編集後記

編集後記

 みなさん、こんにちは。アイヌ音楽の旗手、 OKI(加納沖氏)率いる「OKI DUB AINU BAND」のコンサートが4日、ジャパン・ソサエティーで開催されました。OKI氏は自らのルーツをたどり、アイヌ独特の楽器トンコリの奏法を掘り起こし可能性を追求しつつ、レゲエ、ダブ、 R&B、ジャズ、ワールドミュージックなど世界のルーツ音楽を織り交ぜた新しい音楽表現に挑戦し続けている音楽家です。今週号の3面で記事を掲載しています。


 OKI氏は、鎌倉で生まれ、自分がアイヌと知らずに幼少期に離婚した日本人の母親に育てられたそうです。20歳を過ぎてから自らの出生を知ることに。アート研究中の文献の中で、ビッキー・砂川の名前を見つけ実の父親と確信、冬の阿寒を訪ねて実父と会います。「よくきたな」と言った父親と抱き合って涙を流した。でも自分がアイヌであるということを受けいれることに抵抗があったOKI氏は、何者でもない誰かになることを探すため1987年にニューヨークに移住したのでした。そして1993年、帰国中に訪れた旭川で樺太アイヌの弦楽器、トンコリに出会い、サハリンロックの演奏家になることを決意したそうです。


 「アイヌの町にある酒場に初めて入った時にカウンターに座っていたアイヌの常連客たちが振り向いた時の目を忘れることはできない。それはまるでアメリカの西部劇の映画で、酒場に入って来たよそ者を排除する嫌悪の視線だった」と講演で話しました。彼は、北海道地方に縄文時代から住んでいたと言われるアイヌ民族のそのベールに包まれた生活様式や文化を現代の日本に音楽を通じて伝える文化の伝達者(correspondent of culture )と言えるでしょう。ジャパン・ソサエティーでのサハリンロックは、加納沖というごく普通の日本人青年が、ある日、自分のルーツの旅を経てたどり着いたアイヌ民族の魂と自らの魂「OKI」を共鳴させたステージでした。


 北海道の釧路市で生まれた私も、幼稚園の頃、親の会社の社員旅行で阿寒湖に行って、民族衣装を着て観光客相手の記念写真を撮った記憶があり、その写真も古いアルバムに今もまだ貼られています。マリモようかんが、爪楊枝でプチンと弾けるのが不思議だったことと、アイヌの民芸品店で見た熊の木彫りがどれも鮭を咥えているのが印象的でした。男性たちが男性ガイドさんからバスの中で「~さん鹿撃ちに行きましょう」などと話していたのを覚えています。実際に行ったのかどうかは知りませんし、記憶にありません。大学生になって帰郷した折に母親のドライブで再び阿寒湖に行ったのが最後です。いまは昔ですが、口の青い刺青と幾何学模様の衣装がいいですよね。8月にまた大勢のアイヌの人々がジャパン・ソサエティーで文化イベントをするそうです。先住民族と言う意味ではアメリカインディアンの人たちに通じるものがあります。文化人類学的な面でもっと知らなかったことが学べそうで今から楽しみです。また、紙面でご報告します。それではみなさん良い週末を。(週刊NY生活発行人兼CEO、三浦良一)


【今週の紙面の主なニュース】(2026年6月13日号)

(1)ペン駅で通行人刺される 6人負傷し構内騒然

(2)柏木みどり 魔性の女カルメン披露

(3)世界の子供の夢でNY絵画展  西側愛弓さん

(4)アイヌ文化の伝達者OKI ジャパンソサエティーでサハリンロック

(5)日本で静かに広がる排外感情   冷静彰彦

(6)日系3団体でW杯応援

(7)サッカー青年を発掘 米国で日本サッカー協会

(8)海外結婚相談室 バイリンガルな子供の未来と可能性

(9)ジャパン・カッツ30作品  広瀬すずさんを表彰

(10)トライベッカ映画祭 「メモリィズ」上演

ペン駅で通行人刺される 6人負傷し構内騒然

 マンハッタンのペンシルベニア駅で6月7日夜、複数の通行人が刃物で刺される事件が発生し、6人が負傷、一人が重傷を負った。容疑者は現場で拘束され、当局が動機などを調べている。 

