【今週の紙面の主なニュース】(2021年1月23日号)

(1)全日空が帰国安心サービス

(2)大型接種所開設

(3)ニューヨークの魔法

(4)日本帰国支援サービス始動

(5)米国入国に陰性証明必要に

(6)平和な政権交代望んだ市民

(7)移民政策を大転換

(8)早くも自殺の名所 ベッセル

(9)一人で始めた平和活動

(10)ロッックフェラーラストスケート

ご帰国あんしんサービス

全日空がホテルや交通手段を紹介

 新型コロナウイルスの感染予防水際対策のため、日本人の帰国にも検査証明の提示が求められるなど規制が強化されているなかで、全日空(ANA)は15日、感染拡大の予防に関する取り組みとして、衛生面の管理や航空券の特別対応に加えて、海外から日本に帰国する旅客を対象に、安心・便利に利用できる「ご帰国あんしんサービス」サイトを新設した。サイトでは、帰国後の待機場所として滞在できるホテルや、空港からの交通手段を紹介している。

 ホテルは 羽田空港・品川近郊エリア、成田空港近郊エリアなど9つの宿泊施設で、帰国後の待機場所として滞在できる宿泊プランを紹介している。また、宿泊期間中より快適に過ごせるよう、一部の施設では8連泊以上宿泊する客を対象に、ANAのファーストクラスで使用しているリラックスウェアや ソックスなどの機内アメニティを用意。14日間の待機要請を満たすには15泊16日の宿泊手配が必要。

 羽田空港周辺・東京のホテルは羽田エクセルホテル東急、品川プリンスホテルメインタワー、グランドプリンスホテル新高輪、品川東武ホテル、相鉄グランドフレッサ品川シーサイド、相鉄フレッサイン浜松町大門、西鉄イン蒲田。成田空港周辺のホテルは、ホテルマイステイズプレミア成田、成田東武ホテルエアポート。

 交通手段は、海外からの帰国による公共交通機関の利用制限に対応するため、空港送迎ハイヤーやレンタカー(ニッポンレンタカー)、入国者専用リムジンバスの案内をしている。また、海外発日本行きANA運航便を利用する際にファーストクラス、 ビジネスクラス運賃の購入者にはハイヤーの割引キャンペーンも実施する。日本国内の自宅でも受けられる、PCR検査の紹介もしている。 詳細はhttps://www.ana.co.jp/ja/us/travel-information/return-to-japan/ 

ジョークはもう、たくさん

ニューヨークのとけない魔法 ⑬
岡田光世

 クリスマスシーズンの夜は、おそらくニューヨークの街が最も美しいときだろう。12月に入ると、ロックフェラーセンターやリンカーンセンターの大きなツリーにライトが灯される。金色に輝く無数の小さな豆電球が、街路樹を飾る。五番街のショーウインドーに華やかな装飾が施される。そして、ニューヨーカーたちは大きなショッピングバックをいくつも提げ、ところどころで足を止めては、クリスマスの訪れを楽しむ。

 二月初めのその日は雪が降り、寒さが厳しかった。アメリカの永住権の更新手続きのために、移民局のオフィスに向かった。永住権は十年ごとに更新しなければならない。

 新たに指紋採取と写真撮影が必要になり、場所と日時は前もって指定される。

 電車が雪で遅れるかもしれない。午後一時に来るようにと言われていたが、私は早めに家を出て、その一時間半も前に着いた。

 緊張しながら、受付の女性に提出する書類を見せた。

 早く着きすぎてしまい、まだ一時間半もあるけれど、もう手続きしていただけますか。

 女性はてきぱきと書類をチェックし、笑顔で答えた。

 もちろんですよ。何時間前でも手続きしてあげるわ。

 そして言い添えた。

 If you pay a $50 fine.

 五十ドルの罰金さえ払えばね。

 五十ドル? 罰金?

 私は思わず、繰り返す。

 アポに遅れたのならともかく、早く来すぎて罰金って、そんなことがあるのか。

 永住権更新の申請料は、すでにネットで五百ドル以上も払ったのに。

 はい、罰金の支払いは、現金とクレジットカード、どっちにしますか。

 予想外の成り行きに、頭の中が真っ白になる。

 あはは。冗談よ。こんなに寒いなか、やってきたんでしょ。

 So, did that warm you up?

