金融街の象徴残した彫刻家死す

猛牛像チャージング・ブル

 ニューヨーク金融街のシンボルである雄牛のチャージング・ブル像の作者で彫刻家のアルトゥーロ・ディ・モディカ氏が19日、生まれ故郷であるイタリアのシシリー島で死去した。80歳だった。 

 1941年に生まれたモディカ氏は、1970年にソーホーのグランド・ストリートに最初のスタジオを構え、80年代初期には、出会った画家ジャン=ミシェル・バスキアと共にクロスビー・ストリートのスタジオで製作活動を始める。・ 

 チャージング・ブル像は、89年10月の株式大暴落「ブラック・マンデー」の2か月後の12月にブロードとウォール街間に突如現れた。米国のパワーを伝えたいと制作した重さ3・5トン同作品をモディカ氏と同僚たちは、ニューヨーカーへのクリスマス・プレゼントとして、巡回中の警備員に見つからないようゲリラ的に真夜中に運んだという。当初、同像は金融街では不評だったが、その後、現在のボーリング・グリーンそばのロウアー・ブロードウエーに移動され、同地区の観光名所として親しまれるようになった。 

ポップカルチャー界の旗手、KAWS回顧展

 ブルックリンを拠点に活動する人気アーティスト、KAWS(カウズ)の展覧会「KAWS: WHAT PARTY」が26日(金)から9月5日(日)までの約半年間、ブルックリン美術館(200 Eastern Parkway)で開催される。

 今年でアーティスト活動25年となるカウズことブライアン・ドネリーは、目がバツ(×)になったキャラクターで知られるストリートアーティストで、アートとおもちゃを融合したアート・トイの先駆者とも言われている。また、これまでもユニクロとのコラボTシャツや、ディオール、ナイキとのコラボのほか、2019年夏には富士山麓のキャンプ場に長さ40メートルの巨大バルーンを展示するなど、世界中で活動している。同展では初期の作品をはじめ、ドローイングや絵画、彫刻、同展と同じタイトルの記念碑的なフィギュアのインスタレーション、また今回のために制作した新作など、100以上の作品が展示される大規模な回顧展となる。

 入場料は大人25ドル、学生・シニア16ドル、会員・3歳以下は無料。チケット・詳細はウェブサイトwww.brooklynmuseum.org/を参照。

(写真)WHAT PARTY © KAWS. (Photo: Michael Biondo)

タイム誌が選んだ次世代の100人

詩人アマンダ・ゴードンさん、日本からは「鬼滅の刃」の吾峠呼世晴さん

 タイム誌は17日、将来が期待される新興リーダーたちを選出した「タイム100・ネクスト」を発表した。 

 同企画は「世界で最も影響力のある……」でお馴染みの「タイム100」シリーズのなかでも2回目と比較的新しい。今年は、コロナ危機という異例で困難な状況のなかで、深まる差別、組織的な不正、そして真実やデモクラシー、地球環境などの問題に対する取り組みが選出の要素となった。カテゴリーは「アーティスト」「フェノム(天才)」「リーダー(指導者)」「アドヴォケイト(提唱者)」「イノヴェーター(革新者)」の5つに分かれており、過去に「タイム100」シリーズに選ばれた人物たちの推薦も大きく影響している。 

 新大統領就任式で自身の作品を朗読し「フェノム」となった詩人アマンダ・ゴードンさんは、2016年版「世界で最も影響力のある人物100人」に選ばれた、ミュージカル「ハミルトン」の制作、主演で知られる俳優のリン=マヌエル・ミランダ氏が推薦した。そのほかコロナ感染症対策を率いるアンソニー・ファウチ博士は、モデルナ社のワクチン開発に貢献した免疫学者のキズメキア・コルベット氏、また19年版「今年の人物」に選ばれたスウェーデンの環境活動家のグレタ・トゥーンベリさんは、同じく環境活動家でウガンダ出身のヴァネッサ・ナカテさんを推薦した。また今回は日本人としては唯一、大ヒットアニメ「鬼滅の刃」の作者の吾峠呼世晴さんが「フェノム」のひとりに選ばれた。

杉原氏以外にも「命のビザ」

北出 明・著
株式会社パレード・刊

 第二次世界大戦中、6000人ものユダヤ人を救った日本人といえば、センポ・スギハラ、杉原千畝(すぎはら・ちうね)と言う名前を、日本人なら今では小学生でも知っているほど有名になった。

