コロナ時代の在外選挙

インターネット投票実現には高い壁

海外有権者ネットワークNY共同代表の2氏に聞く

 7月5日投開票の東京都知事選では、感染リスクを下げるため、自宅のパソコンなどから投票できるインターネット投票の実現を求める声が出ていた。海外ではエストニアがネット投票を実施している。コロナ禍でテレワークも広まるなか、日本でネット投票が実施されていないのはなぜか。

 公職選挙法は44条で「選挙人は選挙の当日、自ら投票所に行き、投票をしなければならない」と定める。期日前投票や身体障害者らの郵便投票などの例外は認めるものの、投票所に出向いて投票日に投票するのが原則だと明記しているためだ。在外選挙も船員などのための不在者投票のシステムを応用して、前倒しで投票するシステムと郵便投票を併用しているのが現状だ。

 投票所での投票を求めるのは確実に本人確認ができ、誰に投票したかの秘密を守りやすいからだ。ネット投票を導入するにはなりすましを防ぎ、投票の秘密も確保できる策が不可欠となる。

 活用が想定されるマイナンバーカードの普及率は2割に満たない。サイバー攻撃を防ぐ安全対策も求められる。不備があれば選挙の信頼性が失われる。公選法を改正してネット投票を実現するハードルは高い。

 日本国内の地方選挙で2002年から、投票所でタッチパネル式画面を使って投票する「電子投票」を導入し、投開票の効率化を期待したが、機器のトラブルで選挙が無効となる事例も発生。現在、実施する自治体はない。

 総務省はまず海外に住む日本人向けの在外投票へのネット投票導入を検討している。今年1月に実証実験を始め、ネットと投票所での二重投票の防止策などの課題を洗い出した。自民党青年局は6月、ネット投票導入検討を求める提言をまとめている。公明党の斉藤鉄夫幹事長は7月6日、感染防止策を念頭に「投票する場面で不安を抱かれないような工夫をしなければならない」と話した。コロナと共存する日常の中での選挙、社会的距離を保つ必要性、海外からの郵便の遅れなどによる投票の無効などを避ける工夫が求められる。

 海外有権者ネットワークのニューヨーク共同代表の竹田勝男さんは「現在、コロナウイルス拡散によるパンデミックの最中、インターネット投票に対する要望が高まっています。それをするために乗り越えなければならないことが2つあるように思えます。(1)サイバーセキュリテイーの問題、(2)公職選挙法に言われている『選挙人は自らの意志で投票所に行き、自らの手で投票する』という法律。それゆえ、インターネット投票を実現するためには、上記2点を検討及び解決する必要があります。実行段階では、まず海外居住の有権者がその対象になることは道理にかなっていると思われます」と話している。

 在外選挙権獲得運動にニューヨークで早期から関わってきた同共同代表の竹永浩之さんは「在外選挙でのネット投票の準備は整いつつあると言っていいと思います。日本政府は2015年ぐらいからその実現について検討してきました。ポイントは2022年の参議院選挙に間に合うかどうか。コロナなどの状況もその実現を後押しするかもしれません。今後も注視したいです」と述べている。

安倍首相辞任

「日米同盟を強固に」

多くの米国メディアが指摘

 安倍首相が8月28日に辞意を表明したことを米国メディアも相次いで報じた。

 28日付ニューヨーク・タイムズは「最長記録の首相、安倍晋三氏が病気を理由に辞任」との見出しで、「日本の指導者として最長を記録したわずか8日後に、もっとも大きな野望を達成する前に辞任を決断した」と報じた。東日本大震災からの復興を監督し、経済を回復させ、トランプ大統領と良好な関係を持つなど「大きな功績」を上げたと評価する一方、悲願だった憲法改正と北方領土問題の解決ができなかったと指摘。また3つ目の悲願である北朝鮮による拉致被害者救済もできず、安倍首相が記者会見で強い遺憾の意を表明したことに触れている。

 CNNは28日、森友問題などのスキャンダルにも関わらず選挙では大勝し、安定した政権を維持したことをまず指摘。しかしアベノミクスは経済の下落を回避したに過ぎず、少子高齢化問題に有効な手立てが打てずに、2019年に過去最低の出生率を記録したこと。また移民規制緩和をせず、女性参画政策も中途半端であったとしている。外交面ではちぐはぐさが目立ち、米中対立の中、トランプ大統領と友好な関係を築く一方、中国とは習近平首席と比較的良好な関係を持ったことを指摘している。諸外国とは良好な関係を作り上げたものの韓国とは揉めたままであることを指摘した。

