編集後記

⬛︎編集後記

 みなさん、こんにちは。今週も無事に昼からのクイーンズ工場での新聞の印刷が終わり、マンハッタンの設置先での新聞の減り具合や今週号の設置状況を配達車で回って一通り確認してオフィスに戻るのが夕方の7時すぎ。新聞やニュースの決まりごとの中で大切なことの一つは、きちんと定刻に配達されること。決まった時間に、当てにしていた通りの新聞が配達されること。大ニュースが載っていなくても、新聞が届かないと不安になるものだ。


自宅で宅配購読しているニューヨークタイムズも昨年まで、1週間の平日5日間で平均2日くらい配達されない日が半年以上も続いた。日本では考えられないこと。日本なら、新聞社の本社または販売店に電話すれば係員が飛んでくる。日刊紙の場合は、部数獲得競争が激しいので、ニューヨークでもまだ読売、朝日、日経の3紙が現地印刷して販売員がくまなく配達していた時代、といっても25年ほど前の話。夜勤で読売新聞米国法人のオフィスで原稿を書いていると夜の8時を過ぎたあたりに購読者から「今日、新聞が届かなかったんだけどどうなってるの」と日本語で電話がかかってくる。電話を取ったのが、販売部の人間であろうと編集部の人間であろうと「お客様、お住まいはマンハッタンですか? 今からすぐお届けします!」と言ってオフィス取り置きの本日の新聞を持ってオフィスを飛び出していく。若かった私も何度か夕方に新聞1部を持って地下鉄に乗って新聞を届けたことがある。そうするとどうなるか。「わざわざすみませんね。今日の新聞は今日読まないと気分が悪いんで、来てもらってなんか、感激、ありがとう」と、以後、大切なお客さんとなってくれて、帰国しても新聞を継続購読してくれる。
 
 こういうひと昔前のお伽話のようなエピソードは今の日本にもあるのかどうか、しばらく日本を離れてしまったので状況がわからない。新聞購読者は減っているらしい。そしてアメリカ。新聞不配の連絡はウエブサイトで通知。午前10時までの連絡なら本日中の配達、または1部の代金を来月分購読料からクレジット払い戻し。または翌朝の配達、という選択肢があり、選んで終わり。チャット機能ボタンを押して、「どうしてこうも頻繁に新聞が届かないのか理由が知りたい。訳を教えて」と英語でテキストする。先方からすかさず「はい、私はチャーリーです」と名乗る相手から長文の丁寧なお詫びのテキストが届く。「配達現場の担当責任者に厳重に注意し、二度とこのような遅れ、不配のご迷惑をおかけしません。誠に申し訳ありませんでした。他にできることはありませんか?」と聞いてくる。

私は「お詫びが聞きたいのではなく、どうして、こんなにも新聞が届いたり届かなかったりするのか、なんでそんなにいい加減なのか、その理由が知りたい」とまたテキストする。「理由については分かりませんが、払い戻しか、翌日配達させていただきます。他に何かできることはありませんか?」とまた同じような問答を毎日繰り返して、相手がAIだと気づくのに1週間かかった。全く改善もなくそんなやりとりを繰り返しているうちに、AIの返答に変化があった。「Eメールで連絡されます?」。メールアドレスが指定してあった。Eメールがあるんなら早く言えよと思わず叫んだ。

 私はこう書いた。「私はニューヨークタイムズ紙を1990年代から自宅で定期購読している愛読者だが、ここ数か月、あまりにも新聞配達が不安定で、届かない日が続いた。私は名前から見てわかるかどうか知らないが、日本人だけど、昨今アメリカで流行っているこれはアジアンヘイトの一種ではないのかと正直思い始めているところだ」と。

すると2分も待たずにメール返信が来た。メールの送信者は今度は明らかに人間だった。しかも前回までと比較にならないほど単刀直入な即答ぶりだった。「明日からきちんと配達します」


 翌日からは、今まで新聞にはついていなかった、私の名前と住所のラベルが貼られ、以後は遅れることなくニューヨークタイムズは毎日早朝に自宅に配達されている。いい加減な配達員はクビになったようだ。日本なら電話1本ですむトラブルもアメリカでは大仕事だ。なので、私たちは、読者の気持ちになって、毎週新聞をお届けしています。それではみなさん良い週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)

【今週の紙面の主なニュース】(2026年10月3日号)

