編集後記 1月15日

 みなさん、こんにちは。今週号の1面と中面で、米国の物価高騰の話を記事にしています。今朝1月13日付ニューヨークタイムズ紙の1面でもトップ記事に、サプライチェーンの停滞で、米国のインフレ率7%、1982年以来最高という見出しが踊っていました。末端の小売価格で消費者が物価の値上がりを本当にここ数か月味わっています。日系スーパーの店頭に、年末年始の料理詰め合わせおせちセットの売れ残りが目について、値札をみたら、海老2尾、数の子2本、卵焼き2切れ、蒲鉾2切れ、昆布2つ、伊達巻2切れに黒豆少々のお世辞にも豪華とは言えない質素なセットがなんと68ドル。レストランのシェフが精魂込めて作る伊勢海老がドーンと入った200ドルのお節なら、内容が伴っているので買う人も納得でしょうが、スーパーのプラスチック皿にポロポロと乗っかったみても侘しくなるおせちの68ドルにはびっくり。年明けに半額になってましたが売れ残ってました。お店の人も「高いですよね」と呆れていたくらい。何しろ、通常はコンテナ1本3000ドルで入荷できたのが、昨年はそれが最大3万5000ドルにまで10倍以上も値上げになり、大手食品卸し業者の倉庫がガラガラになってしまう状況だったそうで、食品メーカー、流通業、小売店も理不尽な値段にやり場のない思いをしたはずです。ご家庭ではこんな時こそ自炊、家庭料理の腕の見せどころだったかもしれません。オミクロン株の急速拡大の中で経済と社会に歯止めをかけないというムードがあります。バランスを崩しそうな綱渡りのようです。健康には気をつけましょう。それでは、みなさん、よい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)