 杉原の功績は終戦直後には日の目を見ず、後年になってから杉原の妻や長男が人道主義を貫いたことの名誉を周知のものにしたいと運動したことが、ベールに包まれていた戦争史を明るみに出すきっかけとなった。杉原に関する文献やレポートは数多いが、2012年に生存者の家族に面会して書かれた『命のビザ、遥かなる旅路 杉原千畝を支えた日本人たち』は別格だ。英語版も2014年に翻訳出版されている。続編となる本書は、前作から10年経って、著者の北出明さんがさらに調査や研究を進めていくうちに、杉原千畝以外にもユダヤ人の救出に尽くした内外の外交官がいることに気がつき始め、これまであまり日が当たっていなかった人物に焦点を当てている。

 登場するのは駐カナウス・オランダ領事のヤン・ツバルテンダイク氏、駐ウラジオストク領事代理の根井三郎氏、駐神戸オランダ領事、後に駐日オランダ大使となるN・A・J・デ・フォート氏、駐ソ連大使の建川美次氏、駐日ポーランド大使のタデウシュ・ロメル氏の4人。

 ヤン・ツバルテンダイク氏は、杉原千畝が発行するビザの後に控える渡航先であるオランダ領であったカリブ海上のキュラソー島入国ビザを発行した人物だ。著者の北出さんは、ツバルテンダイク氏の次男、ロバートさんとアムステルダム郊外で面会した。「父がユダヤ難民を助けたのは、人間としての博愛精神からであって、過度に功績を強調されることは望んでいなかったでしょう。しかし、その行為がまったく注目されていないのは残念なことです」と遺族としての複雑な思いを語る。ツバルテンダイク氏の功績は母国ですら知られていなかったのだ。

 根井三郎氏は、そのキュラソー・ビザを取得して無事に杉原千畝から日本通過ビザを発給してもらったユダヤ難民が向かったシベリアの駐ウラジオストクの領事代理だった。ユダヤ難民がウラジオストックまでの広大なソ連の領土をなぜ無事に通過することができたのか。ユダヤ難民のソ連移動は国営旅行会社のインツーリストが一手に引き受けており、シベリア鉄道の運賃とホテル代などの収入が馬鹿にならなかったこと。当時世界の各国はユダヤ人の難民受け入れに消極的でソ連も例外ではなく、彼らのヨーロッパ脱出は歓迎したいところでもあった状況を解説する。根井は外務省本省から「ビザ発給は控えるように」との訓令を受けるが、「単に第三国査証が中米行きとなっているとの理由で一律に検印を拒否するのは帝国在外公館の威信から見て面白からず(いかがなものか)、キュラソー行きの場合、通過査証を与えることが適当であると考える」と反論した。

 北出さんは「私は以前から、杉原ビザ以外にもユダヤ人を救った『命のビザ』が存在していたことを我々はもっと知るべきだと主張してきました。天国の杉原千畝さん自身、自分一人がヒーローのように扱われていることに戸惑いを感じているのではないかと思えてなりません」と巻末でコメントしている。(三浦)

巨匠たちに見出された東洋美

アーティスト・ミューズ/ モデル
岩月美江さん

 ニューヨークのファッション誌で米国の富裕層をターゲットに発行されている『25A』冬の号の表紙にNYアート界のミューズとして紹介された。同誌と姉妹誌『メトロポリタン』誌にも各13ページのファッション写真とインタビュー記事が同時掲載された。きっかけは昨年夏、ハリウッドのセレブリティーを撮影している大物フォトグラファーのロバート・マクスウエルに被写体になって欲しいと言われ、秋頃から何度か撮影したことだった。彼が撮影したモデルポートフォリオを見た雑誌メトロポリタン社広報部から表紙モデルの依頼があった。

 岩月さんは 横浜市出身、日本大学の短大を卒業後、1998年に留学で来米し、ハンターカレッジで芸術を専攻して卒業。伊勢ファンデーションに就職し、そこでキュレーターとして多くのアート界の巨匠たちと仕事をしたことがアートとモデル業の現在に繋がった。その出会いの一人がペインティングの巨匠アレックス・カッツだった。就職間もない頃、ギャラリーで開催された彼のアーティスト・トークが終わって打ち上げの帰りがけに勇気を出して挨拶した。パーティー顔の穏やかだった彼の笑顔が豹変し、「アイ・ウォント・ペイントユー」と「鋭い目」で言われた。これ迄に10枚程の肖像画が描かれたが、2009年にクリスティー・ターリントンと一緒に描かれた作品がヨーロッパでの美術館回顧展のカタログ・カバーになり、パリで行われた展覧会『FASHION』のハイライトになった。その活動を知ったチェルシーのギャラリーに声を掛けられ2012年にアレックス・カッツ、ロバート・フランクを含めた35人の世界の著名コンテンポラリーアーティストが岩月さんをモデルにした『MIE 35人のポートレート展」が開催された。売り上げの一部を東日本大震災に寄付。同展覧会は評判となりブルームバーグ・ニュースや、米国を代表するアート誌 の一つ『アート・イン・アメリカ』にもインタビュー記事が掲載された。