 消防署の広報担当者によると、午後7時頃、ニュージャージー・トランジットのコンコースで複数の人が刺されたとの通報が911で寄せられた。駅構内の店で働く従業人らによれば、通行人があわてて逃げ出し、一時パニック状態になったという。ニューヨーク市消防局(FDNY)によると、負傷者のうち1人が重傷、2人が中程度のけがを負い、残る負傷者は比較的軽傷だった。負傷者の大半はマンハッタンのベルビュー病院へ搬送された。 

 捜査当局によると、容疑者はアムトラック警察によって身柄を確保された。軽傷でワイル・コーネル医療センターに搬送されたが、8日までに氏名や起訴内容は公表されておらず、被害者同士に関連があるのか、あるいは無差別的な犯行だったのかも明らかになっていない。複数の報道機関は、容疑者がホームレス状態にあった可能性や精神的な問題を抱えていた可能性を伝えている。 

 ペン駅は全米で最も利用者の多い鉄道ターミナルの一つで、マジソン・スクエア・ガーデン(MSG)の真下に位置する。事件発生の翌8日にはトランプ大統領とマムダニ・ニューヨーク市長も観戦するNBAファイナル第3戦がMSGで組まれており、その前夜に無差別刺傷事件が発生したことになる。このため周辺の警備体制強化にも注目が集まっていた。ただし、捜査当局は現時点で事件と試合との関連は確認されていないとしている。 

 マムダニ市長は声明で「負傷された方々、そのご家族、そしてこの許しがたい暴力によって動揺されたすべての方々に、心からお見舞い申し上げます」とSNSに投稿、被害者への見舞いを表明するとともに、迅速に対応した警察や救急隊員を称賛した。事件の詳しい経緯については引き続き捜査が進められている。

 FIFAワールドカップの球場への交通の要衝となる駅だけに治安当局は警備に神経を尖らせている。

 ニューヨーク日本総領事館は事件の夜、在留邦人に緊急メールで事件発生を伝達し「移動に際してはニュース等で最新の関連情報の収集に努めることをおすすめします」と警告した。 

(写真)事件があったアムトラック改札近く(8日午前、三浦良一撮影)

柏木みどり 魔性の女カルメン披露

 日本を代表する舞踊家・振付家の柏木みどりが3日、ニューヨークのフローレンス・グールド劇場で特別公演を開催し、日本舞踊、ジャズダンス、モダンダンスを融合した柏木みどり独自の舞踊世界を見せた。

 第一部の日舞「時は過ぎても」で妖艶な日本人形のような姿で会場を魅了した後、第二部の「魔性の女カルメン」では、男女の恋の駆け引きをデフォルメした強烈な演技で情熱的な恋愛の悲劇を表現。
 「カルメンは、荒くれで男を狂わせる魅力があり、そして男を破滅させる魔性の女なんです。自分にはないそんなところに強く惹かれて踊ってみたいという気持ちになりました」と話していた柏木だが、舞台ではカルメンが踵を返してツンと鼻を立てて男を振る仕草は、柏木の持って生まれた鼻高女そのものの気高さで魔性の女を見事に演じた。

 今回無料公演にしたのは、広く一般の日米の観客も見てもらいたいとの柏木本人の強い思いからで、9回目となったカルメンの舞台は、舞踊家の頂点を飾るのにふさわしい集大成となった。

 柏木は、6歳より日本舞踊を始め、15歳で柏木流名取を取得。その後、女優活動を経てニューヨークへ渡り、フレッド・ベンジャミン氏やジョジョ・スミス氏らにジャズダンスを師事。

