絶望から未来見据える瞳描く Yuriyo(有梨余)さん

アートパフォーマー

 10代で母親を亡くしたことから言葉で感情で悲しみや怒りを伝えることが出来なくなった代わりに絵で吐き出すようになった。人間の生死や何度も繰り返される戦争について考えるようになり、2019年ポーランドのアウシュビッツ強制収容所へ赴いた。それがきっかけで自身の過去や世界のあらゆる理不尽な生死、止まることのない戦争など、自身の無力感と悲憤をキャンバスへ描き出し始めた。絵は独学で学び、無意識と直感による制作で自己の深層心理、感情や訴えを表現している。

 作品の中心的なモチーフは「目」。それを多重に配置することで、細胞や生命そのものを象徴的に表現している。個々の目は独立した存在でありながら、集合することで生命のリズムを形成し、世界(キャンバス)の中での存在の増減や流転を描き出していく。日本国内だけに関わらず海外でも展示会などで活動する。元ストリートダンサーとして数々のコンテスト、バトルで入賞した経年を生かし、さらに自身の表現の幅を広げるため、画家、ボディペイントとダンスを組み合わせたアートパフォーマーへ転身した。そのことで「より世界に対して訴えたいことや表現に対する思いが強くなりました。私の表現の源は、悲しみや怒りを無意識の中で吐き出し、この世界で生きながらえていく、そして成長していくにつれ終わることのない戦争とリンクしながら、無力感と悲しみの中でも、少しでも可能性のある希望を諦めないことです。そんな思いで描いた作品を今回ニューヨークというさまざまな文化や人種が混ざり合う世界の中で挑戦したくなったんです」と話す。

 個展のタイトル「Eye Know」は、全ての生き物が持っている細胞、そして大きな細胞として捉えた瞳をモチーフに地球に生きる全ての生命に大小がないこと、細胞や瞳が捉えた過去の出来事からの学び、次世代へより良い未来に繋げることを目標としてタイトルにしたそうだ。

 ニューヨークのギャラリー60(東60丁目208番地)で19日(土)から30日(水)まで個展「Eye Know」を開催する。オープニングレセプションは19日午後5時から。6時からアートダンスパフォーマンス。期間中の22日、26日、28日にもパフォーマンスする。兵庫県出身。大阪市在住。

(三浦良一記者、写真は本人提供)

(写真左)タイトル:Eyes and Cells、2025年制作、素材:アクリルとオイルパステル、キャンバス、サイズ:35.8×5.8 in. | 91×91 cm