早くも自殺の名所

飛び降り3人目で一時閉鎖

 マンハッタン・ハドソンヤードにある観光名所の展望台「ザ・ベッセル」で11日、テキサス州在住の21歳の男性が飛び降りて死亡していたことがわかった。同所では2019年3月の開業以来、昨年2月にニュージャージー在住の19歳の男性が、同12月にはブルックリン在住の24歳の女性が飛び降りており、自殺者は今回で3人目となった。これを受け、ハドドンヤードの開発を手がけたリレイティッド・カンパニーズはベッセルを閉鎖すると発表した。再開時期は未定。

 ベッセルはイギリス人デザイナーのトーマス・ヘザウィック氏が設計した蜂の巣型のインスタレーションで、高さ60メートル、8階建て構造の建物には階段が2500段あり、一番上までのぼるとハドソン川やマンハッタンを見渡せる。通路にはガラス製のフェンスが設置されているが大人の腰から胸ほどの高さで、地域の住民代表らは最初の自殺者が出た後にフェンスの高さを上げるなどの安全対策を求めていたという。

 広報担当者によると同社は自殺予防のための精神科医を含む専門家と対策を検討中で、ローウェル・カーン取締役会会長は施設再開の前に予防措置を提示する旨を示唆した。

 ジョージワシントン・ブリッジでも2015年から17年にかけて15件の飛び降り自殺があったが、17年に11フィート(3・35m)のネットを張ったため2018年以降自殺者が年間4〜5人に減少した。