灯籠流し

ロングアイランドシティー 

21日(土)午後6時

 イーストリバーをはさんで国連本部の対岸にあるロングアイランドシティーのガントリー・プラザ・ステート・パークで21日(土)午後6時過ぎから灯籠流しが行われる。インターフェイス超宗教による平和祈念、国連・NYコミュニティ代表者からのスピーチ、平和ピースバンドの演奏などがあり、午後7時30分からイースト・リバーで灯籠を流す。灯籠流しは平和を祈念するイベントで無料で誰でも参加できる。
 灯籠流しは NY仏教連盟、ハーバーラボ、NY平和ファウンデーションの共催。グランドセントラル駅から地下鉄7番で一駅(バーノン・ブルバード駅)。問い合わせは646・797・7982、中垣さん。

ラテンジャズの歌声で心を解きほどく

ボーカリスト/ソングライター

古賀 マリさん

 2015年に出したアルバム「パーフェクトブルー」をきっかけに北米はもとより、中南米のラテンジャズ界からも注目を浴びる日本人歌手。スペイン語にこだわらず、英語、日本語と駆使し、ラテンのリズムにのせることによって、ラテン音楽界に新風を吹き込む存在として注目されている。
 大阪府大阪市出身。高校時代からポップス音楽で歌手活動を続けていたが、関西大学在学中、先輩に連れていってもらったジャズクラブでジャズの虜になった。以来在中から大阪を拠点にジャズクラブなどで歌いはじめ、1991年第10回ホテル日航大阪ジェットストリーム専属歌手オーディション優勝。その後、本格的にプロとして音楽活動を開始。94年に来米、ニューヨーク大学シティーカレッジを経てクイーンズカレッジ大学院でジャズパフォーマンスを専攻。在学中から数々のアワードを受賞する。2010年からアフロキューバンバンド、「アフロノーティカ」を結成、ラテンジャズの分野でも注目され、北米のジャズコミュニティサイト「ラテン・ジャズ・コーナー」で11年度の「ベスト次世代アーティスト」「ベストラテンジャズボーカリスト」にノミネートされた。
 人生の転機は、2012年。サルサ界のスター、トロンボーンプレーヤーのジミー・ボッシュに見い出され、グループにボーカリストとして参加したことだった。本確的にラテン音楽のジャンルで活動を開始し、各地の著名ラテンクラブやミュージックフェスティバルで演奏。そして1年くらいかけて少しずつ曲を収録してできたのが、15年2月に出したアルバム「パーフェクトブルー」だった。月間ダウンロード人気で第1位を獲得した「インビテーション」、米国内もとより南米諸国のラジオで人気となった「やまない雨」が収録されている。個性的で心をほどく感性ゆたかなハスキーなボイスがニューヨークの聴衆を魅了し続けている。
 好きな言葉は「やってやれないことはない。やらずにできることはない」。信条は「来たお客様が、みんな必ず楽しかったと言って帰ってもらえるようステージを盛り上げること。ライブは、エネルギーのキャッチボールですから」と明るい表情で語った。(三浦良一記者、写真も)
古賀マリ・クインテット・アット・バードランド公演情報=10月17日(木)午後5時30分から6時45分まで。会場はバードランドジャズクラブ(西44丁目315番地、電話212・581・3080)。入場料30ドル(飲食ミニマム10ドル)。 
 前売りチケットはオンラインで購入可能。www.birdlandjazz.com

ぼくめいた 3

短期集中新連載えほん

作・絵 三浦良一

毎日 いろんな車が 止まるんだ
いつも 決まった時刻に やってくる赤い帽子のおねえさん 
ボクのことが おきにいりみたいだな

でもいいことばかりじゃないんだよ
のどがつまってコインがおなかにはいらないと
ぼくらの頭をゴンゴンたたく
乱暴なひともいるからね
(次号につづく)


Every day, many cars come by.
Some people come at the same time without fail,
like the lady in the red hat.
I think she likes me

However, things don’t always go well.
If coins get stuck in my throat and can’t pass,
The backs of our heads get a “knock-knock”
by some rough people.
( to be continued)

