編集後記

【編集後記】

 みなさん、こんにちは。アメリカで日本語を学んでいる学生が多いようです。ハンター・カレッジの日本語・日本文化の専攻(マーヤン・バルカン・ダイレクター)は2023年に設立されました。同大の日本語教育プログラムは1986年に設立。現在1300人あまりの学生が日本語と日本文化を学んでいるそうです。日本語の読み書き、翻訳、会話などの語学コースに加え、日本の歴史、文学、演劇、伝統文化、現代文化、茶道などの文化コースも提供し、拡大を続けているというから驚きです。たまたま今週の月曜に、その専攻クラスで学生の皆さんとも少し話す機会があった中で、学生から「将来は新聞でどんなことをしたいですか」と聞かれたので「せっかくアメリカで日本語の新聞を出しているのだから、日本人だけでなく、日本人がアメリカで何を考え、思い、行動して活動しているかをアメリカ人にも知ってもらうために、以前あった英語版『THE JAPAN VOICE』をまた復活させたい」と答えたら、学生から「週刊NY生活は日本語の新聞だから、日本語を読む人しか読まないので、英語版より、日本語を勉強している外国人に読み易いページを作ってもらえたら嬉しい」と言われました。なんだか目から鱗が落ちたような気分になりハッとしました。日本に関心のないアメリカ人に日本のことを知ってもらうことも大切ですが、それは馬を川に引っ張って行って馬に水を飲ませること同じくらい多分難しいので、それより、確かに、日本語に関心の高い、日本語を勉強しているアメリカ人の学生や社会人が読める平易な日本語で書かれた記事のページがあってもいいのかな、と思いました。本紙には「SUTUDENT LIFE」とか「NY生活ウーマン」といったページがあるのだから、そういう人たち向けに例えば「週刊にほんご生活」なんていう簡単で、漢字にふり仮名がふってあるようなページが、月に1度でもあったら読まれるかなあ、などと思ったりして。まあ、スポンサー次第ですね。なんだか学生たちから、私も大きなヒントをもらったような1日でした。同大学訪問の記事は今週号STUDENT LIFE面14面に小さな記事ですが掲載しています。なんだか、もう少し、新聞で何か新しいことができるような、そんな気がして、まるで暗闇から皆既日食のダイヤモンドリングの眩しい輝きを一瞬見たような気分でした。それでは、みなさんよい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)

【今週の紙面の主なニュース】(2024年4月13日号)

(1)世紀の天体ショー 全米13州で皆既日食を観測

(2)アフタヌーンティーのお供に紅茶占い 大石育子の暮らしのテーブル 

(3)環境の変化に晒される在外日本語教育

(4)能登半島地震被災地を支援 NY MBAの会が義援金

(5)NY総領事館の窓口はこれからも予約制ですか?

(6)女王蜂NY公演 「アヴちゃん最高」 ソニーホールで単独ライブ

(7)大人のバレエ留学 受け入れサービス開始

(8)日本語と日本文化学ぶ ハンター大学の学生

(9)美と平和の祭典NYで ONE STORY AWARD 2024NY 

(10)ゴジラとキングコングが作り出す新世界  シネマ映写室

世紀の天体ショー、全米13州で皆既日食を観測

ビルの谷間に歓声

白昼みるみる薄暗く

 タイムズスクエアに「ワー」という歓声が上がった。あたりがどんどん薄暗くなってくる。月に太陽が完全に隠される皆既日食が8日午後、テキサス州から始まり、インディアナ、オハイオなどからニューヨーク、そして最後にメイン州と米本土13州の広い範囲で観測され、これを見ようとする人々で各地は混雑した。

(写真上)▲ビルの谷間に差し込む日差しの下、欠け始めた太陽を見る人々(8日午後3時過ぎ、タイムズスクエアで、写真・三浦良一)

 バッファローでは部分日食が午後2時4分から始まり、午後3時18分から3時22分まで皆既日食となった。ニューヨーク市は皆既帯ではなかったが午後3時20分ごろ、最大89%が欠ける部分日食を観測した=写真=。

太陽のみを望遠レンズ1000mmで撮影(8日午後3時29分、マジソン街38丁目で、写真。植山慎太郎)

