14丁目で地下鉄脱線

破壊行為の男逮捕

乗客150人は無事

 8番街14丁目駅の地下鉄A線北行きホームで9月20日午前8時15分頃、男が建築物などに使われている破片を線路に投げ、ホームに入ってきた列車が脱線した。先頭列車が軌道を外れ、支柱にぶつかった。乗っていた約135人は避難、3人が軽傷を負った。

 男はブロンクス在住のデメトリウス・ハーバード(30)容疑者で、ホームに居合わせた利用客に取り押さえられ、駆けつけた警官に逮捕された。

 線路はかなり破損しており修理のため終日運休した。停電も起こしたためほかの軌道も使えなくなり別のA列車も停止、トンネルで立ち往生したため125人の乗客が避難した。14丁目駅に乗り入れているC、D、E、F線も影響を受け大幅遅延するなど終日、混乱が続いた。

 破片を投げているハーバード容疑者を取り押さえたのはリキエン・ワイルダーさんで、当初は投げ込まれた破片を取り除こうとしたという。しかし列車が近づいてきたことからハーバード容疑者を捕まえることにし、警察が駆けつけるまでの15分間、拘束した。

 ワイルダーさんの勇気ある行動に、地下鉄を運行するメトロポリタン交通局(MTA)は23日、1年間有効の無制限メトロカードと「ニューヨーク・タフ」と書かれたTシャツおよび「ヒーロー・オブ・ザ・サブウェイ」と書かれたベストを贈呈した。

 ハーバード容疑者は、無謀な危険行為、犯罪的いたずら、暴行、不法侵入などの容疑で起訴された。