 東洋の神秘を感じさせる独特の面立ちが際立つ岩月さん。「私よりも綺麗で若いファッションモデルは世界中にいくらでもいるけれど、単なる被写体としてではなくアーティストを理解するモデル・ヴォイスの送り手として共に芸術を発信していけるところ」がほかのモデルとは違う自分の存在意義だと思っている。

   おばあちゃん子だった岩月さんが海外に出るときに大好きな祖母に「行かないでおくれ」と泣きつかれた。自分で貯めた小額のお金を持って渡米した。全国検察審査協会連合会の副会長まで務めた祖母は101歳まで長生きしたが、100歳の時、『MIE展』のカタログを持って帰国して祖母に展覧会の成功を報告できたことが唯一のプレゼントと心の慰めになったと言う。アートを通じて自分がNYで経験した事、一緒に作品を創る事ができた素晴らしいアーティストたちとのストーリーを『モデル・ヴォイス』として将来出版することが夢だ。(三浦良一記者、写真は本人提供)

Info: linktr.ee/Mieiwatsuki

(写真)25A 表紙: Photographed by Robert Maxwell.
誌面ストーリー: Makeup Artist  松崎貴志、Hair Stylist 竹井千李奈

いま評判の美肌治療

 最近、エステティシャンやネイリスト、ヘアスタイリストなど美容関係者の中で「肌質が変わった!」と評判になっている美肌治療があります。経過が目に見えて良く、今ではほどんどのスタッフが定期的に行うほど。アメリカが発祥のこの治療は、いま日本でも多くの美容雑誌に紹介されるなど大ブームになっている、皮膚再生治療の「マイクロニードリング」。ダーマペンや、スキンペンと言われる超極細な針で皮膚を高速で突き刺し、お肌の表面にとっても小さな穴を一時的に空け、人間が本来持っている自然治癒力を使って針を刺してできた穴・傷を直すのと同時に、肌自体を生まれ変わらせるという施術です。こう書きますと、とても痛そうに感じますが、髪の毛より更に細くなった針を使いクリーム麻酔を行うため、痛みはほとんど感じません。その結果、コラーゲンを増やし、お肌の新陳代謝が促進されることで、色素沈着、毛穴の開き、たるみ、小ジワの改善や、肌の衰えを防ぐ効果が期待できます。このような皮膚再生治療は、数年前からレーザーなどと比べて美肌治療の主流になっています。更にすごいのは、同時に、注入針によってできた穴を通じてコラーゲンやビタミン成分、成長因子等を注入することができ、栄養成分が肌の奥まで浸透しやすくなるため、肌のぷるぷる感、ツヤツヤ感が直ぐに実感できること。この「超極細針」を使った、傷を付けて細胞を再生している針を使った治療は、他にもPRP皮膚再生治療や、更にはお顔に塗るファンデーションの中にも取り入れられたりと、活躍の幅を広げています。

 美容の概念を変えた「お肌の生まれ変わり」が実現できる、マイクロニードリング。アメリカ発の一歩先を行く最先端の治療を試してみませんか?


 名取由稀江:国際美容コンサルタント。美容歴30年。SKIN DEEP NYC美容皮膚科、Yukie Natori Salon & Spa オーナー。日本でネイルスクールを経営。美容師、ネイリストなどの資格も持ち日米を行き来しながらトータルな美の情報を発信する。

クイックUSAアメリカの人事部(36)

新世代のコミュニケーションCPaaSとは(2)

 弊社で開発したSMS、RCS、チャットアプリ(LINE、Facebook Messenger、WhatsAppなど)、チャットボット、IVR(自動応答システム)、Eメールなど、さまざまなコミュニケーションツールを組み合わせることにより、企業からお客さまへのメッセージを確実にお届けすることを支援する「オムニチャネル配信サービス」の実例を紹介しながらビジネスの場面でCPaaSがどのように使われているかをご説明していきたいと思います。  

  

