氷上に名残り 夏時間が到来

 例年になく’長い冬と豪雪になった今年の米東部地区。日差しはすでに春を感じさせるが、まだ肌寒く、郊外はもとより、マンハッタンでも交差点や日陰には名残雪がそこかしこに。

 今週末から冬時間が終わって、夏時間に切り替わる。マンハッタンのブライアント公園では、アイスリンクのバンパーカーで冬を惜しむ歓声が響いた。アメリカで暮らしていても、3月に入ると日本と同じ年度末の気分にさせられるのは、この夏時間到来のせいだろうか。  (写真・三浦良一)

夏時間のお知らせ

 3月8日(日)午前2時で冬時間が終了し、夏時間に変更となります。日本との時差は13時間と1時間縮まります。土曜の就寝の前に時計の針を1時間進めることをお忘れなく。

多様性の都市に自由なフォーマルの風 横山宗生さん

ラグジュアリーフォーマルウェアデザイナー

 横山 宗生(よこやま むねたか)さんは、これまでパリやミラノのファッションウイーク、カンヌ国際映画祭など世界の舞台でコレクションを発表してきた日本人フォーマルウェアデザイナーだ。着物生地や西陣織を用いたドレスやタキシードで注目を集めた。

 東京・南青山を拠点に活動し、アカデミー賞やグラミー賞関連の衣装製作実績を持ち、年間50人以上の俳優・アーティスト・モデルに衣装を提供している。慶應義塾大学大学院、東京工業大学大学院、文化服装学院などで特別講師を務めるほか、著書に『フォーマルウェアの教科書(洋装・和装)』がある。

 現在、ニューヨークをはじめ海外展開を進めている。海外では特に着物生地を使用したラグジュアリーでエレガントなドレス・タキシードが人気だという。

 今年の9月のニューヨーク・ファッション・ウイークに参加するため、下見にニューヨークを訪れた。

 「今回ニューヨーク・ファッション・ウイークを拝見し、強く感じたのは『エネルギーと個性』です。ヨーロッパが『歴史やエレガントさ』を大切にするのに対し、ニューヨークは『今この瞬間のリアリティ』と『個性』が際立っていました。特に印象的だったのは、多様性を前提とした表現です。人種・体型・価値観を超えてファッションが開かれている点は、とてもアメリカらしいと感じました」と話す。

 フォーマルという装いは、欧州の方に伝統があるが、アメリカのフォーマルについてどんな印象を持ったのだろうか。

 「欧州のフォーマルは、王室文化や貴族文化を背景に発展してきた歴史があります。一方、アメリカのフォーマルは、より自由で、自己表現としての意味合いが強いと感じました。ルールを守ることよりも、『自分らしくどう着こなすか』という姿勢が前面に出ていましたね」。

 9月のニューヨークでは、日本の伝統素材(西陣織や友禅)を用いたラグジュアリーフォーマルを、より明確なメッセージとともに発表したいと考えているそうだ。テーマは「Luxury Japanesque Sustainable Formal」。「単なる和風ではなく、日本の伝統産業を活用し『日本の精神性を持つ日本発信のフォーマル』をお披露目したい」と意気込む。

 「ニューヨークという多様性の都市で、日本の伝統が未来のラグジュアリーとしてどう響くのか。その挑戦をしていきたいと思っています。とても楽しみです」そう言い残し、マンハッタンの交差点で捕まえたイエローキャブに足早に乗り込んで行った。   (三浦良一記者、写真も)

梶芽衣子特集上映 ジャパン・ソサエティーで

「女囚さそり」など

 ジャパン・ソサエティー(JS:東47丁目333番地)で3月27日(金)から4月4日(日)まで、「Meiko Kaji: A Retrospective」と題した、女優・梶芽衣子の回顧展を開催する。

 梶は、1965年に日活の専属契約俳優としてデビュー。控えめで慎ましい女性役という既定の型に抵抗した梶はすぐに脇役に追いやられたが、その屈しない性格はアウトサイダー役に適した不屈の精神を示し、アウトロー、不良といった反体制的なイメージを体現する存在となった。仁侠映画やピンクバイオレンスからヤクザ映画、アートハウス作品、テレビへと活躍の場を広げた梶の鋭い眼差しは日本の映画時代を象徴する存在ともいえる。

「怪談昇り竜(Blind Woman’s Curse)」(70年)