(1)日本酒の日、NY大盛況     WORLD SAKE DAY NYC

(2)平面から立体へ野田正明の転生

(3)CITY POPの女王 八神純子 BIRDLAND ライブ 11月15日

(4)米中関係と異次元の日米関係

(5)望月さんに在外公館長表彰 JASSSIでNY日系福祉に貢献

(6)米国日本人医師会 医学生らに奨学金

(7)国連総会「SDGs Moment」 問われる実行力

(8)NYで平成ギャル文化を紹介  片岡あかねさん

(9)岩田華怜がNYで上映会 東日本大震災から10年後の自分へ

(10)「写詩会」今井美恵子 28日にNYで開催

日本酒の日、NY大盛況 WORLD SAKE DAY NYC

約15蔵、90銘柄を紹介

 10月1日は「日本酒の日」。海外でも「ワールド・サケ・デー」として各地でさまざまなSAKEイベントが行われている。ブルックリンのThe W Loftで9月27日「WORLD SAKE DAY NYC」のイベントが行われた。

 同イベントは今年で6年目を迎え、会も年々規模を増し、今年は約15蔵、約90銘柄のSAKEが紹介された。この日は悪天候の中、約220人の来場者で賑わった。会場にはニューヨーク総領事の片平聡大使も駆け付けて挨拶し、乾杯の音頭をとった。

 日本からは佐賀県・天山酒造の六代目蔵元で代表取締役の七田謙介さん、岡山県の御前酒・辻本店の七代目蔵元で代表取締役の辻総一郎さんも駆け付けて参加。そのほか、新潟県の朝日酒造の「久保田」は新商品の「にごり酒」を紹介、福島県の人気酒造はアメリカ人にも人気のゴジラのラベルの日本酒「サケ・ゴジラ」を紹介していた。

 ニューヨークの地元の獺祭ブルー、ブルックリン・クラ、カトウ・サケ・ワークスも参加して、ニューヨークの地酒を披露した。メキシコのSAKE 「NAMI SAKE」、テネシー州ナッシュビルからは「Proper Sake」も参加していた。

 主催者の古矢美花さんは「日本文化を伝えるイベントなので大使も応援してくれている。来場者から毎年、試飲したお酒を買いたいというリクエストがあるので、今年から、来場者にはオーダーシートを配り、マンハッタンにあるリカーショップのアンバサダー・ワイン&スピリッツを通じて個人でもオーダーできるシステムを導入した」。

 日本から参加した天山酒造の七田さんは「あいにくの天候にも関わらず、多くの方に参加いただき、ニューヨークにおける日本酒への関心の高さを体感する機会となった」と話した。(石黒かおる、写真も)

平面から立体へ野田正明の転生

 GOCAギャラリー(西23丁目515番地)で10月8日から11月5日まで、野田正明(1949年広島県福山市生まれ、ニューヨーク在住)=写真=の個展「FROM FORM TO FORCE」が開催される。本展のために制作された鋳造ステンレス・スチールの彫刻と絵画の新作を中心に、70年代の版画にはじまる約半世紀の画業を通覧するもの。23年にギリシャ共和国より「名誉勲章 金十字章」を授与された作家の、NYのギャラリーにおける近年では数少ない大規模個展。

 野田の出発点にあるのは、幾何学的な形態の厳密な構成作品。70年代のシルクスクリーン連作「Expression」において、野田は多色の刷りを重ね、色彩の層のなかに形態を沈め、また浮上させる技法を確立した。77年の渡米後、その形態は静止をやめ動き出す。

 彫刻は、2000年代以降、鏡面のステンレス・スチールを主要な素材とし、大阪の金属加工工場との四半世紀に及ぶ協働のなかで、制作の全過程で実測を繰り返しながら、曲面が周囲の空と建築を映し込む角度を決定していく方法を築いた。

 野田は「1977年の渡米を機に、私のアーティスト人生は仮想の世界から、目の前で絶えず移り変わるアートシーンの現実を前に、アーティストとしてどう生きるべきかを問いかけられてきた日々だった。版画から始まったキャリアは、2次元の絵画から3次元の彫刻へと移行したことで、平面と立体を行き来しながらメディアを超えた、無限の表現世界へと目覚めることができた。公共モニュメント彫刻は国際交流の要となり、絵画との連動によって普遍への問いかけを可能にしたと考えている。彫刻と絵画の対比から生み出される新たな息吹を感じていただければ幸い」と話している。8日にオープニングレセプション。詳細はwww.goca.gallery

(作品)左 Evolution-54, 2026. Watercolor, 22 x 18 inches (56 × 46 cm).   右 Chronos-ST, 2026. Cast stainless steel.(56 × 46 cm).   

