乳がんのサバイバーシップと婦人科系の検診について

BCネットワークが開催
乳がんシンポジウム

18日にZOOMオンラインで

 乳がんに関する最新情報や早期発見の啓蒙活動を行う非営利団体のBCネットワークは、18日(日)午後1時からニューヨーク日系人会(西45丁目49番地11階)を会場に「第14回乳がんシンポジウム@イーストコースト」を開催する。

 「乳がんのサバイバーシップと婦人科系の検診について」をテーマに、 乳腺外科部長・NYUランゴーンメディカルセンターのフリヤ・シュナベル医師が「乳がん検診と乳がんサバイバーシップ」と題した講演を日本語同時通訳を交えて行う。また、コロンビア大学附属病院・一般産婦人科の常盤真琴医師が、婦人科検診と子宮頸がん検診について解説。さらに経験者トークとして、乳がん再発経験者でNYファッション工科大学(FIT)準教授のキャッツ洋子氏が「前を向いて:今の再発、乳がん患者ができること」と題した講演を行う。司会は久下香織子キャスター。

 参加費無料。開催はオンラインで生配信され人数制限なしでZOOM参加できる。視聴希望者は事前にBCネットワークのウェブサイト( http://bcnetwork.org)から申し込む。会場での参加を希望する場合(20人限定)は、ニューヨーク日系人会へ電話(212・840・6942)する。イベントの詳細と問い合わせは前述のウェブサイトを参照する。

創立41周年祝賀会開催

NY育英学園オンラインで

  NY育英学園創立41周年オンライン祝賀会・ファンドレイジングパーティーが3月26日にオンラインにて開催された。同学園は昨年11月18日に創立41年を迎えた。昨年3月末より、新型コロナ感染拡大の影響で中止となっていた祝賀会を、改めてオンライン開催した。

 岡本徹学園長は、丹羽美代子初代学園長の「よい子の学園」のマンハッタン時代についてや、NYからNJへの移転後の丹羽園長他界について、日本の学校法人田中育英会、NY日系人会や色々な人々に助けられたことに関する恩と感謝の気持ちを語った。また、デュオ夢乃(チェロの玉木光、箏の木村伶香能)によるオンライン演奏会、在ニューヨーク日本国総領事山野内勘二大使による挨拶、生物学者の福岡伸一博士による講演、コミュニケーションセラピストのカニングハム久子氏による挨拶などが行われた。会当日よりユナイテッド航空の往復ビジネスチケットが当たるラッフルの販売もスタートした。関係者、職員、保護者の参加により、にぎやかな会になった。

通勤圏の歴史ある街ベッドフォード=スタイベサント

 ベッドフォード=スタイベサント は、ブルックリン区の中央に位置する地区で、ベッドスタイの名でも知られている。ブルックリン区の第3地域委員会に属している。地区の範囲としては、北はフラッシング通り、東はブロードウェイ、サラトガ通り、南はアトランティック通り、西はクラソン通りに囲まれた地区。

 19世紀の終わり、路面電車や高架鉄道が敷かれ、ブルックリンのダウンタウン地区やマンハッタン区に務める労働者階級や中流階級の人々の住宅地区となった。既存の木造住宅は、赤褐色砂岩を配した住宅に建て替えられていった。ベッドフォード・スタイベサント・ルネサンスとも言える状況の中で、このような住宅様式がもてはやされている。

  写真の部屋は2寝室、2浴室がある同地区で売り出されたコンドミニアムで、価格は74万ドル。すでに売却されているが、同地区にはまだ、同価格帯での物件を探すことができる。マンハッタンへの通勤圏内で、緑の多い閑静な住宅街と芸術家たちが住むウイリアムズバーグ地区の雰囲気も残しており、歴史と近代化の融合したニューヨークらしい街並みが続く。頭金は20%で14万ドルあれば、月額3000ドル程度のほぼ家賃並みの支出で暮らすことができ、30年ローン完済前に転売しても十分な値上がりが期待できる。問い合わせは電話 914・374・7195、