 皆既日食は皆既帯と呼ばれる幅100キロ程度の帯状のエリアに限られる。ニューヨーク州で皆既日食が見られるのはおよそ1世紀ぶりで、皆既帯に入る観光名所のナイアガラの滝、バッファロー、シラキュースなどのおもな宿泊施設はどこも埋まった。大リーグヤンキースはヤンキースタジアムでのマーリンズ戦の開始時間を午後2時5分から午後6時5分に変更した。ニューヨーク州サリバン郡にある刑務所「ウッドボーン矯正施設」の受刑者6人が観測を許可するよう求めて訴訟を起こした。

 米国での皆既日食は前回2017年8月にあり、それなりの盛り上がりを見せたが、この時の皆既帯は砂漠地帯など人口密集地が少なかった。今回はメキシコから午後1時27分(中部時間)にテキサス州に入り、米本土を斜め縦断する形でアーカンソー、インディアナ、オハイオ、ニューヨーク州などを通過しメイン州からカナダに抜けるという珍しいコースで、都市部も数多く含まれていた。メディアは連日のようにニュースで取り上げ、観測に適した地域では宿泊施設やレンタカーの予約でいっぱいになった。次に米国本土で皆既日食が見られるのは20年後の2044年だがモンタナ州とノースダコタ州に限られる。ニューヨーク州で次にこのような皆既日食を観測できるのは、50年以上先の2079年になる。

環境の変化に晒される在外日本語教育

 私事にわたり恐縮だが、1997年以来在外の日本語教育に関わって27年になる。多くの優れた生徒たちに支えられて続けてきた一方で、近年は日本語教育を取り囲む環境の変化を痛感している。ちょうど4月を迎え、企業派遣の家庭の中には新年度に合わせた異動によって来米された場合もあると思う。この機会にこうした環境の変化についてお話しておきたい。

 まず、90年代と現在を比較すると、アメリカ社会における日本語や日本文化への理解は劇的に深まった。90年代にはまだ戦争の余韻が残っており、毎年12月7日になると日本人の生徒は現地校に登校する際には緊張を強いられるということがあった。また、弁当に「おにぎり」を持参すると、気味の悪い黒い紙を巻いた塊をかじっているなどと言われていた。

 現在は全く違う。日本文化への称賛は勢いが止まらず、アニメやゲーム、食文化などへの理解は劇的に深まった。アメリカ人にとって、人気旅行先のトップは日本であり、日本のコンビニ食が普通のアメリカ社会で話題になるなど、隔世の感がある。したがって、日本からやってきた転校生が、文化の面で差別を受けることはほぼ絶無となった。

 では、全く問題がなくなったのかというと、実はそうではない。20世紀末とは全く異なった3つの問題が、子どもたちを苦しめている。

 1番目は、受け入れ側の現地校のカルチャーが変化しているということだ。90年代のアメリカはポスト冷戦時代のグローバリズムの勝者として、国として自信満々という雰囲気があった。これを受けて、現地校の子どもたちも地球の反対側からやってきたアジアからの転勤族の子どもたちに対して、ほぼ無制限に受け入れ支援をしてくれていた。

 現在もこうした美風が消滅したとは言えない。けれども、そのトーンは微妙に違う。度重なる深刻な不況を経てアメリカの中高では「少しでも良い大学へ」という受験競争が激化した。また、中国系やインド系を中心としたアジア系がその競争激化を引っ張っている。そんな中で、英語が発展途上の転校生への無限のサポートというカルチャーは明らかに変質が見られる。また一部の保守的な学区では、大人たちの中に見られる「アメリカ・ファースト」的な雰囲気が子どもたちに悪影響を与えていることもあるだろう。

 2番目は、日本人の子どもたちの「特技」が弱くなったという問題だ。具体的には野球、バイオリン、数学である。90年代からずっと見てきて、日本からの転校生の間では、野球やバイオリンといった言語の壁を超える特技で、サッと現地校の課外活動カルチャーにとけ込むケースが多く見られた。そうした特技を持つ子どもの比率が減っているのが気になる。サッカーが得意な場合などもあるが、全体としては弱くなっているのだ。

 問題は数学だ。90年代までは日本人の転校生は、数学に関しては圧倒的な進度を誇っており、数学で褒められることで現地校での居場所を確保していた。だが、日本が「ゆとり学習」カリキュラムから完全に戻っていない一方で、アメリカの数学教育は全国レベルの標準化と飛び級の制度化により変化している。そのために、日本からの転校生が不当に易しいクラスに編入されてしまうという問題もあり、転入時にしっかりと対策をして臨むことを勧めたい。