 どう? これで少しは温かくなった?

 私は深いため息をつく。

 Yes, thanks a lot.

 おかげで緊張はほぐれたし、寒さも吹っ飛んだけれど、もうジョークは十分よ、の意味をたっぷり込めて、笑いながらそう答える。

 このエッセイは、シリーズ第2弾『ニューヨークの魔法は続く』に収録されています。

https://books.bunshun.jp/list/search-g?q=岡田光世

入国に陰性証明

26日から提示が必要

  米国疾病対策センター(CDC)は12日、新型コロナウイルスの変異種の拡大防止のため、26日以降に空路で米国に入国するすべての旅客に対し、米国への出発前3日以内にウイルス検査を受け、米国行きフライトに搭乗する前に航空会社に対し陰性の検査結果を提示すること、誓約書(Attestation)を提出することを命じ、これを米国入国の要件とした。

 対象者は米国に空路で到着するすべての者。米国市民やグリーンカード保持者、米国を経由(トランジット)も対象。2歳未満は対象外。

大型接種所開設

野球場やコンベンションセンター

 デブラシオNY市長は12日、COVID-19ワクチン接種のフェーズ1bがスタートし、食料品店従業員らのワクチン接種が可能になったと発表した。フェーズ1bのグループではそのほか、教師、消防士、公共交通機関の従業員、チャイルドケアワーカーと65歳以上の市民などが含まれる。市長はさらに人との接触が多いデリバリーワーカーも、早急にワクチンが接種できるよう州に対して許可を求めている。 

 また、24時間年中無休の大型ワクチン接種センター(ワクチン・ハブ)が、クイーンズ区にあるシティーフィールドにオープンすることを明らかにした。同所は大リーグのニューヨーク・メッツが本拠地とするスタジアム内にNYC Health + Hospitalsにより運営され、1日あたり5000〜7000本のワクチンが投与可能で今月25日の週に開設される予定。市長は、メッツがクイーンズと市全体の多くの人の助けになることを賞賛し、「ヤンキースファンを含めたすべてのニューヨーカー(のワクチン接種)を歓迎する」と述べた。マンハッタンでは、34丁目と11番街に建つジェイコブ・ジャビッツ・コンベンションセンターを同様に大型ワクチン接種センターとしてオープンし、すでにワクチンの投与を開始している。

米国内ワクチン接種
国籍関係なし

【留意事項】

(NY日本総領事館調べ)

・各州ともワクチン接種について、住民の国籍制限などは設けられておりません。但し、各州ともに優先計画に従って、現時点でのワクチン接種対象者が具体的に定められていますので、ご注意ください。

・在留邦人の皆様におかれては、必要に応じて医療機関などにご相談の上、各自の責任でワクチン接種について御判断頂くようお願いします。

・ワクチンの有効性が100%ではないこと、ワクチン抗体の有効期限は不明であること等から、ワクチン接種後も引き続き、マスク着用、手洗い、ソーシャル・ディスタンス維持等が推奨されています。

・ワクチン接種に関する費用は、主要な健康保険の対象とされており、健康保険に加入していない場合でも無料とされていますが、接種を希望される場合には接種を受ける前に費用について確認することを推奨します。

【ニューヨーク州】

(1)特設サイト

・NY州はワクチンに関する各種情報をまとめた特設サイトを立ち上げています。

特設サイト:https://covid19vaccine.health.ny.gov/

(2)対象者

・州保健局が設定する優先計画に従い、ワクチン接種が実施されます。1A及び1Bの段階におけるワクチン接種対象者は、ハイリスクに晒されている病院関係者、高齢者施設在住者及び職員、COVID-19関連の最前線で活動する職員、65歳以上の市民、警察官や消防士等の初期対応者(first responder)、12学年までの学校の教員、公共交通機関職員、ホームレス・シェルター滞在者及び職員等です。今後、接種対象者が拡大される予定ですので、随時確認されることをお勧めします。

・ワクチン接種は無料で16歳以上の市民が接種可能です。Pfize社及びModerna社製ワクチンはいずれも2回の接種が必要であり、1回目の接種から3〜4週間後に2回目の接種が実施されます。

