NYが元気になっていく

書画家・田中太山個展

Jコラボで7月11日まで

 ニューヨーク在住の書画家、田中太山によるコロナパンデミック以降初の個展が今月19日から7月11日(日)まで、ブルックリンのJコラボ内にあるossam gallery (300 7th street)で開催されている。田中のニューヨークでの個展は1年以上振りとなる。 

 同展では「梅雨」をテーマに表現した巨大な書を展示。一番大きな作品は(約3メートル×5メートル)で、そのほか会場・ショップ・茶室に17点の書画を展示している。田中は「『雨降って地固まる』のイメージで梅雨をテーマにした個展をやろうと思った。今まで押さえ込まれていたものが一気に爆発するような、雨後の筍のような感じでぐんぐんニューヨークが元気になっていくイメージを表現をした」と話している。 

 入場無料。開廊日は期間中の毎週金・土・日、午後1時から6時まで。

がんと闘う世界の日本女性を応援

ジャパニーズSHARE代表

ブロディー愛子さん

 乳がん・卵巣がん・子宮がん患者支援団体のジャパニーズSHAREの母体であるSHAREキャンサー・サポートは、23日と24日の2日間、医療格差を無くすための会議を開催した。ジャパニーズSHAREの代表、ブロディー愛子さんが患者向けワークショップ「患者として、どのように自分を主張したら良いのか」を英語で行った。

 自身もサバイバーであるブロディーさんは、以前は、乳がん患者サポートグループの「ネスト」で活動していたが、2013年7月にSHARE日本語プログラムの代表として就任、活動8年目の昨年4月、母体のSHAREキャンサー・サポートの活動の一部となり、名前もSHARE日本語プログラムからジャパニーズSHAREに改名し、サービスを全米に広げた。ヘルプラインでの相談は、検査をどこで受ければ良いか、アメリカで医療サービスを受ける場合、また日本での治療を選択する場合、治療中に渡米や日本へ帰国することになった人などさまざまで、それぞれの状況に応じて、幅広く対応している。これら のサービスはすべて無料だ。これまでに累計1000人を悠に超えるサポートをしてきた。大都市圏以外の地方都市で生活する日系女性患者にとっても大きな心の支えとなっているに違いない。

 昨年は、コロナウイルスの感染拡大で3月16日から遠隔での活動となり、8月から西海岸方面にも活動を広め、今年からは西海岸と東海岸に分けて乳がん患者へのミーティングを行っている。さらに卵巣がんと子宮がん患者のミーティングと転移がん患者のミーティングも行なうなど、今年になってから忙しさを増している。これらのミーティングはそれぞれの疾患を専門とする医師らの協力を受け日本語でアドバイスを受けることができる。ここは米国では数少ない日本人向けの常設の乳がん患者支援団体となっている。

 米国で暮らす日本人女性のがんと向き合う。がんと診断される年齢が若くなっているという。「自分のことが後回しになりがちのママ世代や、仕事で忙しいキャリアウーマンなどには、何よりも検診に行くことを優先してていただきたいです。また私のように『若いし、アジア人だし、家族に乳がんは誰もいないんだから、心配ないわよ〜』なんて言う医師の言葉を安易に信じて、その結果、2年間胸のしこりが癌に育つまでの経過観察なんてことのないようにしてもらいたいですね」と自身の体験からアドバイスする。

 時間を見つけて油絵を描くのが趣味だが最近は時間がない。家庭では活動を支援してくれる夫と娘がいる。栃木県生まれ。東京文化服装学園卒業後、77年に来米。(三浦良一記者、写真は本人提供)

フライデーナイトライブ、宮嶋みぎわ

大使公邸から演奏

演奏する宮嶋

 ニューヨーク総領事公邸で18日、フライデーナイトライブが開催され、グラミー賞に2度ノミネートされた宮嶋みぎわ(ピアノと作曲)、植田典子(ベース)ら音楽家がライブストリーミング公演を行った。山野内勘二大使が、日本人アーティストの素晴らしさをコロナ禍でも伝えたいと領事館スタッフと共に始めたコンサートシリーズで、当日はニューヨーク、日本だけでなく世界中から視聴者が参加した。大使は冒頭、奴隷解放を祝う祝日のジューンティーンスの前日だったため「はじめて祝日となったジューンティーンスを祝うためにも、ジャズをぜひ今日届けたかった」と挨拶、「ジャズはいろんな文化や人をつなぐ力がある」と述べた。宮嶋は「演奏家たち全員が強いそのパッションを感じながら演奏できた」と演奏後語った。