 3番目は、SNSの影響である。アメリカの若者の間でも、SNSによる濃密な「仲間うち」のコミュニケーションが発達している。短い内容に濃いニュアンスを込めるということでは、SNSの使い方としては日本の若者とは全く変わらない。だが、構造的に似通っていても、実際のコミュニケーションということでは、転校生がいきなり飛び込むのは非常に難しい。対面での丁寧な会話と比較すると、言語としては高度過ぎるのだ。絵文字は日本発祥だが、アメリカでは意味合いが異なるという問題もある。そんな中で、日本ではコミュニケーションの軸に立っていた若者に限って、アメリカでは全くそのスキルが活かせず孤立してしまうということも起き得る。

 日本の若者文化の中に色濃い「他人を信じず自分を守り切る」とか「絶対に人には迷惑をかけないし、できるだけ借りも作らない」という防衛的なスタンスが、アメリカでは全く通用しないということもある。とにかくSNSの発達が異文化間の移動を難しくしている。いずれにしても、日本から英語圏デビューする転校生の子どもたちには、過酷な条件が揃っているのは事実だ。保護者も教員も、そのような子どもたちの困難について、まずは理解することから始めたい。

(れいぜい・あきひこ/作家・プリンストン在住)

アフタヌーンティーのお供に紅茶占い

 東京は、桜の開花が例年よりも遅くなりましたが4月に入って春真っ盛り、急に温かくなりました。わが家の庭の花々も勢いを増して鉢からこぼれそうなくらい色とりどりに咲いています。今回は、沢山の花に囲まれたテーブルでおうちアフタヌーンティーを楽しみましょう。アフタヌーンティーのお供に紅茶占いはいかがですか? ヴィクトリア時代にイギリスで発祥し、19世紀後半から20世紀前半にかけてアメリカやカナダなどの北米やオーストラリアでも流行した大衆文化。あの「ハリー・ポッター 〜アズカバンの囚人〜」でも紅茶占いの授業の場面がでてきますね。 

 19世紀、誰もが気軽に紅茶を飲めるようになったこの時、飲み終えたティーカップの中に残った茶葉で運勢を占う「紅茶占い」が流行します。さぁ、今日はティータイムに願いを込めて。紅茶で占う私たちの未来は??

 ◆ネルロスカップ◆

 1904年英国のデザイナーネヴィル・ロス女史が考案。のちに英国のエインズレイ窯で制作されたネルロス占いカップ。2018年に6色展開で復刻。アンティークのものもたくさんありますが、高価なものが多いので手軽に楽しむには現行品のこちらが手に入れやすいものだと思います。本来紅茶占いのカップは記号だけでなくトランプが描かれていたりさまざまなものがあります。

◆Barns&NobleのFortune Telling Cup◆

 アメリカでは、有名な本屋さんバーンズ&ノーブル(Barns&Noble)で紅茶占いのカップが発売されていました。現在はアンティークショップやオークションサイトなどで見かけます。私が最初にこの占いを知ったのも実はアンティークショップで出会ったBarns&Nobleのティーカップでした。占いの方法を解説したミニブックがついているのでそれを見ながらみんなでワイワイと盛り上がる楽しい遊び。紅茶占いはあなたのどんな未来をみせてくれるでしょうか。

◆紅茶占い◆

 茶葉をポットにいれてストレーナーを使わずにカップに注ぐ。お茶を飲み干さずに、ほんの少し残して占いたいことを願いながらカップの中の茶葉をまわして茶葉を均等にいきわたらせる。カップをひっくり返してソーサーの上に伏せて置き少し待つ。ハンドルを持ち上げてカップの中の茶葉が残った場所の記号を読み解き占う。

◆春のテーブルポイント♬

Point1 お庭の花をテーブルに♬

 もともと英国ではティータイムのテーブルの花は作りこんだフラワーアレンジではなく、庭から摘んできたような自然な美しさがよいとされています。春は庭の花が美しい季節。自家製ハーブも一緒に飾って我が家らしさでお客様をお迎えしましょう。

Point2 アンティークの陶器のマーマレードジャーやポット♬

 英国らしさを少しだすならば、アンティークのポットに庭の花を生けるのもかわいい。ガラスの空き瓶やふちがちょっと欠けてしまってティーカップとしてはつかえなくなってしまった物を花瓶の代わりにするのも素敵。

Point3 ガラスを使って軽やかに♬

 冬は皮革や毛糸など温かみのある素材を意識して使いますが、春夏はテーブルに軽やかさも大切。カップがイエローとピンクなので同じくガラスの器もイエローとピンクをミックスしてセッティング。


おおいし・いくこ(Ikuko Oishi)インテリアコーディネーター、食空間プランナー、日本クラブカルチャー講座講師。東京ドームテーブルウェアフェスティバル2019入選、20年2部門で入選&奨励賞受賞。23年2部門で入選&佳作受賞。atelierdeikukonewyork.themedia.jp


NY総領事館の窓口業務これからも予約制ですか?

