正義は庶民のために

The Equalizer 3

 シリーズ第3弾にして最終章。主人公は元CIAの凄腕工作員で元海兵隊のロバート・マッコール。妻の死を機に引退してからは窮地に陥っている善良な市民たちを救う日々を送っている。昔のように国家に関わる危機でなく自分の周りにいる同胞たちを見守るのが今の彼の使命なのだ。

 シリーズを通して主人公マッコールはデンゼル・ワシントン、監督は「Training Day」のアントワン・フークア。悪を徹底的に懲らしめ鉄槌を下し、マッコール流で正義を貫く。「ジョン・ウィック」のように壮絶、凄惨なシーンもあるが、随所に出てくる主人公と市井の人とのほのぼのとした関わり合いがこのシリーズの魅力でもある。

 マッコールはイタリア・シチリア島のあるワイナリーにいた。覚せい剤や人身売買などに加え最近ではサイバー犯罪にも手を染め庶民から金を奪っている組織の親玉、ロレンゾのアジトだ。情報収集から戦略、実戦まで現役時代にマッコールが培った能力がイタリアの端っこにいたロレンゾを探し当てた。目的を果たしたマッコールだが、一人生き残ったロレンゾの息子に後ろから銃撃を受け、瀕死のところを田舎町アルトモンテの地元住民に助けられた。

 風光明媚でのどかな雰囲気、人々は穏やかで優しい町。マッコールは養生するうちにボストンに帰らずここでずっと暮らすのもいいかもしれないと思い始めていた。行きつけのカフェでティーを頼み、魚屋で活きのよい材料を仕入れおいしいワインと共に夕食を楽しむ。

 しかし町の人々を知り、彼らの暮らしぶりが分かるにつれてマッコールのアンテナが作動し始める。のんびりとした田舎暮らしはもう少し先のようだ。

 マッコールが信頼するCIAエージェント、エマを演じるのは2004年のヒット作「Man on Fire」で当時子役でワシントンと共演したダコタ・ファニング。18年ぶりの共演だが相変わらずいい味を出している。1時間49分。R。  (明)

(写真)悪い奴らには容赦なし Photo : Soni Pictures


■上映館■

Regal E-Walk 4DX & RPX

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