 トランプ大統領との良好な関係を築き日米同盟を強固にしたことは、ワシントン・ポスト紙が社説で強調するなど多くのメディアが指摘。またアベノミクスを評価する見方も多い。29日付ウォール・ストリート・ジャーナルは「安倍晋三氏のレガシー」とする社説を掲載し、辞任は「日本にとって損失」とした。ブルームバーグは辞任報道で、日経平均株価が一時2・7%安の2万2594円に下落しており、市場は安倍首相に好意的だったことを示唆。「アベノミクスで日本再生を図った」と評価した。ただし拉致問題や北方領土問題などは進展がなかったと指摘した。

 なお、30日付ニューヨーク・タイムズのオピニオン欄に、中野晃一上智大学教授(政治学)の「安倍晋三氏が辞任、スキャンダルの痕跡を残したまま」題する投稿が掲載された。森友・加計学園や桜を見る会などの真相解明が残っており、辞任してもこれらの説明責任が求められるとしている。

NYの治安悪化

発砲事件が多発
コロナ予防の保釈者急増一因

 今年6月以降、ニューヨーク市内で拳銃発砲事件が多発している。NY市警察(NYPD)の発表によると7月の発砲事件は244件発生し、昨年同期の88件と比較して177%以上増加している。この傾向は8月も継続しており、週末の2日間に少なくとも35件の発砲事件で46人が犠牲になったと報道されている。今年の発砲事件総件数は8月16日の時点で892件、前年同期比82・1%の増加となった。発砲事件が多く発生しているのはブロンクスやクイーンズ、マンハッタンでも発生している。週末の事件が多いため、NYPDは多数の制服警察官を週末勤務にシフト変更して対処している。発砲事件の増加理由として、コロナ感染拡大防止のため銃器不法所持で拘留されていた犯罪者が大量に保釈されていることが一因となっているという。

 最近発生した主な発砲事件は以下の通り。

・8月25日夜、クイーンズのフラッシング(30th Avenue and 97th Street)のアパート中庭で男性が撃たれ病院に運ばれたが死亡。他の男性2人もそれぞれ首と腹部を撃たれて負傷した。

・同25日夜、ブルックリンのイースト・フラットブッシュで、男性が腕と首を撃たれ病院に運ばれたが死亡・

・同25日夜、ブルックリン(East 108th Street and Farragut Road in Canarsie)で車を運転中の男性が頭を撃たれ負傷。

・同25日夜、マンハッタンのアッパーウエストサイド(アムステルダム街と103丁目)で男性が腹部を撃たれ負傷。

・同26日早朝、クイーンズで男性が撃たれ病院に運ばれたが死亡。

・同26日夜間、ブロンクス(Wickham Avenue)で男性が撃たれ負傷。

・同27日早朝、ブロンクス(Major Deegan Expressway)で車を運転中の女性が撃たれ負傷。

 詳細はNY市の犯罪マップ(https://maps.nyc.gov/crime/)を参照。

(写真)発砲殺人事件のあったマンハッタンのアムステルダム街103丁目

飯塚国雄回顧展

NY日系人会館で開催

 7月14日に亡くなったニューヨーク日本人美術家協会(JAANY)会長で創設者でもあるアーティストの飯塚国雄さんの追悼回顧展が8月24日、ニューヨーク日系人会で開催された。演出家で長男の励生(れお)さん(55)が来米、1回20人までの4つの時間帯に分けて密にならないよう社会的距離を保ちながらニューヨーク総領事の山野内勘二大使始め、生前交流のあったアーティスト仲間ら総数80人余りが来場した。

 励生さんは「父は4月初旬に新型コロナウイルスに感染して入院、約1か月間の治療を経て4月末に陰性の診断を受け退院、リハビリセンターに移ったが、その後後遺症や心臓の機能低下となり回復しなかった。4か月間、すごく頑張って、こんな病気に負けねえぞ、頑張るぞと言っていた。81年間、人生を頑張って生きてきた父だった。60年ほどの時間、世界の問題、迷い、恐怖、怒り、愛情を自分の芸術を使って世間に伝える仕事をした。残った遺品を整理していたらどのズボンの中にも日本の歌謡曲の歌詞カードが入っていた。絵を描くことだけでなく歌を歌ってみなさんを楽しませることも好きだった。リュックサックの中にはスケッチブック2冊、鉛筆、筆ペン、クレヨンなどの画材が入っていた。反戦、反原発という上の世代、若い世代のために作品はこれからも生き続けると思う。生き生きと悔いを残さず生きていた、多くの友人たちの愛情、サポートを感謝しています」と挨拶した。

