キッズ映画祭開幕

Photo: Courtesy of Northwest Film Forum

ブルックリンのBAMで2月1、2日
世界30か国から87作品

 第22回「キッズ・フィルム・フェスティバル」が2月1日(土)と2日(日)の2日間、ブルックリンのバム(BAM=ブルックリン・アカデミー・オブ・ミュージック)内にあるローズシネマ(30 Lafayette Ave)で開催される。 
 毎回世界各国からの短編長編を含めた子供向けフィルムを北米ファンに紹介するショーケース。今回は約30か国から短編を含む87作品を集め、ほとんどの作品がニューヨーク初公開、うち数作品は世界初公開。日本からは、イラストレーターでアニメ作家のきしあやこ作品「ヒロとハナ、ラッコのお気に入り」が公開される。2月から3月にかけてニューヨークで開催される国際アニメ・フェスティバルの前哨戦とされる同フェスティバルに参加し、アカデミー賞受賞候補になった作品もあり、2日間で約5000人の親子を観客に動員する全米で有数の子供向けフェスティバルのひとつ。期間中、映画製作者が顔を見せるほか、コンサートやパフォーマンス、パペットのマスタークラスやワークショップなどのイベントも多数予定されている。
 入場料は大人・シニアが15ドル、会員・13歳未満が10ドル。チケットは劇場窓口、またはオンラインから購入できる。詳細はウェブ www.bam.orgを参照。

「れいわ一揆」上映

MoMAで2月12日
原一男監督が来米

 日本映画「れいわ一揆」(原一男監督)が2月12日(水)午後6時15分からニューヨーク近代美術館(MoMA)で北米プレミアとして上映される。同美術館が2月5日から19日まで開催するドック・フォートナイト2020参加作品として上映される。
 選挙ドキュメンタリー作品で、東京大学東洋文化研究所教授・安冨歩は2013年以来、「もっとも自然に生きる事ができる」スタイルとして、女性服を着る「女性装」を実践していた。
 彼女は、山本太郎代表率いるれいわ新選組から参議院選挙の出馬を決める。選挙活動を通して彼女が一貫して訴えるのは、「子どもを守ろう」。新橋SL広場、東京駅赤レンガ駅舎前、阿佐ヶ谷駅バスターミナル他都内各地から旭川、沖縄、京都まで白馬の相棒「ユーゴン」とともに全国を巡ってゆく。そして故郷の大阪府・堺市駅前に立った彼女は、美しい田園風景が無個性な住宅街に変わり、母校の校舎も取り壊されてしまい、喪失感を吐露し始める・・・「ニッポン=豪華な地獄をぶっ壊す!」と。

 令和元年夏、参議院選挙で注目を集めた「れいわ新選組」から出馬した安冨歩を中心に、10人の個性豊かな候補者たちを、「ゆきゆきて、神軍」の原一男が鋭く迫った。昨年の東京国際映画祭でワールドプレミアが行なわれ、世界の映画祭での上映が続々と決定し、選挙戦に留まらず、国内外の映画祭で注目を浴びている。過激な登場人物たちを通じて昭和・平成の時代を抉ったドキュメンタリー映画界の鬼才が、令和に突如現れた話題の政党にどのようにフォーカスしたのかを追う。
 監督の原一男は、87年、元日本兵・奥崎謙三が上官の戦争責任を過激に追究する『ゆきゆきて、神軍』を発表。大ヒットし、日本映画監督協会新人賞、ベルリン映画祭カリガリ賞、パリ国際ドキュメンタリー映画祭グランプリなどを受賞。
 庶民の怒りと叫びを描いた「ニッポン国vs泉南石綿村」は2018年にジャパン・ソサエテイーのジャパンカッツで上映され、昨年は原一男(疾走プロ作品)レトロスペクテイブがMoMAで行われ、その後、ハーバード大学ではドキュメンタリー・レトロスペクテイブ、フラハテイセミナーでは、3部作を上映し注目を浴びるなど寡作ながら、公開された作品はいずれも高い評価を得ている。
 映画のみの入場料は、一般12ドル。シニア10ドル、学生8ドル。上映時間4時間。購入はMoMAのウェブサイトwww.moma.org/calendar/film/5193

NYの街の歴史 「日常の写真」展

CC Train, New York, 1985, by Richard Sandler. ( Image courtesy Museum of the City of New York)

アッパーイーストサイドで

John Lennon and Yoko Ono in front of Dakota, New York, Nov.24, 1980, by Allan Tannenbaum.

