日本人ピアニスト襲われる

海野雅威さん地下鉄駅構内で

改札出口で男女8人が通せんぼ。ぶつかったと言いがかりつけ暴行

 ニューヨーク在住の日本人ジャズピアニスト、海野雅威 (うんの・ただたか)さんが、9月27日午後7時半ごろ、ハーレム135丁目地下鉄駅(B・C線)構内で突然8人の男女に襲われ、鎖骨骨折、頭を含む全身にアザを受ける怪我を負った。

 海野さんが地下鉄を降り、誰もいない改札を抜けた後、男4人、女4人の8人が出口をふさぐ様な形で通行を妨害したため、通り抜けようとしたところ、その中の一人の女性がぶつかったと言いがかりをつけ、同グループの複数人が殴りかかった。他に地下鉄を利用している人はいない状況で、逃げようとしたところ、同グループに後を追いかけられ更に殴られて負傷した。暴行を受けた後、海野さんは、救急車で運ばれ病院で数日を過ごし退院したが、手術が必要である可能性が残っているという。友人らがクラウドファンディングを立ち上げたが、目標額に達したため終了している。海野さんは「今回はたまたま地下鉄駅でしたが、ある一つの駅だけが危なくてあとは安全かといったらそういうことではない社会情勢だと思いますので、とにかくどこを歩くにも人気のない場所を避けて欲しいです」と話している。

発表前日に感染知る

トランプ大統領コロナ陽性で入院し退院

 新型コロナウイルスに感染し、2日から入院治療を受けていたトランプ米大統領(74)は5日夕方、退院しホワイトハウスに戻った。トランプ氏は「COVIDを恐れ、自分の生活を支配させてはいけない」とツイッターに書き込んだ。大統領の主治医を務めるジョーン・コンリー医師は記者会見で、複数の強力な治療薬を投与し容体は回復したとする一方、「まだ完全に安心はできない」とも語った。退院後も治療は続ける。トランプ氏は2日午前1時前に新型コロナウイルス の検査でメラニア夫人(50)とともに陽性反応が出たとツイッターで発表。発熱の症状があり、1時間ほど酸素補給を受けた後、同日午後にヘリコプターでワシントン近郊のウォルター・リード米軍医療センター入院した。症状の軽いメラニア夫人はホワイトハウス内で自己隔離となった。

 ジョーン・コンリー主治医によれば、最側近のホープ・ヒックス氏が新型コロナウイルス検査で陽性反応が出たことを受けて、メラニア夫人と一緒に1日夕方に検査を受けたところ陽性だった。

 トランプ氏は、専門家の感染拡大防止のガイドラインを軽視し、マスク着用やソーシャルディスタンスもあまり守らず職務や選挙運動を展開してきた。ホワイトハウスはトランプ氏および接触する人物に徹底的な検査態勢を敷いているとしていたが、検査だけに頼るのは感染予防としては不十分であることを如実に示した格好だ。

 トランプ氏は74歳という高齢で、身長が約6フィート2インチ(約188センチ)、体重が243ポンド(約110キロ)でボディマス指数(BMI)が30を超え、肥満に該当するため深刻な合併症のリスクが最も高いグループに分類される。複数の関係者によると、実は1日にすぐに迅速検査を受けたところ陽性反応が出たが公表せず、正確なスクリーニング検査の結果を待ったことから公表は2日午前1時になったという。

(写真)大統領の退院を1面で報じる6日付NYタイムズ紙

義理の妹殺された

残された3人の息子

3日後に容疑者逮捕

 「突然のメールをお許しください。昨晩クイーンズのジャクソンハイツで発砲事件があり、私の義理の妹が殺されてしまいました。3人の残された幼い子供の為にファンドレイジングを立ち上げています。事件の記事を載せていただくと共にファンドレイジングの情報も載せていただくことは可能でしょうか?」そんなメールが1日夜、編集部に飛び込んできた。差し出し人は松谷美佳さん(47)。日本人女性だ。