Eメール・ted.matsumoto@corcoran.com 松本さん

(写真提供・コーコラン不動産グループ)

「親日感深まった」市警、病院などで大好評

お弁当プロジェクト・アンケート

 日本の本格的なお弁当をニューヨークの最前線で命を張って働くエッセンシャル・ワーカーに届ける「弁当プロジェクト」が好評のうちに幕を閉じた。2月3日から3月19日まで、約1ヶ月半に渡って、市内16店舗の日本食レストランやメーカー(表1)が思い思いに心をこめた1059個の弁当が市内の病院、NY市警、MTA、消防署など全15組織(表2)に、配られた。同プロジェクトは、NY日本総領事館の支援のもと、ニューヨーク日本食レストラン協会が全面協力し、ニューヨーク日系人会(JAA)が配達コーディネートを手がけたオールジャパンの取り組み。先日、JAAにアンケートの回答(全82件)が届いた。

 全体的に評判は良く「本日のお弁当に満足しましたか?」の質問は5段階評価で、平均4・8ポイント。関連コメント欄には「日本料理は以前から好きだけど、普段お店で注文しないような珍しい品目が食べられたのがよかった」「ヘルシーで野菜が多いのがいい」「驚くほど美味しい」「プレゼンテーションが美しい」「スタイリッシュ」「きめ細やか」など賛辞が並ぶ。いずれの参加店も、手加減のない和食弁当を打ち出したのが、かえってワーカーたちの食感領域を拡大する結果となり、日本の知識浸透には一役買ったと思われる。

 そして、同プロジェクトで「あなたの日本に対する印象はどのくらい良くなりましたか?」との質問に対しては、平均4・79ポイントで好感。「日本人コミュニティがこんなに最前線のワーカーに感謝してくれて嬉しい」「すばらしい企画」「食を通して異文化理解が深まった」「コロナ禍でレストラン業界も大変なのに本当にありがとう」などコメントは友好的だ。単なる寄付金活動ではなく、自分たちが誇りを持つ食文化でもってニューヨークのコロナ禍復興を支援するアイディアのおかげで、誠意がストレートに伝わった印象だ。

 一方、「弁当プロジェクトで、あなたの日本文化への理解は深まりましたか?」の質問に対しては、平均4・46ポイントで、若干評価が低い。「日本に行きたくなった」「もっと知りたいと思った」といったコメントから関心を刺激された跡が読み取れるものの、「料理のもっと詳しい説明があったらよかった」など今後はこうした機会に際しては、さらに深入りした食文化紹介が求められている一面も伺われた。

以上、エッセンシャルワーカー側が今回のコミュニティ支援プロジェクトを極めて肯定的に受け止めていたことが明らかとなった。(中村英雄)

協力レストラン

メーカー、団体一覧

NY日本総領事館

NY日本食レストラン協会

NY日系人会

NY日系ライオンズクラブ

蕎麦屋

うどん居酒屋WEST

レストラン日本

大戸屋

対馬

和参

Sushi of Gari

Maki Maki

Sushi Ryusei

Brooklyn Ball Factory

Japan Village

Katana Kitten

Hirohisa

Curry-Ya

Global Nippa JSpec

Ito-En(North America)

お弁当を受け取った組織一覧

-Mt. Sinai Hospital

-Imagine Early Learning Center@Mt. Sinai

-Bellevue Hospital

-North Central Bronx Hospital

-Montefiore ICU

-Central Park East 2 (public school)