「今後も継続する方針です」領事館

 コロナ禍前と以後とで働き方や生活スタイルが変化し、コロナ禍で採用されたものがパンデミック以後もそのまま定着するケースが少なくない。リモートワークなどがそのいい例だが、在外公館の窓口業務もその一つ。ニューヨーク日本総領事館の窓口業務がパンデミック以降、現在も予約制が続いている。この予約制は今後も変わらないのか。在外公館は、在留邦人にとっては日本との正式な窓口。訪問するのにいちいち予約など要らない誰でもいつでも気軽に訪問できる「開かれたお役所」であって欲しいという声がある一方で、いつでも自分の都合のいい時間帯を選べて予約できるのは、逆に「混雑を避けられて便利だ」という声もある。NY総領事館に聞いてみた。

 ニューヨーク日本総領事館からの回答は次の通り。

 御照会いただいた件につき、担当部署に確認しましたところ、以下のとおりです。御照会の予約制ですが、当館では今後も継続する方針です。

 予約制の導入によって、来館者数を平準化できるようになり、待合室の混雑緩和、待機時間の削減、サービスの向上などの効果が得られており、利用者に快適な窓口環境を提供することが可能になりました。また、当館側としても事前に予約内容を確認できるため、窓口対応時間の短縮やより適切な対応が可能になりました。時間を気にすることなく、24時間いつでも予約が可能との利点もあります。領事窓口に関するアンケートでも多くの利用者から支持され高い評価を得るなど、サービスの向上に繋がっていると考えております。ちなみに在外選挙人登録や在留届の提出、また急を要する旅券紛失、援護事案などの場合は予約が不要となっています。

 また、各種申請用紙につきましては、基本的に当館HPや外務省HPから入手可能であり、さらに旅券や証明のオンライン申請(一部除外あり)を利用すれば申請用紙は不要ですので、積極的に御利用いただきたいと考えています。なお、他公館における予約制の導入状況につきましては、利用者の多い北米公館や他の国・地域でも現地事情に応じ導入されていると承知しています。

 いずれにしましても、当館ではより良いサービスを実現するため、在留邦人の皆様から当館HPに関する御提案・御要望、領事手続、教育、安全対策などの相談を次の連絡先で受け付けていますので、御利用いただければと思います。

(一般的なもの) goiken@ny.mofa.go.jp(領事関係(旅券、届出・証明、年金・保険、教育、安全対策等)) ryoji@ny.mofa.go.jp

 NY日本総領事館の窓口業務は、コロナ禍で安全対策として採用した苦肉の策が、実は機能的で効率効果が高いことを発見できた好例として今後も継続するということだ。

能登半島地震被災地を支援、義援金を大使に手渡す

NY MBAの会

森大使(左)に義援金を手渡す廣島さんと竹田さん

 ニューヨークMBAの会(佐野和秀代表幹事)は3月29日、マンハッタン西57丁目の東京大学ニューヨークオフィスで「能登半島地震復興支援イベント」を開催し、50人を超えるメンバーが参加した。

 佐野代表幹事の挨拶と被災者への1分間の黙祷に続き、能登半島七尾市の高橋市議会議員が現地の声を伝えた。復興への道のりは大変険しく、現在も住居の被災や水道復旧の遅れから未だ自宅には帰れず、栄養ある食事が取れていない人も多い。また、学校が再開するも例年の4割程少ない。子供の学業のために若い世代の流出が避けられないため、地震発生の日から景色はほとんど変わっていない。津波が一番酷かった珠洲市では、能登地方のシンボルでもある見附島(みつけじま)が半分になった写真も共有された。

 高橋市議会議員は「本当に困ったときに助けてくれる仲間が周りにいるかいないかは、人生の中でとても大切なこと」と最後に述べた。

 集まった義援金は3000ドルで、4月3日、同会事務局から竹田欣克さん、廣島美紀さんがニューヨーク総領事館に行き、森美樹夫大使へ目録と共に小切手を直接手渡した。

 2人から当日のイベントの様子と現地の声を聞いた森大使は、親身になって耳を傾けていた。

   (写真・植山慎太郎)

