マンハッタンの繊維問屋街(ガーメント地区)の路上にアート作品「パセージ」(通り道)が登場した。20個の円状の蛍光管で構成される歩行者用光のトンネルで、赤、青などレインボーカラーに色を変える中を通る。ニューヨーカーをさまざまな色で渦巻く。アーティストのセルジュ・マウがデザイン。何人かの通行人はすぐにアートワークに魅了され、下を通り過ぎるだけでなく、厳しい寒さにもかかわらず、家族や友人と一緒にセルフィーやビデオを撮っていた。2月13日まで。( 1月17日午後4時、ブロードウエーの39丁目と40丁目の間で、写真・三浦良一)
こんな食材が欲しかった
リーズナブルで美味しいと人気
THE GROCERY NEW YORK
「和ごはん」を楽しむ
米国で身近に、手軽に「和ごはん」を楽しんでもらいたいという思いからザ・グローサリー・ニューヨーク(THE GROCERY NEW YORK)(本社ニューヨーク)が薄切り肉や焼肉、旬の和野菜キットなど、和食作りに欠かせない食材をお手頃価格で提供している。
ニューヨークの有名レストランやスーパーなどに業務用精肉を卸すトモエ・フード・サービス(TOMOE FOOD SERVICES)、同社がウエストチェスターで運営する日系スーパー、フロンティア・マーケット(FRONTIER MARKET)と提携することで鮮度の高い高級食材の提供が可能になった。
必要な食材を必要な分だけまとめたミールキットは、パーティーや忙しい主婦におすすめ。メニューは毎月更新され、米国にいながら日本の季節行事を楽しめるようなオリジナルアイテムを取り揃える。
オーダーの受け渡しは、現在ニューヨークとニュージャージーの20か所以上ある「ごきんじょピックアップ」というスタイルで行っており、場所やスケジュールの詳細はホームページ(https://thegrocerynewyork.com/)でチェックできる。友達が10人以上が集まれば、グループデリバリーサービスも随時受け付ける。またメルマガに登録すると、特売会など会員限定のイベントや特典情報がもらえる。

▽本紙読者に特典
週刊NY生活の読者は、初回の購入者限定でクーポンコード利用により5%割引(最低購入額30ドル)。(オンラインチェックアウト時にクーポンコード=SKNY0122 を入力。(2月18日〈金〉まで有効)
●春節スペシャルメニュー(ミッドタウンイーストピックアップ限定)=春節イベント向けにA5和牛ステーキ、しゃぶしゃぶなどを用意。ピックアップ日時=1月28日(金)午後4時から午後6時まで。 Greenacre Park (217 East 51st St), New York, NY10022
※1月メニューのオーダーピックアップも可能。(オーダー締め切り1月22日)詳細はウェブサイト
The Grocery New York https://thegrocerynewyork.com/
Eメール [email protected]
BROWN SUGER 1ST. 有機ココナッツオイルで米上陸へ
現地法人をNYに設立
有機ココナッツオイル、有機ココナッツシュガーなど日本で菓子製造事業、食品輸入卸事業、オーガニック食品小売事業を展開する株式会社ブラウンシュガー1ST(本社東京都千代田区平河町、荻野みどり社長)が1月5日、ニューヨークに米国現地法人ブラウンシュガー1STニューヨーク・インク(BROWN SUGER 1ST.NYC ,INC.)を設立した。
現地責任者を兼務する荻野社長は「長女を出産し、母乳育児をしていたある日、娘が湿疹になり、10日間ほど便秘になってしまったことから『YOU ARE WHAT YOU EAT. (人は食べた物で出来ている)』という言葉を実感し、安心して子どもに与えられる美味しい食べ物がもっと気軽に買えたらとの思いから菓子教室を主催する実家の母の助けを借り『わが子に食べさせたいかどうか?』を基準に食材を厳選する手作り菓子店としてBROWN SUGAR 1ST.を2011年に創業したんです」と創業のきっかけを語る。
現在ではココナッツオイルのほか、有機レモンスカッシュ、 有機ジンジャーエール、有機アガベシロップ、有機アップルソース、 菓子、各種スパイスなどのオーガニック食品を手広く日本国内で販売する。米国では主力商品であるココナッツオイル=写真=のほか、4月には新商品、有機ココ米油を米国で発売する予定。初年度売り上げ目標を50万ドル見込む。6月にはニューヨークでの商品見本市にも出展を計画、「食の安全と品質を優先」した看板商品を主軸に本格的な対米進出を目指す。企業の詳細はウェブサイトhttps://bs1st.com/ を参照。
1月は黒澤明の「影武者」
ジャパン・ソサエティーの月例映画再開
4月まで名作クラシック上映
ジャパン・ソサエティー(JS)映画部は、今月より月例映画上映会「マンスリー・クラシック」シリーズをJS内劇場(東47丁目333番地)にて再開する。
2015年に始まった同シリーズは、日本映画を代表するクラシック作品、レア作品や再発掘作品などを紹介する月に1回の映画上映会。新型コロナの影響により一時中断されていたが、21日(金)午後7時から、ハリウッド大手スタジオから配給された初めての日本映画である黒澤明監督『影武者』を皮切りに再開する。(写真上、Kagemusha © 1980 Toho Company, Ltd.)