-NYPD 24th Precinct

-NYPD 23rd Precinct

-NYPD Midtown North

-MTA Grand Central

-FDNY Engine 8 Ladder2

-FDNY Engine22 Ladder13

-FDNY Engine54 Ladder4

-FDNY EMSStation 08

-NYC Sanitation Department

編集後記

【編集後記】 みなさん、こんにちは。深刻なヘイトクライムが止まりません。暴行行為をする人のみならず、事件場面に居合わせながらも何もしない人たちが多いことが問題となっています(本紙今週号12面に詳報)。3月29日にはミッドタウン西43丁目360番地で65歳のフィリピン系の女性が男に蹴るなどの暴行を繰り返されて地面に倒される事件がありました。当時、現場前のビルにドアマン2人が勤務していましたが、暴行を阻止することや911に連絡するなどの行動を起こさず、さらには迷惑が被らないように、犯人が立ち去った直後ドアを閉めてしまいました。その時、被害者の女性はまだ歩道に倒れたままでしたが、駆け寄って助け起こすことはしなかったのです。翌日午後、事件があったビル前でマンハッタン区長が記者会見し、市内アジア系コミュニティー団体のメンバーたちが差別に対する抗議スピーチを行い、日系のスキ・ポーツさんが「アジア系社会への無関心、無視が差別の元凶だ」と怒りをあらわに強く訴えました。アジアコミュニティーの中で何かあっても「ジャパニーズ」の顔が見えないと常日頃思っていましたが、久々に「日本・日系人」の発言が、アメリカ社会が注視する事件の中心でクローズアップされたのはとても心強いものがありました。犯人は31日早朝、事件現場に近い西40丁目のホームレスシェルターで逮捕されました。NYPDのヘイトクライム特別捜査班は現在までに30件以上のアジア系住民に対する事件を捜査しているとのことです。ニューヨーク総領事館が犯罪被害に遭わないためのアドバイスを以下の項目で発表しています。参考にされてください。(1)アジア系住民を狙った犯罪が増えているので、外出時は可能な限り、一人ではなく、複数人で行動する。(2)コロナ禍以降、暴力事件等が発生しても感染への恐怖から周囲の支援が得られない可能性がある。 (3)地下鉄は可能な限り避け、バスの利用を推奨する(シティバイク等も有効な移動手段)。 (4)地下鉄を利用する際は、ホーム中央付近に設置されているMTAサインボード等の近くで待つようにする(線路突き落とし事案防止、犯人から逃げる際の障壁として利用可能)。 (5)MTAサインボードが近くに無い場合は、壁際やMTA職員から見通せる場所で待つ。(6)駅構内に交番があるときは、警察官の所在を確認してその近くで待つ。 (7)可能な限り車掌が乗っている車両を選んで乗車する。ドアを叩くことで車内の異常を伝えることができ、車掌の通報で早期対処が見込まれる。(8)公共交通機関利用中には、周囲の状況把握ができないおそれがあるので、けっして携帯電話の画面を注視しないこと。 ということだそうです。私もマンハッタンの歩道を歩いていて前から不審者風の人が歩いて来るのが見えると、いきなり殴られたり、襲われたりしないか、かなり警戒しながらの毎日です。特に最近は歩いている人の誰もが不審者に見えて困ります。それでは、みなさん、よい週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)

【今週の紙面の主なニュース】(2021年4月3日号)