ありのままの自分を生きる

香咲弥須子・著

フォレスト出版・刊

 ニューヨークに住んでいる読者にも、とても気になるタイトルの本だ。「人生に奇跡を起こすニューヨークの秘密」と題していてしかも、サブタイトルには「マンハッタン・ミラクル」。五番街を歩いていても、マジソン街を歩いていても、そしてもちろんブロードウェーを歩いていても、しばらく当地に住んでいる人ならば、誰しもがおそらく気がつく共通の一つの思いがある。
 それは、歩いている人々のおでこに「私は○○になりたいです」としっかり自分の人生の目的が書かれていることだ。もちろん実際に見えるわけではないが、顔の表情に、それぞれがどんな人生を歩んできたのか、歩んでいるのかが手に取るように分かってしまう。ある意味、自分すらも他人から心の中までお見通しというくらい若き人も、老いたる人も、女性も男性もその両方の人もしっかりと自分のアイデンテティーというものを持って生きているのが分かってしまう街なのだ。
 街で10人すれ違えば、そのうちの1人はダンサーであり、俳優であり、自分の夢をかなえようとやってきた人たちであろう。同書には「三つのニューヨークがある」と書いた児童文学作家のE・B・ホワイトの言葉を序文に引用している。それはニューヨーカーには3種類の人たちがいるというのだ。ひとつはニューヨークで生まれたニューヨーカー。ふたつ目はニューヨークの外に住んでいてニューヨークにお金を稼ぎに来ている人、3つ目は、ニューヨークに夢を抱いて移り住んで来た人。そしてニューヨークのエネルギーは3つ目の人たちによって生み出されていると。
 常になにかに追い立てられているような錯覚に陥る街でもある。それは何かをしないではいられない衝動に駆られる街と言い換えてもいい。この本のタイトル、人生における奇跡とは、いったいなにを意味するのか。
 同書には、ポーランド出身の床屋のおじさん、元ナンバーワン・コメディアンのタクシー運転手、片足と片目を失ったパーソナル・トレーナー、日本語では恋ができないという女の子、キャリアを捨てて学生に戻った元ファッション・デザイナー、偽造結婚で永住権を買い、投資銀行で活躍するロシア人女性、ライブハウスを熱狂させた日本人ピアニスト、病と闘いながら2度の結婚とジャーナリストとして生きた女性などさまざまな人々の人生が臨場感あふれるタッチで描かれている。
 登場する人々の誰もに共通するのは、ありのままの自分で思いきり生きているということだ。それが筆者がこの本を通して伝えたかったニューヨーク・マインド、希望の魂ではないのか。ニューヨークに30年暮らす著者、香咲弥須子さんがニューヨークのマンハンッタンのど真ん中で、スピリチュアルな世界を提唱する場、また、さまざまな文化活動を支援する場として知られるCRSの設立者であると聞いて納得。
 自分の人生に奇跡を起こすも起こさないも、要は心、マインドの持ち方一つという意味なのではないかと。(三)

第57回NY 映画祭開幕へ

「To the Ends of the Earth(旅のおわり世界のはじまり)」
© 2019 “To the Ends of the Earth” Film Partners / UZBEKKINO
 詳細はウェブサイト www.filmlinc.org/nyff2019/ を参照。

リンカーンセンターで10月3日まで

日本からメイン2作品

黒澤清、深田晃司監督

 NYで最大の映画イベントである第57回NY映画祭が27日(金)から10月3日(木)まで、リンカーンセンターで開催される。
 オープニングはマーティ・スコセッシ監督による3時間半のギャング映画大作「The Irishman』で、ロバート・デニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペッシ等が結集。中間ハイライト『Marriage Story」は離婚を控えたNYの夫婦(アダム・ドライバーとスカーレット・ヨハンセン)を描くノア・バウムバック監督の作品。クロージングのエドワード・ノートン監督・主演による1950年代NYを舞台にした探偵物「Motherless Brooklyn」は、ブルース・ウィリス、ウィレム・ダフォー等の共演で、この重要スポットの3作すべてがアメリカ映画となった。それと共に最初の2作が配信会社ネットフリックス製作ということも話題である。
 ほかにも世界中から今話題の作品が揃う。韓国のボン・ジュノ監督、ソン・ガンホ主演の「Parasite (パラサイト 半地下の家族)」は、貧しい家族が豪邸を侵食していく姿を描く。セネガルの若い女性の彷徨のドラマ「Atlantics」のマティ・ディオプは、女優でもあるセネガル系フランス人女性監督である。南米ウルグアイの映画はほとんど見る機会がないが、金融業者の奮闘を描くフェデリコ・ヴェイロー監督の「The Moneychanger」が出品される。スペインのペドロ・アルモドヴァル監督の自伝的映画「Pain and Glory』はアントニオ・バンデラス主演である。
 メイン部門の日本映画は2本。黒沢清監督・前田敦子主演の「To the Ends of the Earth(旅のおわり世界のはじまり)』は、ウズベキスタンで日本のTVの旅番組を製作する一隊を描く。加瀬亮、染谷将太、柄本時生の豪華な脇役にも注目したい。深田晃司監督の「A Girl Is Missing(よこがお)』は、介護士(筒井真理子)がある事件をきっかけに次第に加害者に仕立て上げられていくサスペンスで、市川実日子、池松壮亮他共演。実験映画の部門 Projections で上映される西川智也の16ミリによる6分の短編「Amusement Ride』 は、観覧車の構造を探求している。(平野共余子)