 上映作品は次の10作品。

・「修羅雪姫(Lady Snowblood)」(1973年)

・「女囚701号/さそり(Female Prisoner #701: Scorpion)」(72年)

・「女囚さそり/第41雑居房(Female Prisoner Scorpion: Jailhouse41)」(72年)

・「やくざの墓場 くちなしの花(Yakuza Graveyard)」(76年)

・「野良猫ロック セックスハンター(Stray Cat Rock: Sex Hunter)」(70年)

・「曾根崎心中(The Love Suicides at Sonezaki)」(78年)

・「銀蝶渡り鳥(Wandering Ginza Butterfly)」(72年)

・「怪談昇り竜(Blind Woman’s Curse)」(70年)

・「新仁義なき戦い 組長の首(New Battles Without Honor and Humanity: The Boss’s Head)」(75年)

・「女囚さそり けもの部屋(Female Prisoner Scorpion: Beast Stable)」(73年)

レセプション、梶さんが来米

 オープニング・ナイト・レセプションのほか、いくつかの作品で梶芽衣子さんが登壇し、梶さんによるイントロダクションや質疑応答も行われる。

 入場料は作品によって異なる。チケット・詳細はウェブサイトhttps://japansociety.org/film/meiko-kaji-a-retrospectiveを参照する。

首脳決断の正当性と政治責任

 米国連邦最高裁はトランプ大統領の関税措置を違憲と裁定しました。これに対し大統領は裁判や捜査に対する批判や、政治的敵対者などへの威圧姿勢を高めています。極めつけが、イラン空爆による最高指導者ハメネイ師の殺害です。報復の循環と第三次世界大戦を阻止することが世界の最重要課題です。国際法違反とも指摘されたベネズエラ攻撃も含め、大統領の好戦的政治は自らの支持基盤強化が目的のように見え、それが年頭教書演説でも明らかでした。

 英独仏首脳は、イランへの参戦を否定しました。各国首脳による政治決断の正当性(理念)と政治責任の検証が必要な時です。

 その英国では、アンドリュー元王子がエプスタイン氏への機密情報の漏洩疑惑で逮捕されました。王室への畏敬が高い国での司法当局の独立性と道義性の高さを示すものです。また、昨年アンジェラ・レイナー副首相が辞任しました。不動産購入時の印紙土地税の納入不足が閣僚規範の「最高水準の適切な行動」を満たしていないとの理由です。

 英国では、利益相反の回避、公私の分離が厳格で、与党内からの辞任圧力も含め、法律違反がなくても道義的、政治的責任で辞任する例が数多くあります。

 日本の高市早苗首相は総選挙で歴史的大勝利を収めた後、当選した自民党議員315人に約3万円のギフトを配りました。首相個人でなく首相が代表する自民党総支部からの支出で違法ではないとの見解です。閣僚規範が存在しないことに加え、accountabilityが「説明責任」と意訳され、記者会見などで説明すれば責任を果たしたと済まされるのが日本です。この英語は「行為の結果を報告し、検証を受け、必要なら制裁を受ける」を意味すると思います。首相によるギフト配りは正当性と政治責任を曖昧にする日本政治を象徴しています。

 以上の3例はレベルは異なるものの、政治決断の正当性と政治責任は共通です。第二次大戦後の世界秩序を構築したルーズベルト、チャーチル、ドゴール。日本の復興と平和を構築した吉田茂、鳩山一郎などは、正当性と政治責任を有していたと思います。戦後だからこれらの首脳が輩出したのではなく、第三次大戦を起こさないために輩出することが必要です。世界平和への舵取りを担える首脳が各国で必要です。そして、そうした首脳を選ぶ国民も。

ふじた・ゆきひさ=オックスフォード大政治国際問題学部客員研究フェロー(英国在)。慶大卒。国際MRA(現IC)や難民を助ける会等の和解・人道援助活動を経て国会議員、財務副大臣、民主党国際局長、等を歴任。現在、国際IC日本協会長、岐阜女子大特別客員教授も兼任。

天皇陛下誕生日祝う NY総領事大使公邸

 天皇陛下は2月23日、66歳の誕生日を迎えられた。それに合わせ、ニューヨーク日本総領事大使公邸で25日夕、片平大使主催の天皇陛下誕生日祝賀会が開催され、経済、教育関係者による第1部、文化人、日系団体、報道関係者による第2部の合わせて260人が招待され、天皇陛下の誕生日を祝った。