 帰国後は独自の舞踊スタイルを確立し、日本舞踊の繊細な表現と現代ダンスの躍動感を融合させた作品を国内外で発表。これまでニューヨークやベルリンなど海外でも公演を成功させ、ニューヨーク・タイムズ紙をはじめとする各国メディアから高い評価を受けている。 (三浦良一、写真も)       

世界の子供の夢でNY絵画展  西側愛弓さん

株式会社CO X CO CEO

 日本に拠点を置く株式会社COXCOが今月30日(火)まで、エースホテルNY(西29丁目20番地)で「ドリームアート展」を開催している。貧困・難民・紛争など困難な状況を生きる12か国の子どもたちが描いた122点の原画を一堂に集めたドリームアート・プロジェクト初の国際展覧会。困難な環境に置かれた子どもたちの原画を世界規模で収集・保存するアートプロジェクト。代表の西側愛弓さんが神戸女学院大学在学中の2015年にフィリピンで始めた活動だ。現在はアジア・アフリカ・中南米・欧米など12か国のNPOネットワークと連携し、ホームレス状態にある子どもたちや紛争地域や難民の子どもたちが描いた作品をCOXCOが収集、保管している。今回は、フィリピン、タイ、スペイン、カンボジア、ブラジル、オーストラリア、メキシコ、ケニア、アメリカ、イギリス、フランス、日本の12か国が参加。西側さんのフィリピン、ケニア、タイは日本人女性が運営する施設の参加だ。

約80人が来場した3日のオープニングレセプション(写真・大森めぐみ)

 西側さんは「DREAM ART Projectは、単にアート作品を集めるプロジェクトではなく将来的には財団化し、子どもたちの『経験格差』を縮める取り組みへと発展させていきたいと考えています」と話す。

 会場では、プロジェクトの集大成として刊行した「DREAM ART BOOK」(7言語)と限定マーチャンダイズが販売されている。売り上げの5%は、作品を描いた子どもたちとその地域コミュニティに直接還元される。同プロジェクトは、NY ADC(アート・ディレクターズ・クラブ)2023年度のゴールド賞・メリット賞を受賞するなど、アジアを代表する子どものアートプロジェクトとして国際的な評価を得ている。同展が初の海外デビューとなる。 (三浦)

アイヌ文化の伝達者OKI ジャパンソサエティーでサハリンロック

 アイヌ音楽の旗手、 OKI(加納沖)率いる「OKI DUB AINU BAND」のコンサートが4日、ジャパン・ソサエティーで開催された。OKIは自らのルーツをたどり、アイヌ独特の楽器トンコリの奏法を掘り起こし可能性を追求しつつ、レゲエ、ダブ、 R&B、ジャズ、ワールドミュージックなど世界のルーツ音楽を織り交ぜた新しい音楽表現に挑戦し続けている。

(写真上)ジャパン・ソサエティーで演奏するOKI (Stage photo by Richard Termine)

 また、コンサート翌日の5日には、トークイベントを開催し、新作映画の上映やOKIがアイヌの生活やその独特の楽器トンコリなどについて語った。

 NY初上映された映画『普段着のアイヌ』は、トンコリ奏者として国内外で活躍するOKIを監督に迎え制作されたドキュメンタリー映画だ。この映画は、昨年発表され、国立アイヌ民族博物館で上映されており、開館以来初のシアター新作。 天内重樹の狩猟、熊谷カネの料理、瀧口夕美のアイヌ語という出演者それぞれの生きがいをテーマに、今の時代を生きる「普段着のアイヌ」を映し出すドキュメンタリー作品だ。