敵は内なる恐怖 It Chapter Two

 小さな町デリーで子供が次々と姿を消し、気味の悪いピエロが殺人鬼として浮かびあがるスティーブン・キング著のホラーストーリー。映画は主人公らが子供時代だった頃と彼らが大人になってからの二部構成で、2017年に前編が公開され、本作は後編にあたる。
 監督は前作からの続投で「Mama」(13年)のアンディ・ムスキエティ。少年時代に弟を失ったビルにジェームス・マカボイ。ジェシカ・チャステイン、ビル・ヘイダーらが共演。殺人鬼ピエロ、ペニーワイズには前作同様ビル・スカルスガルドがハンサムな素顔にこわーい白と赤のメイクを施し、背筋が凍る不気味さを全開させる。
 ビルやビバリー(チャステイン)らルーザーズ・クラブの7人がペニーワイズをやっつけてから27年。その間、マイク(イザイア・ムスタファ)を除いては皆、デリーから離れそれぞれの道を歩んでいた。しかしデリーでは再び子供らの失踪事件が起こり始めていた。マイクはペニーワイズが戻ってきたのを察知し、昔の仲間たちを呼び集める。
 デリーと聞くだけで、彼らには学校でいじめにあったことやペニーワイズの恐怖が蘇ってくる。仲間と遊んだり笑いあった楽しい思い出も確かにあったが子供時代を懐かしむ余裕を持てないまま時が経っていた。悪の象徴であるペニーワイズを倒すことで自分たちの心の傷を葬り去れるような気がしていた。 
 図書館員をしているマイクの長年にわたるリサーチでペニーワイズ打倒の糸口を見つけることは可能だったがどこまで仲間の結束が守れるか、果たしてペニーワイズの魔力に打ち勝つことができるか。この時点でそれぞれの心の中に潜む恐怖が最大の敵であることは誰も気づいていない。
 見ている最中に何度、手で顔を覆ったか覚えていないほどグロテスクかつ怖いシーンの連続。それでも思わず爆笑する場面があるのがうれしい。
 なお、スティーブン・キングの物語はこれで完結だが、ムスキエティ監督によると過去にさかのぼり、プリクエルとしてベニーワイズの恐怖を描くことは可能とコメントしているそうで、シリーズ化に期待したい。2時間50分。R。(明)https://www.itthemovie.com/

■上映館■
Regal E-Walk Stadium 13 & RPX
247 W. 42nd St.
 AMC Empire 25
234 West 42nd St.
 AMC Loews 34th Street 14
312 W. 34th St.

編集後記 9月14日号

みなさん、こんにちは。ウエストチェスターのハリソン駅から車で10分ほどのところにある慶應義塾ニューヨーク学院(本校パーチェス、高等部)の学院長に、8月1日付で、英国名門パブリックスクールの元校長、ラルフ・タウンゼント博士が就任しました。日本人以外の学院長が就任するのは初めてです。慶應義塾の長谷山彰塾長は「ニューヨーク学院は今後、バイリンガル・バイカルチュラル教育を柱とする教育理念を守りながら、欧米の一流ボーディングスクールをモデルとして、世界標準に適合した学校へと進化させる取り組みを進めていく」と語っています。同校は1990年に開校された慶應義塾一貫教育校の一つ。9学年(中学3年)から12学年(高校3年)までの4年制の高等学校で現在322人が在籍しています。日本の大学が世界の大学ランキングの中でなかなか上位にいけないなかでの、思い切った慶應義塾の取り組みは他大学へも影響を与えそうです。また今月1日付で首都圏の難関校受験で多くの合格実績を持つ学習塾大手、早稲田アカデミーが同じくハリソン駅徒歩圏内にニューヨーク校を開校しました。来米した古田信也社長が「合格力」について「本気でやる気でやる子供を育てる」と題して講演しました。ともに今週号の1面と教育面で記事掲載しています。アメリカで暮らす日本人で、お子さんのいるご家庭では、なんといっても子供の教育問題が大きな関心事です。多様化する邦人教育の選択肢の中にあって、さまざまな可能性に挑戦できるヒントを紙面を通して伝えていけたら本望です。それでは、みなさんよい週末を。(「週刊NY生活」発行人兼CEO三浦良一)