CITY POPの女王 八神純子 BIRDLAND ライブ 11月15日

 日本を代表するシンガーソングライターの八神純子が11月15日(日)、老舗ジャズクラブ「バードランド・シアター」(西44丁目315番地)で、一夜限りのライブ「POP MEETS JAZZ ON ROUTE 66」を行う。八神さんの代表的なオリジナル曲を、アメリカのミュージシャンたちがジャズの自由なリズムとアンサンブルで新たに描き出し、スタンダードナンバーも織り交ぜながら、これまでとはひと味違う音楽世界を披露する。時間は午後7時と9時30分開演の2回。

 今回、八神さんが選んだ舞台は、観客の息遣いまで感じられるほどアーティストとの距離が近いバードランド・シアター。千人規模のホールや、1万人規模の野外ステージでも精力的に活動する彼女が、あえてこの親密な空間に身を置き、ニューヨークの観客と音楽を共有しながら、その瞬間に生まれるライブを作り上げるという新たな試みとなる。彼女を支えるバンドには、新進気鋭の人気ドラマーRoss Pedersonを中心に、Sam Smithのワールドツアーなどで活躍するベーシストJulia Adamy、世界中のミュージシャンからその才能を高く評価されるピアニストAddison Freiと、ニューヨークが生んだ、ジャンルを超えて活躍する個性豊かなミュージシャンによるトリオ。約半世紀に及ぶ八神さんの音楽人生において、アメリカ人ミュージシャンだけで構成されたバンドとの共演は初めての挑戦。デビュー以来、半世紀近くにわたり歌い続けてきた彼女の、美しく、そして力強い発声と歌声が人々を魅了する。ライブではシティーポップファンとジャズファンが出会い、互いの音楽を楽しみながら八神さんの音楽を共有する。

 入場料は、バー席40ドル、テーブル席50ドル。チケット・詳細はウェブサイトhttps://www.birdlandjazz.com/tm-event/junko-yagami-pop-meets-jazz-on-route-66/を参照する。

米中関係と異次元の日米関係

 高市早苗首相とトランプ大統領、習近平国家主席とトランプ大統領との首脳会談が相次ぎました。会談の格付け、長さ、合意内容などから、日米関係は米中関係と異次元の関係にある印象が残りました。

 この印象は、9月15日から北京で開催された香山フォーラムに参加して実感しました。この会議には約百カ国から国防大臣、制服組幹部、外交官、シンクタンクなど約2000人が参加しました。米国などNATO主要国を含む数十か国の幹部と中国軍の幹部との対話も並行して行われたと言われます。武力行使があったと言われるイラン軍幹部とサウジアラビア王子との間や、武力衝突中のタイとカンボジアの国防大臣間の公開質疑も起きました。「対立がある時こそ対話が重要」がこの会議の理念です。

 日本政府関係者は不在でした。2024年のシンガポールのシャングリラ会議での木原稔防衛大臣と中国の董軍国防大臣との会談が防衛大臣間の最後の接触と言われます。今回は、鳩山由紀夫元首相がこの董軍国防大臣と立ち話を行いました。鳩山元首相と私は、6月にイスラエルとイランの軍幹部の直接対話を実現した英国のシンクタンク代表のフランス人元大使の招きで参加しました。9月29日に岩屋毅前外相が中国の王毅外相と会談したのは朗報です。

 最も重要なのは首脳同士の交流です。日本の首相の訪中は2018年の安倍晋三首相が最後で、中国の国家主席の来日は2008年の胡錦濤主席が最後です。他方、近年トランプ大統領を初めとするG7諸国やEU首脳、国連事務総長も含め、西側諸国首脳のほとんどが訪中しています。加えて、本年は長年の敵対国インドのモディ首相が訪中し、習近平主席がインドを訪問しました。ウクライナや中東での戦争に関して中

