東欧諸国からの入植の街リッジウッド DEEPなQUEENS

 クイーンズ区リッジウッドは、17世紀頃イギリス人が入植した街。一方で、隣街ブルックリン区ブッシュウィックにはオランダ人が入植。過去には、クイーンズとブルックリンの境界線を巡って論争した事もあるそうです。

 1920年頃、労働者階級のドイツ系や東ヨーロッパ系が増加。20世紀中期以降には中南米からの人口も増え、街の多様化が進みました。2010年の国勢調査によると、人口の49・0%がヒスパニック・ラテン系、次いで39・8%が白人となっています。

 街には、労働者向けの高品質な住宅として設計された黄色いレンガ造りの居住建築が至る所にあり、建設当時の魅力がそのまま残っているそうです。また、荘厳な聖マティアス・ ローマカトリック教会やオランダ移民が1709年に建てた農家ヴァンダー・エンデ – オンダードンク・ハウス(現在は博物館)などの数々の国家歴史登録財、NY市ランドマーク、歴史地区が、そして宗教施設も多くあります。

 加えて、パブ・レストランのゴッチェーア・ホール・タバーンのようにオールド・カントリーを彷彿させる場所もあります。ここは、第二次世界大戦中、故郷を追われたオーストリア=ハンガリー帝国領ゴッチェー地方に住んでいたゴッチェーアの人々が、ニュー・ワールドの米国で集い助け合い憩う場所だったそうです。今もイベントも催され人々が集ります。

 リッジウッドは、雑誌タイムアウト2022年版で、世界で4番目にクールな街として選出され、若手プロフェッショナルやアーティスト達が増加中。ちなみに同年、東京の下北沢は7番目。数々のパティスリーや本屋を併設したカフェやレストランも魅力です。

特徴ある黄色いレンガ造りの住宅が立ち並ぶリッジウッドは、落ち着きがあり、どこか懐かしさも感じる素敵な街です。

     ◇


明石鯛プロフィール 兵庫県明石市出身、ウエストチェスター在住。週末、街歩きグループと共に、未知なるNY市内を元気に探索中。ブログ「見タイ知りタイ!行った気になる歴史と散策」を主宰 https://kkykm-m.com/