 ニューヨーク在住のメゾ・ソプラノ歌手の田山シエラ真夢さんが日米国歌を斉唱した。片平大使はお祝いの言葉と歓迎の挨拶の中で、今年建国250年を迎える米国との日米同盟が、来月来米する高市首相とトランプ大統領との日米首脳会談によってその絆がさらに強まることを期待していると述べ、経済、文化、スポーツの分野での民間交流親善はもとより、5月9日に開催されるジャパンパレードへの参加、支援を呼びかけた。

 また挨拶の冒頭で、今年4月から約2年間にわたって、現在の総領事・大使公邸の大規模改修工事を行うことが正式に発表され、今回の天皇陛下誕生日祝賀会が、現公邸における最後の主要行事となると報告した。新しい暫定的な大使公邸は、現在の建物の近くに移転するという。

 続いてジャパン・ソサエティー理事長のジョシュア・W・ウォーカー氏が、ニューヨークの日系社会の存在そのものが、日米友好関係を深める宝であり礎であると祝辞を述べ、乾杯の言葉を添えて来場者一同祝杯をあげた。

(写真)招待客を迎える片平NY総領事・大使夫妻

京都倶楽部が着物モデル募集  ジャパンパレード参加

振袖20人と黒留袖8人

 ニューヨーク京都倶楽部は、5月9日(土)にセントラルパークウエストで開催される第5回ジャパンパレードに参加する着物モデルを募集している。募集しているのは「振袖モデル」20人と「黒留モデル」8人で、パレードではプロのヘアメイクと着付け師による完璧なスタイルを体験できる。未婚女性の正装として知られる振袖モデルの対象は大学生、高校生、中学生、20代女性。既婚女性の最高正装である黒留袖をまとう黒留モデルは30代の女性が対象。パレードの前後にはセントラルパークで自由に写真撮影も可能。

 参加費は、振袖モデルが90ドル(着物一式レンタル、着付け、ヘア、タッチアップメイク含む) 、黒留モデルが60ドル(着物一式レンタル、ヘア、タッチアップメイク含む)。4月19日と5月2日の3時間程度のリハーサル(全体練習)に参加できる人。 参加申し込みはhttps://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSdf_x-pI2_UFlj5exqJxqFXRW1HSpzSK9sMe-dS19H0ojOX8w/viewformから。

日本当局へ身柄引渡し 寺に油塗ったNY開業の産婦人科医

 ニューヨーク南部地区連邦地裁のJ・ポール・オトケン判事は2月26日、東京近郊の仏教寺院と神社に油状の液体をまいたとして日本で建造物損壊に問われているマンハッタン在住の医師で日本国籍の金山昌秀被告(63)の身柄引き渡し差し止め請求を退けた。金山被告側弁護人のマイケル・ジギスムンド弁護士は控訴する方針を示したが、すでに10年に及ぶ法廷闘争を経ており日本への移送が確定。同被告は3月3日、ニューヨークで千葉県警に引き渡され、日本行きの航空機の中で建造物損壊の容疑で逮捕された。

 オトケン判事は「複数の裁判官が十分かつ慎重に審理してきた」と指摘し、連邦最高裁も執行停止を認めなかったと述べたうえで、引き渡し直前での停止は米政府に不利益を与えるだけで、米国が他国との犯罪人引き渡し条約を履行することは極めて重要と判断した。

 被告は1962年に在日韓国人の両親のもと東京で生まれ、1967年に日本に帰化した。米国の医大を卒業後、30年にわたりマンハッタンで産婦人科医として活動。米国永住権を持っている。2015年3月25日、千葉県成田市にある成田山新勝寺の主要な門に、指で油のような液体を付けるような行為をしたとされる映像が防犯カメラに記録された。翌日には、同県の香取神宮でも、階段や柱、賽銭箱に油を塗るような行為があった。千葉県警は監視映像やレンタカー、通行料金、航空機利用記録などから金山被告を特定、被告が神社に油を注ぐことについて話している2012年頃のYouTube動画も根拠としている。同様の被害は全国で見られた。

 日本は2016年に米国に対し金山被告の身柄引き渡しを要請。2017年に連邦捜査官は日本政府の要請を受け入れ逮捕した。保釈後、被告側から身柄引き渡し阻止の申し立てが行われたが、連邦裁判所は繰り返し却下してきた。