 上記の図のようにメッセージの配信方法には、主に、2パターンあります。

 一つ目は、普段使いなれている自社システムを活用して、API(アプリケーション プログラミング インターフェイス)連携でメッセージを配信いただく方法です。もう一つは、弊社が用意しているポータル画面から直接手軽に配信していただくという方法の2パターンです。    

 それでは、一般的な利用事例をいくつかご紹介いたします。  

  物流業の事例:「お届け予定」や「ご不在連絡」をメールで送り、お客様から確認が取れなかった場合は再度メッセージをSMSで送る、というスキームを導入することで、より確実にかつ便利に荷物を受け取りできる取り組みを進めております。  

  飲食業の事例:COVID-19による飲食形態の変化に伴い、テイクアウトや宅配をセルフオーダーできる対話型チャットボットを採用。チャットボットはSMSやチャットアプリ(LINE、WhatsApp、Facebook Messengerなど)を通して利用でき、かつ多言語対応しているためあらゆる顧客に対応することができます。  

 応用事例:建物のドアや監視カメラに付けたセンサーと連動させて、入退館のメッセージ通知や、従来は対面で実施していた入館手続きをメッセージサービスを利用して自動化をするなど、IoTとコミュニケーションを組み合わせた利用も可能です。   

(堀 晋太郎 KDDI America, Inc. )

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クイックUSAアメリカの人事部(35)

新世代のコミュニケーションCPaaSとは(1) 

 普段の生活のなかで私たちはいくつものメッセージを企業から受信しています。  

 レストランの予約確認、ウェビナー案内、空港でのフライト情報通知、サービス登録時の二段階認証など多岐にわたるメッセージが日々届きます。  

 これらはA2P(Application to Person)と呼ばれる、企業がエンドユーザーへ様々な情報を伝えるサービスとして生活に浸透しており、その中でも近年はメールと比べて到達率と開封率が高く、情報認知効果の高い、SMS(ショートメッセージサービス)を活用したコミュニケーションが一般的になってきております。  

 とりわけ、日本に比べてアメリカではSMSが広く受け入れられており、例えば大手小売店からのセール告知だけでなく、最近では州からのCOVID-19関連の情報更新など、企業だけでなく政府機関などにも幅広く利用されています。    

 昨今ではエンドユーザーが使うコミュニケーション手段はメール、SMS、チャットアプリなど多様化していることもあり、エンドユーザーは自分の希望する手段で各種情報を受信したいという需要が急増しております。  

 この様な多種多様なコミュニケーション手段(SMS、メール、チャットアプリ、音声、チャットボットなど)を活用して企業のコミュニケーションを最適化し、顧客体験向上を促進するサービスを一般的にCPaaS (Communications Platform as a Service)と呼びます。  

 このCPaaSサービスの世界市場規模は2019年時点で42億ドルと言われており、年間平均成長率は33%と大きく成長している分野です。2023年には市場規模が172億ドルまで達するという統計データもあり、今注目すべきサービスの一つであると言えます。(つづく)

(堀 晋太郎 KDDI America, Inc. )

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編集後記

【編集後記】 みなさん、こんにちは。米疾病対策センター(CDC)は10日、新型コロナウイルスの感染防止策として、マスク2枚を重ねて着用すると予防効果が高まると発表しました。外科手術用(サージカル)マスクだけだと吐き出す時の飛沫が42%、布製マスクだと44・3%だったのが、重ねて使うと感染防止効果が92・5%まで高まったそうです。またマスク1枚での装着の場合は、耳紐をきつめにして、鼻の形状に合わせてマスク上部の針金を成形してマスクの左右の隙間から空気が出入りしないようにすること、サージカルマスクと布製マスクを重ねて耳紐をきつめに使用することで感染予防効果はさらに96・5%に高まったそうです。また日本の理化学研究所などの調査で、くしゃみなどをした時に吐き出す飛沫量は、サージカルマスクなど不織布の場合は80%カット、布マスク66~82%カット、ウレタンマスクは50%カット、フェイスシールドは20%カット、マウスガードは10%カットだったそうです(本紙1面に記事)。確かに、コロナ禍でも人気のニューヨーク市内の屋外スケート場では、不特定多数の利用客と接するスタッフは二重マスクで感染予防していました。まだ少数派ですが二重マスクの人がちらほらマンハッタンでも見受けられるようになってきています。早速私もやっていますが、地下鉄などに乗るときにはちょっと安心感が高まります。あと、外が氷点下の時は、顔の防寒効果も高まってマフラー1枚分違いますね。夏は2枚は暑苦しいかもしれませんがそれまでにマスクのない日常に戻っていることはちょっと無理かもですね。それでは、みなさん、よい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)