 翌日、事件現場で松谷さんに会った。

 事件は9月30日深夜、1日未明の午前零時45分。クイーンズ区ジャクソンハイツ34番街91丁目16番地で起こった。エルムハースト駅から徒歩10分の閑静な住宅街。警察によると道路に面した集合住宅アパートの3階に住むメキシコからの移民女性ベルタ・アリジアさん(43)が、外の道路で物音がするので窓ガラス越しに外を見た時に路上から発砲され、弾丸が喉に命中し、室内で倒れた。大きな物音に気づいた長男のエンジェル君(14)が母親の寝室に入ると母親が床に倒れていた。その時はまだ目を開いて息をしていたという。別室で寝ていた父親を起こしエンジェル君が電話で911に通報、警察と救急車が駆けつけたが、CPRであらゆる蘇生を試みたが現場で死亡が確認された。室内の窓ガラスには銃痕があり、外から発砲されたものだった。屋外の防犯カメラにはその時間帯にビルの前で駐車されていた自転車を盗もうとする2人組の男が写っており、重要参考人として警察は捜査、3日、イサム・エラバー容疑者(31)を殺人、武器不法所持などの容疑で逮捕した。

クラウドファンディング立ち上げ

 編集部に連絡してきた松谷さんは、犠牲者の夫の兄の妻。ベルタさんには、6歳のジョージ、10歳のビクター、14歳のエンジェルの男の3人兄弟がおり、6歳の末っ子はまだ事件が理解できておらずに母親を探しているという。被害者の夫も松谷さんの夫もショックを受けており、また、メキシコにいるベルタさんの母親が葬儀のために米国に入国を希望しているがコロナウイルス感染防止の影響でビザが降りず断念、葬儀が7日しめやかに地元の教会で行われた。。3人の子供の養育費と教育費を賄うため松谷さんがクラウド・ファンディングを立ちあげた。7日現在目標額30万ドルに対して4万6251ドルが851人の支援者から寄せられている。「米国で銃規制がなかなか進まない中で、身近な家族が犠牲になってとても悲しい。亡くなった義理妹は帰らないが、犯人には責任を取って罪を償って欲しい。残された子供たちのことを考えるとなんとか助けてあげたい気持ちでいっぱい」と松谷さん。寄付は10ドルからできる。ファンドのアドレスはファンドレイジングGoFundMe, https://gf.me/u/y27dsx

(写真左)事件現場の前に立つ松谷さん。後ろのビル手前3階の窓に銃痕があった。(2日午前、写真・三浦良一)

「左右対立は過去、実務型政治へ向かう日本」

あめりか時評閑話休題 冷泉彰彦

 安倍政権の7年半は、日本にとって左右対立の7年半でもあった。まず左派論壇は一貫して政権には批判的であった。「アベ政治を許さない」というスローガンが象徴するように、要するに安倍政権の行うことは何でも反対というのである。その硬直した姿勢は「ネット民」から「アベガー族」という称号まで授けられほどだ。

 一方で政権支持派の姿勢もかなり硬直したものであった。例えばコロナ禍の中でPCR検査を拡大すべきと医療現場から提案した医師に対して「安倍政権に逆らうものは許さない」としてツイッターで「炎上」させたケースなど、全く政治的でない発言まで政権批判とみなされて叩かれるということまで起きた。

 安倍政権の実際の政策はといえば、アメリカから遠望している限りにおいては、どう考えても中道実務政権にしか見えない。オバマ前大統領との日米相互献花外交、朴槿恵前大統領との日韓合意(残念ながら韓国側の事情で消滅)、上皇陛下の申し出られた譲位案を整然と実現したこと、中国やロシアとの良好な関係に努力したこと、どれを取っても仮に左派政権が進めようとしたら、右派世論の猛反対に遭っていたと思われるテーマばかりだ。けれども、保守イメージを巧妙に使って落とし所を外さなかった。またアベノミクスによる金融緩和政策は、経済政策としては超リベラル政策にほかならず、当時のオバマ政権も高い評価を与えていた。