 山野内大使は「昨年9月にニューヨーク日本人美術家協会の第47回年次絵画展でお目にかかりご挨拶したのがきっかけで、長崎の作品など多く拝見した。自分も佐世保で育ったので長崎には近く、平和を願う気持ち、ここに展示された作品がよくわかる。71年当時はまだベトナム戦争の名残のある時代にそういうエネルギーのある作品を残された、力強い方だったと思う。命日が7月14日とフランス革命の日と重なり、ことを成し遂げて去って行かれるのもそういう星の下に生まれた方なんだと感じた。絵が人柄を表しておられ、作品は永遠に残り、世の中に光と勇気を与えてくれると思う」と挨拶した。

  飯塚さんは1939年東京生まれ。逗子開成高校、お茶の水美術学院卒業後61年渡米。その後永住権を取得し、ニューヨークの「アート・スチューデント・リーグ」彫刻スクールで教鞭を執った。73年ニューヨーク日本人美術家協会を創立し、初代会長となる。医師だった母親の愛を注がれて母子で育ち、渡米前の結婚後に探し充てたまだ見ぬ父親が被爆者であったことを知り、反核がアート活動の根源となった。95年ニューヨークの国連本部で反核個展「われわれはどこへ向うのか」展を開催。その重いテーマ性から社会派作家とも称されるが、恋人や愛をテーマにした作品も数多く残しており、すべてが人間主義に貫かれていた。98年に紺綬褒章を受賞。

週刊NY生活ギャラリーで
飯塚さんの作品を常設展示

 飯塚国雄さんご本人の生前の同意により、著作相続権を持つ遺族の励生さんの許可をこのほど得られたことから本紙週刊NY生活のウェブ版(https://nyseikatsu.com/gallery/com)内にあるオンラインアート画廊「週刊NY生活ギャラリー」に10月から飯塚氏の作品10点が常設展示で登場する。世界中から飯塚さんの作品をいつでも無料で見ることができるだけでなく購入することも可能になる。

創業の精神をシャツに込め

メーカーズシャツ鎌倉 代表取締役

貞末 奈名子さん

 鎌倉シャツの愛称で知られるメーカーズシャツ鎌倉の2代目社長に5月に就任した。創業から27年、日本の縫製工場による最高品質のメイドイン・ジャパンのシャツを徹底した中間コストの削減により、求め易い価格で販売することを可能にした同社は、日本のアパレルメーカーが苦戦を強いられる中、短期間で世界的なブランドと肩を並べるまでに成長した成功例として語られることが多い。

 聖心女子大卒業後2年10か月の銀行勤務を経て入社。会長である創業者の父良雄氏と初代社長の母タミ子さんの下で、実質的な会社の現場指揮官として働き、父親の念願だったニューヨーク・マジソン街への2012年の出店を支え、昨年秋には2か国目の海外進出となる中国上海への展開への道筋をつけた。その矢先に新型コロナウイルスが中国から世界に感染拡大した。緊急事態宣言により日本国内やニューヨーク店で4か月近く営業ができない状態が続いた。工場が止まれば経済再開の時にシャツを製造できなくなるかもしれない。ミシンを使って作れるものを工場に発注しなくては。貞末さんは、オリジナルマスクを製造することを緊急事態宣言直前の3月下旬に決断。マスク製造に必要な資材を調達して予約販売したところ6日間で注文が50万枚も来た。

 パンデミックで店頭販売がゼロになってもオンライン通販が伸びたこと、マスク販売があったお蔭で完全閉店しても前年比80%の売り上げを確保することができた。現在追加の10万枚も製造中で、コロナ禍における必需品として今後は洋服に合わせたコーディネイトも提案していくそうだ。