・ワクチン接種対象者に該当するか否かは以下のサイトで確認できます。

https://covid19vaccine.health.ny.gov/what-you-need-know

https://am-i-eligible.covid19vaccine.health.ny.gov/

(3)接種場所

・ワクチン接種場所に関しては以下のサイト又は「Am I Eligible?」のアプリを通じて入手できます。予約制となっており、事前にオンライン・フォーマットへの記入が求められます。

https://covid19vaccine.health.ny.gov/what-you-need-know

https://am-i-eligible.covid19vaccine.health.ny.gov/

【ニュージャージー州】

(1)特設サイト

・NJ州はワクチンに関する各種情報をまとめた特設サイトを立ち上げています。 

特設サイト:https://covid19.nj.gov/pages/vaccine

(2)対象者

・CDCのガイドラインに基づいて州保健局が設定する優先計画に従い、ワクチン接種が実施されています。現在は、1A及び1B(一部)の対象者に対してワクチン接種が行われています。具体的には、医療従事者(医師、看護師、薬剤師、歯科医師、医療系学生、研修生等)、高齢者施設在住者及び職員、警察官や消防士等の初期対応者(first responder)、65歳以上の州民、基礎疾患等のために感染した際に症状悪化の高リスクを抱える16〜64歳の州民等です。今後、接種対象者が拡大される予定ですので、随時確認されることをお勧めします。

・ワクチン接種対象者に該当するか否かは以下のサイトで確認できます。

接種対象者(フェーズ)について:https://covid19.nj.gov/faqs/nj-information/slowing-the-spread/who-is-eligible-for-vaccination-in-new-jersey-who-is-included-in-the-vaccination-phases

(3)接種場所

・ワクチン接種場所に関しては、以下のサイトで紹介されています。接種にあたっては、接種を実施している医療機関等へ直接予約することが推奨されています。

接種場所:https://covid19.nj.gov/pages/covid-19-vaccine-locations-for-eligible-recipients

・予約等について:https://covid19.nj.gov/faqs/nj-information/slowing-the-spread/where-how-and-when-can-i-get-vaccinated

移民政策を大幅転換

不法滞在者に市民権
コロナ給付は総花的に

バイデン大統領

 バイデン新大統領は就任から10日間で、地球温暖化対策の国渣枠組み「パリ協定」への復帰、イスラム諸国からの入国禁止の撤回など10あまりの大統領令に署名する。パリ協定離脱やイスラム諸国入国禁止はいずれもトランプ政権が決めたもので、バイデン政権は米国の大きな政策転換を内外に示した格好だ。

 移民政策も大幅に変更され、書類が揃わず違法滞在状態の約1100万人の移民に市民権取得への道筋を作る。新型コロナ対策では他州へ移動する際のマスク着用を義務化する。また学生ローンの猶予延長、家賃滞納による立ち退きの猶予の延長などの大統領令に署名する。このほか、政府調達での米国製品を優先する「バイ・アメリカン条項」、低所得の女性などの医療保険加入の促進などに署名する予定だ。

 新型コロナウイルス対策をめぐっては、バイデン新大統領は就任前の14日に1・9兆ドル(約200兆円)規模の経済支援策を発表。個人への直接給付1400ドル、失業手当の週400ドル上乗せ措置の9月まで延長のほか、100日間で1億人のワクチン接種計画と学校の再開も含めたコロナ対策に4000億ドル、州や地方自治体への支援に3500億ドル、中小企業支援に500億ドルを支出する内容となっている。昨年末に9000億ドル(約93兆円)規模の追加経済支援策が成立したばかりだが、民主党は「まったく足りない」としていた。大規模な支援策は共和党のほか一部の民主党議員も反対しているが、下上院とも民主党多数派となっており、成立する公算が高い。個人給付金は昨年末に既に600ドルが納税申告者に支払われており、バイデン大統領が就任前から600ドルでは足りないとして2000ドル給付を提示していたもので、差額の1400ドルとなっている。