【今週の紙面の主なニュース】(2021年2月20日号)

(1)弾劾裁判で無罪判決
(2)マスクは二重が安全
(3)渡航制限で離れ離れ
(4)日本クラブで海の日芸術祭
(5)地下鉄で連続4人殺傷
(6)東日本大震災から10年
(7)フレンチアジアのお菓子
(8)日本美術のお宝鑑定人
(9)『方舟』の木村令二さん死去
(10)ある秋のN Y常盤新平

弾劾裁判で無罪

次期大統領選挙狙うトランプ氏

 米連邦議会上院で13日、連邦議事堂の「暴動を扇動した罪」で問われていたトランプ前大統領に対する弾劾裁判が行われ、57対43で無罪評決が下された。50人の民主党系議員と7人の共和党議員の合計57人が有罪と判断したが、有罪判決に必要な3分の2の67人には達しなかった。 

 審理は9日に始まり、5日間で終結した。トランプ氏は昨年の「ウクライナ疑惑」を巡る弾劾裁判に続く無罪評決で、次期大統領選挙など再び公職に立候補する資格がある。

 トランプ氏は昨年11月の大統領選挙では「自分の票が盗まれた」としてバイデン氏の勝利を認めなかった。連邦議会で選挙人投票を確定させる日である1月6日にワシントンDCで集会を開き、「死にものぐるいで戦え」と支持者らに訴えた。支持者らは議事堂まで行進し侵入、暴動を起こした。ペンス副大統領や連邦議員、連邦職員、警察官などが危険にさらされ、5人が死亡する惨事となった。民主党が多数派である下院では1月13日、弾劾訴追が232対197で決議され、上院に送られた。この時は10人の共和党下院議員が賛成に回った。

 上院での弾劾裁判でトランプ氏の弁護士は、トランプ氏の発言は「文字通りの戦いの意味ではない」として、「扇動」を否定した。また弾劾裁判とは現職大統領などの罷免であり、退任しているトランプ氏を裁くのは「違憲」とし無罪を主張した。

 暴動直後は多くの共和党の上院議員がトランプ氏を非難したものの弾劾裁判には否定的だった。弾劾裁判の初日に、共和党議員の44人が「弾劾裁判は違憲」という弁護側の主張に賛同した。評決前、検察官役となる弾劾管理人を務めた民主党のジョー・ネグース下院議員は「有罪にしないと1月6日に起きた出来事は再び起こり得る」と訴えた。

 ツイッターの使用停止措置を受けているトランプ氏は評決後にすぐに声明を出し、今回の弾劾を「我が国の歴史のなかで最大の魔女狩りのさらに別の段階だ」と激しく批判した上で、「『米国を再び偉大にする』ための私たちの素晴らしい旅を一緒に続けられることを楽しみにしている」と表明。トランプ氏は2024年大統領選への再出馬を模索しているとされる。

マスクは二重が安全

感染防止策に効果
CDCが10日発表

耳紐きつめでさらに

 米疾病対策センター(CDC)は10日、新型コロナウイルスの感染防止策として、マスク2枚を重ねて着用すると予防効果が高まると発表した。外科手術用(サージカル)マスクだけだと吐き出す時の飛沫が42%、布製マスクだと44・3%だったのが、重ねて使うと感染防止効果が92・5%まで高まったという。

 またマスク1枚での装着の場合は、耳紐をきつめにして、鼻の形状に合わせてマスク上部の針金を成形してマスクの左右の隙間から空気が出入りしないようにすること、サージカルマスクと布製マスクを重ねて耳紐をきつめに使用することで感染予防効果は96・5%に高まるとしている。

外科手術用マスクが最良
吸い込み防止力は布の倍

 日本の理化学研究所、豊橋技術科学大学、神戸大学のシミュレーションによると、くしゃみなどをした時に吐き出す飛沫量は、サージカルマスクなど不織布の場合は80%カット、布マスク66〜82%カット、ウレタンマスクは50%カット、フェイスシールドは20%カット、マウスガードは10%カット。

 吸い込み飛沫量は、サージカルマスクの場合70%カット、布マスクだとその半分の効果で35%から45%と効果が落ち、ウレタンマスクはさらに低くなり30%〜40%のカット率となる。フェイスシールドとマウスガードは、吸い込み飛沫の防御効果はなし(エアロゾルは防げない)ことが分かっている。

(写真) コロナ禍でも人気の屋外スケート場。不特定多数の利用客と接するスタッフは二重マスクで感染予防(16日、ブライアント公園で、写真・三浦良一)