1月から4月までのラインナップには、日本映画界の巨匠、黒澤明監督作品である偉大な武将の影武者として壮烈に生きた男の物語を描く戦国スペクタクル『影武者』に始まり、武家社会や武士道の残酷さを描き、日本国外でも注目を浴びた社会派時代劇『切腹』(2月4日)、「さそり」と呼ばれる女囚、松島ナミの壮絶な権力への復讐を描いた『女囚さそり 第41雑居房』(3月4日)、そして孤独な刑事の生き様を描き、北野武監督の名を世界に知らしめた『HANA-BI』(4月1日)を上映する。 全て日本語上映、英語字幕付き。

『影武者』の舞台は戦国時代。家康の野田城攻めの折り、鉄砲で撃たれこの世を去った戦国武将、武田信玄。弟の信廉は「己の死を3年間、秘密にせよ」と遺言しこの世を去った兄の死の噂を打ち消すため、窃盗罪で処刑されるはずの信玄と瓜二つのとある男を、信玄の影武者として立てることにする。だが男にとって戦国の雄・信玄として生きることはあまりにも過酷だった。1980年に製作された『影武者』は、日本映画界の巨匠、黒澤明監督が偉大な武将の影武者として壮烈に生きた男の物語を描く後期の大作で、「世界のクロサワ」として世界中の映画作家・ファンに影響を与えてきた黒澤が描いた戦国スペクタクル。製作総指揮には黒澤に大きな影響をうけたフランシス・フォード・コッポラやジョージ・ルーカスが名を連ね、第33回カンヌ国際映画祭パルム・ドールの受賞をはじめ、第53回アカデミー賞で外国語映画賞と美術賞の2部門にノミネートされるなど日本国外でも高い評価を受けた。出演は、仲代達矢、山崎努、萩原健一、根津甚八、大滝秀治ほか。
マンスリー・クラシックシリーズの入場料は一般15ドル、JS会員10ドル。チケットなど詳細はウェブサイトwww.japansociety.orgを参照する。
世界女性起業家40人に選出されたCHIE IMAIの自伝米国で英訳出版へ
It begins from the only one fur
今井千恵さんの理念世界に発信
ラグジュアリーブランドCHIE IMAI のリードデザイナー、 今井千恵さんの自伝『幸せ・成功のはじまりはたった一枚のファーから〜あなたの道にも通じる、今井千恵の「マイ・レガシー」』(日経BP・刊、本紙 6月5日付「BOOKS」書評欄既報)の英語版が今年発行されることになった。
今井さんの世界進出のきっかけの地ニューヨークでは、紀伊國屋書店で販売されてニューヨーク在住の日本人が読み、大きな反響を呼んだだけでなく、日本全国の有名書店やウェブ書店で発売直後にアマゾンで海外進出部門ベストセラー1位と高く評価された(本紙 6月5日付「BOOKS」書評欄既報)。
今井さんは当初、出版の依頼を日経BPから受けた際、自慢話や苦労談を披露することにためらいを感じ、当初は断ったという。しかし「ファーの素晴らしさ、楽しさを一人でも多くの人たちに知ってもらいたい。また、私の生き様を通して誰もが光を見だせるような生き方のヒントになり、少しでも今を生きる方、その次世代の方へのお役に立つなら」との思いから引き受けたと振り返る。
結果として同書は「夢を持つ世代へ、私からの起業家として、デザイナーとして伝えたいメッセージや新しい未来を開くキーワードを込めることができ、生きることに前向きになれる楽しい本となった」と語る。
今では女性だけなく予想以上に幅広い層の20代30代にも読まれ、若き男性ビジネスマンからも「バイブルにします」など感想が寄せられ、経済界・ファッション界の各メディアでも絶賛された。
特に、ファーへの思いを綴った章では、ぶれることのない今井さんの強い信念が貫かれ、多様化する現代社会で見失いがちな自己の生き方を記している。