 ニューヨーク店のオープンは貞末さんにとっても忘れられない思い出だ。ハリケーン・サンデーがニューヨークに直撃した翌朝だった。市内25万世帯が停電して地下鉄、バス、通勤電車が全てストップ。38丁目にあった宿泊先は停電が1週間続いたが、47丁目のマジソン街店は無事だった。午前7時。予定時刻に開店。

 「こちらには、洋服に非常に造詣の深い人たちが大勢います。私たちが日本でやってきたことをそのままやれば、成功すると思います。頑張りましょう」と会長の良雄氏が社員に訓示する。続いて妻で社長のタミ子さんがこう言った。「これからニューヨークの人たちに愛されるお店になるように頑張っていきましょう。日本のおもてなしを世界に広めて私たち日本人の心意気を示そうではありませんか」。

 「父は、本当は日本の良さっていうのを分かってもらいたくてチャレンジしたわけですが、もうすぐ8年、それは伝わったし、むしろ日本以上にアメリカで評価してもらえているように思います。母が言ったおもてなしの精神も、ここに来ると温かい、という、会社の雰囲気なんですね。社員の高いモチベーションが支えになっています」と話す。マスクは売れても本業はシャツだ。米国での成功をさらに盤石にし、中国での販売拡充を目指すのも次世代に課せられた使命と見た。

(三浦良一記者、写真は鎌倉シャツ提供)

今秋のNYファッションウィーク、ランウェイショーは主にバーチャル

 米国ファッションデザイナー協会(CFDA)は、恒例のニューヨーク・ファッションウィークを13日(日)から16日(水)まで開催するが、今期はコロナウイルスを警戒し、ほとんどのランウェイショーをデジタル・プラットフォームによる仮想(バーチャル)ランウェイショーで行うと8月27日に発表した。アンドリュー・クオモ州知事は8月25日、今年はコロナウィルスのため、入場者を屋内の許容人数の50%以下に、屋外でも参加者を50人以内に留めるとした。

 プログラムには8月末時点で68のショーが登録されているが、常連のトムフォード、アナスイ、ニコールミラー、ビブーモハパトラなどの名はあるものの、ニューヨークの大御所、マークジェイコブス、オスカーデラレンタ、ラルフローレン、カルバンクラインなどは参加しない。

 日本人デザイナーの富永航氏が初登場するが、これまで14年間欠かさずに参加してきたブランド、タダシショージは不参加となっている。

 (写真はオスカーデラレンタのランウェイショー/2018年、撮影・ワインスタイン今井絹江)

車で気軽に1泊2日の紅葉見物へ

秋のボストンとバークシャー地方

 週刊NY生活の読者の皆さん、こんにちは! この夏は、旅の計画が立てづらく、レジャーに出かけてない方も多いのではないでしょうか? そんな方々に週末、車で気軽に1泊2日で楽しめる秋のボストンとマサチューセッツ州バークシャーエリアをIACEトラベルよりご紹介します。

 ボストンの9月は夏の厳しい暑さが終わり徐々に秋らしくなってきます。秋のボストンとバークシャー地方は1年のうちで最も色鮮やかな紅葉が美しい季節を迎えます。新型コロナのおかげで新しい旅のかたちが問われ、車を使って家族単位での自然やアウトドアアクティビティーに注目が集まっています。

 ニューヨークからだと片道約4時間位のドライブですが、往路はシンプルに95号線を北上しコネチカットのニューヘブンやロードアイランド州のプロビデンスを通過しボストンまで来てください。到着したら車は駐車場へ入れて、ウォーキングタウンのボストンをご自分の足で満喫しましょう。

 ボストンはアメリカ建国の発祥の地で、イギリスから清教徒が来て発展しました。市内には植民地時代から独立までに関わった16か所の史跡を結ぶ全長4キロの「フリーダムトレイル」という歩いて見学するコースがあります。新しい旅のかたちのニーズに合い、ソーシャルディスタンスの確保ができて、自分のペースで歩きながら歴史的なエリアを見学できる、大変好評なウォーキングアクティビティーです。どんな史跡があるか少しご紹介します。