 2016年にアメリカでトランプ政権が登場し、アメリカ政治では左右の罵倒合戦が激しくなった。日本の政治風土も、それに似た対立があるという解説も多いが、対立は表層だけであって、実務の部分では中道政治が機能していた。

 世論の意識も同じであって、現在大きな問題となっているコロナ禍への対応がいい例だ。アメリカの場合、ロックダウンやマスク着用を進める立場は中道から左派であり、反対に右派は自由を根拠に感染対策に反対している。ところが日本の場合は、感染拡大に留意しながら経済活動の再開を慎重に行うという政府の姿勢には幅広い支持がある。世論調査では不満という数字が出るが、あれはコロナ禍そのものへの苦しみの反映であり、政府の政策が不信を買っているのではない。

 興味深いことに4月に日本で非常事態宣言が出た際に、これを強く批判したのは左派と右派の双方であった。左派は全体主義的な強権発動への反発から、そして右派は経済優先の立場から「コロナはインフルより弱毒」などといった強引な主張を繰り返していたのである。つまり、多くの日本人は現実と向かい合う中で極めて常識的であり、左右対立というのは、実はネットや活字という抽象的な世界のもの、しかも参加していた人数は決して多くなかった。つまり、左右の論客というのは、同じように現実とは乖離していたし主張も似通っていたことになる。

 そうした世相の中で登場した菅政権が、イデオロギー色の薄い実務型として世論から高い支持を受けているのには、こうした背景がある。考えてみれば、安倍政権の7年半で、表層ではイデオロギー対立が拡大したように見えるが、実際のところでは、右も左も現実から遊離していった中で、世論の中には中道的な思考方法が根付いていった7年半だったとも言える。

 菅政権は当面は官公庁の「縦割り行政」や非効率を改革すると強く宣言している。改革が実現するか、また民間にも改革が波及して日本経済が再び活性化するかどうかは楽観を許さない。けれども、不毛な左右対立の時代は、日本の場合は過去のものとすることができそうで、これは危機の時代においては心強いことだ。

 ちなみに突然発生した学術会議への介入騒動は、宇野重規、加藤陽子といった一級の知性が巻き込まれてしまい残念だが、あれは杉田水脈議員に反省を求めた動きを帳消しにする計算と思われる。全く賛成はしないが、菅政権もまた実務型政治を進める上では保守世論を封じる必要を感じているのであろう。

(れいぜい・あきひこ/作家/プリンストン在住)

OFUKU5

NYチェルシー映画祭2020、ノミネート上映決定

 15日(木)から18日(日)まで、オンライン開催される第8回チェルシー映画祭で、短編映画『OFUKU5-KARATE CATHARSIS-』(監督・脚本:阿久津五代子)がノミネート上映される。同作品は短編映画シリーズ『OFUKU』5作目で、今年は監督・脚本の阿久津五代子(ハセガワエスティ代表取締役)へのインタビューも予定されている。

 同シリーズは江戸時代に明暦の大火で別れた母を探すため、369年生き続け旅を続けているOFUKUが道中で出会う人々に勇気を与えるロードムービー。今回の主人公・吉田は常に周りの空気を読み、自分を隠して他者と同調することが最強の処世術だと思い込んでいる。そんな吉田に苛立つOFUKUが「恐れを吐き出し、自ら一歩を踏み出す勇気」に導くまでの物語。出演は長谷川高士、吉田道広、内海亨斗、佐田淳、田村祐貴、志麻充子、楠本千奈、八木橋聡美。

 チケットはVIPパスが199ドル 、フェスティバルパスは無料(任意寄付制)。問い合わせは電話917・400・9362まで。詳細はウェブサイト https://filmfestplus.com/

超ハイカロリーなドーナツどうぞ

 西14丁目と7番街のコーナー近くで毎日24時間営業する「ザ・ドーナツ・パブ」の前を通りかかると、ガラス越しに見えた大きく派手なドーナツに釘付けになった。1964年創業、古き良き時代の趣のあるネオンサイン、カウンターとバースツール、白いタイルの壁が特徴のダイナーで、現在はドーナツやクッキー、コーヒーなどの販売のみ行っている。