 金山被告の弁護側は、油を塗った行為そのものが器物損壊に当たらないか、損害が一切なかったとして無実を主張している。また、被告が熱心なキリスト教徒で、また韓国系であることで不当な扱いをしているとして訴追の動機を問題視している。被告は、日常生活や仕事の中で祈りを通じた神との個人的な関係に焦点を当てた宗教団体「インターナショナル・マーケットプレイス・ミニストリー(IMM)」の創設者。「聖書に基づき施設を浄化した」などと主張していた。

 日本では本件を建造物損壊と共に文化財保護法違反の疑いとして扱っており、刑事責任も問われて有罪となれば最長5年の懲役刑が科される可能性がある。NY日本総領事館は昨年、請求は法と証拠に基づくもので政治的・宗教的動機はないと説明している。

焼酎の美味しい飲み方 蔵元10社がNYで紹介

九州各地から米国市場へ

お湯割りや前割り
法制度改正で商機

 マンハッタンのパラマウント・クラブで2月24日、本格焼酎と泡盛のプロモーション事業「Shochu Rising The Spirit of Japan 2026」(日本酒造組合中央会主催)が行われ、九州から10社の焼酎メーカーが参加した。

 当初、23日の午後に現地のレストラン関係者向けに試飲会が予定されていたが、ニューヨーク市に暴風雪の非常事態宣言が発令されて、24日の午後に延期となり、24日は一般向けとのダブルヘッダーの開催となった。


(写真上)来場者に自社の本格焼酎の説明をする 柳田酒造合名会社代表・柳田正さん(写真右奥)と、落合酒造場の代表取締役社長・落合亮平さん(写真右手前)

 2022年6月30日、ニューヨーク州のキャシー・ホウクル知事がニューヨーク州焼酎法改正法案に署名し、同年7月1日よりアルコール度数が24%またはそれ以下の焼酎は「SHOCHU」と表記してソフトリカー・ライセンスでの販売が許可された。ニューヨーク州には、ハードリカー・ライセンスとソフトリカー・ライセンスがあり、このことにより、これまでハードリカー・ライセンスを持つレストランでしか扱えなかった本格焼酎や泡盛がソフトリカー・ライセンスしか持たないレストランでも扱えるようになった。今回のイベントはそのことを受けての、本格焼酎と泡盛のニューヨーク州における州法改正後のプロモーション業務の一環。

 24日の昼の部には日本食レストランだけなく、西洋料理やアジア料理も対象に現地のレストラン関係者向けに。夜の部では一般消費者、メディア向けに本格焼酎と泡盛の認知度の向上と販路拡大を目的にセミナーと試飲会を行った。

 セミナーでは、宮崎県で焼酎や日本酒の店「國酒松」のオーナーでSAKE DIPLOMAの小松山龍辰さんが焼酎の歴史や製造工程、お湯割りやソーダ割り、ロック、前割りなどの焼酎の美味しい飲み方や焼酎の魅力について講演を行った=写真左=。

 宮崎県の柳田酒造合名会社代表・柳田正さんは「アルコール度数を24度にしてソフトリカーとして販売することは最初疑問だったが、24度になったことで輸出の回数も増えた」。落合酒造場の代表取締役社長・落合亮平さんは「当社の生姜の焼酎、利平ジンジャーは米国ではバーで扱ってもらっていて定期的に注文がある」と話した。

 参加蔵元は次の10社。

柳田酒造合名会社、株式会社落合酒造場、 薩摩酒造株式会社、大口酒造株式会社、小正醸造株式会社、濵田酒造株式会社、山元酒造株式会社/オガタマ酒造株式会社、 株式会社喜多屋、高橋酒造株式会社、繊月酒造株式会社。 (石黒かおる・写真も)

日本舞踊を日本語で JPAが2クラス開講

NYで1年間かけて習得基礎から発表会まで

 日本の伝統芸能を通して日本文化を紹介しているNY州の非営利団体ジャパン・パフォーミングアーツ・インク(JPA)は、日本舞踊を日本語で1年間教える2つのクラスを開講する。JPAはNYSとNYCからのサポートを受け、日本舞踊、神楽、着物ショー、日本三大盆踊り、そしてNYで活躍する日本の伝統芸能の団体を招聘し、ニューヨーカーへの文化交流のために劇場での無料公演を毎年2回開催している。