(1)性差別なき日本へ行動を  1面&4面

(2)5番街にアニメフィギュア店  3面

(3)NY市職員8万人職場復帰 4面

(4)ワクチンパスポート発行  5面   

(5)ワクチンでドーナツ 5面

(6)コロナ入院中に家財廃棄 5面

(7)NY市内ワクチン6月完了 5面

(8)大人の教養シリーズ 6面

(9)アジア系差別続く  12面

(10)海老屋流茶箱企画展   19面

性差別なき日本へ行動を

NYから世界へ


JAAビジネスウーマンンの会

 JAAビジネスウーマンの会(JWB)主催、ニューヨーク日系人会支援ウェビナー「世界で活躍する女性が見る『ジェンダーギャップ、ゼロ』の姿とは」が、3月26日夜オンラインで開催された。東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の元会長・森喜朗氏の女性蔑視発言をきっかけに世界で報道された日本の「ジェンダーギャップ」。国内では、森発言をきっかけにさまざまな分野の専門家から現状打破の声が上がった。その一つである「差別のない活力ある日本を作るために・行動宣言」の呼びかけ人42人のまとめ役となった中満泉さん(国連事務次長・軍縮担当上級代表)と、本田桂子さん(コロンビア大学国際公共政策大学院客員教授、元MIGA長官)をパネリストに迎え、ジェンダーギャップの問題を解説した。ウェビナー冒頭JWBの長谷川久美子代表が挨拶し、当日は国際ジャーナリストの津山恵子さんがモデレーターを務めた。

行動宣言作り発信

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津山 森発言の何がいけなかったのか。

中満 その場で声をあげて正す声がなかったことが悲しい。その場で声を上げられるほど女性の数がいなかった。クリティカルマスは日本の社会にはまだまだない。問題発言を正すには数を増やすことが重要だ。

本田 批判と非難はできるが課題に対して解決策がなかったので提案するために個人賛同者を募った。社会的リーダーが個人で参加してもらうと広がりが出てくる。約40人の中に一部上場の社長が7、8人いる。経団連は「チャレンジ30」というタイトルで2030年に女性役員の比率を30%に高める動きがあり、今は一割もないが、すでに60数社がこれに賛同している。予想を上まわる進展がある。

津山 行動宣言を2人で起草されました。

中満 男女平等は国連では当たり前のこと。日本からの講演会の招待などで自分一人が女性なら主催者にジェンダーバランスの観点から女性を増やすように働きかけている。国連のルールでは男性幹部が男性だけの場で登壇・発言してはいけないとなっている。日本ではまだ会議や講演で女性を入れなくてはならないということが悪意ではなくて普通のこととして思いつかない。そこに一言声かけて、批判するのではなく対話を通じて呼びかけていく。そしてこれまでの社会で、これはおかしかったんだと気がついてもらう波及効果を求めていく必要がある。

津山 これを日本の企業がどう変えていけるのか。

本田 大手企業が賛同すると、我もと追随する企業が出る。正しいボタンを押すことで女性の管理職を増やしていくことが大事だ。人口が減少していて、日本の企業は特定年齢層の男性にリーダーを頼っている。労働人口に占める45歳から49歳の男性は2021年495万人いるが、現在就活している20代がその世代になる時には317万人と38%も現在より少ない。パイが減った中でリーダーを選んでいくのは企業としてもリスクがある。女性を育てなくてはならない。日本人女性の25歳から59歳までの85%が働いている。米国は78%だ。専業主婦はマイノリティだ。60歳から64歳の女性の半数以上が働いている。文系でもシステムエンジニアなど理系と思われている職業でもやっていける。家事と育児に投資を。毎月、洋服1枚買うのを諦めてベビーシッターにお金を使ってもらいたい。どうせ長く働くなら管理職を目指してチャレンジしてほしい。

女子は管理職挑戦を=本田

津山 米国では主婦の仕事をほかの人に頼むのは当たり前ですね。

中満 人に頼ってするのは当然やってもいいこと。働く女性にとって大変なのは、早退する時の肩身の狭さなど精神的なプレッシャーだ。スウェーデンに5年住んで痛感したのは仕事の仕方を変えていかないとならないということ。今はリモートでオフィスワークをするのは全く問題ないので、拘束時間ではなく成果をどう出せているか仕事の仕方、働き方そのものを変えていかなくてはならない。子育て中の女性の方が効率的、効果的に仕事をしている。日本の組織文化を変えていく必要がある。

津山 時短以外にギャップを減らす対策はありますか

本田 女性の管理職を増やすのが一番。育休を取るより生産性をあげること。エクスペクテーシンマネージ。子育てや家事でどうしても必要な場合が分かっていれば2か月前に「その日はだめ」と言えば誰も怒らない。しきりが大事。当日直前に言えば他のチームの人には大迷惑でしかない。企業で物事を決める立場の人の中に一定のワーキングマザーが入っていくことが大事だ。MIGAに着任した時の管理職の割合は25%くらいだったが、50%まで上げながら事業規模は2倍強にすることができた。生産性を上げながら女性がリーダーシップを取ることもできる。

津山 お二人は世界で活躍する女性のトップを極めた方ですが、私みたいなふつーの女性でもできることはなんですか?