平和な政権交代望んだ市民

ー大統領就任ー

大揺れのDCで見た有権者の対立と素顔

 私は1月5日から、取材のためにワシントン入りしている。1月6日、2020年米大統領選の「不正」を信じるトランプ支持者たちが全米からワシントンに集まり、大規模な抗議集会が行なわれた。

 集会場所となったワシントン記念塔近くから、ペンシルベニア・アベニューを連邦議会議事堂まで行進。支持者の一部が議事堂の外側を占拠し、米国歌や「アメイジング・グレイス」を歌うなど、そこまでは比較的、平和的な雰囲気だった。

 しかし、その中のごく一部が議事堂内部に乱入。複数の死者を出す惨事が起きた。

 トランプ支持者のほとんどは、議事堂乱入を非難している。そしてその多くは、「トランプ大統領はもっと早く選挙結果を受け入れるべきだった」と思っている。

 事件の翌日、トランプ支持者らは次々と自分たちの町へ帰っていったが、ワシントンの街中で祈りを捧げる姿もあった。

 大通りをトランプ支持や星条旗の大旗を翻した車の列が現れ、「Thank you, President Trump(ありがとう、トランプ大統領」「God bless America(アメリカに神のご加護がありますように)」などと放送し、クラクションを鳴らしながら走り去っていった。

 通りがかった若者が、車の列に向かって罵声を浴びせる。

 ワシントンは民主党支持者が圧倒的に多い。今回の大統領選でトランプ氏に投票したのは、わずか5%だ。

 議事堂前の広場では、20、30代の男女が地面に座り込み、大きな色紙にマジックで、「D.C.=OUR HOME」「SAY NO TO AMERICAN FASCISM」などと書いていた。

 そのうちの1人マルギトさんは、「何かせずにいられなかった」と言う。

 議事堂前では、「REMOVE TRUMP(トランプを追い出せ)」「WHITE SUPREMACY IS TERRORISM(白人至上主義はテロリズムだ) 」などと書かれたサインを手に、最後まで抗議する人たちの姿も見られた。

 事件の翌日から、議事堂やホワイトハウス周辺を中心に高さ2メートルほどのフェンスやブロックが設置され、警官や州兵が日に日に増え、立ち入りできない範囲が刻々と広がっている。

 住宅地の近くでも、道路を軍用車が閉鎖している。緊張感を与えないようにとの配慮からか、傍に立つ警官や州兵が市民と気さくに言葉を交わしている。

 市民らは「トランプとトランプ支持者らのせいで、戦場のようだ。こんな街を見たことがない」と怒りを露わにする。

 セキュリティ・チェック・ポイントを通過し、厳戒態勢の敷かれた議会議事堂の写真を撮りに来る市民もちらほら見かける。が、私が出会った市民のほとんどは、「大統領就任式当日は、外に出ない」と話す。

 黒人差別に抗議する人たちの「聖地」とも言えるホワイトハウス前の「ブラック・ライブズ・マター(BLM)・プラザ」では、トランプ支持者らがワシントンを去った後、その周辺の警備が弱まったこともあり、音楽に合わせて踊り、BLM支持の旗を悠々とはためかせるなど、活気が戻り始めた。

 地面の「BLACK LIVES MATTER」の大きな文字が、黄色のペンキで塗り直された。

 ホワイトハウスとプラザの間には、6月頃からBLM運動が激しくなったため、警備強化の目的でフェンスが設置された。そのフェンスには、警官に殺された黒人たちの写真やBLMのメッセージがびっしり貼られている。

 この広場を占拠する人たちは、「バイデン氏が大統領になれば、フェンスは撤去されるはず。それまで、このフェンスを守る」と私に語った。

 高級ホテルには「WELCOME MR. PRESIDENT!」「WELCOME MADAM VICE PRESIDENT」などの垂れ幕がかかっている。

 「平和な政権交代を」。

 市民はそう願っている。

(岡田光世、作家・エッセイスト、写真も)

早くも自殺の名所

飛び降り3人目で一時閉鎖

 マンハッタン・ハドソンヤードにある観光名所の展望台「ザ・ベッセル」で11日、テキサス州在住の21歳の男性が飛び降りて死亡していたことがわかった。同所では2019年3月の開業以来、昨年2月にニュージャージー在住の19歳の男性が、同12月にはブルックリン在住の24歳の女性が飛び降りており、自殺者は今回で3人目となった。これを受け、ハドドンヤードの開発を手がけたリレイティッド・カンパニーズはベッセルを閉鎖すると発表した。再開時期は未定。