【今週の紙面の主なニュース】(2019年9月14日号)

今週のデジタル版は表紙をクリック↓

(1)慶應NY学院に英国人学院長 1面
(2)ラグビーW杯国連から応援  1面
(3)バレインタインさん講演 6面
(4)粉もんフェス 10面
(5)NYウーマン 15面
(6)日本でアポロ劇場 21面
(7)祝令和天皇シリーズ 22面
(8)大江千里Hmmm 23面
(9)映画 Official Secrets 22面
(10)ぼくめいた2 3面

ラグビー世界杯 国連からエール

日豪国連職員が親善イベント

 今月20日から日本で開幕するラグビー・ワールドカップ(W杯)を前に5日、日本政府国連代表部とオーストラリア国連代表部が共催して各国の外交官に呼びかけ、国連職員、家族ら50人余りが国連本部前の芝生グラウンドに集まって7人制タッチラグビーイベントを行った。
 当日は元オーストラリア代表のデービッド・キャンピージ氏(57)らがプレーに参加しながら指導したほか、オーストラリアの女子ラグビーチーム「ワラビーズ」関係者も集まり、子供たちもユニフォームに身を包んで参加した。キャンピージ氏が巧みなスワーブを見せて日本政府国連代表部の選手にボールをつないでトライが成功する場面も。
 全日本のジャージに身を包んだ別所浩郎国連大使は「スポーツは平和のひとつの重要な流れ。ワールドカップの機会を通じて世界が心を通わせようという思いだ」という。灘高時代と英国留学時代にラグビーをしたことがあるという別所大使、この日はグラウンドで走りこそしながったが国連グラウンドからW杯成功へ向けて熱いエールを贈った。

全日本代表の紅白ジャージに袖を通してラグビーワールドカップを国連本部から盛り上げる別所国連大使とW杯PRのイベントでかけ声をあげる国連日本人職員チーム(5日、国連本部前芝生グラウンドで、写真・三浦良一)

慶應義塾NY学院長に 英国名門校の元校長

 慶應義塾ニューヨーク学院(本校パーチェス、高等部)の学院長に、8月1日付で、英国名門パブリックスクールの元校長、ラルフ・タウンゼント博士が就任した。日本人以外の学院長が就任するのは初めて。慶應義塾の長谷山彰塾長は「タウンゼント学院長の就任とあわせて、ニューヨーク学院は今後、バイリンガル・バイカルチュラル教育を柱とする教育理念を守りながら、欧米の一流ボーディングスクールをモデルとして、世界標準に適合した学校へと進化させる取り組みを進めていく」と宣言した。
 同校は90年に開校された慶應義塾一貫教育校の一つ。9学年(中学3年)から12学年(高校3年)までの4年制の高等学校で現在322人が在籍する。ニューヨーク州教育委員会から正式な認可を受けた私立高等学校であると同時に、日本の文部科学大臣により高等学校相当の課程を有する「在外教育施設」として指定された教育組織で、卒業後は日米両国の高校卒業資格を得ることができる。同学院は次の改革を今後順次実施する。
(1)入学時点における高度な日本語能力を前提としない入学試験の実施(2)ボーディングスクールの理想に立ち返った寮・教室一体型の教育の実現(3)一流の教育人の雇用による教育レベルアップ(4)相応の学費水準への改定。
 4日、ニューヨーク学院で入学式が行われ、新たに86人が入学した。タウンゼント学院長が新入生にお祝いの言葉を贈った。「創立者、福沢諭吉の建学の精神でもある『ペンは剣よりも強し』という言葉を現代にあてはめ、知力と精神力が腕力よりも優れているということを平和の世界の中で実践して欲しい」と激励した。