 ニューヨーク市立博物館(5番街1220番地、電話212・534・1672)で写真展「ニューヨーク・ストーリーの収集:スタイベサントからシド・ヴィシャスまで」が1月21日から12月31日まで開催されている。
 ジョン・レノンとヨーコ・オノがダコタ・ハウスを背景にしたポートレートはアラン・タンネンバウムが1980年11月24日に撮影したもので、その2週間後の12月8日にジョンが暗殺されている。そのほか、ケンジ・ナカハシの1998年の作品「エンパイア・オン・ミラー」や、19世紀の最後のオランダ総局長であるペトリュス・スタイベサント所有のロウアー・マンハッタンの地図など歴史を物語る作品が展示されている。

人から人への感染心配

マスクをして歩く人たち(1月28日午後1時フラシンングで、写真・三浦良一)

予防に戦々恐々
人目気にせずマスク

 ニューヨーク市5区の中でもアジア系住民が多いクイーンズ区のフラシングは特に中国系移民が集中する町で大通りの交差点には漢字の看板が立ち並ぶ。地下鉄駅から地上に出ると日本のどこかの地方都市かと見間違うほどだ。マスク姿が多い。若者だけでなく中高年の男女もマスク顔が多い。「外出する時はマスクをしていたら安心か」と聞くと交差点で信号待ちの女子学生が目だけこちらに向けてうなずいた。米国ではマスクは工事現場の工員か「重病人」と宣言しているかのように怪訝な目で見られることが多く「予防」のためという意識がない。にもかかわらず、人目はばからずマスクをしている人が多い。ドラッグストアでは売り切れの店もあるという。
 新型コロナウイルスによる肺炎は、昨年12月に武漢市で報告され、旅行者を通じて海外にも広がった。世界保健機関(WHO)は新型コロナウイルスについて、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)を宣言するのは時期尚早と発表した。中国ではヒトからヒトへの感染があると発表している。ベトナムでも人から人への感染が確認されたと発表されている。潜伏期間中の感染が報告されており、予防が難しくなっている。
 WHOによれば致死率は推定3%程度。この数字は2003年に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)の致命率9・6%よりは低い。SARSでは香港を中心に8096人が感染し、37か国で774人が死亡したとされている。
 新型コロナウイルスは中国に生息するアマガサヘビやタイワンコブラが感染源ではないかとの研究がある。特定の治療法はまだないが、対処療法と既存のウィルスワクチンは有効とされている。

武漢病毒研究所ウイルス流出説
米紙が示唆報道

 1月26日付ワシントン・タイムス紙は、コロナウイルスによる新型肺炎の感染源として武漢市にある「中国科学院武漢病毒研究所」との関連性を示唆する記事を掲載した。同紙のインタビューに答えたのはイスラエルの生物学的戦争の専門家で中国の生物兵器を研究している元イスラエル軍情報官のダニー・ショーハム氏。「中国科学院武漢病毒研究所は中国で最も進んだウイルス研究所で唯一バイオセーフティーレベル4(致命的レベルの)ウイルスを扱うことができ、犠牲者が武漢市に集中しているエリアに同研究所がある」と語っている。また24日付メトロ紙は英国の総合学術雑誌『ネイチャー』を引用し、2003年に大流行したSARSは北京の研究所から漏れたものだったと報じた。

コロナウイルス1分で死滅効果
スプレーを発売

 中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルス(2019-nCoV)感染拡大を阻止するため、世界のヘルスケア機関・企業が取り組んでいる。カナダの殺菌消毒製品を製造販売するMedicom社(本社モントリオール)は1月24日、新型コロナウイルスを1分で死滅させる殺菌スプレーとワイプ(拭き取り)タイプの「プロ・サーフェス」を発売した。また米国のInovio社は、ノルウェーの国際官民パートナーシップ機関CEPIから1000万ドルの助成金を受けて新型コロナウイルスワクチン「INO-4800」を開発、これから人への第1相試験が開始される。