女王蜂NY公演

「アヴちゃん最高」

ソニーホールで単独ライブ

© Colin Lane

 日本の3人組人気バンド女王蜂が4月2日夜、「QUEEN BEE LIVE「01」IN NEW YORK」と題し、マンハッタンにあるソニーホールで単独ライヴを行った。

 女王蜂は2009年、結成。メンバーはボーカルのアヴちゃん、ベースのやしちゃん、ギターのひばりくんの3人。ライヴはドラムとキーボードのサポートメンバー2人を加えて行われた。

 楽曲は人気アニメに数多く起用されており、「チェンソーマン」のエンディング主題歌「バイオレンス」、「どろろ」のオープニングテーマ「火炎」、アニメ「東京喰種トーキョーグール」の「HALF」や「イントロダクション」などが次々に披露されて会場は興奮のるつぼに。途中、「ハイになんてなりたくない」で、アヴちゃんが一度ステージを去り、衣装を変えて再登場する場面も。

 後半も次々に曲を繰り出し、アニメ「【推しの子】」エンディング主題歌「メフィスト」では、ペンライトが会場で揺れ盛り上がりは最高潮に。最後は、アニメ「アンデッドアンラック」のオープニングテーマ「01」で締めた。

 MCもなく「ありがとう」「サンキュー」のみしか喋らないアヴちゃんだが、演奏だけで、楽しんでもらうという姿勢を感じさせるステージだった。

 ライヴ後、ある2人の日本人女性は「すべて最高でした」「アヴちゃん最高」との声。ある中国人は「アニメで知ったけど、すごく楽しめた」と語っていた。

 女王蜂の米国でのライブは昨年4月のシアトルとロサンゼルス以来で、今回は3月29日にアニメ・ボストンでのライヴを終えたのちNY公演を行った。4月20日には結成15周年記念単独公演を国立代々木競技場第一体育館で行う。

ライヴ後、アヴちゃん談話

 ー今日のライヴはどうでしたか。

 東京と似ているなと思いました。見ているだけじゃなくて、音楽わかっているよ、さあ踊るよという姿勢を感じました。でも東京よりももっといろいろな人種の方達が来ていらして、ここでライヴできたことが嬉しいです。

 ーニューヨークを意識して演奏曲目とか変えたのでしょうか。

 特にニューヨークだからと変えてはいないです。そういうことで本質は伝わらないと思ったので、ニューヨークをもてなしに来たんじゃなく、ライヴしに来ただけです。

 (武末幸繁)

大人のバレエ留学

受け入れサービス開始

プティ・アロンジェ・ベラNY
6月からの第1期生募集

 ニューヨークでバレエ教室を主宰するプティ・アロンジェ・ベラNY(イザベラ・マリア・トレス代表)は、6月から「大人のバレエ留学」の受け入れ事業を行う。1人からの個人でもグループなど団体でも同スクールにて、空港送迎から滞在場所の紹介、レッスンを提供する。第1回受付の今回はミレニアム世代向けに「社会人が人生にフォーカスを向ける時間をNYで過ごしていただき、ご自身のアップデートとなる旅を当スクール・スタッフがサポートします。主に大手のダンススクールへの案内や、当スクールで受講するなど、現地に溶け込むような体験型の留学スタイルをご体感いただけたら」と話している。初回のZOOMやEメールでのカウンセリングサービスは1時間無料。来米前に希望するダンススクールを選び、クラス受講までの手続きを代行する。受講者の希望を聞き、おすすめのクラスやスタジオを紹介する。対応可能なジャンルは、バレエ、ジャズダンス、ヒップホップ、声楽。初めて、現地のクラスやスタジオでのレッスンを受ける際には現地スタッフが同行する。このほか、プロカメラマンによる撮影、ビデオ撮影などの要望にも応える。留学に関する通訳や書類関係の翻訳サービスも代行する。渡航者の航空運賃、滞在費、食費レッスン料、現地での生活費は自己負担となる。詳細はwww.petit-allonge-bella.com,問い合わせは電話929・655・0726。

