで開催されたこのイベントはNYに本社を置く戦略コンサルティング・PR会社のCANVAS(キャンバス、釣島健太郎社長)が運営したもので、当日は、柳川市から立花家18代立花千月香代表取締役社長が来米し「御花」の魅力をアピールした。旅行会社関係者、航空会社、インフルエンサー、報道関係者が出席した。
立花社長は江戸時代から続く邸宅の歴史などをスライドで映して紹介しながら「全面的な大改装をすませ、海外からの皆さまに日本の伝統美を満足していただける御花を紹介できることは大きな喜び」と挨拶した。書道家、中村ふくが「福」「明」などの前衛書の実演を披露したほか、クラフト酒蔵LIBROMがゆず風味のフルーティーな日本酒などを振る舞った。日本側でのPRを担当するFATコミュニティーの宮脇太CEOが東京からの空の便などアクセスを解説した。

「御花」の歴史は、江戸時代、柳川藩主立花家の邸宅として始まる。五代藩主 立花貞俶(さだよし)が側室や子息たちの住まいを柳川城近くのこの場所に移して以来、令和の現在に至るまで立花家が受け継いできた。屋敷が建てられたのちこの場所は季節の花々で彩られるようになったことから「御花畠(ばたけ)」の愛称で親しまれるようになり、それが現在の屋号「御花」となった。
時代が変わり、伯爵家となった明治時代、戦中戦後の混乱期を乗り越え、現在は料亭旅館として、柳川藩主の末裔、立花家が運営を続けている。
訪日宿泊体験した米国人インフルエンサーのハンドルネームRESTAURANT GROUPIEさんは「日本庭園の松濤園を眺めながら楽しむ料理や船着場から舟を浮かべて水の音を聞き、船頭の歌に耳を傾けてそこで出会うのは、かつてここで暮らした藩主や伯爵のある一日でした。ときの流れに思いを馳せる、そんなひとときを楽しむことができました」と体験を報告した。
行き方は、九州福岡空港から九州新幹線で越後船小屋下車。予約など詳細はウェブサイトhttps://ohana.co.jp/guest-room/ 参照。