「ファーは、『ナチュラル』『美しい』『楽しい』『心を豊かにする』素材であり、抜群の保温性や通気性など高い機能性を持つ素材です。人類とファーとの歴史は古く、石器時代にまでさかのぼります。狩猟によって生活を営んできた人類は、寒さや衝撃から身を守るために毛皮や革を活用してきました。 私がリードデザイナーを務めるラグジュアリーブランド『CHIE IMAI』のファッションへの考えは、長期的なサステナビリティと個人の権利を尊重することに基づいています。 偏った考えや意見から発生するネガティブな考え方をやめ、個々のスタイル、ファッションを自由に楽しむことを奨励したい。多様性を認め合う時代、ファーが好きな人がファーを選択する自由も尊重すべきと考えます。 世界中で多様性のあり方を考えるこの時代、「ものごとの本質とは何か」ということに思いを馳せて読んでいただければ嬉しい」と述べている。
アルコールインク・アート展を開催
ブルックリンで28日まで
アルコールインクアートのグループ展が28日(金)まで、ブルックリンにあるバー「MIKA Bushwick」(25 Thames St)で開催されている。ニューヨークを拠点に活動するアーティスト、小林園実さんが昨年から行っているアルコールインク・ワークショップの参加者から募集した人たちの作品を多数展示。日本人参加者は、井上久子、遠藤良子、北川なつ子、松村牧亜、高氏奈津樹ほか8人。同じ画材でありつつも、それぞれの個性豊かな作品を見ることが出来る。(=写真)

作品展の最終日となる28日(金)午後5時から8時までは、クロージング・レセプションが行われる。会場のMIKAではローカルクラフトビール、酒、ワインが充実し、日本食フュージョンを楽しめる。入場無料(ドリンク・食事は各自で購入)。会場の詳細はウェブサイトhttps://mikabushwick.com/を参照する。
新年賀詞名刺交換会NYで
年頭の所感、米国から
ニューヨーク日本総領事館主催、ニューヨーク日本商工会議所、ニューヨーク日系人会、日本クラブの日系3団体共催によるバーチャル令和四年新年名刺交換会が13日正午から1時まで対面とZOOMで開催された。各団体代表による年頭の挨拶と鏡開き、ジェトロと日本政府観光局のNY代表のゲストスピーチ、バーチャルでの名刺交換が行われた。オンラインで101人が参加した。
主催者挨拶 山野内勘二大使
「共に明るい未来を」
2022年、まず思うことは、「コロナとの戦いも3年目。この戦いは容易ならざるものとなるが、我々は打ち勝つのである。コロナは止めても、経済と社会は止めない」という意気込みで2022年を臨みたいと思う。ホークル知事、アダムス市長も「感染対策には万全を期すが、経済はしっかり回していく」と同趣旨を述べた。お二方の決意・リーダーシップを参考にしていきたい。2022年は、3つのことが150周年という重要な節目となる。一つは、岩倉具視使節団の派遣。日本の日米交流を振り返る良い機会だ。二つ目は、ニューヨーク総領事館の開設。気持ちを改めて、今後も仕事に臨みたいと思っている。三つ目は、野球の伝来。世界の中でも特に野球を愛するアメリカと日本。アメリカのベースボールが日本に伝来してから150年経ったことは、日米の友情を考える上で非常に重要な出来事だ。そして、国際情勢を見れば北朝鮮のミサイル、ウクライナ情勢、中国をめぐる様々な課題、激動の年だ。ビジネスの現場でも、競争が厳しい中では、大変な状況だからこそ新しいチャンスが生まれる。150歳になった総領事館、我々のミッションは「日本コミュニティを支え、守り、手伝いをする」に尽きる。我々は、皆様と共にあって、一緒に明るい未来を築く一助になればと思っている。最後に私事だが1日4日付で帰朝命令が出た。3年3か月にわたって、総領事大使として努められたのも皆様の支えがあったからこそ。この場を借りて、御礼を申し上げます。後任の支援もよろしくお願いします。(写真上)

NY日本商工会議所 高岡英則会頭
「米国社会と共に発展を」
オミクロンの爆発的感染、ウクライナ情勢、インフレ、サプライチェーン問題と、騒々しい年明けになった。日本の入国制限もなかなか緩和されず、悲願の訪来もなかなか叶わない不自由な生活が続いている。しかしながら、私は楽観視している。コロナとの戦いも3年目を迎える。事前事後の対策で、我々もずいぶん学んできた。オミクロンの正体が徐々に明らかになってきた。マスクやディスタンス、そして何よりもワクチン、ブースター、テストにアイソレーション。知恵を総動員して、コロナとの共生社会に向かおうと思っている。