 有名フレンチベーカリーが世に送り出したクロワッサンドーナツだが、ここではさらに糖分をグレードアップさせたものが毎日5〜6種類ずらりと並ぶ。この時期のおすすめは「メープル・ベーコン」(4ドル75セント)だ。大量のバターを入れて練ったクロワッサン生地をドーナツ状に型抜きして油で揚げ、メープルシロップに浸けてしっかりとまとわせ、その上にカリカリベーコンを3枚乗せた一品。恐る恐る店員にカロリーを聞いてみたところ「知らないし、そんなこと気にしちゃダメよ」とのこと。激甘ドーナツをオーダーする勇気のない人はオールドファッション、全粒粉やビーガンなどのドーナツもあるのでご安心を。昨年オープンしたアスタープレイスの2号店も週末は深夜2時まで営業中。仕事や勉強で疲れた脳にガツンと刺激を与えたい時はぜひお試しを。(高田)


The Donut Pub

203 West 14th St.  
New York, NY 10011
646-398-7007
www.donutpub.com/


後編 : 日本町哀史

ジャズピアニスト浅井岳史のシアトル旅日記

 細君のコンファレンスが全て終わり、私もホテルにこもって取り組んだプロダクションが飽和状態になり(笑)、予定通り昼からオフィシャルに遊びに行く事になった。ホテルからすぐのところに、トラムと地下鉄とモノレールが集結する小さな広場がある。私は子供の頃から乗り物が好きで、ここからどれかに乗って出掛けたいものだとここ4日間通るたびに思ってきた願いが今日叶う(笑)。

 まずは地下鉄でChinatown/International Districtを目指す。チャイナタウンでラーメンが食べたい。駅を降りて地上に出た瞬間、先回来ていることを思い出す。記憶に残っていないということは、それ程楽しんでいないということか。非常に空腹なので、すぐに出てきそうな庶民的な店に入る。早い、安い、ラーメンと餃子が美味い!

 さて、すっかり満足したので、次はバスに乗ってシアトルのランドマーク、スペース・ニードルに出かける。バス停に着くと目の前にHigo Variety Storeという日本の店がある。急いでニードル・タワーに行く必要は無いので早速店に入ってみた。古い日系人の店を上手く現代のクラフトショップにアレンジしていた。

 そしてまたバスに乗ろうとしたところ、「日本町横丁」と書いてある壁を発見。またしても寄り道をして詳しく看板を読んでみると、なんとここにはかつて日本町(にほんまち)が栄えていたとのこと。これは観るしかない。歩いて坂を登っていくと、今は閉まっているが古い店の入り口に当時の写真が飾ってあり、博物館のように日系人たちの歴史を物語る。Variety Store にバリエテ・ストアとカナが打ってある。少し笑った。当時の銭湯も、ホテルも、飲食店ももう営業はしていないが看板が残る。横丁の中心にPanama Hotelというホテルがあり、そこにカフェがある。中を覗くとさらにたくさんの写真が展示してある。先ほど食べたラーメンでお腹がタプタプであるがこれを観ずには帰れない。早速入ってみた。

 小綺麗なカフェには、当時の写真が並ぶ。日本から来ている留学生の女性が親切に町の歴史を教えてくれた。なんと最盛時には7800人の日系人が住んでいたという。写真には仕立ての良いスーツを着たイケメン男性達と、艶やかな女性達が写る。日本語の新聞には誇らしく出した店の広告が並び、桜祭り、商工会議所主催のビューティー・コンテストなど当時の日本町の繁栄を見事に伝えている。19世紀から、ここには異国にあっても立派に力強く生きている日系人たちの繁栄の街があったのだ。

