ペン駅で通行人刺される 6人負傷し構内騒然

 マンハッタンのペンシルベニア駅で6月7日夜、複数の通行人が刃物で刺される事件が発生し、6人が負傷、一人が重傷を負った。容疑者は現場で拘束され、当局が動機などを調べている。 

 消防署の広報担当者によると、午後7時頃、ニュージャージー・トランジットのコンコースで複数の人が刺されたとの通報が911で寄せられた。駅構内の店で働く従業人らによれば、通行人があわてて逃げ出し、一時パニック状態になったという。ニューヨーク市消防局(FDNY)によると、負傷者のうち1人が重傷、2人が中程度のけがを負い、残る負傷者は比較的軽傷だった。負傷者の大半はマンハッタンのベルビュー病院へ搬送された。 

 捜査当局によると、容疑者はアムトラック警察によって身柄を確保された。軽傷でワイル・コーネル医療センターに搬送されたが、8日までに氏名や起訴内容は公表されておらず、被害者同士に関連があるのか、あるいは無差別的な犯行だったのかも明らかになっていない。複数の報道機関は、容疑者がホームレス状態にあった可能性や精神的な問題を抱えていた可能性を伝えている。 

 ペン駅は全米で最も利用者の多い鉄道ターミナルの一つで、マジソン・スクエア・ガーデン(MSG)の真下に位置する。事件発生の翌8日にはトランプ大統領とマムダニ・ニューヨーク市長も観戦するNBAファイナル第3戦がMSGで組まれており、その前夜に無差別刺傷事件が発生したことになる。このため周辺の警備体制強化にも注目が集まっていた。ただし、捜査当局は現時点で事件と試合との関連は確認されていないとしている。 

 マムダニ市長は声明で「負傷された方々、そのご家族、そしてこの許しがたい暴力によって動揺されたすべての方々に、心からお見舞い申し上げます」とSNSに投稿、被害者への見舞いを表明するとともに、迅速に対応した警察や救急隊員を称賛した。事件の詳しい経緯については引き続き捜査が進められている。

 FIFAワールドカップの球場への交通の要衝となる駅だけに治安当局は警備に神経を尖らせている。

 ニューヨーク日本総領事館は事件の夜、在留邦人に緊急メールで事件発生を伝達し「移動に際してはニュース等で最新の関連情報の収集に努めることをおすすめします」と警告した。 

(写真)事件があったアムトラック改札近く(8日午前、三浦良一撮影)