経済の方も、インフレを背景に各国の金融政策が変更に向かい、サプライチェーンの問題もあって、なかなか厳しい状況になっている。一方、消費は堅調だ。コロナ禍からのリカバリー、コロナ禍によって加速された生活スタイルの変化により、旺盛な消費力、そして市場、ビジネスモデルの進化に大きな期待を寄せている。チャレンジングだが、ビジネスチャンスに満ち溢れた一年になると思っている。JCCIの活動を振り返ると、年始交換会。その後いくつかのセミナー。ワクチン接種が進んだ7月にはサマーウェルカムバックパーティーは久々のインパーソンでの開催で大変盛り上がり、最大の催し、アニュアルディナーもインパーソンで開催ですることができ、200人も参加した。総領事館とJTBの支援もあり、日本語対応のCOVID-19情報コールセンターを3か月間実施した。日本クラブでは、2020年に引き続き、医療機関にお弁当を届ける弁当プロジェクトを開催。現在も、1万5000個の弁当を届けており大変好評だ。世界情勢は日々変化しているが、変わらないものはアメリカの重要性と、日本の大切な信頼関係だ。日系企業が広く、かつ深く米国社会に根付き、米国社会と共に発展していけるよう努力を続けて行きたい。

NY日系人会 佐藤貢司会長
「日本の伝統文化を継続」
明けましておめでとうございます。新年は、新しいスタートの始まりです。新しい市長エリック・アダムス氏を迎え入れたニューヨーク、そして2年目に突入するバイデン政権にとっても、新しいスタートです。2021年は、パンデミックが続いたため、皆さんにとってもまた、ニューヨーク日系人会にとっても非常に困難で挑戦的な年でした。しかし、敬老会、桜祭り、七夕まつりなど、バーチャルやハイブリット方式を取り入れながら、いくつかのイベントを再開することができました。今後もJAAは、日本のコミュニティを支援し、日本の伝統文化をあらゆる年齢や背景の人々と共有し、祝福するという伝統を継続したいと思います。新年も皆様のご多幸をお祈り申し上げます。(英語スピーチを翻訳)

日本クラブ 上野佐有会長
「日米友好の深化に貢献」
2021年は、ワクチン接種が進捗したおかげで、経済活動の再開、力強い需要が見られた年だったと思う。一方でサプライチェーンの問題や、人手不足を背景にインフレが高まっている状況だ。だが、総じて見れば、着実に力強くポストコロナに向かって進み始めた年だったと思っている。気候変動については、バイデン政権によるパリ協定への復帰を皮切りに、気候変動サミット、COP26など、国際協調の舞台においての(アメリカの)存在感が一層高まった年だったと思う。また、インド太平洋地域においては、Quadを経済関係の要の一つとする中、基本的価値観や戦略的利益を共にする日米両国において、経済・パンデミック対策・気候変動・安全保障、幅広い分野において、一層の関係深化から、この地域が直面するさまざまな課題の解決に繋がると確信している。昨年を振り返ると、文化・教養・スポーツなど多彩な活動を通じて会員の親睦を図ると同時に、地域社会との有意義な交流の場として日米の親睦交流に尽してきた。
昨年はワクチン接種の進捗に伴い、夏のサマーフェスティバル、秋のクラシック音楽の夕べ、冬のクリスマスパーティーをハイブリットとインパーソンを交えて開催することができた。医療関連ウェビナー、文化、芸術、ファミリーイベントなどバーチャルイベントにも多くの方に参加していただいた。新年早々から、オミクロン株が猛威を奮っており、今年も残念ながら、新型コロナと共存せざるを得ない年となった。それでも日本クラブは、創意工夫を凝らして、会員の皆様の多様なニーズに応えられるイベントを企画し、そしてそれらを通じて日米の友好の深化に貢献できればと思っている。

ジャパンデー・インク 上田淳会長
「ジャパンパレード実施」