 監督のOKIは、鎌倉で生まれ、自分がアイヌと知らずに幼少期に離婚した日本人の母親に育てられた。20歳を過ぎてから自らの出生を知る。アート研究中の文献の中で、ビッキ砂澤の名前を見つけ実の父親と確信、冬の阿寒を訪ねて実父と会う。「よくきたな」と言った父親と抱き合って涙を流した。だが自分がアイヌであるということを受けれることに抵抗があったOKIは、何者でもない誰かになることを探すため1987年にニューヨークに移住した。1993年、帰国中に訪れた旭川で樺太アイヌの弦楽器、トンコリに出会い、演奏家になることを決意した。演奏と楽器制作を独学で習得し、独自の音楽レーベルChikar Studioを設立。現在は、日本国内始め海外演奏活動を続けている。

 「アイヌの町にある酒場に初めて入った時にカウンターに座っていたアイヌの常連客たちが振り向いた時の目を忘れることはできない。それはまるでアメリカの西部劇の映画で、酒場に入って来たよそ者を排除する嫌悪の視線だった」という。第二次世界大戦終了後、サハリン、樺太に定住していたアイヌたちは退きを強制され北海道に移り住んだため、今はアイヌの足跡は現地にはほとんど残っていないという。

 OKIは、北海道地方に縄文時代から住んでいたと言われるアイヌ民族のそのベールに包まれた生活様式や文化を現代の日本に音楽を通じて伝える文化の伝達者(correspondent of culture )と言える。ジャパン・ソサエティーでのサハリンロックは、ごく普通の日本人青年だった加納沖が、ルーツの旅を経てたどり着いたアイヌ民族の魂と自らの魂「OKI」を共鳴させたステージだった。  (三浦良一記者、写真も)

日本で静かに広がる排外感情、深刻化が迫る現状は? 冷静彰彦

 2025年の参院選で参政党が躍進して以来、日本社会には一つの大きな変化が起きた。それは「排外を語る」ということへのタブー意識が消滅したということだ。世界各国との友好関係を大切にし、国内においては外国人を「おもてなし」の対象として、日本文化が「クール」だと評価されることを素直に喜ぶ日本人はこの時点でどこかへ消えてしまった。

 一つだけ、この変化の中で評価できることがあるとしたら、日本が貧しくなったことを認め、怒るという態度である。長らく見栄を張って見て見ぬふりをしてきた日本人が、ようやく日本経済の衰退を曲がりなりにも認めたということは正しい。けれども、その怒りや気づきが、同時に排外感情の封印を解き放つということになったのは、実に「だらしない」ことであり、落胆を禁じ得ない。

 排外感情が野放しになれば、やがて言動はエスカレートしてゆく。SNSやヤフコメで恥じることなく「垂れ流される」排外感情は、AIのおかげで瞬時に各国語に翻訳される時代でもある。その恥ずかしい言辞が世界に拡散してゆくにつれて、このままでは、やがて日本や日本文化への称賛は雲散霧消してしまうであろう。そうなれば観光業だけでなく、交通運輸関連なども含めて日本のGDPの多くを占めるインバウンド消費も消えてしまう。現状では、与野党問わず、世論の排外的な深層心理に迎合こそすれ危機感はまるで薄いのが現状であり、現状は極めて危機的だ。

 日本で排外感情が拡大していることが、国際社会に知れ渡った場合に、困るのは観光業だけではない。排外感情が拡大するということは、日本は移民を歓迎しないということを内外に宣言することになる。そうなれば、国全体の人口は少子化の加速と自然減により急角度での減少を続けることは確定的となる。内需を中心とした産業へは投資は集まらないであろうし、GDPそのものへの将来的な期待も不可能になってくる。そうした流れの先には、最終的には円安が一段と加速するに違いない。