中満 女性同士の情報サポート、味方を作っておく。仕事と子育ての両立は、私の場合、台所にファミリーカレンダーがあり、1週間分の晩ご飯のメニューを作ってそれに合わせて買い物をする。計画性を持たせることで両立は可能だ。「女性を増やせ」は、女性が高下駄を履くのではなく、生まれた時から高下駄を履いている男性に脱いでいただくようきちっと声に出していくことが社会全体を変えていくことになる。

津山 声に出すは言葉で言うと結構簡単ですけど、実際に恋人や夫に、こうして欲しいと口に出して言うのは当時者にとっては結構大変なことなのではないか

中満 パートナーは選択して気をつけて選ばないといけない。攻撃的にではなく誠意をこめて一緒に解決していくことが必要だ。

本田 恋人や夫にものがいえなければ上司にも言えない。社会参加することが大切で、自分をより高めることができる仕事をなるべく早い時期に考えること。自分を信じて、ちょっと背伸びをしてできる仕事にチャレンジすることが大切だ。日本で男性の育休への理解が低いのは分かるが、何をプライオリティーに置くかが大切。育休は男女共同参画で100項目近くある中の一つに過ぎない。育休がプライオリティーの一番ではない。夫が2週間育休を取ったからといって何も変わらない。私はお給料が残らないほどベビーシッターを雇った時期もある。

中満 私は2人娘がいるが、スウェーデン人の夫はそれぞれ4か月ずつ育休を取った。それは自分と子供との関係を作る上で必要だったと本人は言っている。子供との密度の濃い時間を重要だと思う男性はいる。色々なオプション、選択肢の多い社会になればいいなと思う。男性が育休を取ったからといって非難の目で見られるような社会ではないようにしたい。

津山 ご自分の娘さんの子育てで感じたことは

本田 自分が大学を出た頃の就職状況は、雇用機会均等法の前で多くの企業が「4大女子下宿応募不可」だった。自分の子供にはどんな状況下でも職業の選択ができるような子供に育てていかなくちゃいけないと強く思った。できることは教育や子供に社会を伝えることと、あとは子供に尊敬してもらえるような仕事をしたいと思った。

中満 自分がこれをやりたいと思ったことを問題なくできるような社会にしたい。娘たちは日本に行くと違和感を感じるようで、映像のイメージのところでの女性の描かれ方にも違和感や疑問を持っていて、日本は大好きだけど自分は日本に暮らしている女性でなくてよかったと聞くととても私は悲しいので、そういう社会を変えていきたい。

政治の場に女性増を=中満

本田 (質問で与党で活躍する女性議員にも女性差別をする男性側に立っている議員がいるとの指摘について)多様性もあると考え、選挙権を行使しながらサポートすることが必要だ。在外投票でもよく調べて、いろんな考えがあると言うことは是認しなくてはならないのではないか。

中満 日本は世襲制度の強い政治風土を持っていると聞く中で女性議員を増やしていくのは簡単なことではないことかもしれないが、文句を言っているだけではダメだ。行動を考えていく。考える時期に来ている。議員の男女比率をクオーター制にするのも比例制のところで導入を考えることができるのではないか。

津山 アジア系女性として不快なことを言われたり、されたりした時に同じ人間だということを分かってもらうにはどうしたらよいか

本田 少なくとも働く場においては人種、性差別に非常に敏感になっている。何か気になった時には、大勢の前ではなく1対1の場面で「あれはどういう意味ですか」と聞いてみる。誰もがオブラートに包んだ言葉になるとリスクを背負って必要な忠告や耳に痛いことを言ってもらえなくなる。こちらが度量深く自分に自信を持っていれば受け止め方も違うのではないか。