ジャパンデーは、日米市民の交流促進、ニューヨークへの感謝の表意、日系コミュニティーの連帯強化の3本の柱で2007年から毎年5月セントラルパークで開催し、2019年には13回目を迎えることができた。今年は初めての試みで5月14日にセントラルパークのイベントに代わり、初のジャパンパレードを計画している。ニューヨークで「ジャパン」と名がつく初めての記念パレードになる。ルートは、セントラルパークウエストの81丁目から61丁目へ南下するように行進する。参加団体には、日本の文化・伝統・文化・スポーツ・コスプレ・マーチングバンド・学校など、日本の多様な魅力、日米親善を、ニューヨーカーにアピールする内容だ。パレードに必要となる予算は、現段階見積額で113万3000ドル、そのうち85万5000ドルの収益見込みまで到達している。引き続き、宣伝広告、寄付のスポンサーシップを募集している。協力企業には、パレードのフロートのモニターで企業名を表示するなど、いろいろなパターンでアクノレッジさせていただきたいと考えている。税制優遇措置にも登録可能になっている。パレード参加団体の募集を開始している。山野内大使の「志があれば必ずや実現する」との言葉を信念として、記念すべき第一回のパレードが、誰もがこのパレードの名前を知っていて楽しみにしている、そんなイベントになるよう努めていきたい。

ジェトロNY事務所 河本健一所長
「米国の先行き占う5点」
米国の2022年が幕を開けたが、依然先行き不透明なままだ。次の5点が今後大いに注目される。まずコロナ禍。経済社会活動に対する制限を必要最小限に抑え、コロナと共存しようとする動きが本格化しているのではないか。次に、ビルド・バック・レター・法案。バイデン大統領の肝いりのこの法案は、昨年12月民主党中道派マーチン上院議員の反対表明によって暗礁に乗り上げた。この法案が成立しなければ、バイデン政権にとって大きな失点となる。続いてインフレ。サプライチェーンの混乱による供給不足で物価が急上昇した。バイデン政権を批判する勢力は、このインフレをバイデンフレーションと揶揄している。今後サプライチェーンがいつ正常化するのか、またFRB連邦準備制度理事会がインフレの収束と雇用の最大化の両方をコントロールして達成できるのかがポイントになる。国際面では米中関係。それによって日系企業にも少なからず影響を受けると思われ、日本としてどのようなスタンスをとるのか問われる。そして中間選挙。バイデン大統領の支持率は、8月下旬以降、不支持率が支持率を上回る。日系企業は今後どのように組織を運営していくのか、働き方はどうするのか、さまざまな思いを巡らせる。ジェトロも例外ではない。職員に対し三つのワークを示した。情報を収集・伝達するネットワーク、必要なサービスを迅速的確に届けるフットワーク、仲間と協力連携して仕事を行うチームワークだ。日米経済の橋渡し役として今年も日系企業の米国での事業展開をサポートしたい。

日本政府観光局 山田道昭NY事務所長
「旅行のトレンドに変化」
2021年をインバウン観光の視点から見ると、新型コロナウイルスに翻弄された1年だった。アメリカでは、7月4日の独立記念日周辺では国内旅行の需要が一気に加速し、アメリカ国内の航空需要は2019年にまで回復した。それに続き、日本では東京オリンピック・パラリンピックが無観客で開催された。日本国内の感染者数は急増し、開催自体の賛否両論もあったが、「オリンピックに直接関連した感染はそれほどなかった」「日本はパンデミックの中、オリンピックという比較的難しい局面をうまく乗り切った」というのが海外からの評価であった。その後、日本では感染者数が減少。ところが、ホリデーシーズンに合わせたかのようにオミクロン株が登場し、アメリカで瞬く間に過去最高の新規感染者数の更新。日本でも新規感染者数が急増している。感染力が強い一方で、重症化しないという見方もあるが、予断を許さない状況だ。
こうした中、日本では引き続き外国人を入国制限しているが、アメリカ発の海外旅行の状況は「行けるところに行く」というものだ。また、パンデミックを経験して、旅行者が海外旅行に求めるものにも変化が出ている。