 ボストンコモンは、夏なら緑豊かな、秋にはカエデやポプラが色づくアメリカ最古の公園ですが、入植した清教徒が共有地として使い始めた一画です。サミュエル・アダムズ、ポール・リビアやジョン・ハンコックといった教科書に名を連ねる独立革命家達が眠るグラナリー墓地、そして1776年に独立宣言書を読み上げたオールドステイトハウスでは、感慨深げに宣言書を読み上げたバルコニーを見上げているアメリカ人たちがいます。史跡は全部で16か所ありますが、最終地点には独立戦争の舞台となったバンカーヒルという小高い丘に記念塔が建てられています(バンカーヒルモニュメント)。全長4キロですが少し折り返して歩いて戻らなければならないので、最低でも5キロ位は歩く覚悟が必要です。途中、クインシーマーケットやアイリッシュバーが立ち並びアウトドアパティオで美味しそうに生ビールを飲む人たちの横を歩くと誘惑に負けそうになりますが、終点まで歩いてからのお楽しみとして下さい。

 ディナーにはロブスターとクラムチャウダーを、SteamedまたはBoiledのぷりぷりしたロブスターにはレモン汁をかけてさっぱりと頂くのがベストです。そしてボストンの締めくくりは、オフィシャルデザート「ボストンクリームパイ」を是非お試しください。

 翌日は朝のうちにボストンを出発し、ルート2号線でひたすら西へ向かい「モホークトレイル」を目指します。途中、アメリカ独立戦争の舞台となったコンコード、ワチューセッツマウンテン麓のニューイングランド風ファームや家々を眺めながらコネチカットリバーを渡り走ること約1時間45分、91号線と交わる所にあるグリーンフィールドという小さな町に到着します。ここから「モホークトレイル」の景勝道路が始まります。

 昔ネイティブアメリカンが貿易ルートとして物資を運んでいた道で、マサチューセッツ州西部の2号線63マイル(約100キロ強)区間を「モホークトレイル」と呼んでいます。例年秋には全米からたくさんの人が紅葉鑑賞を目当てに訪れますが、今年は州の移動制限があるので、そんなに混まないのではないでしょうか。山間部を縫うようにヘヤピンカーブもあって、日光のいろは坂を思い出させる山道です。ルート沿いの主な町は、シェルバーンフォールズ、シャールモント、フロリダ、ノースアダムスなどがあり、滝や川の自然、そしてレストランやギフトショップなど、景観を楽しめる車寄せも所々にありますので、途中下車やランチを取りながらマサチューセッツ最西端のウィリアムズタウンまで続くニューイングランドの景色を堪能してください。(参照:www.mohawktrail.com/driving-tours.html

 この先はルート7号線と交わり、南下してストックブリッジにあるアメリカの偉大なイラストレーター、ノーマン・ロックウェル美術館へ(現在入場予約制)。展示ルームとロックウエルのアトリエや広いガーデンも楽しめます。予約と開館日の確認はオンライン(www.nrm.org/)から。ロックウエルの代表作「Stockbridge Main Street at Christmas」は、近くのメインストリートが描かれていますが、美術館から車で5分位のところにあります。絵にも描かれている「レッドライオン・イン」が現在も営業を続けていますので、是非立ち寄ってコーヒーブレイクはいかがですか? 可愛らしい街並みが今もそのまま残っています。コーヒーブレイクが済んだら夕方にはニューヨークへ向け出発。2日間でおよそ535マイル位(約856キロ)の走行距離になりますが、「3密」を避けながらも、密度の濃い2日間となること間違い無しです。1泊2日の小旅行を見直して是非お試し下さい!

(IACEトラベル北東部レジャー課・鈴木美千代)www.iace-usa.com

クイックUSAアメリカの人事部(15)

職場におけるコロナ感染テスト(前)

 今回はCDC(米疾病予防管理センター)から出されたばかりのコロナ感染テストの最新ガイドラインについて皆様にシェアさせていただきたいと存じます。弊社のクライアント企業様から寄せられる質問で多いのは、従業員を職場復帰させるRTW(Return-to-Work)の際に、果たしてコロナ感染テストを従業員に義務付けてもよいのかどうかというものです。この質問への答えに対する今回の新たなCDCのガイドラインをご紹介しながら、職場におけるテストの必要性について検証してみたいと思います。

 まずCDCの最新ガイドラインでは、テストを受けるかどうかについての5つの考えられうる以下のようなシナリオを準備してくれています。

(1)仕事に来る前に従業員には何らかのコロナ感染の兆候があるかどうかの健康チェックを求め、検温し、コロナの兆候が見られた場合には医療機関に行ってもらい、そこでテストを受けてもらうようにと指示することができる。