神奈川の魅力を紹介

鎌倉シャツの皆さん。左から2人目が講演した貞末さん

ジャパン・ソサエティーでニューヨーカーに

鎌倉、箱根、横浜
歴史と文化が息づく県

 ジャパンソサエティー(JS)は23日、神奈川県をニューヨーカーに紹介するトーク&試食会イベント「歴史と文化が息づく魅惑の国際都市」を開催した。JSの特別企画「日本を知る(Get to Know Japan)シリーズ」の第5回目。
 講演ではマンハッタンのミッドタウンに店を構えるメーカーズシャツ鎌倉常務取締役の貞末奈名子さんが鎌倉を、小田急電鉄観光事業開発部課長・野田健一さんが箱根を、そしてジェトロ・ニューヨーク神奈川県北米駐在員の鈴木仁史さんが横浜を、と3人の講師がスライドを交えてそれぞれの街の歴史や観光名所、その魅力について紹介した。
 講演後は米国での販路拡大を狙う神奈川県の企業、メーカーズシャツ鎌倉、岩井の胡麻油、湯河原のちぼりスウシーツなど約10社が参加し自社の商品を展示と試食で来場者にPRした。
 岩井胡麻油の代表取締役社長・岩井徹太郎さんは「ハワイやロサンゼルス、サンフランシスコではすでに販売しているが東海岸はこれから。ニューヨークでこんなにいい反応があるとは思わなかった」と笑顔。参加者のひとり、マイケル・カニストさんは「日本にはまだ行ったことがないが、神奈川県は四季を通じてとても魅力的で歴史のある街だということを知った。日本に行く機会があれば訪れてみたい」と話した。また、参加者には三崎港のマグロ丼が提供され、神奈川県の酒造メーカー泉橋酒造と熊澤酒造の日本酒テイステイングも行われた。この日は約280人の参加者でチケットは完売し、会は大盛況だった。 (取材・写真:石黒かおる)

「NYの富士山」50周年祝う

マウント・フジ・ジャパニーズレストラン50年

創業者の藤田徳明さん(右)と一枝さん夫妻
EPSON MFP image

吉村順三作の日本家屋
レストランで愛される

 ニューヨーク州ロックランド郡ヒルバーンのレストラン「マウント・フジ・ジャパニーズ・ステーキハウス」本店で19日、創業50周年を祝うパーティーが招待客350人を招いて盛大に行われた。
 戦後日本を代表する建築家の吉村順三が1956年に設計して建てた山頂のホテルを78年に譲り受けて改修し、85年に現在の威風堂々のレストランをオープンして営業を続けている。
 創業者は、1964年の東京オリンピックでレスリング・グレコローマンスタイルの日本代表選手で4位に入賞した藤田徳明さん(故人)。ロッキー青木さん(故人)のベニハナで「ヒバチ・ステーキ」と呼ばれる鉄板焼ステーキハウスを米国で修業して独立開業、妻の一枝さんと力を合わせて店を繁盛させて最盛期にはニューヨーク、コネチカット、ニュージャージーに9店舗のヒバチステーキハウスを展開して成功を収めた人物だ。

レストラン入口のシンボルとなっている鳥居の前で多田夫妻

 現在は2005年に来米した多田貴将さんが藤田氏の長女のナンシーさんと結婚してあとを継ぎ、夫婦2人が力を合わせて両親が築き上げたホスピタリティーの遺産を守り新たな50年を見据えている。
 同レストランは建築物としての価値も素晴らしく、1957年8月に発行されたライフ誌に5ページに渡り、吉村順三の建築の美学としてこの建物を特集している。現在、米国に残る吉村の設計による建築物は、このほかニューヨークのジャパン・ソサエティーの建物、ホテル・キタノ、フィラデルフィアの松風荘、ニューヨーク郊外のロックフェラーの別邸などが有名だ。米国で育まれた和洋折衷のミッド・センチュリー・デザインが見事に再現されている建物でもあり、日本文化を発信する場としても次世代の新たなステップが期待できそうだ。