 だが、戦争が全てを変えてしまった。第2次世界大戦で日系人たちは敵国民として全財産を没収され、収容所に入れられる。その思いは私の想像を超えるだろう。カフェに飾られたある立派なご夫婦は、収容所に送られる前にこのパナマホテルに来て、持っていけない家財道具を託したそうだ。それ以来、収容所に送られる日本人は皆、このホテルに家財道具を預けるようになる。そして戦争が終わり、収容所から戻るとここに荷物を取りに来たそうだ。その時引き取られなかった荷物はなんと今も倉庫に保管され、カフェのガラス越しの床から観ることができる。それを見た時、バリエテ・ストアを笑った自分が強烈に申し訳なく思った。サブタイトルにHistory of Resilienceとある。収容所から戻った日系人たちのほとんどは日本に帰らず、別の場所に移ってまた一から生活を始めたのだそうだ。

 この日系人たちの物語はNHKで「二つの祖国」「山河燃ゆ」などでドラマ化され、ハリウッドでも工藤夕貴とイーサン・ホーク主演の1999年の映画「ヒマラヤ杉に降る雪(Snow Falling in Cedars)」でかなり克明に描かれている。私はグリーンカードでアメリカに生活する移民である。言葉にはできない大きな衝撃が心を揺さぶった。マウイのリゾート地、ラハイナにも古い日本町の跡が残る。美しい海のビーチに下手な字で掘られた墓碑銘を観て突き上げる衝撃があった。今回もそれと同じである。

 ここはアメリカの国宝に指定された史跡なのだそうで、いまでも子孫の方がこのホテルを訪れ、古い写真に親や親族を見つけ、サインを残していくようだ。壁には手描きの地図があり、どこに誰が住んでいたか詳細に残っている。驚いた事にパナマホテルは今も営業していて、入り口には8月のお盆に合わせて行われるブロックパーティーのチラシがある。

 日本町に心を残したままバスに乗り、今度こそスペース・ニードルに向かう。以前も入った音楽の博物館MoPopやさまざまな施設が並ぶ、噴水の綺麗な公園は居心地が良い。37ドルも入場料を取るニードルには登らず(2回目なので)近くで日向ぼっこをしながら先ほど観た日本町と日系人、そして自分たちの将来に思いを巡らせた。

 もしあの時にM社のオファーを受けてこの街に住んでいたら今頃どうなっていたのだろう。が「そはかくの如し、かくあらずを得ず」、NYの今の生活が私たちの生活でそれ以外はあり得なかったのだ。モノレール(嬉しい!)でホテルに戻り、帰りの準備をする。明日は一日かけてNYに戻り、明後日はダブルヘッダーで演奏だ。それが今の私の生活なのだ。そしてそれは多くの先人の方々の努力と犠牲の賜物である事を忘れてはならないと思う。(終わり)

浅井岳史(ピアニスト&作曲家)www.takeshiasai.com

クイックUSAアメリカの人事部(20)

従業員の採用をリモートで行うときの注意点(その1)

 皆さんのオフィスがいまだクローズ状態となっていて、基本的に従業員の方々すべてが自宅でのリモートワークとなっている日系企業様はまだまだ多くあるのではないかとお察しいたします。そのような環境下にありましても、企業によっては今後も人材の採用を続けていくこともあり、その場合の採用も好むと好まざるとにかかわらず、リモートでの採用方式を取ることにならざるをえない状況だと思われます。    

 有り難いことに今ではZoom などを使って遠隔地にいる人々といとも簡単に画面と音声とを通じて即座につながることができますので、採用面接ももはや対面式にこだわる必要はありません。ですが、対面で行われてきた面接とリモートによる面接とではどのような点に気をつける必要があるのか、やはりそこにはいくつかの違いがあるように思われます。    

 まず何といっても決定的に違うところは、リモートではテクノロジーによって面接が成り立っているということが挙げられます。Zoomなどウェブ会議方式のプラットフォームによるつながり自体がテクノロジーですが、さらにそのつながりを可能としているWiFiなどの通信回線環境、そして皆様がお使いのPCなどのハードなどもまさにテクノロジーだと申し上げられます。これらどれかひとつでもうまく機能しないことがあれば大事な面接が突然続行不能となってしまうことがあり得ます。そしてそのような事態は事前に予期することもできないのが普通です。    