 ベッセルはイギリス人デザイナーのトーマス・ヘザウィック氏が設計した蜂の巣型のインスタレーションで、高さ60メートル、8階建て構造の建物には階段が2500段あり、一番上までのぼるとハドソン川やマンハッタンを見渡せる。通路にはガラス製のフェンスが設置されているが大人の腰から胸ほどの高さで、地域の住民代表らは最初の自殺者が出た後にフェンスの高さを上げるなどの安全対策を求めていたという。

 広報担当者によると同社は自殺予防のための精神科医を含む専門家と対策を検討中で、ローウェル・カーン取締役会会長は施設再開の前に予防措置を提示する旨を示唆した。

 ジョージワシントン・ブリッジでも2015年から17年にかけて15件の飛び降り自殺があったが、17年に11フィート(3・35m)のネットを張ったため2018年以降自殺者が年間4〜5人に減少した。

一人で始めた平和活動

ティアラグループ代表

アイセ リノさん

 昨年12月、本来ならホノルルで開催予定だったイベント「パールハーバー平和への祈り」を新型コロナウイルスのパンデミックのためオンラインでニューヨークとホノルル、ホノルルの姉妹都市、広島などをつないで開催した。アイセさんは「今、生きる力を守り、未来を結ぶために、過去とつながる」をテーマに平和、人権、環境、各国の文化を理解するための活動団体ティアラグループを昨年作った。平和や人権に対して意識を持つようになったのは少女時代。母方の祖父母は広島県に住んでおり夏休みになると祖父母のところへ遊びに行っていた。そこで祖母から「あそこにキノコ雲があがって…」と戦争の話を聞くことになる。アイセは広島平和記念資料館の展示などを見る時、学徒動員として爆心地近くへ行き帰らぬ人となった母の兄と重ね胸が苦しくなった。

 法政大3年の時、大学近くの日本歯科大口腔外科で秘書として働いたことがきっかけで秘書検定準一級を取得、のちに簿記を取得した。その頃の仕事が今のティアラの活動に活かされている。

 来米は5年前。映画「終戦のエンペラー」のプロデューサーで「ラストサムライ」のキャスティングをした奈良橋陽子氏のユナイテッド・パフォーマーズ・スタジオ(UPS)で演技を学んでいたとき、奈良橋氏が学んだニューヨークのネイバーフッド・プレイハウスで公開授業を受けられると知り、その1日のためにニューヨークへ飛んだ。初めてのニューヨーク。着くとなぜか心が軽くなった。知り合いが誰もいないのに寂しくなかった。誰もかれも友達のように見え、危ない危ないと聞いていた分、安心してしまった。ここなら自分に偽りなく暮らしていけると。

 ニューヨークでは4年前からマークリエーションや中垣顕實法師率いる平和財団などとのイベントの企画・運営を行っている。和やかな笑顔と優しい温かい言葉で相手に接し、摩擦を減らして暮らせるようにとの願いを込め、今後もイベントの企画をしていきたいと話している。三線演奏者としてステージにも立つ。

 (三浦良一記者、写真も)

その1:おススメのモデルルート教えます!

さあ行こう! 魅惑のアメリカ旧国道「ルート66」

 ルート66ファンの皆さん、こんにちは!遅くなりましたが新年おめでとうございます! 今年もどうぞお付き合い、ならびにご支援宜しくお願い致します。皆さんは年末年始いかがお過ごしになりましたでしょうか。私は実家への帰省も避け基本「ステイホーム」。家から往復わずか2キロで行ける地元の神社へ参拝したのみで静かに過ごしました。一時的にせよ私が日本で生活する一番の理由が実家なのですが、そこに行けないような世相は本当に辛いものです。今年は全てのことが良い方へ向かう転換の年になることを切に願います。

 さて、先月号の最後の一行に「新シーズン④もお楽しみに!」と、どさくさに紛れるような形で宣伝しました。周りの友人知人から「今度はどうするのか」と少なからず聞かれたので、多少読んでくださっている方もいるのだなとちょっと嬉しい思いもしました。(笑)いつも読んでいただいている皆さん、本当にありがとうございます!