誠道空手新春稽古

5月に総本部新道場完成へ
マジソンスクエアガーデン近く

移転までは一時仮道場

 創立44年の世界誠道空手道(中村忠会長)の本部道場が今年移転する。移転先は、西30丁目252番地で、グランドフロア、中2階、地下室があり、これまで以上にゆったりとした広さと建物を確保した。場所はベンステーションとマジソン・スクエアガーデンから至近距離にある便利な場所。これまで総本部のあったマンハッタン23丁目の道場は昨年末で引き払ったが
移転先の内部改装のため、現在は一時仮事務所と練習道場として西27丁目113番地(6番街と7番街の間)に仮移転中だ。12日午前10時から新総本部で300人近い門下生が気合いを入れた朝稽古に汗を流した。
 新年にあたり中村会長の講話、範士チャールズ・マーティンと毎年、年次大会決勝で名審判ぶりを発揮している二代目の空手家、彰氏がスピーチ。新道場の内装工事は5月には完了予定。同道場の生徒は、日本国内20支部、全世界120支部で誠道空手を学ぶことができる。電話番号は従来通り212・924・0511。

ネット投票導入へ

在外選挙で投票する有権者たち(昨年7月5日、NY日本総領事館で)

在外選挙から実施

 高市早苗総務相は1月7日、海外に住む有権者の「投票環境向上を図るのは非常に重要だ」と記者会見で述べ、在外投票へのインターネット投票導入を着実に進める考えを明らかにした。総務省はネット投票実施の前段階として、まず在外投票の実証実験実施の準備を進めている。
 在外投票は2000年に導入され、国政選挙の投票ができるようになったが、低い投票率が懸案となっている。18歳以上の在外邦人有権者は約100万人いるが、登録しているのは約10万人と10分の1程度。名簿登録者を母数とする投票率は毎回20%前後にとどまるため、事実上の投票率は2%程度となる。
 在外投票は在外公館や郵送でできるものの、投票用紙を日本に送るため投票期間が短くなることに加え、公館から離れた所に住む有権者には負担が大きい。郵便投票の煩雑さも難点で、在外選挙人名簿への登録自体が少ないままだ。2019年から転勤や留学で出国する前に市区町村の窓口で登録申請が2019年から転勤や留学で出国する前に市区町村の窓口で登録申請ができるようになるなど一部改善は図られているが、思うようには登録は増えていない。
 2018年、総務省の有識者研究会は海外居住者の低投票率解消に向けネット投票導入を提言した。マイナンバーカードを使って本人確認をすれば、パソコンなどからどこでもすぐに投票ができ、投票期間も長くできる。同時に、開票時に投票者が分からないようにする投票データの暗号化も検討されている。
 マイナンバーは一生使うものだが、海外への転出届を出すとカードが失効してしまう。このため総務省は海外でもマイナンバーカードが継続して利用できるようマイナンバー法の改正に取り組む。なお、現状ではマイナンバーを持っていない在外邦人は日本の自治体で一度住民登録をしてマイナンバーカードを入手する必要がある。
 しかし、在外投票は、日本で住民票を抜いてきた海外在住者者にのみ資格を与えているため、住民登録をしていない海外在住邦人がいかにマイナンバーを取得できるようにするかが今後カギとなる。つまりマイナンバーを持っている国内在住者がだけが継続して使えるだけの法改正では、もともとマイナンバー制度が日本でできる前から海外にいた者が置き去りにされてしまう。それでは本末転だ。きたるマイナンバー法の改正が海外在住者の現状までを考慮したものになるのか注目される。パソコンやスマートフォンからできるネット投票は投票率のが低い若者や外出が困難な高齢者らの投票行動を後押しすると期待される。総務省は早ければ今年か来年に在外投票で試し、国内でも2022年の参院選からの導入を見込んでいる。