 当日は全部で5曲とアンコール2曲を演奏した。今回のために宮嶋が作曲した「リスタート・アワー・パーティー」「ゴールデン・ミラクルズ」を披露した。「春の海ジャズ」では、琴が演奏しているメロディをベースの植田典子が演奏し、尺八部分は、サックスのスティーブ・ウィルソンがピッコロで演奏した。ほか共演はギターのピート・マケイン。

この録画は今後YOUTUBEの領事館のチャンネルにアップされ見ることができる。

https://www.youtube.com/user/CGJNYchannel

【今週の紙面の主なニュース】(2021年6月19日号)

(1)NY市長選民主アダムズ氏優勢
(2)地下鉄パフォーマンス再開
(3)コロナから472日目の復活
(4)ニューヨークの魔法
(5)韓国版コーンドッグ
(6)第11回クイーンズ世界映画祭
(7)コロナ、大統領選 岡田さん講演
(8)自由の女神の妹が来米へ
(9)中高生向けプログラミング言語キャンプ
(10)シアター作品を配信 河村早規さん

コロナから472日目の復活

 クオモ・ニューヨーク州知事は15日、18歳以上のニューヨーク州民の70%が新型コロナウイルスのワクチンについて一回の接種を受けたことを踏まえ、新型コロナウイルスに関する規制を直ちに解除すると発表した。これにより社交場の制限や収容人数の制限、ソーシャルディスタンス、清掃・消毒、健康診断、追跡のための接触記録といった、州の保健に関するガイダンス、各産業別のガイドラインが、小売業、飲食業、オフィス、ジムやフィットネスセンター、娯楽施設やファミリー向けエンターテイメント、ヘアサロン、理髪店、パーソナルケアサービスなどの商業施設においてほとんどの制限が解除された。同日、州内13か所の主要ビルが復活を記念しブルーとゴールドにライトアップされた。エッセンシャル・ワーカーと医療従事者の働きを讃えニューヨーク湾など数か所で花火も上げられた。この日はニューヨーク州がコロナとの戦いを宣言してから472日目の「サバイブからの復活」となった。
(写真)青と黄金色でライトアップするエンパイアステートビル(15日夜、写真・三浦良一)

エッセンシャルワーカーに感謝

 クオモ・ニューヨーク州知事は15日、18歳以上のニューヨーク州民の70%が新型コロナウイルスのワクチンについて一回の接種を受けたことを踏まえ、新型コロナウイルスに関する規制を直ちに解除すると発表した。

 また、エッセンシャル・ワーカーと医療従事者の働きを讃えニューヨーク湾などの数か所の会場で花火も上げられた。

 一方、ワクチン接種を受けていない人については、米疾病対策センター(CDC )のガイダンスに従い、マスクの着用が求められている。また、州の健康に関するガイドラインでは大規模な屋内行事、幼稚園から高校までの学校、公共交通機関、ホームレスシェルター、矯正施設、老人ホーム、医療機関などにおいては、CDCのガイドラインに従って州のガイドラインが引き続き適用される。各事業者は従来の規制を継続するか、解除するかについて選択することができる。

民主アダムズ氏優勢

次期NY市長選予備選、22日に投票

 今年末で任期を終え退任するデブラシオ市長の後任となるニューヨーク市長選が今年11月2日に行われる。予備選は今月22日で、10日に候補者による3回目の公開討論会が行われ、12日から期日前投票が始まった。選挙管理委員会によれば13日までに3万2032人が投票した。

 ニューヨーク市は共和党員よりも民主党員の方が圧倒的に多いため民主党の予備選挙の勝者が次の市長となる可能性が非常に高い。民主党の予備選挙では今回初めて候補者を最大5位まで優先順位で記入するという順位選択投票(RCV)方式が取られている。民主党の予備選挙の投票用紙には全部で13人の候補者が記載されており、これは市長選の歴史のなかでもっとも多い。

 エマーソン・カレッジによる4回目の世論調査(6月7〜8日に実施)ではブルックリン区長のエリック・アダムズ候補が23%でトップ。デブラシオ市長の元顧問のマヤ・ワイリー候補が前回の世論調査(5月23〜24日実施)から8ポイント上昇し17%で2位に躍進した。3月の調査では32%の圧倒的トップを走っていた実業家のアンドリュー・ヤン候補は前回の16%からやや下げ15%で3位。ニューヨーク市衛生局の元コミッショナーであるキャサリン・ガルシア候補は 前回の21%から12%に大きく低下した。ニューヨーク市の会計監査官スコット・ストリンガー候補は前回10%から9%と横ばい。