国が仲介的な役割を果たしていることも、これらの背景にあります。

 最も基本的な問題があります。日本が隣接する中国、ロシア、韓国、北朝鮮の中で、北朝鮮とは国交が無く、ロシアとは平和条約がありません。完全な外交関係があるのは中国と韓国だけです。韓国とは近年首脳同士の訪問が復活しました。中国と首脳間の相互訪問が無いことは日本の国益に反します。党派や首相個人の姿勢を超えた対応が必要です。日中関係を、懸案事項があっても交流を行なえる次元へと再建することは、日本のみならず、世界全体の共通益でもあることを、中国での会議で確信しました。

ふじた・ゆきひさ=オックスフォード大政治国際問題学部客員研究フェロー。慶大卒。国際ICや難民を助ける会等の民間外交活動を経て国会議員、民主党国際局長、財務副大臣等を歴任。現在、国際IC日本協会理事、岐阜女子大特別客員教授、東アジア共同体研究所特別研究員。英国在。

望月さんに在外公館長表彰 JASSSIでNY日系福祉に貢献

 望月良子氏(日米ソーシャルサービス理事長、JASSI)への在外公館長表彰式が9月26日夕、在ニューヨーク日本国総領事・大使公邸で開催された。

 望月氏は1996年に日米ソーシャルサービス(JASSI)の理事として同団体の運営に参画。2014に理事長に就任して以降、卓越したリーダーシップを発揮し、同団体の組織基盤の強化やサービスの更なる拡充に尽力するなど、日本人や日系人の生活の安定と、社会福祉の向上に多大な貢献をしている。

  日米ソーシャルサービスは、1981年日系2世の島之内レデラーみどり氏と日系弁護士シリル西本氏が共同で設立した非営利団体。年齢、性別、経歴、滞在ステータスにかかわらず、言語や文化の違いから支援を必要としている人々に対し、さまざまな福祉サービス(文化的配慮に基づいた支援、相談対応や情報提供)を無料で行っている。 

 望月さんは「JASSIのコアであるホットラインを何がなんで続けて行かなくてはならないし、それを次世代に繋げて共有して存続させなくてはならないという思いです。何か問題があって最終的に米国の社会福祉団体にたどりついても、高齢で認知症などになると、どうしても日本語のサポートが必要になってくる。日系社会の駆け込み寺として、日本語でサポートが無料で受けられる日系社会の最後のセーフティーネットとしてこれからもJASSIを支えていきたい」と話している。

 当日は、実弟の達也さんが日本から前日に駆けつけたほか、一人娘で最近結婚したマイラ・ミカ・マーケス夫妻はじめ佐藤貢司ニューヨーク日系人会(JAA)会長ら招待客50人から祝福を受けた。

(写真)NY総領事の片平大使から表彰される日米ソーシャルサービス(JASSI)の望月理事長(左)

国連総会「SDGs Moment」 問われる実行力

 ニューヨーク国連本部で9月18日〜25日、第81回国連総会ハイレベル・ウィーク主要会合の一つ「SDG Moment(SDGsモーメント)」が開かれた。会場となった国連総会には、各国政府をはじめ、国際機関、民間セクターなどSDGs推進に関わる関係者が集まり、2030年の目標達成に向けた取り組みの加速について議論した。

 SDG Momentは、2019年の国連総会決議74/4に基づき、国連事務総長が毎年招集する会合だ。各国や地域、コミュニティーで実際に進むSDGsの取り組みや社会変革の事例を紹介するとともに、世界が直面する課題の中で17の持続可能な開発目標をいかに実行へ移していくかを世界に発信する場となっている。

 2026年は、SDGsが国連で採択された2015年から11年目となり、2030年の達成期限まで残された時間はわずか4年。気候変動、紛争、貧困・格差、食料問題など複数の危機が重なる一方、AIをはじめとするデジタル技術や民間資金、新たな官民連携を、課題解決にどう活用するかも重要性を増している。

 今年のSDG Momentでは、単なる目標の確認にとどまらず、各国地域で生まれている具体的な変革を世界規模へ広げ、残された4年間でSDGsの進捗をどう加速させるかが中心的なメッセージとなった。

 第81回国連総会全体のテーマは「Restoring Trust, Managing Transformation: A United Nations That Delivers for All(信頼を取り戻し、変革を管理する—すべての人のために成果を生み出す国連)」。SDGsについても、宣言や理念から「実行」と「成果」へ移すことが、これまで以上に求められている。

 世界の企業にとってもSDGsは社会貢献という枠を超え、気候変動、サプライチェーン、人権、AI、投資など、事業戦略そのものと切り離せないテーマになっている。2030年までの残り4年。「何を掲げるか」ではなく「何を実際に変えられたのか」が問われる段階に入ったことを改めて示す会合となった。