例えば、都市観光よりも自然を体験する需要が高まっている。さらには、気候変動からSDGsを考慮する観光客も増えている。日本の旅行関係者の方々にとっては、コロナ禍をいかに乗り切るかが課題だが、旅行トレンドの変化を敏感に捉え、来たる海外旅行の再開の時に備えることも同様に重要だ。
ティファニーズ・ランプ展
クイーンズ美術館
1939年の万国博覧会のために建てられた歴史ある建造物のクイーンズ美術館は、地下鉄7番線のメッツ・ウィレッツポイント駅近くの広大なフラッシングメドウ・コロナパーク内にある。ティファニー創設者の長男でガラス工芸家であるルイス・C・ティファニーによるガラスランプのコレクションを常設展示している同美術館では現在、ティファニーグラスのノイシュタット・コレクションが主催するもう一つの展示会「ティファニーズ・ランプ=ライトニング・ラグジュアリー」も開催されている。

1898年から販売されたティファニーのガラスランプは、彩色ガラス(ステンドグラス)と自然や動植物の模様をかたどったブロンズ彫刻からなるもの。当時、その美しさから非常に高額ながらも人気となり、実用品としてのランプではなく芸術作品として扱われた。また「アメリカン・アールヌーボーの傑作」と言われ、世界中の美術愛好家の憧れでもある。2つの展示でこれまで以上の数多くの貴重なコレクションが見られる機会となっている。
入場料は任意(推奨8ドル、シニア4ドル)、18歳以下は無料。月・火曜は休館。チケット・詳細はウェブサイトhttp://www.queensmuseum.org
米国のメジャー舞台で大活躍
ダンサー TOMO
TOMOこと本名・石川智子(32)。身長148センチの小柄な外見からは想像できないダイナミックなダンススタイルで、数多くの有名アーティストのバックダンサーを務めるなど、今ニューヨークで最も注目を集める日本人ダンサーの1人だ。
東京出身、6歳からダンスを始め22歳で来米。これまで、マドンナ、リルキム、ファットジョー、レミーマ、フレンチモンタナと言った錚々たるメジャーアーティストのバックダンサーとしてミュージックビデオや、ショーなどに出演した。
最近では、世界中で大ブレイクしたカーディービーや、KPOPアーティストBTS、有名ラッパー、フィフティーセントとの共演など、彼女の快進撃は止まらない。
また、ダンス以外でも映像大手ドルビーのコマーシャル、運動靴メーカー大手コンバースの広告でモデルを務めるなど多彩な才能を発揮している。
もちろんここまで来るには平坦な道ではなかった。22歳の時に右も左も英語も分からず、知り合いが1人もいないニューヨークに。ハーレムにあった、2段ベッドが2つある7畳の部屋での共同生活、それが最初に住んだ場所だった
ダンススタジオで毎日悔しい思いをして帰りの地下鉄で泣くこともあった。3か月のトレーニングを終えた帰国前、恩師に「必ず戻って来い」と言われ心を決め、帰国半年後、ペリダンスの学生として再来米した。
高校までダンス以外には目もくれずに過ごしたが短大でダンスと一度離れたことで自分を見失った時期があった。「母親が『今ならニューヨークに行く支援をしてあげるけど、今行かないならもう一生行かせない』とダンスを本気でやるきっかけをもう一度くれた。この時の母の後押しがなかったら、今の私はいないと思う」と振り返る。
今はハリヤマバレエや卒業したスクールのペリダンスを含む4つのスタジオで講師をしている。教えることや、振り付けなどの仕事も更にやっていきたいと将来への展望も語る。
ダンサーになることに大反対だった父親は、今では彼女の一番のファンだ。帰国するといつもディスコに連れて行ってくれる。「20代は自分のことで精一杯だった。最近は親の近くにいてもいいかなという気持ちになることもあるけどいつかビザが取れなくなるその日までは頑張ります」と答えた。 (三浦良一記者)
@tomo6kaijohn
Photo by Naoto Sawaki
編集後記 1月15日