 「ルート66:魅惑の旧街道を行くシリーズ」は、2016年1月より始めさせてもらい、丸5年、毎月皆さんにルート66を知ってもらう機会を頂いてきました。シーズン①はルート66が通る合計8州をイリノイ州シカゴに始まって、ゴールのカリフォルア州サンタモニカまで、毎月少しずつ皆さんと一緒に旅をしました。 18年4月からは1年間に渡ってシーズン②「ルート66何でもベスト10」と銘打って私のおススメのモーテル、レストラン、そしてギフトショップなどを紹介しました。直近であるシーズン③は19年4月より「ルート66をフォーカス」と題し、ルート66の人々、街、イベントなど、固有のテーマに沿ってさらに深堀りしてお伝えしてきました。もちろんこれらでお伝え出来る情報が全部かと言えばそうではなく、もっともっと掘り下げて、または拡充してお話していくことは沢山あります。が、くどいようですが、丸5年、「5年です」例えば中学生であった子供が大学生になる期間です(笑)

 そんななか先月号を執筆している時、私がふと急に感じたのが「そうだ! ルート66へ行こう」という某鉄道会社のキャッチコピーに似た衝動でした。本来であれば少なくとも2度はルート66へ向けて旅に出るはずだった20年に、1度はおろかどこにも行けなかったのが理由ではないかと自己分析しています。その衝動はエスカレートします。私は週刊NY生活さんに相談もせずに勝手にシーズン③の打ち切りを決め、新たなシーズン④への移行を書き含んでしまいました。幸いにも快く受け入れてくださり、この日を迎えましたので、皆さん! ルート66へ行きましょう! 旅に出ましょう!

 とは言え、まだコロナ禍が収まっていないこの時期に旅に出ることを扇動するのは、どこかの大統領が国会議事堂へ行こうと呟いたのと大きく差はありません。もちろん「今」ではなく、来たるルート66のシーズンへ向けての準備です。

 前にも話しましたようにルート66のシーズンは4月ごろから徐々に始まり、5月に正式なスタートをします。今から5か月後、どんな状況になっているのかは想像できませんが、その時に向けて準備をしようではありませんか!

 前置きが長くなりましたが、月イチ連載コラム「アメリカ・ルート66 魅惑の旧街道を行くシリーズ」シーズン④は、「さあ行こう!魅惑のアメリカ旧国道 ルート66」と題しまして、私、後藤が独断で作り上げるルート66を旅するモデルプランを毎月1つずつ、行程解説も付けながら皆さんに紹介して行こうと思います。

 私が初めてルート66を本格的に走ってみたのが1990年代前半。それ以降シカゴを起点としサンタモニカまで全線走破をしたことが3回を数え、毎年必ずエリアごと、州ごと、町ごとと、時間が許す限りの旅をしました。目を閉じて頭の中で道を思い浮かべ、そのまま景色を思い出しながら走れる場所も少なくないほど、道の一本一本を記憶しているぐらいです。もはや「オタク」の領域ですよね(笑)

 とは言いながらも、皆さんの多くはお仕事や勉強を抱えており、なかなか全線走破をするような時間の余裕は(少なくともリタイアされるまでは)無いのが現状です。そこで来月より今年いっぱい、残り11回の連載がありますので、モデルルートを11パターンご用意しようと思います。

 最後に、さきほど「私の独断」と書きましたが、出来るのなら「読者参加型」のシリーズにしたいと考えています。今まで5年間ルート66関連記事を読んできて、ここに行ってみたい、このあたりを廻ってみたい、こんな体験をしてみたい、というご希望がございましたら、ぜひ週刊NY生活編集部(Eメールinfo@nyseikatsu.com)までご連絡ください。可能な限り皆さんのご要望を吸い上げて紹介していきたいと思います。

 トラベル期間はどのくらいでも構いません。どの期間にも対応できる行程を探したいと思います。お住まいはどこでも構いません。行かれたい地域の最寄りの空港を起点にご提案します!