(2)コロナに暴露した疑いのある従業員がいた場合は、自宅における自己隔離と同時に速やかにテストを受けてもらう。

(3)コロナに暴露した疑いのあることを知らない従業員で、なおかつ無症状であった場合、やはり市中感染を防止するために下記のような状況下であれば、テストを受けることが勧められる。

・職場でのソーシャルディスタンスをとること自体が難しい、つまり6フィート以内に15分以上おかれる状況が発生している場合

・職場が医療診断や治療が遅れる可能性のある遠距離に位置している場合

・職場がエッセンシャルビジネスに数えられていて、事業を継続することが最優先課題とされているような場合

・従業員に対して集団集合住宅を提供している職場の場合

 これらの状況下に置かれている職場では仕事に来る前に全従業員に対して最初のテストを受けさせます。そして次に一定の間隔を置いて定期的にテストを受けてもらうようにします。さらにある一定期間、自宅待機やテレワークをしていた従業員を職場に呼び戻す際や新規採用者が職場で就業開始する前に、やはりテストを受けてもらいます。(つづく)

(酒井 謙吉 パシフィックドリームズ社長)

www.919usa.com

編集後記 8月22日号

■【編集後記】8月22日号

  みなさん、こんにちは。コロンビア大学ビジネススクール日本経済経営研究所は13日、新型コロナウイルス感染症対策分科会会長の尾身茂氏と加藤友朗コロンビア大学医学部外科教授を迎え、「新型コロナとの闘いから得られた教訓、東京とニューヨーク」と題したウェビナーを開催しました。当日は伊藤隆敏コロンビア大学国際関係公共政策大学院教授が司会、世界30か国から615人が視聴しました。
  尾身氏は「日本は感染防御と経済拡大を両立して考えようという取り組みだ」と日本の新型コロナウイルス対策のスタンスを伝え「クラスターの早期発見、医療供給体制の確保、市民の行動変様の3本柱を考えて早い段階で新型コロナウイルス感染症の伝播の特徴を把握した。東京など大都市の夜の街から人の移動を通して地方都市、全国に広がっている流れがつかめている。そこに重点的に防御対策をする」ことも大切な選択肢であることを説明しましたが「今後のジレンマは経済が疲弊していることをどうするかだ」とも述べました。
 加藤教授は「自分自身も重傷感染した経験を持つが、NYで初期に感染爆発が起きたのは、マスクをする習慣がなく公共交通機関を使う人が多かったこと、緊急事態宣言をするまでに300万人が欧州から入ったことが原因。その後、厳しいロックダウンと自宅待機をやったことが奏功した」とニューヨークのこれまでの推移を説明した上で「社会経済活動再開は非常に慎重に行っているが予断を許さない。感染症の専門家は感染をいかに防ぐかをまず考えるべきで、経済活動のためにも(医学的な)安心をまず担保することが優先だと思う」と述べました。つまり医療の現場にいる立場からはあくまでも感染拡大の防止と医療制度の充実をポイントに考えるべきで、経済活動再開は政治家の判断と分離した考え。加藤教授がちょっとだけ尾身氏に反論したような場面とも見えました。日本側は経済界からの様々な再開に向けた陳情や圧力が専門家に来ているのか、医療の専門家ですら経済を忖度した発言になっていたのが対照的でした。まあそんなことまでは紙面には書いてませんけど、日米のコロナに対する姿勢の違いが見えた瞬間でした。今週号の4面です。加藤教授は「ひどい経験をしたところと、そうでないところとでは、結論は出ないのかもしれませんが」と対談の中で発言していたのもスペースの関係で記事本文からは削られてしまいました(削ったのは自分ですけど)。
 4月上旬あたりは毎日、1日800人近くが死亡していたニューヨークの人間から見たら日本が今深刻な拡大になっていると報道されているのを見ても、本当に拡大したら今の何十倍もの感染爆発が起こってもおかしくないくらいの「感染の伸びののりしろ」が日本にはあるのではないかと思ってしまいます。アメリカで感染者数が伸びても死亡者が減っている為に「ウイルスが弱毒化しているのではないか」との問いかけも司会からありましたが両氏は弱毒化を判断するのは時期尚早としました。あと、日本にはアメリカのような強制力がないのも問題だと指摘がありましたが、これは日本国民は国が国民に対して強制力を持つことに対してとても敏感ですからね。戦争体験からしても。お願いベースです。取り組み難しいです。それでは、みなさんよい週末を。(「週刊NY生活」発行人兼CEO三浦良一)