 リモートで働くということは、まさにそのような不確定要素を抱えた環境下で働くということではないかと申し上げても過言ではないと思います。そういった何らかの予期せぬトラブルが発生した際に、パニックにならずに冷静になって問題の所在を突き止め、代案となる措置がすぐに取れ、面接に無事戻れるかどうかは、やはりその人の資質や器量をはかる上で大いに参考となる部分ではないかといえます。これは本来の面接で尋ねる質問自体とは直接関係のない副次的な産物だといえますが、むしろリモートで働いてもらう際の本質を突く現実に根ざした勘所に直結するものと申し上げてもよいでしょう。    

 そして予期せぬトラブルがリモート上で発生してもそれを解決できるだけのテクノロジー、ここでは主にIT関係になりますが、そういったITのリテラシーを備えもった人物であるかどうかを確かめることもできるわけです。ITリテラシーを備えるにはそれなりの失敗も含めた豊富な経験があってこそ初めて培われるものだといえるので、履歴書だけではわからない、確かな証左をそこで見つけることができます。さらにトラブルが起こったという困難な状況下であっても動揺せずに問題点に的を絞って冷静に解決をはかれる人物であるかどうかも見極めることができます。(つづく)

(酒井 謙吉 パシフィックドリームズ社長)

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クイックUSAアメリカの人事部(19)

失業率の推移、学校再開とFFCRA

 先日8月の失業率が発表された。   2020年の失業保険の推移は以下のとおりである。失業率は改善されているようである。このまま経済活動が上向きになる事を願うばかりである。

 夏休みも終わり、ここ数週間で学校が再開された地域も多いのではないだろうか。学校が閉鎖されたままオンラインのみでの授業の再開という場所がほとんどであるが、今後は学校自体が再開され、オンラインと対面授業を組み合わせて行うハイブリッドで授業が行われたり、各家庭で授業の形態を選択をすることも可能となっていくはずである。  

 そんななか、Families First Coronavirus Response Act(FFCRA)のガイダンスが追加で発表され、さらに詳細な運用が説明されているので、ここで学校に関連するQ&Aのいくつかをご紹介したい(以下はQ&Aの概略であり、直訳ではない点、留意いただきたい)。  

Q. 子供が通う学校や保育所が閉鎖されたり、保育者が不在のために子供と一緒に家にいる場合、緊急傷病休暇(Emergency Paid Sick Leave)もしくは家族休職(Extended Family and Medical Leave)、またはその両方を取得することができますか?  

A.  両方の休暇を取得することができますが、有給休職は合計12週間に限られます。緊急傷病休暇では、最初の2週間の有給休暇を提供します。緊急傷病休暇を、家族休職では無給となっている最初の10日間に適用をすることが可能です。最初の10日間が経過した後、家族休職に基づき、その後の10週間には通常の給与の3分の2(最大1日200ドル)が支給されます。 家族・医療休暇拡大法(Emergency and Family Medical Leave Expansion Act)に基づく家族・医療休暇の追加10週間分は、COVID-19に関連した理由で学校や保育所が閉鎖されたり、子供の保育所が利用できない場合に適用される休暇においてのみ受け取ることが可能なので注意が必要です。  

Q.  在宅勤務はしていません。この場合、COVID-19に関連した理由で、子供の学校や保育所が閉鎖されている間、または保育者が不在の間、FFCRAを断続的に取得することはできますか?

A. 雇用主の許可がある場合は可能です。例えば雇用主と従業員双方での同意があった上で、家族休職を月曜・水曜・金曜に取得して、火曜・木曜には勤務をするという形が可能です。  

Q. 対面授業かオンライン授業かの選択が各家庭にあります。COVID-19の子供への感染が不安なため、オンラインプログラムを申請しました。この様な状況でFFCRAを使用して有給の休職を使用することが可能でしょうか?

A. 不可です。家庭の都合でオンラインプログラムを選択したのであり、学校自体が「閉鎖」されてはいません。そのため、FFCRAに基づく有給の休職を取得することはできません。  

 詳細はこちらから:Families First Coronavirus Response Act: Q&A  (https://www.dol.gov/agencies/whd/pandemic/ffcra-questions