 同世論調査で求める政策の優先順位は犯罪が31%とトップでアダムズ候補が40%と圧倒的期待を集めた。

 マヤ・ワイリー候補の躍進は左派のアレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(NY州14区)が5日に行った支持表明が大きく寄与したと見られる。これは同じ左派のガルシア候補とモレラス候補の支持者がワイリー候補に移行したと見られ、両候補の支持率は下がっている。市長選では左派の指導者で人気の高いオカシオ=コルテス氏が誰を支持するのか注目されていたが、今回の世論調査を見る限り右派であるアダムズ候補の優位を揺るがすまでには至っていない。ヤン候補は45歳未満には23%の支持率を得ているが高齢者には9%の支持しかなく、15%前後で頭打ちの様相を示している。

地下鉄パフォーマンス再開

14か月ぶり、NYらしい音楽の復活

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で1年以上休止していたミュージシャンに地下鉄構内での演奏機会を提供する都市交通局(MTA)の「ミュージック・アンダー・ニューヨーク(MUNY)」が、4日再開した。 

 再開初日には、日本人を含むミュージシャンたちがグランドセントラル駅やポート・オーソリティ・バスターミナルなどで、ギターやバイオリン、トランペットなどを演奏し、多くの利用者たちがニューヨークらしい音の復帰を歓迎した。NYCトランジット・オーソリティのデメトリウス・クリッチロウ執行副社長は「おそらくほぼすべての地下鉄利用者たちが、MUNYのパフォーマーの美しさ、パワー、喜びの表現に足を止めたことがあるだろう。音楽は毎日、何百万人もの乗客の計り知れない喜びと刺激の源となっている」と話している。パンデミック前は、同プログラムに登録しているアーティストたちが年間、音楽パフォーマンス350回、そのほかのパフォーマンス1万2000回行っていた。

あなた、それでも日本人?

ニューヨークの魔法 ⑱
岡田光世

 My bonsai is dead! 

 私のボンサイが、死んでしまったじゃないの! 

 突然、サラに激しい口調で責め立てられ、私は言葉を失った。 

 ミッツィ(私のニックネーム)、ちゃんと水をあげてくれたの?

 盆栽が「枯れた」ということなのだが、英語だから「死んだ」とサラは言っている。 

 つまり、殺したのは、私か。 

 その夏、サラとビルがニューヨークを離れて、避暑地で過ごす間、病気の猫の世話を頼まれ、ふたりのアパートメントに泊まっていた。猫に薬をやらなければならないので、 信頼できる人にいてほしいという。 

 盆栽があったこと、気づかなかったの? 

 リビングルームの棚に、和風の植物があることには気づいた。滞在して一週間ほどたった頃だろうか。 

 何、これ?  盆栽かな、と夫と話した記憶はある。 

 が、世話を頼まれていたわけでもなかったので、そのうち忘れてしまった。 

 さらに言い訳をさせてもらえば、棚には東洋風の食器も飾られていて、盆栽は部屋に見事に溶け込み、存在がまったく印象に残っていなかったのだ。   

 気づいたのに、放っておいたってわけ?

 まあ、そう言えなくもない。 

 なぜ、水をやらなかったのよ。枯れることくらい、わかるでしょ。

 日本に住んでいたときだって、私は盆栽など育てたことがない。

 盆栽に水をあげていいわけ?

 ミッツィ・・・・・。相手はため息をついている。 

 盆栽は何もしなくても、生きているイメージなのだ。少なくとも、私のなかでは。

 あ、それはサボテンか。 

 いくつかある鉢植えの水やりは頼まれていたが、盆栽のことなどサラにはひと言も聞いていなかった。 

 盆栽の水やりなんか、頼まれなかったけど。 

 頼まなくたって、わかるでしょ!

 しかし、水をあげすぎて、根腐れして枯れたらどうするのだ。 

 盆栽の手入れの仕方なんか、知らないもの。 

 ミッツィ! あなた、それでも日本人? 