大統領令に例外規定

国益にかなうHLJ非移民ビザを緩和

 非移民ビザ(H-1B、 H-2B、J、L)による米国入国の停止・制限措置(ビザ発給制限措置)に関する6月22日付の大統領令に関し、8月12日、米国務省は同措置の例外となる「National Interest」の詳細な事例を発表した。主な内容は次の通り。大統領布令の例外となる「国益にかなう非移民の渡航」は次の通り。

■H-1Bビザ申請者

・公衆衛生や医療の専門家または研究者で、COVID-19パンデミック(含:波及的影響)の緩和あるいは医療研究を目的とした渡航(例:癌や感染症の研究)。

・重要な外交政策上の目的や条約・契約上の義務を果たす目的のため、米国政府や組織から要請を受けた渡航。

・米国内で継続中の雇用を、同じ役職、同じ雇用者、同じビザの種類で再開しようとするビザ申請者による渡航。領事担当官は、Form I-129のPart II、Question 2 を参照し、申請者が「以前承認された雇用と同じ内容の雇用を同雇用者と結んでいる」ことを判断する。

・米国の緊急的かつ継続的な経済回復に必要な技術的専門家、シニアレベルのマネージャー、または同程度の資質を持つ者による渡航。領事担当官は、H-1B申請者が以下の5つの項目のうち少なくとも2つを満たす場合、本カテゴリーに該当するとみなす。

(1)請願者たる雇用者が、米国内のH-1B非移民によるサービスまたは労働について継続的なニーズを有していること。(2)請願者たる企業における申請者の職務及び役職が、当該企業の重要インフラのニーズを満たすために多大かつユニークな貢献をすることが示されていること。重要インフラ部門には、化学、通信、ダム、防衛産業基盤、緊急サービス、エネルギー、金融サービス、食品・農業、政府施設、医療・公衆衛生、IT、原子炉、輸送、水システムを含む。重要インフラ部門における雇用だけでは本条件を満たすのに不十分であり、領事担当官は、申請者が以下に示す2つの職務のうちどちらかを満たすことを確認しなければならない。

 ・請願者たる組織におけるシニアレベルとしての配属、または、企業全体を管理し成功へ導くにあたりユニークかつ極めて重大な役割を担う職務であること。 ・請願者たる企業における申請者の職務及び専門知識が、当該企業に多大かつユニークに貢献することを示していること。(3)H-1Bビザ申請者に支払われる賃金が、賃金相場よりも少なくとも15%以上高いこと。(4)H-1Bビザ申請者の学歴、研修歴、経験が当該申請者が雇用される専門的職業における類まれな専門的技術があることを示している。例えば、博士号または専門職学位を有する者や複数年に及ぶ関連の職務経験を有している者は、本項目を満たし、当該企業にとって重要な職務を果たす可能性が高いとみなされる。(5)大統領布告10052号に従ってビザ発給を拒否することで、米国雇用者に財政的困難が生じる場合。 

H2B、J1ビザ申請者の場合

■H-2Bビザ申請者

・重要な外交政策上の目的や条約・契約上の義務を果たす目的のため、米国政府や組織から要請を受けた渡航。

・緊急的かつ継続的な米国の経済回復に不可欠な渡航(例:林業及び自然保護や家畜以外の動物の飼育に携わる者)。領事担当官は、申請者が以下に示す3つの項目のうち少なくとも2つを満たす場合、本カテゴリーに該当するとみなす。

(1)H-2Bビザ申請者が、請願者たる米国雇用者に以前も雇用され職業訓練を受けたことがあること。当該申請者は2回以上のH-2Bビザ請願のもとで請願者たる雇用者に雇用された経験がなければならない。

(2)H-2Bビザ申請者が、雇用の継続的ニーズを示すtemporary labor certification (TLC)に基づき渡航する場合。

(3)大統領布告10052号に従ってビザ発給を拒否することで、米国雇用者に財政的困難が生じる場合。

■J1ビザ申請者

・特別な補助が必要な子どもに対応する専門的技術(医療補助、特殊教育、または手話など)を有し、オペアによって、未成年の米国市民、合法的永住者、または合法的在留資格のある非移民に対しケア・サービスを提供するための渡航。