 それにしても、個々の排外的な感想や心理を点検してみると、そのほとんどが誤解や無知から来ていることに驚かされる。例えば、よくある感想というのが、自分たちが汗水垂らして働いている平日に、大勢の外国人観光客が街を占領しているのは不愉快というものだ。欧米だろうがアジアであろうが、20代から30代になると日本文化とともに育った世代であり、日本文化への畏敬や礼賛は生粋のものとしてある。一方で、大卒の知的労働であれば米ドルで6桁の年収を得つつ、各人が計画的に有給休暇を取得しているだけだ。そのような相手の側の事情を理解しようともせず、まるで日本に異国人が来てカネの暴力を行使しているというのは、言いがかりも甚だしい。批判されるべきは、グローバルな賃金相場を確保できない日本経済や有給取得を計画的にできない労働慣行にあるのは明らかだ。

 例えば、「潤日(ルンリィー)」といって、若い中国人が中国の苛酷な競争や不自由さを忌避して、日本に夢を抱いて来日するという現象が話題になっている。これが、日本の自由や安全に「ただ乗り」しているとか、中国資本に日本が乗っ取られるとして排外感情のターゲットになっている。例えば、中国の若者が農業の後継者確保や、酒蔵の経営承継などに名乗りを上げて投資をしているのだが、そうした動きも警戒の対象になっている。けれども、農業にせよ酒蔵にせよ、日本人の若者や女性が資金を投資しようとしても、高齢男性中心の社会は「若造や女性のくせに偉そうに」などといって拒絶してきた歴史があるわけで、問題があるとしたら、その点を告発するのが先であろう。

 最大の問題は、「見た目」が日本人と異なる人、流暢な日本語を話さない人に対しては、仲間と認めないといった人種差別の言動が知らぬ間に浸透してきたことだ。この点に関しては、在米の日系人・日本人のコミュニティとして看過できない。例えば、複数のバックグラウンドを持つ日系2世3世の若者を、何の不安もなく日本への留学などに出せない時代がすぐそこまで迫っているのを感じる。今ならまだ間に合う。在外公館や国際企業をはじめ、本国の教育機関や官界、財界など総掛かりで、日本国内における排外的な言動に対して真剣に対抗してゆかねばならない。

(れいぜい・あきひこ/作家・プリンストン在住)

日系3団体でW杯応援

観戦イベント14日

初戦のオランダ戦観戦

 ニューヨーク日本商工会議所(JCCI)、日本クラブ、ニューヨーク日系人会(JAA)ヤング・プロフェッショナルズ3団体共催によるワールドカップ、サムライブルー(日本代表)応援イベントが、14日(日)午後4時から(開場は午後3時)プレイライト・アイリッシュパブ2階にあるイベントスペース(西35丁目27番地)にて開催される。日本チーム初戦となるオランダ戦を応援する。

 当日はニューヨーク・シティFCとニューヨーク・レッドブルズの代表者が参加するほか、両チームの観戦チケットや限定グッズなどが当たるラッフル抽選会も実施。さらに、地元MLS(メジャーリーグサッカー)チームの代表者も参加する。 

 入場料20ドル(1回分の無料ドリンク券付き)。ラッフルは1枚 10ドル(現金のみ)。申し込み・詳細はウェブサイトhttps://www.nipponclub.org/eventを参照する。

42丁目はバス走行のみ
ワールドカップ期間中

 ゾーラン・マムダニNY市長は5月29日、2026・FIFAワールドカップ期間中の交通計画を発表した。サッカーファンやイベント参加者が押し寄せるミッドタウンの混雑を緩和するため、メットライフ・スタジアムで試合が行われる6月13、16、22、25、27、30日、7月5、19日は、42丁目の5〜12番街はバスとシャトルのみ通行可となる。同区間は、観戦者を運搬するマンハッタン〜メットライフ・スタジアム(リンカーントンネル経由)の公式シャトルバスの運行路になるため、順調な運行を促すために一般車両の通行止めを実施する。

 同シャトルはポートオーソリティ・バスターミナル、コロンバスサークル、グランドセントラル駅そばに停車する。また6番街の42〜59丁目にはバス専用レーンを2本確保し、5番街に既存のバス専用レーンはワールドカップのシャトル使用となる。リンカーントンネル近くの西40〜41丁目の一部もバスとシャトル走行のみとなる。