みなさん、こんにちは。今週号の1面と中面で、米国の物価高騰の話を記事にしています。今朝1月13日付ニューヨークタイムズ紙の1面でもトップ記事に、サプライチェーンの停滞で、米国のインフレ率7%、1982年以来最高という見出しが踊っていました。末端の小売価格で消費者が物価の値上がりを本当にここ数か月味わっています。日系スーパーの店頭に、年末年始の料理詰め合わせおせちセットの売れ残りが目について、値札をみたら、海老2尾、数の子2本、卵焼き2切れ、蒲鉾2切れ、昆布2つ、伊達巻2切れに黒豆少々のお世辞にも豪華とは言えない質素なセットがなんと68ドル。レストランのシェフが精魂込めて作る伊勢海老がドーンと入った200ドルのお節なら、内容が伴っているので買う人も納得でしょうが、スーパーのプラスチック皿にポロポロと乗っかったみても侘しくなるおせちの68ドルにはびっくり。年明けに半額になってましたが売れ残ってました。お店の人も「高いですよね」と呆れていたくらい。何しろ、通常はコンテナ1本3000ドルで入荷できたのが、昨年はそれが最大3万5000ドルにまで10倍以上も値上げになり、大手食品卸し業者の倉庫がガラガラになってしまう状況だったそうで、食品メーカー、流通業、小売店も理不尽な値段にやり場のない思いをしたはずです。ご家庭ではこんな時こそ自炊、家庭料理の腕の見せどころだったかもしれません。オミクロン株の急速拡大の中で経済と社会に歯止めをかけないというムードがあります。バランスを崩しそうな綱渡りのようです。健康には気をつけましょう。それでは、みなさん、よい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)
米国で物価高騰続く
経済再開にヒト、モノ供給追いつかず
米国で2021年春より始まった物価高騰が止まらない。米労働統計局による2021年11月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比6・8%上昇、変動が大きいエネルギーと食料品を除いたコア指数は同4・9%上昇となった。前年同月比の伸びは、CPIは1982年6月以来、コア指数でも1991年6月以来最大だった。
品目別に前年同月比で見ると、まずガソリンが58・1%上昇を記録。車の値段上昇も顕著で、中古車が31・4%上昇、新車11・1%上昇となった。食料品は家庭用が6・1%、外食5・8%と共に伸びており、合わせると6・1%上昇で2008年以来、最大の上がり幅となった。また住居費が3・8%と、最近になって上昇が顕著となっている。住宅ローンや家賃、光熱費など、住居維持のために必要な費用も上昇しており、インフレ圧力を証明するものとなっている。航空運賃とアルコール飲料を除けば、ほぼすべての分野で価格上昇が続いている。
米労働統計局によると、食料品や住居費、中古車、トラック、新車の価格上昇が物価高騰の大きな要因という。バイデン大統領は「加速するインフレを下げることが最優先事項」と述べており、例えばガソリン代の高騰に対応するため米政府は11月23日に石油戦略備蓄の市場放出を決めた。これによりいくつかの州でガソリン価格が低下し始めた。
物価高騰の原因としては、国内総生産がコロナ禍前に戻りつつあるなかで、労働市場がひっ迫していることが挙げられている。コロナ禍で一部商品の供給が減少していたにもかかわらずワクチン接種が進むなどして経済活動が再開され需要が高まった。このためかなりの業種が人手不足となっており、流通の滞りを含めた供給不足が物価上昇を生み出している。
港湾ストライキも懸念
ニューヨーク共同貿易では、昨年夏前からビジネスが戻ってきているが、コンテナの滞留問題で通常ドライコンテナ1本3000ドルだったものが3万5000ドルまで値上がりし、一時は倉庫がガラガラになった。レストランで、塩や砂糖などどうしても日本製のものが必要なものは航空便なども使い手配した。何よりも供給を止めないことを最優先にしたという。昨年末からコンテナの手配もできるようになったが、4月から港湾組合のストライキが控えているのでそれも懸念材料だという。