(榊原将 HR Linqs, Inc. President)

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編集後記 10月1日号

■【編集後記】
  みなさん、こんにちは。 ニューヨーク市のデブラシオ市長は9月25日、レストランの歩道での屋外営業を永続化する考えを表明しました。現在歩道を使って営業を許可する「オープン・レストラン・イニシアチブ」を施行していますが10月31日が期限となっていました。これが永続化されることになりました。新型コロナウイルス禍で市内だけでこの半年の間に1000軒を超えるバーやレストランが廃業に追い込まれたと推定されています。オープン・レストラン・イニシアチブにより1万355軒のバーやレストランが屋外営業を許可され、この取り組みで10万人以上が仕事を得たそうです。一方、屋内での食事は、すべてのテーブルを6フィート(約1・8メートル)以上離し、定員の25%以下に抑えることなどの制限の下、9月30日より許可されました。客は入る時に例外なく検温され、連れや団体のうち最低一人は連絡先を店に残しておかなければなりません。また座っている時以外は必ずマスクを着用することなどが義務付けられてます。ブロードウエーの劇場街はミュージカルなどのシアター利用ができないため、隣接のレストラン街は死んだようになっていましたが、ようやく活気が戻り始めています。店の人も、お客さんも待ち望んでいた光景です。ただし、鎮静化していたニューヨークの感染状況がV字復活の予兆もあり、予断を許さない中でのレストラン緩和です。それでは、みなさんよい週末を。(「週刊NY生活」発行人兼CEO三浦良一)

【今週の紙面の主なニュース】(2020年10月3日号)

(1)NY市野外ダイニング永続化 1面
(2)紅葉前線ただ今南下中  1面
(3)週刊NY生活が移転    1面
(4)ダイソーが東海岸4号店  2面
(5)伝統前掛けMoMAストアに  3面
(6)風の環コンサート今年は仙台で 6面
(7)14丁目で地下鉄脱線  7面
(8)アートの水先案内人目指す 11面
(9)コロナ時代の帰国受験 14面
(10)日本画家の原田隆志  16面

NY市 野外ダイニング永続化

屋内は25%の人数制限で開始

 ニューヨーク市のデブラシオ市長は9月25日、レストランの歩道での屋外営業を永続化する考えを表明した。新型コロナウイルス禍で市はレストラン屋内での食事を禁止にした。このため歩道を使って営業を許可する「オープン・レストラン・イニシアチブ」を施行しているが10月31日が期限となっていた。これが永続化されることになる。

 市長は「このモデルは何年も何世代にもわたってニューヨーク市の生活の一部になってもらいたい。それがレストランの存続に役立つだろうと本当に思っている」と語った。また、隣接する建物の家主の了承を得れば、店舗の正面スペースを超えて左右に座席を拡張してもよいことにしたいと付け加えた。寒くなればしっかりした覆いも必要になるし、人数制限や換気のためにも広いスペースがあったほうがいいとの考えからだ。

 新型コロナウイルス禍で市内だけでこの半年の間に1000軒を超えるバーやレストランが廃業に追い込まれたと推定されている。オープン・レストラン・イニシアチブにより1万355軒のバーやレストランが屋外営業を許可され、この取り組みで10万人以上が仕事を得たという。車道を一部閉鎖して営業する「オープン・ストリート・プログラム」も続けられている。

 一方、屋内での食事は、すべてのテーブルを6フィート(約1・8メートル)以上離し、定員の25%以下に抑えることなどの制限の下、9月30日より許可された。客は入る時に例外なく検温される。連れや団体のうち最低一人は連絡先を店に残しておかなければならない。また座っている時以外は必ずマスクを着用することなどが義務付けられる。

 ニューヨーク市内にある飲食店の約9割に当たる87%が、8月の店鋪家賃の一部または全額を滞納していることが民間調機関の調べで分かった。市としてもレストランの救済が経済再開の柱として感染拡大を慎重に阻止する方策を取りつつビジネス支援が急務となっている。