中満 差別はその場で間違ったことなんだと対話で伝えることが重要。それと最後に一言貧困について。日本ではシングルマザーの平均年収がドルに換算して2万ドル、困窮家庭のほぼ全てがシングルマザーだ。構造改革するためには政治、行政、民間の場に自分のこととして考える女性がいることが大切。困窮している人たちにとって優しい社会は自分にとっても優しい社会。そういう社会を作っていくことがウインウインだ。決して(誰かが得をすれば誰かが損をする)「ゼロサム」ではない。

津山 ジェンダーに関係なく、差別される側の立場に立って、想像力や共感をすることであらゆる不公平、不公正が解消されていく道のりになるということですね。本日はありがとうございました。

BANDAI SPIRITS(バンダイ スピリッツ)魂ネイションズ

5番街に日本アニメのフィギュア店が登場
4月25日まで期間限定

 日本の玩具メーカー大手、バンダイが2019年に分社化し設立したBANDAI SPIRITS(バンダイスピリッツ)が、世界最高クオリティのフィギュアブランドとして展開する「魂ネイションズ(TAM
ASHII NATI
ONS)」のポップアップ店をマンハッタンの5番街に期間限定でオープンし話題を呼んでいる。

 魂ネイションズがハイターゲット市場に向けて発信するコレクターズ向けのフィギュアは、世界中に数多くのファンが存在しており、ドラゴンボールやガンダムといった日本が誇る有名キャラクターのハイクオリティ商品を日々開発、販売している。今回、ニューヨークで初のお目見えとなったポップアップ店には、エヴァンゲリオンや鬼滅の刃、スターウォーズなどの魂ネイションズ・ブランドの商品が一挙陳列、展示販売されているほか、今後発売になる商品の先行展示や『プレミアム バンダイ USA』予約限定品の展示も行われている。また、全米で公開されたばかりの「ゴジラ vs コング」の巨大立像や、劇中で使用された小道具など通常では一般公開していないレア・アイテムも展示し、さらに、普段はなかなか入手できない貴重フィギュアの販売もしているため、アニメ・ファンはもちろん必見、今までフィギュアを買ったことがない人でも十分に楽しめる展示内容となっている。商品の購入者は非売品のグッズを入手できるなど、期間限定ならではの特典も豊富に用意されている。

 場所は5番街605番地(48丁目と49丁目の間、東側)、営業時間は午前11時から午後7時まで。開催期間は4月25日(日)まで。詳細はウェブサイトhttps://www.tamashiinations.com/popup/ny2021/を参照。

8万人復帰

来月で在宅勤務終了
NY市全職員職場へ

 デブラシオNY市長は23日、新型コロナウイルス対策として昨年3月から継続している市職員の在宅勤務を終了し、5月3日から順次、出勤すると発表した。また、それに伴う民間企業の活性化にも期待感を示した。ニューヨーク・タイムズ紙電子版によると、在宅勤務をしている市職員は市警職員や消防士らを除き約8万人。デブラシオ市長は、ソーシャルディスタンスや室内の換気設備など「厳格な安全措置を取る」と述べた。職員のワクチン接種は義務化していない。

ワクチンでドーナツ

文具店では証明書ラミネート無料サービスも

 米ドーナツチェーン「クリスピークリーム」は、3月22日から今年いっぱい(12月31日)まで、新型コロナウイルスのワクチン接種後に手渡される接種カードを持参するとドーナツが1日1個無料でもらえるキャンペーンを開始した。無料ドーナツはクリスピークリームの「オリジナルグレーズド・ドーナツ」で、米国内の各店舗(店頭、もしくはドライブスルー)で実施している。