■古市裕子

サステナビリティ・ジャーナリスト。国連サステナビリティ (ABD: Ph.D.) 。著書・新潮社『欧米企業に学 ぶ・SDGs 転換戦略:サステナブル×これからの企業価値』。『パーパス: 何の ために存在しどんな価値を提供するのか』

米国日本人医師会 医学生らに奨学金

日系医療支えて54年
年次晩さん会盛大に

 第54回米国日本人医師会(JMSA、加納麻紀会長)の年次晩さん会が9月25日、マンハッタンのメトロポリタンクラブで開催され、170人あまりが参加した。ニューヨーク総領事の片平聡大使が冒頭で祝辞を述べた。

(写真上)今年度の奨学金を授与された日系の医学生や研修生たち

 同団体は1973年にニューヨーク近郊の日本人医師を中心に設立された非営利組織。現在では、多種多彩な医療従事者による北米の医療支援ネットワークとして活動し、米国で生活する邦人コミュニティへの貢献を主な目的としている。医学生、看護学生、研修生、研究員への奨学金制度や、2007年からは、ニューヨーク周辺のボランティアグループに対する献金を通しての支援(Japanese Community Outreach Program)をしているほか、東日本大震災後は現在にいたるまで日本の被災者への直接的及び金銭的なサポートを続けている。

 2015年からは、日米医学会で活躍する医療従事者や研究者の交流と協力を促進する目的でJMSA ライフ・サイエンス・フォーラムを毎年開催している。また、医学生は、医学教育の後の研修期間も長く、医師になって何年経っても学費ローンを返済しなくてはならない現状があることから1974年以降毎年奨学金を授与している。

オープニングのスピーチをする加納会長

◇ 

 今年度の奨学金を授与された15人は次の通り。

 ▽本庄奨学金=九野絢子(マウントサイナイ薬科大)、鈴木はるの(カリフォルニア大サンフランシスコ校)、原野新渚(NY大)▽カレン・ミチコ・クリング奨学金=金沢輝蓮(カンサスシティ大)▽シブタニ奨学金=アイアン・陽・ザーファー(イリノイ大)▽モリ奨学金=ベントリー・葵(エモリー大)▽三井USA奨学金=斉藤恵美理(セントルイス大)、佐野史佳(カリフォルニア大学サンディエゴ校)、岩井萌(コロンビア大)▽MUFG奨学金=奥谷紘子(ボストン大)▽日本生命奨学金=ダニエラ・イズミ・パラズエロス・フジガキ(バージニア薬科大)、ホー・マシュー(バーモント大)▽西岡慈善基金奨学金=佐々木あきみ(NY医科大)、朴秀夏(バンダービルト薬科大)、市川続(ニューイングランド大)(敬称略)。

 当日はバイオリニストの三井えりか、ピアニストのエリ・カング、浅沼りかこが演奏。総合司会は元FCIキャスターの久下香織子さんが行った。

NYで平成ギャル文化を紹介  片岡あかねさん

パラパラを教える美容師

 日本で1990年代から2000年代にかけて流行したダンス「パラパラ」をニューヨークで教える日本人美容師がいる。

 8月下旬、ブルックリンにあるカラオケバーにニューヨーカー60人が集まり、キレのあるパラパラを踊っていた。おのおの、ミニスカ、厚底ブーツ、ヒョウ柄、キティちゃんのアクセサリーなど、「平成ギャル」のファッションに身を包んでいる。その中心にいるのが片岡あかねさん(39)だ。

 片岡さんの動きに合わせて60人が息を合わせたパラパラを披露すると「こんなにも日本のギャル文化を愛してくれるなんて。今の目標は来年5月に開催されるジャパンパレードに出演すること」と、笑顔を見せた。

 片岡さんは月に1回、ニューヨーカーを集めてパラパラを踊るイベントを開いている。去年から始めたパラパライベントは毎回大盛況で、参加人数は累計で300人に上る。参加者の大半は日本人やアジア系ではなく、ヨーロッパ系やラテン系で、20〜30代の女性が中心だが、男性の姿も見られる。

 三重県出身の片岡さんは美容師として20年以上の経験を持ち、2023年に来米。ファッションに感度の高い人たちが集まる街・ブルックリンにある美容室「Salon87」で働く人気美容師だ。ニューヨークファッションウィークに毎年、ヘアスタイリストとして名を連ねており、今年はフランスの「パリコレ」(パリ・コレクション)にも参加した。有名セレブのヘアセットも多く手掛ける。