 一般車両の通行止めは、試合開始キックオフの6時間前〜試合終了後3時間となる。同市長は試合開催日を「グリッドロック(道路網がロックされる)アラートデー」とし、車の運転やタクシー利用は避け、徒歩や自転車、公共交通機関を利用するよう呼びかけている。詳細はhttps://www.nyc.gov/mayors-office/news/2026/05/mayor-mamdani-announces-midtown-transportation-plan-to-keep-new-を参照する。

期間中に追加列車
MTAが今月から来月

 都市交通局(MTA)は、今月から来月にかけて開催されるFIFAワールドカップの試合が行われる8日間、複数の地下鉄路線で臨時列車を運行すると発表した。MTAの会長兼CEOであるジャノ・リーバー氏は4日、試合当日のペン駅やポート・オーソリティ・バスターミナルを結ぶC、1、F線を含む地下鉄路線で、列車の本数を増やすと述べた。

 また、週末の試合開催日には午前10時から午後10時30分までの間、C線と1線の運行本数を増やす。この路線の運行強化は、サッカーの試合観戦に向かう観客がニュージャージー・トランジットやワールドカップのシャトルバスに乗り継ぎ、試合が行われるメットライフ・スタジアムへ向かう際の利便性を高めることを目的としている。また、ホウクルNY州知事は「不必要な渋滞を防ぐため、試合開催日にはミッドタウン周辺での工事を一時停止する」と述べている。

サッカー青年を発掘 米国で日本サッカー協会

8月に加州で選考合宿

 日本サッカー協会(JFA)がアメリカで初開催するタレント発掘キャンプ「FUTURE CAMP」の参加者募集が開始された。このキャンプは、アメリカ在住の日本にルーツを持つ若いサッカー選手を対象に、JFAが直接選考し、将来の日本代表候補となる選手を発掘・育成することを目的とした取り組み。対象は2010年〜2011年生まれの男子選手で、日本国籍保有者、または親が日本国籍を有する、将来的に日本国籍取得予定者。参加費無料、宿泊費・食費は主催者が負担する。定員25人。

 キャンプの日程は8月3日から6日、カリフォルニア州アーバインにて。応募締め切りは6月12日(金)。応募・詳細は公式サイトhttps://jfa.jp/youth_development/jfa_future_camp/を参照する。

海外結婚相談室 バイリンガルな子供の未来と可能性

日米の架け橋となる我が子を特等席で見守る幸せ 

 ニューヨークのみなさま、こんにちは。国際結婚相談所TJMの松本直子です。アメリカでは6月半ばから長い夏休みが始まりますね。お子さんのいるご家庭ではキャンプなど学校外活動に忙しい季節ですが、日本への一時帰国を利用して、現地の公立校へ体験入学させる家庭も多くあります。海外在住の子どもを受け入れてくれる日本政府の粋な計らいは、素晴らしい体験の場となっています。

 独身のみなさまには少し先の話に聞こえるかもしれませんが、海外で結婚して子どもを授かると、家庭では日本語、外では英語という環境の中で、子どもたちは自然と完璧なバイリンガルに育っていきます。もちろん、補習校に通わせるなど親の努力やサポートは欠かせません。

「お父さんの英語、わからない!」から始まる未来 〜海外で育むバイリンガルの可能性〜

 しかし、その苦労を吹き飛ばすような瞬間が訪れます。ちょっと前まで赤ちゃんだった我が子が、成長するにつれて英語力を爆発的に伸ばし、いつしか両親を追い抜いてしまうのです。「お父さん、その英語ちょっと意味わからない!」なんて生意気を言われるのも、海外育児ならではの微笑ましいひとコマです。

 日米双方の文化を肌で知る子どもたちは、将来、進学も就職も地球規模で選べるようになり、その選択肢は無限に広がります。彼らはやがて、2国間の架け橋となる「民間の大使」として社会に貢献していくことでしょう。

 言葉や文化の壁を乗り越え、自分たちの手で新しい可能性を育て、世界へ羽ばたく姿を特等席で見守る。これほどエキサイティングで愛おしい人生のプロジェクトが他にあるでしょうか。そのすべての始まりは、あなたが踏み出す未来への第一歩です。あぁ、やっぱり結婚っていいですね!