 「基礎クラス(筋肉強化)・踊りのクラス」は老若男女誰でも学べ、日本舞踊の身体の動きに集中した「日本舞踊体操」「日本舞踊ヨガ」となる筋肉が強化される特有のクラスで、日本舞踊での立ち姿や所作、ゆっくりと動くさまざまなフォームを通して、姿勢を正し、足腰を強化し、美しい日本舞踊の動きの基礎を学ぶ。日本舞踊初心者・経験者が参加できる。2つ目のアドバンスクラスは、日本舞踊の振り付けを覚えて、7月の「浴衣会」や3月に開催する一般公開の「発表会」で踊ることを目的としている。すでに日本舞踊の基礎を知っている人、もしくは1時間目のクラスで基礎を学んだ人が受講できる。

 この2つのクラスは4月から7月までの15回(前半コース、午後4時から)と9月から翌年3月までの22回(後半コース、午後5時から)として実施。また、個人レッスンも相談可。参加費は、各クラスにはチケット制(1回1時間20ドル、10回分)とコース制(一括払いでディスカウント有り)がある。2つのクラスを続けて受講する場合はディスカウントもある。会場はミッドタウン。問い合わせ・参加申し込みは、週刊NY生活で見たと添えてEメール[email protected]まで。詳細はウェブサイトhttps://jpa-newyork.org/nichibu-class/を参照する。

【今週の紙面の主なニュース】(2026年2月28日号)

(1)米最高裁 相互関税に無効判断
(2)NY暴風雪 爆弾低気圧で航空便8000便欠航
(3)「鯉のぼりを国連本部に掲揚したい」中村哲 博士
(4)宮城合奏団演奏会 3月27日コロンビア大で
(5)路上ホームレス急増 NY市が一斉撤去を再開
(6)川崎車両の受注拡大 NY地下鉄の半数占める
(7)生き生きEATS
(8)ブルックリンのヤマモトさん
(9)世界で活躍する挑戦者の伴奏者 谷脇有香さん
(10)第16回「反原発展」 アートで核発電の功罪問う

米最高裁 相互関税に無効判断

大統領が新措置で対抗

 2月20日に米最高裁判所が国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく関税を無効とする判断を示し、今月24日の通関から関税の徴収を停止した。最高裁の発表の直後、トランプ大統領が新たな措置として、1974年通商法122条に基づいて全ての輸入に10%の課徴金を課す大統領布告を発表し、122条に基づく課徴金の徴収も米国東部時間2月24日午前0時以降の通関から開始した。トランプ大統領は、税率を15%に引き上げることもSNSで書いているが、公式な発表ではない。

 ジェトロニューヨーク事務所調査部が24日まとめた最高裁の判決要旨によると、IEEPAは大統領による関税賦課を認めない。課税する権限は憲法上、議会に付与されている。議会が課税する権限を大統領に委譲する場合、明示的に行っている。IEEPAは輸入を規制するとの文言はあるが、関税を課すことを明記していないため、法的根拠としては認められない。判決では関税還付の方法について触れていない。

 日本企業にとっては、すでに支払った関税の払い戻しはあるのかについて関心が高まるところだが、今後、米国国際貿易裁判所によって審議されるとみられているので、関税還付の方法については引き続き不透明だとしている。

 トランプ大統領が通商法122条に基づく10%の課徴金賦課の概要は次の通り。

 122条は大統領に対し、「大規模かつ深刻な米国の国際収支赤字」といった特定の状況に対処するため、150日を超えない期間、15%以下の関税賦課を認めている。原則として、全ての国からの輸入に10%の課徴金を課す。

 これまでの日米合意の、一般関税、相互関税、232条関税(自動車・部品のみ)を合計して原則15%となる関税率も、今後どのような計算になるかは現時点では不明としている。

 対象期間は、米国東部時間2月24日午前0時1分〜7月24日午前0時1分までに通関される貨物。

 トランプ氏はまた、輸入申告額が800ドル以下の少額貨物の輸入に対して、関税支払いなどを免除し、簡易的な方法で輸入通関ができるデミニミスルールの適用停止は継続すると発表した。なお、国際郵便ネットワークを通じて輸入される場合は引き続きデミニミスが適用されていたが、今回の大統領令では、国際郵便ネットワークを通じた輸入に対しても、122条に基づく課徴金を課すと定めた。

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