 片岡さんは来米後、知人を通じてニューヨークでパラパラが大好きという女性と知り合った。片岡さんは中学生のころからパラパラに親しんできたこともあり、その女性らのイベントに加わって、本場・日本のパラパラを教えるようになった。片岡さんの指導もあってパラパラの輪が口コミで徐々に広がり、今ではイベントの常連メンバーが30人ほどにまで増えた。

 片岡さんはパラパラ人気の理由について「パラパラは手と上半身の動きが中心で足のステップもシンプル。誰でも簡単に踊れて、TikTokなどのSNSにも投稿しやすい。振り付けもかわいくてかっこいい。日本のアニメや漫画の人気も追い風になっている」と話す。

 パラパラは基本的に、ユーロビートやアニソンなどの曲に乗せて、会場内の全員が同じ振り付けで踊る。「みんなで一緒に踊ることで、人と人がリアルに繋がる満足感を感じられるのがパラパラ。日本の文化祭や体育祭のような一体感を通じて、踊れば踊るほどみんなと仲良くなれる。その熱気がまたファンを生んでいる」と話す。

 日本でも平成レトロが流行し、再ブームが巻き起こっている。ニューヨークからもブームが巻き起こりつつあるのかもしれない。 (小林香菜子、写真も)

岩田華怜がNYで上映会 東日本大震災から10年後の自分へ

 女優の岩田華怜が23日夕、イーストビレッジのミドルチャーチで、岩田自身で脚本・演出を手がけた朗読劇の映像作品「10年後の君へ 2026」(50分)のチャリティー上映会を開催した。小学生の時に被災した同級生3人が10年後に再会し、大震災の前に10年後の自分に向けた手紙を入れて高台に埋めたタイムカプセルの箱を開け、忘れていた記憶が蘇るストーリー。

 亡き母、父親への思い、片思いのままの想いが埋められていた手紙との再会。時を超えて伝えていかなくてはならないメッセージがそこにあった。

 岩田は2011年に地元仙台市で東日本大震災を経験した。その後数週間の避難生活を経て、AKB48としてデビューするが、そのとき以来、自分が経験したこの震災の記憶を、なにか作品として残したいと言う強い思いがあったという。その作品を映像にしたのがこの朗読劇だ。100回を超える被災地訪問や取材を経て、時間をかけて自分の中で物語を組みたてていき、気づいたら筆を取っていたという。大学2年生のときに、ワンルームのアパートで書き終えた作品だという。この会場で集めた寄付金は、7月に発生した令和8年熊本地震の被災者へ義援金として寄付する。

 岩田さんは「震災の記憶や命の大切さを後世に語り継ぐ目的もあり、ニューヨークに住む子供たちや、世界中の人たちに届けたい作品です。ニューヨークでも、25年前の9月11日に起こった同時多発テロ事件で、たくさんの人が亡くなりました。震災に関わらず、いま自分たちが生きている今日は、震災や戦争により命を落としたたくさんの人々が、『生きたかった今日』です。このチャリティー上映会に大勢の人が来てくれてとても嬉しい。いつかはこの作品をニューヨークの俳優で舞台上演するのが夢。日本人の学校などで上映会ができればなにより」だと語った。

(写真)上映後、花束を手に記念撮影する岩田さん(前列中央)

「写詩会」今井美恵子 28日にNYで開催

  「写詞会 in New York」が10月28日(水)午後1時と6時からの2回、ニューヨーク事務所(3番街666番地2501号)にて開催される。日本古来の祈りの言葉である「祝詞(のりと)」を書道家・今井美恵子氏の手本をもとに書いて体験する60分のワークショップ。書道の経験を問わず、宗教や信仰に関係なく、誰でも参加可能。ワークショップは1時間。定員は各回最大20人まで。体験コースは「墨をすって筆で写詞」と「筆ペンで気軽に写詞」の2つから選べる。

 参加費は80ドル(写詞練習帳、筆または筆ペン、道具レンタル料込み)。問い合わせはEメール[email protected](美子さん)まで。参加申し込みはhttps://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScNxRACFbWrBfpGNlBnDM4p7Owc7hSO_CgX4cBsuB-2eGyklQ/viewformから。