 それでは皆さん、今年1年良いお年をお過ごしください。また来月お目にかかります!

(後藤敏之/ルート66協会ジャパン・代表)

ロックフェラセンター、ラストスケート

日本人スケーターら出場

 フィギュアスケートコーチの島田美樹さんが主催するアイスショーが、12日にロックフェラーセンターで開催された。島田さんの生徒やオリンピックコーチが教える全米選手権出場者を含め、5歳から60歳までの、ソロ、 ミニグループ 、アイスダンス、ペアなど、30人のスケーターがそれぞれのプログラムを披露した。

 アメリカ人のほか、日本、中国、台湾、ロシア、エストニア、英国、フィンランド、南アフリカなどさまざまな国籍のスケーターが出場した。出場したのは、島田美樹(47) アダルト・シルバー =写真左=、地区大会入賞者、ISU国際大会出場者&C・アーロン・シングレタリー (27)シニア、全米選手権出場者、山中さくら (15)ジュブナイル 地区大会入賞者=写真左=、山本真由美(60)アダルト・ゴールド 全米選手権入賞者、ISU国際大会出場者=写真下=。

 島田さんは「この企画を行ったのは、パンデミックで競技会やアイスショーなどが全てキャンセルされ、日々トレーニングを頑張っているスケーター達がその努力を披露する機会が失われてモチベーションも下がっていたので、アイスショーの場を提供しようと決めた」という。ロックフェラーリンクは同週17日に営業を終了し、大規模な改築工事が始まったため、伝統的なリンクを見られるのは今シーズンが最後となった。

編集後記 1月16日

みなさん、こんにちは。日本は新型コロナウイルス緊急事態宣言の拡大、アメリカはプラス大統領弾劾と就任式暴動警戒で一色の週になってきました。弾劾に関しては昨日の夕方下院の決議で弾劾訴追が決まりペロシ下院議長がサインしましたが、マコーネル上院議長は昨日のうちにバイデン時期大統領の就任式前に弾劾裁判が開かれることはないとステイトメントを出してますので、実際に裁判が始まるのはまだ先になりそうです。就任100日目あたりからが焦点となりそうです。来週20日の大統領就任式に関わる暴動に関しては、全米で昨日現在82人、ニューヨークからもブルックリン判事の息子やMTAメトロノース職員など続々と逮捕者が出てますし、民間宿泊施設のAirBnBは就任式での更なる暴動をに向けて全米から人が集まるのを防ぐために就任式までぼDC近郊の全ての宿泊所の予約をキャンセルするとそうです。
 そしてコロナは、米国入国に陰性証明が必要になります。米疾病対策センター(CDC)が航空会社に12日通達を出しました。米国に入国する全ての航空会社に対して、搭乗する乗客が搭乗前3日以内に受けたPCR検査の陰性証明の提示を求めることと、テストを拒否する者の搭乗を拒否するように通達を出したもので今月26日から導入されます。一時帰国中で、近く米国に戻られる方、お早めに検査の予約を。なかなか予約が取りづらいようです。無症状の人は高額な料金を請求されるそうですので事前確認を。また、こちらに住んでいる日本人も日本帰国前に検査証明が必要になりました。日本に帰国する際、米国を出国する前に新型コロナウイルス検査証明の取得が必要で、日本政府は8日付で、新型コロナウイルス等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言発出に伴い、同解除宣言が発せられるまでの間、全ての日本入国者・再入国者・帰国者に対し、出国前72時間以内の検査証明の提出を求めるとともに、入国時の検査を実施することを決定しました。日米間の人の往来がますます遠のきます。暗いニュースばかりの中で、明るいニュースというか、まあ特段めでたい話ではないですが、バイデン次期大統領は8日、新型コロナ禍が依然として猛威をふるっており、さらなる経済支援策が必要とし、「(先日支給した)家計への直接給付は600ドルではまったく足りない、2000ドル給付に向けた取り組みをしなければならない」と語りました。就任後に各ご家庭に振り込まれることになるでしょう。14日の発表で、差額の1400ドル支給が決まりました。夫婦合算申告している世帯は倍額が給付になります。今週号はこんな内容でお届けしておりますので、詳細は紙面をご覧ください。それではみなさん、よい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)