日本語と文化を学ぶハンター大学の学生

本紙発行人が講義

 ハンター・カレッジの日本語・日本文化の専攻(マーヤン・バルカン・ダイレクター)は2023年に設立された。8日午後、本紙「週刊NY生活」の三浦良一発行人が同大に招かれ、日本語学習と新聞というテーマで授業を行った。

 学生たちの中には本紙を教材のようにして愛読している者もいてコミュニティーペーパー、フリー紙のジャーナリズムについて熱心に耳を傾けた。同大の日本語教育プログラムは1986年に設立。現在1300人あまりの学生が同大学で日本語と日本文化を学んでいる。以来、日本語の読み書き、翻訳、会話などの語学コースに加え、日本の歴史、文学、演劇、伝統文化、現代文化、茶道などの文化コースも提供し、拡大を続けている。

美と平和の祭典NYで

ONE STORY AWARD 2024NY

スピーチ部門出場者募集

優勝者は日本大会招待

 ワンストーリーアワード実行委員会(主催・USAディレクター長久保美奈)は5月23日(木)午後6時30分から午後9時まで、スカンジナビアハウス(パーク街58番地)で開催する美と平和の祭典「ワンストーリー・アワード」第1部スピーチ部門の出場者を募集している。「Beauty & Peace」をテーマに3分間のスピーチを競うもので、世界をもっと良くするために自分なりに考える平和への取り組みや外面の美しさだけではない多様な美についての考えを英語でスピーチし、思いを伝える。対象は学生。国籍、年齢制限なし、性別不問。日本への興味を持っていること。申請は無料で、優勝者は来年2月に開催される日本大会へ招待され、さまざまな日本文化を体験してもらう。応募締め切りは4月末。3分間のスピーチビデオを送り、合格者には5月5日までに事務局から連絡する。第2部では美と平和をテーマにしたモデルコンテスト部門を開催する=写真・昨年度=。当日の入場料無料、25ドル以上の寄付を奨励。応募先、詳細はウェブサイト https://onestoryawardny.wixsite.com/osa-speech  参照。

ゴジラとキングコングが作り出す新世界

Godzilla x Kong: The New Empire

 キング・コング、ゴジラの2大モンスターが大暴れのシリーズ第二弾。「Godzilla vs. Kong」(2021年)の続編に当たる。タイトルから見るとコングとゴジラの関係は前作の「vs」から「x」へと進化。これが何を意味するかは見てのお楽しみだが、コングに挑むヴィラン、スカーキング、赤毛の子供コング、最後にはモスラも登場、迫力バトルシーン満載のアクション大作だ。

 アダム・ウィンガード監督をはじめ、出演者ではレベッカ・ホール、ブライアン・タイリー・ヘンリーらが前作からの続投となる。ヒューマンストーリーには欠けるが、そこはコングとゴジラのパワーで補うしかない。

 地上を支配するゴジラと地底を支配するコング。どちらも人間と共存し調和を保っている。しかし、新たなる驚異の出現でそのバランスは大きく崩れていく。

 変化が現れたのはコングがいる世界だ。地底に存在する空洞は地上とほぼ同じで空もあれば山や川、森もある。そこでコングは赤毛のスコという子供コングに遭遇する。スコの仲間はスカーキングという獰猛な大型類人猿に奴隷のように扱われていた。

 スカーキングの目的はコングを倒し地底の覇者となり、ゆくゆくは地上でも王者になることだ。スカーキングはコングが持つ斧と同様に怪獣の骨で作った鞭を武器として使うだけでなく、冷気能力を持つシモという怪獣を意のままに操つることができる。シモの吐く息が当たった部分は一瞬にして凍り付く。

 このスカーキングの地底侵略を霊感でキャッチしていたのはアイリーンの養女のジア。ジアは髑髏(ドクロ)島の先住民イーウィス族で聴覚障害を持つ一方で特殊な能力を備える。ジアはアイリーンらと共に地底での変化を探るためモナークの地底観測所に向かう。

 一方、ローマのコロシアムを住みかとしているゴジラも新たなる驚異の出現を感知し移動を開始、核エネルギー蓄積のため原発を襲うなど着々と戦いに備えていた。ゴジラの動きが地底と地上の未来を決することになる。1時間55分。PG-13。      (明)

(写真)ゴジラとコングが目指す先は Photo : Warner Bros. Pictures


■上映館■

Regal E-Walk 4DX & RPX

247 W. 42nd St.

AMC Empire 25

234 West 42nd St.

AMC Loews 34th Street 14

312 W. 34th St.