・米国市民、合法的永住者、または合法的在留資格のある非移民が、公衆衛生や医療機関その他公的機関の負担となることを防ぐための、オペアによる渡航。

・COVID-19感染者に医療を提供する親、または米国内の施設でCOVID-19に関する医療研究を行う親を持つ子どものチャイルドケア・サービスを提供するための渡航。

・米国の国益を促進することを目的に、外国政府と米国連邦・州・地方政府との間に結ばれた了解覚書(MOU)、趣旨書、その他有効な合意または協定に従って実施される交換プログラムで、同合意が本布告の発効日前に有効となっていた場合の渡航。

・米国政府機関がスポンサーとなっているプログラムにおけるインターンシップまたは訓練(Form DS-2019で「G-3」から始まるプログラム番号のもの)に参加するための渡航。米国の緊急的かつ継続的な経済回復を支援する交換訪問プログラムに参加する個人で、米国政府機関に招待される者による渡航。

・Form DS-2019上のプログラム番号が「G-5」から始まる認定教育機関の特別教師による渡航。交換訪問プログラムの参加者で、公私の認定教育機関の初等教育または中等教育にフルタイム(対面教育の代替を含む)で勤務し、米国の教育に貢献することが認められる者。特別教師は母国語レベルまたはそれに近いレベルの外国語能力を有し、同言語による担当科目の授業を行う能力があることを示す必要がある。

・重要な外交政策上の目的:本カテゴリーは、重要かつ時間的制約のある外交政策上の目的のために実施される交流訪問プログラムに参加する場合のみ該当。

L1ビザの場合の申請者に適用

■L-1Aビザ申請者

・公衆衛生や医療の専門家または研究者で、COVID-19パンデミック(含:波及的影響)の緩和あるいは医療研究を目的とした渡航。

・重要な外交政策上の目的や条約・契約上の義務を果たす目的のため、米国政府や組織から要請を受けた渡航。

・米国内で継続中の雇用を、同じ役職、同じ雇用者、同じビザの種類で再開しようとするビザ申請者による渡航。

・重要インフラのニーズを満たすために、雇用者の重要な職責を担うシニアレベルのエグゼクティブやマネージャーによる渡航。重要インフラ部門には、化学、通信、ダム、防衛産業基盤、緊急サービス、エネルギー、金融サービス、食品・農業、政府施設、医療・公衆衛生、IT、原子炉、輸送、水システムを含む。L-1Aビザ申請者は、米国に新しいオフィスを設立せず、かつ以下3つの項目のうち少なくとも2つを満たす場合、本カテゴリーに該当するとみなされる。

(1)シニアレベルのエグゼクティブかマネージャー。

(2)海外の当該企業で複数年の実績があり、雇用者に財政的負担をもたらすような相当の訓練を受けた社員でなければ代替できない当該組織内の職務を果たすための実質的な知識及び専門性を有すること。

(3)重要インフラのニーズを満たす企業の重要不可欠な業務を担当すること。

米国に新しいオフィスの設立を希望する場合は、上記3つの項目のうち2つを満たし、かつ直接・間接を問わず、5人以上の米国人労働者を雇用する必要がある。

■L-1Bビザ申請者

・公衆衛生や医療の専門家または研究者で、COVID-19パンデミック(含:波及的影響)の緩和あるいは医療研究を目的とした渡航。

・重要な外交政策上の目的や条約・契約上の義務を果たす目的のため、米国政府や組織から要請を受けた渡航。

・米国内で継続中の雇用を、同じ役職、同じ雇用者、同じビザの種類で再開しようとするビザ申請者による渡航。

・技術的専門家またはスペシャリストとして重要インフラのニーズを満たすための渡航。領事担当官は、L-1Bビザ申請者が以下の3つの項目全てを満たす場合、本カテゴリーに該当するとみなす。

(1)当該申請者の職務及び専門知識が、請願者たる企業に重要かつユニークな貢献を提供することを示すこと。

(2)当該申請者の専門知識が、重要インフラのニーズに直結すること。

(3)海外の当該企業で複数年の実績があり、雇用者に財政的負担をもたらすような相当の訓練を受けた社員でなければ代替できない当該組織内の職務を果たすための実質的な知識及び専門性を有すること。