 さらに26日、ブルックリンのデカルブにあるチーズケーキが有名なレストラン「ジュニアズ」(386 Flatbush Avenue)が、同じくワクチン接種カードの提示でカップケーキサイズの同店オリジナル・チーズケーキを無料提供すると発表。キャンペーンは5月31日(月)のメモリアルデーまで実施される。

 次々と発表される無料サービスにより、ワクチン接種の促進につながると市民から歓迎の声が上がる一方で、肥満は新型コロナウイルスを重症化させるという理由から賛否両論が起きている。ある医師は、米国では肥満で多くの貧困者や脆弱な人々が亡くなっていると指摘している。ステイプルズとオフィスデポはCDC発行のワクチン接種記録カードの無料ラミネートサービスを発表している(今後旅行時などにカードの携帯が必要になることが見込まれるため、破損を防ぐ目的)。

コロナで入院の日本人。退院して帰宅したらアパートの私財が捨てられていた。

 イーストビレッジに住む日本人男性が新型コロナウイルス感染で2か月入院し、帰宅したところアパートが空になっていたという事件があった。

 ナガオカ・ラオさん(60)は1月27日、エレベーターのないアパートの5階で助けを求めているところを発見され、新型コロナウイルス感染で入院した。闘病生活は脚のリハビリを含めて約2か月に及んだが無事治療を終え3月25日に帰宅。ドアを開けようとしたところ鍵が変えられており、開けることができなかった。ビルの管理人にドアを開けてもらい部屋に入ったところ、残っていたのはピアノと数点の物だけだった。ナガオカさんは「率直に言って、それは悪夢のようなものです」とメディアの取材で語っている。

 アパートの住人によれば作業員が来て部屋の中を片付けてしまったという。アパートの管理人に預けていたペットの亀は無事だったが、管理人は他の荷物がどこに持って行かれたのか「わからない」という。

 アパートの建物は著名投資家のバーバラ・コーコラン氏と元メジャーリーガーのアレックス・ロドリゲス氏が所有しているもの。コーコラン氏は管理会社が部屋を完全に改装したとの声明を発表。それには「ナガオカ氏の健康状態が悪化していることを考えると、彼のアパートの状態は、建物の他の居住者の健康にとって明らかに危険になっている」と荷物撤去と改装の理由が書かれている。

 改装されたのは事実でキッチンには新しいオーブンと冷蔵庫があり、壁は塗り替えられ、天井にあった穴も修理されていた。しかし浴室の水道が使えないなどの不都合もあった。こうした状況のなか、隣人らはナガオカさんに生活に必要な物を寄付して援助。そしてある隣人がクラウドファンディングを開始し、すでに3万5000ドルを集めた。その最大の寄付者はコーコラン氏だという。

ワクチン・パスポートNY州で発行

接種状況や感染及び抗体検査履歴を証明するアプリ

  アンドリュー・クオモNY州知事は3月26日、米国では初の試みとなる新型コロナウイルスのワクチン・パスポートを発行する計画を発表した。 

 同プログラム「エクセルシオール・パス」(エクセルシオールは、向上を意味するNY州の標語)は、ワクチン接種状況や感染および抗体検査の履歴を証明するアプリで、イベント参加やビジネスの場で利用できる。報道発表によると、同アプリは「モバイル搭乗券のように印刷またはスマートフォンにダウンロードでき、QRコードで感染状況を相手に提示できる」という。 

 マジソン・スクエア・ガーデンやオールバニーのタイムス・ユニオン・センターなどの大型施設では2日から同アプリを導入しており、今後は小規模の芸術、娯楽、イベント施設での使用を拡大していく。同州知事は「市民の健康かそれとも経済かという質問の答えは、両方とも重要であるということ。次々とニューヨーカーが接種を受けていき、今後数か月で市民の健康指標は順調に最低値に向かって減少していくだろう。エクセルシオール・パスは、配慮ある、科学に基づいたツールとして復興に導くだろう」と伝えている。同アプリの詳細、ダウンロードはepass.ny.govを参照する。