 日本人だからといって、毎日、スシを食べているわけでもないし、皆がニンジャの格好をして手裏剣を投げているわけでもない。「サザエさん」の波平のように、老いも若きも庭で盆栽いじりをしているわけでもないのである。 

 日本人ですよ、ミッツィは。

 たぶん。 

 ボンサイの手入れの仕方も知らない、ボンサイ(凡才)な日本人でございます。 

 このエッセイは、「ニューヨークの魔法」シリーズ(文春文庫)第8弾『ニューヨークの魔法の約束』に収録されています。

https://books.bunshun.jp/list/search-g?q=岡田光世

韓国版コーンドッグ、ロウワーイーストサイド

韓国のB級グルメ

 ローワーイーストサイドの街角で見つけた、韓国版コーンドッグと卵トーストの専門店「オーケードッグNYC」。東京のコリアンタウン・新大久保を中心に日本でもブームとなった韓国生まれのコーンドッグ「ハットグ」は今や人気のストリートフードで、串にフランクフルトをはじめ、モッツァレラチーズ、トッポキに使う棒状のモチなどを刺して、たっぷりの米粉の衣をつけて揚げたもの。衣にサイコロ状のジャガイモをつけたものなど多くの種類があり、街歩きしながらの軽食にぴったりだ。

 また、厚切りトーストにトロトロの卵、ハムとチーズをはさみ、特製ソースをかけてボックスに入れたエッグトーストも韓国の街角で人気のB級グルメ。ボリュームがあって見た目もかわいく、現地では朝ごはんとして食べられることが多いそう。週末は午前1時30分まで営業しているので、深夜に小腹がすいたときのおともにどうでしょう。


Oh K-Dog NYC

159 Ludlow St, 

New York, NY 10002

(646) 448 – 4836 

https://www.ohkdog.com/ 

年中無休

第11回クイーンズ世界映画祭が開幕

 第11回クイーンズ世界映画祭が23日(水)から7月3日(土)までの11日間、複数会場でのライブ上映とオンラインでのバーチャル上映の両方で開催される。短編・長編映画、ドキュメンタリー、アニメなど、33か国・地域からの198作品が公開される。

 同映画祭には、多くの被害をもたらした福島原発事故をテーマにした中村賀与子監督の短編ドキュメンタリー「No Nukes」(上映時間12分)も参加。被害者のインタビューを通して原発事故がもたらした影響から原発とは何かを考える。中村監督は「空と海がつながっている限り、福島原発事故は日本だけの問題ではなく、世界の問題として捉えるべきである」と話している。ライブ上映は25日(金)午後7時から、ザ・ローカルNY(13-02 44th Avenue, LIC,)にて。オンライン上映は27日(日)午後7時から。

 同映画祭は昨年3月19日〜29日に予定されていたが、パンデミックのため開幕3日前に劇場が閉鎖され会場が使えなくなった。しかし主催者は急きょオンライン開催へと変更し32か国からの191作品が上映され、3万回以上の視聴数を記録した。

 チケットは10ドル〜。オールアクセスパスが150ドル、1日間有効のデイパスが25ドル。上映作品・スケジュールなどの詳細は公式サイトhttps://queensworldfilmfestival.org/を参照。

コロナ、大統領選、私が見た激動のアメリカ

岡田光世さん講演

 本紙連載「ニューヨークの魔法」シリーズでお馴染みの作家、岡田光世さんが日本時間19日(土)午後2時30分から東京の池袋コミュニティカレッジで、「コロナ、大統領選〜私が見た激動のアメリカ」と題して講演する。岡田さんはネットのJ-CASTニュースの「岡田光世『トランプのアメリカ』で暮らす人たち」を今年1月まで4年間連載した。岡田さんはこの中で、市井の人々の声をすくい上げ、トランプ支持者も多く取り上げた。1月6日、首都ワシントンの連邦議会議事堂乱入事件、その直前の行進でも現場にいた。当日の講演では、本人撮影の写真や動画とともに、激動の2020年を振り返る。当日は会場での体面だけでなく、ズームでオンライン参加できる。「見逃し配信」の期間は21日から30日。

申し込みは池袋コミュニティカレッジまで。

https://cul.7cn.co.jp/programs/program_936662.html?fbclid=IwAR0wldY2XkBZ8cvQZK5sMyEZtyW6PZZqYJlg_aJU5QAfJjPo9ESfyxRAmSI

自由の女神の妹フランスから来米へ

 パリにある自由の女神の「妹(リトルシスター)」像が7月1日(木)から5日(月)まで、「姉」が住むニューヨーク・リバティ島の近くにあるエリス島にやってくる。エリス島はかつて米国移民局が置かれていたことで有名であり、1892年から60年の間にヨーロッパから1200万の移民がこの島から入国したといわれている。 

 リトルシスターは高さ約3メートル、重さ450キロの小さなもので、1878年に制作されたオリジナルの石膏模型を使用して2009年に作られ、2011年からパリの国立美術館に設置されている。フランス大使館によると、リトルシスターは今月19日にフランスの港湾都市ルワーブルから船に乗り、7月1日にエリス島に到着、独立記念日の5日まで「姉」の近くに滞在する。その後はワシントンDCにあるフランス大使公邸の庭に10年間置かれる予定だという。