英国王室の大騒動

米英外交問題にも発展

 英王室のハリー王子(36)の妻であるメーガン妃(39)の、7日放送のCBSテレビの独占インタビューでの発言が大騒動に発展している。メーガン妃はアフリカの血を引く長男のアーチーちゃん(1)を妊娠した際、英王室内部の人から「どれくらい肌の色が濃くなるのか」と尋ねられたことを暴露。アーチーちゃん(王位継承順位7位)には王子の称号を与えず警備もしないとまで言われ、自殺も考えたと吐露した。

 ハリー王子はこの時、「困惑し、ショックを受けた」と振り返った。メーガン妃は王室に「深刻な影響が及ぶ」として、発言した人物の名前は明らかにしなかった。メーガン妃は父親が白人で母親がアフリカ系。夫妻は英王室の公務を昨年引退し、現在は米国在住。メーガン妃は第2子(女の子)を妊娠中だ。

 調査会社「ニールセン」によれば、米国では1700万人以上が番組を視聴し、翌日の放送となった英国も1100万人以上と米英両国で2800万人が観たとされる。米国では、ホワイトハウスのサキ報道官が8日、「心の葛藤や自身の経験を人前で語るのは勇気がいること」と述べると同時に「英国との関係は揺るぎない」と語った。ヒラリー・クリントン米元国務長官、歌手のビヨンセ、女子テニスのセリーナ・ウイリアムズらも相次いでメーガン妃支持を表明した。

 今回の騒動は夫妻の英王室との確執を明確にしただけでなく、人種差別、女性差別、言論の自由、米英の外交などまで、広範囲に問題を提起している。