松本直子

国際結婚相談所TJM代表。米国を拠点に、世界でパートナーを探す日本人女性と海外男性の良縁を繋ぐ。温かく丁寧な支援で成婚へ導く。  https://traditionaljapanesematchmaker.us/

ジャパン・カッツ30作品  広瀬すずさんを表彰

是枝裕和監督は18日に登壇

 北米最大の新鋭日本映画祭「ジャパン・カッツ」が7月8日(水)から18日(土)までの10日間にわたり、ジャパン・ソサエティー( 東47丁目333番地)で開催される。19回目を迎える今年は、グローバルテクノロジー企業のキヤノン(Canon)が初の冠スポンサーを務め、30作品以上の最新の日本映画(長編・インディーズ・アニメ・ドキュメンタリーなど)の上映が発表された。

 映画界への優れた貢献を称える今年の「カット・アバウブ賞」は、女優の広瀬すずさんに授与される。7月13日(月)のセンターピース上映会には本人が登壇し、質疑応答やレセプションが行われるほか、彼女の出世作である是枝裕和監督の『海街ダイアリー』のリバイバル上映も予定。是枝監督(=写真中央 ©瀧本幹也)は最終日18日(土)に登壇する。

 センターピース作品『遠い山なみの光(A Pale View of Hills)』は、ノーベル賞作家カズオ・イシグロのデビュー小説を石川慶監督が映画化し、広瀬すずさんが主演を務めた話題作のニューヨーク・プレミア上映。クロージング作品の『箱の中の羊(Sheep in the Box)』は、カンヌ国際映画祭の公式セレクションにも選ばれた、是枝裕和監督の最新作が北米プレミア上映される。主演は綾瀬はるかさん。詳細は公式サイトhttps://japansociety.org/film/japancutsを参照。

トライベッカ映画祭 「メモリィズ」上演

坂西監督が来米

写真撮影のこだわり語る

 トライベッカ映画祭が3日に始まり、日本からは坂西未郁監督の「メモリィズ」が選ばれ、6日にはビレッジ・イースト・バイ・アンジェリカ映画館での世界初上映に坂西監督が登壇した。

(写真右)レッドカーペットに立つ伊達真人プロデューサー(左)と坂西監督(右)

 同作品は、写真館を営む義父(イッセー尾形)が骨折したことで世話をしに田舎に来た雄太(柄本佑)の心の描写。義父の仕事ぶりや東京にいる妻子とのスマホ映像の交流、田舎でのささいな光景を通じて、記録と記憶から家族の人生を静かに描く。

 坂西監督にとって初の長編作品。質疑応答では、「スマートフォンで気軽に映像を残せる時代だからこそ、記録をテーマに日常を描きたかった。日常に同じ時間は一つもないから」と説明。会場からの「写真と監督の関係について知りたい」との質問に「高校時代からスマホ。でもスマホだと決定的じゃない瞬間も撮る。よしあしではないが、カメラだと覗いた時に撮るか撮らないか一瞬考える」と答え、小型カメラでパチリと撮影して会場を和ませた。

 同映画祭は今年で25周年を迎えた。世界初上映が多く新鋭による映画が観られるとあって目の肥えた映画ファンや映画関係者が集まることでも知られている。上映後には坂西監督と個人的に話す人や「おめでとう、すばらしかった」と声をかけて会場を後にする人の姿が目立った。日本では、ロケ地となった大分県竹田市で一般公開を済ませ、12日からは全国各地の劇場で公開される。 (小味かおる、写真も)